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タイヤの製造年|1年落ち・2年落ち・3年落ちの性能差は?
タイヤショップとかカー用品店などで2年落ちや3年落ちのタイヤが割引価格で販売されていることがあります。また、新品タイヤを4本購入したところ、製造年を見たら4本とも1年落ちのタイヤであることもあります。
あるいは、やはり新品タイヤを4本購入したら、2本は製造年が今年のもの、もう2本は去年のものであったりすることがあります。
このように、たとえ「新品タイヤ」であっても、製造年を確認すると実際には1年落ち、2年落ち、3年落ちであることはそれほど珍しいことではありません。
まず、結論を言うと、
- 性能面では特に問題ない
これが答えです。
タイヤは屋内の冷暗所でしっかり保管されていれば、製造から2年とか3年で劣化するようなことはありません。タイヤメーカーでも製造年の異なるタイヤでグリップ性能やブレーキ性能をテストしていますが、統計上有意な差異が発生することはないと公表しています。
実際、タイヤメーカーの製造タイヤの保管方法はかなり大雑把になされています。製造した順序で整然と保管していて、タイヤショップ等から注文が入れば、その順番通りに出荷していく、というように私たちユーザーは考えるところですが、そのへんの扱いは相当アバウトです。
タイヤショップのブログなどに書いてあることですが、たとえばBという銘柄のタイヤを4本注文したところ「2021」のマークがついたタイヤが4本入荷したとします。※2021とは2021年の第20週に製造という意味。
つぎに、その翌日に同じBという銘柄のタイヤをやはり4本注文したところ、今度は「2021」が2本、「4820」が2本入荷した、なんてことはごく普通にある話だそうです。
タイヤメーカーの方では、製造した日から2年くらいのタイヤは同じくくりとして管理していて、出荷時にいちいち製造年を揃えて取り出すようなことはしないとのこと。
タイヤショップなどから特別な指示がある場合は製造年を揃えるかもしれないけれど、通常の取引ではそれほど製造年には頓着しないのです。
検索でこのページを訪問されている方はタイヤの製造年に意識が高い方だと思うので、タイヤ購入時には製造年を大いに気にしていらっしゃると思いますが、多くの自動車ユーザーはショップのいいなりです。
2021年にタイヤ4本を注文して、4本のうちの2本が2021年製造で残りの2本が2020年製造のタイヤであっても、そんなことは確認もしないでしょう。そういう人が多数派だと思います。
しかし、それはタイヤショップの人がごまかしているのではなく、そもそもタイヤ業界ではそういう扱い方をしているのが普通で、ショップの人も特に製造年を気にかける人にだけ配慮して製造年を揃えるようにしている、というのが実情だと思います。
もしも2年落ちとか3年落ちのタイヤが格安で販売されていたら、すぐに飛びついても大きな問題はないと思います。「大きな問題はない」というのは、もしそのタイヤが店頭に展示していた品であれば、タイヤメーカーの倉庫に保管されていたものに比べてやや劣化は進んでいると考えられるので、多少の性能劣化はあるでしょう、という意味です。
タイヤが劣化する要因について
タイヤはゴムとカーカスコードでできています。カーカスコードとは、タイヤ内部に埋め込まれている糸状のもので金属や繊維物質でできています。カーカスコードを埋め込むことでタイヤに強度と耐久性をもたらします。
タイヤのゴムの部分は経年により硬化していきます。ただし、太陽光や紫外線を浴びない冷暗所に保管されている限り、2年とか3年経過しても、明白に違いが実感できるほどの性能差は生まれません。
差が生まれるのは、実際に車に装着して走行した場合です。車を走らせるとタイヤは熱を持ち、その熱がゴムの部分を劣化させるわけです。また、紫外線を浴び、雨や雪を浴び、艶出し剤などのスプレーを浴びたりしているうちに、グリップ性能やブレーキ性能などが日に日に劣化していきます。
さらに、本来なら密着しているはずのゴムとカーカスコードの間に隙間が生まれ、いわゆるセパレーション(セパる)と呼ばれる剥離現象が発生し、高速走行などでバーストを起こす原因となったりします。
したがって、タイヤメーカーのしっかりした倉庫に保管されているタイヤは、たとえ製造から1年落ち、2年落ち、3年落ちといったものであっても、性能面に有意な差はありません。
とは言え、高いお金を出して購入する側からすれば、どうせなら同じ製造年のものに揃えたいと思うのも人情だと思います。
だから、新品で購入する時は、ショップの人にできるだけ製造年を揃えてほしいと一言いうのもいいかもしれません。
ただ、あまり強引な要求をするとショップの人に嫌われると思います。なぜなら、ここまでお話ししてきたように、タイヤメーカーのタイヤ管理そのものが大雑把であるからです。
4本の製造年マークをたとえば「2021」にすべて揃えるのは、タイヤショップの人にとってはけっこう手間がかかることだからです。
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