タイミングチェーンとは
車・バイクのエンジンの重要パーツであるタイミングチェーンとは、タイミングベルトと同じ働きをします。※「カムチェーン」とも呼びます。
タイミングチェーンとタイミングベルトの違いは、ズバリ、素材です。
その名の通り、金属のチェーンを使うのがタイミングチェーン、ゴムやその他の素材を合成したベルトを使用するのがタイミングベルトです。
エンジンの歴史を見ると、この両者には流行のようなものがあって、チェーンが主流になったり、ベルトが主流になったり、入れ替わってきています。
2020年現在では、タイミングチェーンが多数派ですが、しかし、一部にタイミングベルトが復権しているとも言えます。
一般的な特徴(メリット・デメリット)
タイミングチェーンは金属製であることから、耐久性に優れています。また、細いチェーンを使用することでエンジンルームの省スペース化にも貢献しています。
一方で、カチャカチャと音がうるさいところがあります。
タイミングベルトの方ですが、こちらは耐久性に難があります。また、強度を出すにはあまり細くできないために、エンジンルームで一定のスペースを占めてしまう弱点もあります。
とはいえ、こうした一般的な特徴はあるものの、いずれのデメリットも技術で克服してきた歴史があります。
絶対的な耐久性はタイミングチェーンが上ですが、しかし、その分コストがかかります。タイミングベルトはやや耐久性に劣るものの、それでも以前より長持ちしますし、コストが安いのが最大のメリットです。
私が現在乗っているフォルクスワーゲンゴルフ(2020年5月現在で現行型)はタイミングベルトを採用しています。ちょっと前のモデルはタイミングチェーンでした。素材の進化などによりベルトでもOKという判断だと思います。
交換時期
タイミングチェーンの交換時期は、一般的には、30万キロ前後と言われています。
したがって、一般のユーザーの場合は廃車まで無交換でいけるだけの耐久性があります。
ただし、タイミングチェーンの場合はエンジンオイルを定期的に交換しないと壊れやすいという指摘もあり、その点は注意が必要です。ディーラーで定期点検している方は問題ないでしょうが、自分でメンテをやる方はお気を付けください。
また、タクシーなど業務に使用する場合は、ちょうどエンジンのオーバーホール時期と重なることから、エンジン整備と一緒に交換するケースがあるようです。ただし、交換費用は結構高いです。
なお、タイミングベルトの平均的交換時期は10万キロ前後です。
異音に注意
30万キロ持つといっても、それはちゃんと定期的な整備を行っていた場合で、手抜きがあれば30万キロに満たない時期にトラブルが発生することは大いにありうることです。
タイミングチェーンのトラブルは、通常、音で分かります。
いつもと違う異音が発生したら、放置しないでディーラーや整備工場に持ち込んでみてもらうべきです。
タイミングチェーンは、クランクシャフトが2回転したらカムシャフトを1回転させる、このギア比を正確に維持する必要があります。いわゆる「同期」です。
チェーンに異常があり、放置すると、駒が飛んだり、切れたりします。
すると、カムシャフトが作動させるはずの吸排気バルブのタイミングがめちゃめちゃになり、さらに、バルブのスプリングが破損してそのかけらがシリンダー内に混入し、エンジンがぶっ壊れてしまいます。
ですから、タイミングチェーンのあたりで異音が発生したら、放置しないでプロに見てもらってください。
「30万キロ持つから大丈夫」
と安心しきっていると高いツケを払うこともあるのでご注意ください。
軽自動車にも搭載
一部タイミングベルト搭載車も出てきていますが、依然として現在の主流はタイミングチェーンです。
軽自動車にも搭載されています。
ミラ、ムーヴ、ワゴンR、ステラ、フレア、キャロル、モコ、デイズ、N-BOX、N-ONE
などに搭載されています。
下記の記事も参考になさってください。
ご覧いただきありがとうございました。