エアサスのレベリングバルブが故障するとどんな症状が?
トラックや一部高級車などに使われているエアサスは、一般的なサスペンションのスプリング部分にエアーバッグを装着し、このエアーバッグ内の空気の量を加減することで車高や衝撃吸収性の調整をする装置です。
エアサスのレベリングバルブとは、エアーバッグに空気を送り込む装置です。
具体的には、ハイトセンサー(車高センサー)が検知した車高のデータを基に、荷物や人員の大小にかかわらず、常に車高を一定の高さに保つよう、エアーバッグに送る空気の量を微調整します。
また、トラックなどでは、荷物を積む際に荷台を低くした方が便利なので、いったんエアーバッグ内の空気を空っぽにして車高を落とし、荷物を積み終わったら、今度は走行時の高さになるようにエアーバッグに空気を送ります。
こうした働きをするのがエアサスのレベリングバルブです。
したがって、エアサスのレベリングバルブが故障したら、そもそも空気がエアーバッグに送られません。
故障の程度によって、全く空気が送られない場合もあれば、わずかしか送られない場合、あるいは最終的には空気が送られるのだけれどその送るスピードが極端に遅い、といった様々な症状が現れます。
いずれにしても、エアサスのレベリングバルブが故障したら、車を正常に走らせることは困難になるので、修理または交換する必要が出てきます。
必ずしもレベリングバルブが原因でないことも
レベリングバルブが故障しているとエアーバッグ内に空気が正常に送られないので、エアサスはサスペンションとしてのまともな働きをしなくなります。
ただ、エアーバッグに空気が送り込まれないといっても、その原因が必ずしもレベリングバルブにあるとは限りません。
たとえば、ハイトセンサーが故障しているケースもあります。センサーが故障していれば、そもそもどれだけエアーバッグに空気を送ればいいのかわからないので、結果的にエアサスは正常に機能しなくなります。
また、身も蓋もない話ですが、エアーバッグに亀裂が生じていてエアーが漏れている状態のこともあります。
あるいは、サスペンション自体をボディーに固定する際に、ボディーとの間に挟み込むマウントブッシュ(要するに「パッキン」のこと)の左右いずれかに極端なヘタリがあり、これが原因で車体が左右いずれかに傾いたままになることもあります。
さらには、エアードライヤーが故障しているためにちゃんと空気が供給できないケースもあります。※エアードライヤーとは、レベリングバルブが送り出す空気に含まれる水分を除去する装置です
故障ではなく使用方法に問題があるケースも
たとえば、トラックに荷物を積み込む際にエアサスのエアーバッグ(ベローズorスリーブと呼ぶ)をペシャンコにすることがあります。
ペシャンコにすれば荷台が低くなるので荷物が積みやすくなります。
その際、エンジンを完全に切った状態で荷物を積み込み、いざ出発する際にエンジンをかけた場合、エアーバッグに空気が全く送り込まれないか、送り込まれるけれどその速度が遅いなどの不具合が出ることがあります。
この場合、症状としてはレベリングバルブが故障しているように見えますが、実際は、エンジンを完全に切っていたことが原因であるケースです。
キーをACCモード(アクセサリーモード)にするか、エンジンをかけた状態で上記積載作業をしていれば、いざ出発する際に速やかにエアーバッグに空気が送られるはずです。
これは故障ではなく使い方の問題です。
いずれにしても、エアサスのエアーバッグ内に空気がちゃんと送り込まれない症状が発生したら、プロの整備士さんに診断してもらってください。
あんがい一発で直ってほとんど修理代がかからないこともあれば、数万円以上かかるケースもあります。
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