2ストロークと4ストロークの違い
ピストンの往復運動で燃料を燃やすエンジンをレシプロエンジンと呼びますが、レシプロエンジンには大別すると2ストロークエンジンと4ストロークエンジンがあります。
両者の違いは、ピストンの往復回数です。
2ストロークエンジンでは、一仕事終えるのに2つの工程があって、ピストンは1往復します。
- 吸気と圧縮
- 爆発と排気
上記の①でピストンは上死点から下死点に移動し、②で下死点から上死点に移動します。
いっぽうで、4ストロークエンジンでは、一仕事終えるのに4つの工程があって、ピストンは2往復します。
- 吸気
- 圧縮
- 爆発
- 排気
上記①でピストンは上死点から下死点に移動し、②で下死点から上死点に移動します。これで1往復。
そして③で上死点から下死点に移動し、④で下死点から上死点に移動します。これで2往復目。
2ストロークのメリット・デメリット
2ストロークエンジンは2工程で仕事をするので、下記のようなメリットがあります。
- シリンダー内に吸排気バルブを持たず、エンジンをコンパクトに作れる。コストも安い
- 同排気量なら4ストロークより高出力を得られる
一方で、下記のようなデメリットがあります。
- エンジン音が甲高くうるさい
- 燃費性能が悪い
- 排気ガスが汚い
②は、シリンダーとクランクケース内に混合気とオイルを入れて燃焼するので、効率性が悪いために燃費が落ちます。③は排気ガスに不完全燃焼の白い煙が混じったりして十分に浄化されないガスが排出されるということです。
2ストロークが消滅した理由
2ストロークエンジンは排出ガス対策がネックになりました。
平成18年の排出ガス規制もあり、現在はクルマもバイクもすべてが4ストロークエンジンです。
2ストロークは、構造上、吸気と排気がシリンダーの中で混じり合ってしまうことが原因で、燃料が直接排気されてしまうことなどが大きなネックでした。技術的に克服できなかったのです。
ガソリン以外にオイルを使用
2ストロークエンジンのバイクなどに乗った経験がある方はご存じだと思いますが、ガソリン以外にオイルの補充が必要でした。
オイルと言っても、いわゆるエンジンオイルではなく、いやエンジンオイルかもしれませんが、4ストロークエンジンの場合のエンジンオイルはピストンの燃焼とは別に機関の潤滑や冷却のためのオイルです。
しかし2ストロークのオイルは、ピストンとクランクケースの中に混合気と一緒に混ぜてしまうのです。そしてそこで燃焼させ、出力を得るので、ガソリンほどの頻度ではありませんが、定期的に補充しなければなりませんでした。
マフラーからは白い煙が出たりして、もう大変です。でも、排気のニオイは、わたしはけっこう好きでしたが。
馬力
2ストロークエンジンは、同じ排気量で比較すると、4ストロークエンジンより高い出力・トルクを引き出せます。
だから、原付など小型のバイクにはうってつけのエンジンです。
しかし、排気ガスをきれいにできない欠点が最後まで克服できず、市場から消えることになったのでした。残念です。とてもさみしい。
でも、いま我が家の庭の草刈りに使っている刈り払い機は2ストロークです。うるさくて絶好調です。
山梨の田舎だから使えますが、都会では石が飛んでくるでしょう。
下記の記事も参考になさってください。
ご覧いただきありがとうございました。