ステアリングセンターのズレは何が原因で発生しますか?
ステアリングを時計にたとえた場合、センターが12時の位置にあればいいのですが、1時の位置に寄っていたり、11時の方に寄っていたりすることがあります。
そうしたズレ方にも程度があって、はっきりと1時の位置(11時の位置)にセンターがきている場合もあれば、12時2分くらい(11時58分くらい)といったほんのちょっとしたズレのこともあります。
ステアリングセンターのズレは、何事もなくカーライフを送っていたのにある日突然気づくこともあれば、縁石やキャッツアイにタイヤをこすった後にズレることもあります。
あるいは、車検に出した後、タイヤ交換した後、車高調やダウンサスを取り付けた後などにステアリングのズレに気づくこともあります。
ごくまれに、新車で納車された車のステアリングセンターがズレていることもあります。
また、これは原因がわかりやすいのですが、ステアリングを社外品に交換した直後にセンターのズレを発見することもあります。
トー調整後にステアリングセンターがズレていた
トー調整とはサイドスリップ調整のことです。同義語です。車検の検査項目にも入っています。トー調整=サイドスリップ調整では前輪の左右のタイヤの角度を適正化します。
このトー調整(サイドスリップ調整)をした後でハンドルセンターがズレることがあります。
こうしたことが発生する原因は、左右のタイヤの角度に神経が集中するあまり、ステアリングセンターとの関係がおろそかになるためだと思います。あるいは、作業終了後にもう一度ステアリングセンターを固定して最終確認することを怠っているのでしょう。
いずれにしても、こうしたケースではトー調整してもらったディーラーや修理工場にクレームを入れれば無料で修理してくれます。
アライメント調整後にステアリングセンターがズレていた
アライメント調整とは、タイヤのトー角・キャンバー角・キャスター角を適正化する作業のことですが、やはりアライメント調整後に、ステアリングをセンターに固定して最終確認することを怠る場合があって、納車されてきたらセンターが傾いていたりすることがあります。
こうしたケースも、アライメント調整をしてもらったディーラーや修理工場にクレームを入れれば無料で修理してくれます。
縁石やキャッツアイにタイヤをこすったらステアリングセンターがズレた
縁石やキャッツアイなどにタイヤを当てた、こすった、乗り上げた、という場合、タイヤのトー角が狂うことがあります。
トー角というのは、車を真上から見下ろした場合に、タイヤが進行方向に対して内股になったり外股になったりしている、その角度のことです。通常は、ちょっとだけ内股気味に調整されています(トーイン)。
縁石やキャッツアイなどとの接触でステアリングのセンターがズレた場合、タイロッドの調整をすることでステアリングのセンターのズレを直せます。
タイヤとステアリングは、タイヤ⇒⇒タイロッド⇒⇒ラックピニオン⇒⇒ステアリングというように連結していますから、タイヤの変化がステアリングの位置に影響を与えるのです。
新車のステアリングセンターがズレていた
製造工程の最終段階で、ステアリングの取り付けに問題があったか、あるいは、足回りに不具合があって、各種アライメント調整に神経が集中するあまり、最終チェックの際にステアリングのセンター出しがおろそかになったのかもしれません。
いずれにしても、納車された車のステアリングのセンターがズレていたら、すぐにディーラーに連絡して調整してもらってください。当然、無料で直してくれます。
社外ステアリングに交換後にセンターがズレていた
社外ステアリングに交換したらセンターがズレた、という場合、ステアリングの軸受けにステアリングをはめ込む際に、ただ単に無造作に行っただけというケースがあります。
この場合は、もう一度ステアリングを外し、しっかりセンターを確認しつつはめ込む。これで完璧に解決したりします。
ところが、もともとついていた純正のステアリングと異なり、ギアのどの部分に合わせても、結果的にどうしてもセンターが出ないステアリングが存在します。
こうしたケースでは、タイロッドの調整が必要になります。
いずれにしても、ステアリングを交換したショップで無料で調整してくれます。
自分が神経質すぎるのか?・・・などと考える必要はない
ステアリングにはある程度の「あそび」があるので、ほんのちょっとずれているように感じることは避けられないと思います。
ただし、様々な道路環境で車を走らせていて、
「いや、これは気のせいじゃない。神経質になりすぎているのではなくて、確かに右側(左側)に少しずれている。」
と感じるのであれば、ディーラーや修理工場に出向いてメカニックの人に確認してもらうべきです。
ステアリングのセンター出しは重要な要素です。ここに違和感を抱いたまま車に乗り続けるべきではありません。
地震後の液状化などで床が傾き、ビー玉が転がっていく映像をテレビでご覧になったことがあると思います。こうした家に住んでいると、そのうちに心身の不調が発生することが数多く報告されています。
車も同じです。
ごくまれに、何万人に一人、あるいは数十万人に一人といった割合で、ウルトラスーパークレーマーと呼ぶべき人もいるかもしれません。誰がどう見てもセンターが出ているのに、いや、これはダメだ、気になるから直せ、と主張する人が世の中にはいるかもしれません。
ネットでは、主にメカニック関連の方から、ステアリングに少々のズレが発生するのはごく普通のことで、あまり神経質になりすぎないように・・・といった書き込みがあったりしますが、確かに、上記のようなウルトラスーパークレーマーに対してはそう言いたくなるでしょうが、しかし、わたしたち一般のドライバーが「あれ、このステアリング、ちょっとおかしいな」と感じる違和感には、ちゃんと応じるべきでしょう。
ステアリングのセンターがズレている場合、ステアリングの取り付け位置を調整したり、左右のタイロッドを調整したりすることで、センターのズレは解消します。
違和感を感じたら、できるだけ早めにディーラーや修理工場に出向いてください。
下記の記事も参考になさってください。
- ご覧いただきありがとうございました。