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トラックの暖房の仕組みに付いて
水冷式のエンジンで走る車の暖房システムは、トラックであれ乗用車であれ、エンジンの冷却水の廃熱を利用しています。
冷房の方は家庭用のエアコンと同じ方式ですが、暖房は車独自の方式です。
電気自動車のようにエンジンを持たない車の場合は、電気を動力にした暖房システムを採用することもありますが、エンジンが付いた車では、せっかくエンジンという熱源があるのですから、この熱を利用しないのはモッタイナイ話なので、実際、暖房はエンジンの熱を利用しています。
だから、乗用車でもトラックでも、水冷式のエンジンで走る車であれば、どれも同じ方式です。ガソリン車でもディーゼル車でも同じ方式です。
ただ、一部ユーザーの声として、走り始めに関してはガソリン車よりディーゼル車の方が暖房の効きが遅いという話は時々耳にします。特に寒冷地にお住いの方のなかにはこうした印象を持つ方がいるようです。
とは言え、多少の差はあるかもしれませんが、正常に機能している限り、実用上支障が出るほどの時間差が出ることは少ないのでは。
効きが遅いのではなく、効かない場合の原因は?
暖房の効きが遅いということではなく、効かないというケース。30分しても1時間しても暖かい風が出てこない場合、これは暖房システムが故障していることになります。
トラックの暖房が故障する原因としては、以下のものが考えられます。
- 冷却水が不足していて暖房が効かない
- サーモスタットが故障していて暖房が効かない
- ファンモーターが故障していて送風口から風が出てこない
- エアコンフィルターが汚れていて冷暖房効率が悪い
①の冷却水ですが、トラックの暖房システムはエンジンの冷却水の廃熱を利用していますから、冷却水そのものが不足していたら温まるわけがありません。というより、暖房の心配より先にエンジンの心配をすべきです。オーバーヒートになったら車が動きませんから。
②のサーモスタットの故障ですが、この部品は冷却水の温度管理をしています。異常な高温になっていないか、反対にいつまでたっても温度が上がらず低温のままでいないか、常時監視しています。サーモスタットが故障していたらエンジンの冷却システムが異常状態になるので、当然暖房にも不具合が出ます。
③のファンモーターの故障ですが、これはごく単純に温められた空気が車内に送り込まれないことになります。ブロアモーターとも呼びます。
④のフィルターですが、これは冷房にも暖房にも影響します。ちょっとした汚れならいいのですが、空気が通過しないほど目詰まりしていたら冷暖房効率が極端に悪化します。
修理費用・交換費用
上記不具合が発生した場合、修理費用・交換費用の目安は下記のようになります。
- 冷却水の補充・交換:1,000円~2,000円
- サーモスタットの交換:7,000円~12,000円
- ファンモーターの交換:30,000円~50,000円
- エアコンフィルターの交換:2,500円~6,000円
暖房システムの修理はDIYでは困難
車の修理に慣れている方はともかく、一般のユーザーにとってエアコン関連の修理はけっこう難易度が高いです。冷却水の管理くらいならできると思いますが、それ以外になってくると、そもそも不具合の原因特定が困難です。
自動車修理には「電装屋さん」という一分野があるくらいで、暖房や冷房に不具合がある車をディーラーや修理工場に持ち込むと、実際に修理するのは外注さんになることが多く、その外注さんが「電装屋さん」と呼ばれる分野の業者です。
トラックの暖房が効かない場合、できるだけ早めにプロの診断を受けたほうがいいと思います。
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