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仕組み
車やバイクでエンジンを始動させるための装置のことをセルモーターと呼びます。
エンジンは、いったん動き出せば自らの力で回転を続けますが、最初だけは自力では動けません。
最初のひと転がしをアシストするのがセルモーターです。
現在主流の4サイクルエンジンでご説明すると、エンジンは次の4つの工程で動力を発生させます。
- 吸気:ピストンが下がり、吸気バルブが開き、そこへ混合気(燃料と空気)を取り込む
- 圧縮:ピストンが上がり、混合気を圧縮
- 燃焼:プラグにより点火、混合気が燃焼し、ピストンが下がる
- 排気:ピストンが上がり、排気バルブから燃焼したガスが排出される
①の吸気の際、いったんピストンが下がるのですが、これはクランクシャフトが動かなければ下がりようがありません。
クランクシャフトの最初の動きをモーター回転でアシストするのがセルモーターの役割です。
セルモーター自体の動力源は、バッテリーに蓄積されている電気です。バッテリーに蓄積されている電気はエンジンの回転を利用したオルタネーター(発電機)から供給された電気です。
交換時期
セルモーターの寿命は10年10万キロと言われていますが、これもあまりあてにならなくて、廃車まで無交換の車もたくさんありますし、5万キロくらいで交換する車もあります。
バイクのセルモーターは車より短命と言われていて、3万キロ~5万キロ程度で寿命が来る個体も珍しくありません。
また、最近採用されているアイドリングストップですが、セルモーターにとっては確実に寿命を縮める装置です。
交換費用
セルモーター単体の値段は、原付バイクなら3,000円くらいからあります。
車の場合は10,000円~30,000円が相場です。
交換の工賃ですが、3,000円~10,000円程度になると思います。
車の場合、部品代と工賃を合わせた総額で、13,000円~40,000円程度です。
ディーラーは高め、整備工場やカー用品店は安めになります。
軽自動車は安く、高級車や輸入車は高めです。
異音で修理?
セルモーターが不調になるとどんな症状が現れるのでしょう?
はい、それは簡単で、エンジンがかかりません。
その際、普段聞き慣れない異音がしつつ、ある程度モーターが回るけれど、しかしエンジン始動にまでは至らない、という場合は、セルモーターの故障よりバッテリー上がりを疑うべきです。
ウンともスンともいわない場合は、セルモーター自体の故障を疑うべきです。
おもしろいことに、セルモーターが回らないときに何か硬いものでエンジンルームのセルモーターをぶったたくと、いきなりエンジンがかかることがあります(もちろん始動キーを回しつつの話ですが)。
ブラウン管時代のテレビみたいな話ですが、実際にこういうことがあります。
これはセルモーター内部で回転パーツが何らかの理由で固着しているケースです。
突っかかりが取れたので、また回転を始めたというわけです。
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