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【プチ調査】ホンダ グレイスは悪評の嵐で売れない車だった?
※トップ画像はホンダグレイス2017年7月改良型 HYBRID EX・Honda SENSING<Wikipedia様より>
ホンダグレイスはいわゆる5ナンバー枠に収まるコンパクトな4ドアセダンです。
2014年にデビューし2020年に生産中止となり、後継車種もないまま消滅することになりました。※教習車としては2015年~2021年まで生産された
1代限りの車に終わったホンダグレイスですが、プロのモータージャーナリストはもちろん一般のユーザーの間でもかなり評価の高い車で、悪評の嵐が吹き荒れるなどと言うことはまったくない車でした。
むしろ好意的な評価の方が多く、実際グレイスを購入したオーナーの皆さんの満足度は非常に高いです。
たとえば、この記事を書いている2021年10月25日現在の価格コムのホンダグレイスの「満足度・レビュー」は4.58点(5点満点で。評価者87名)と極めて高得点になっています。
(※)オーナーの皆さんの具体的な評価内容は次の項目で詳しくご紹介しています。
いずれにしても、「悪評」とは無縁の車で、いい車を絵に描いたような高評価を受け続けてきた車です。
では、売れたか、と訊かれると、いえ、売れない車でした、と答えるしかないと思います。
ホンダグレイスがデビューした2014年と翌2015年くらいまではある程度の販売台数を記録したのですが、その後は失速しつづけて、結局、生産終了となる2020年までの総販売台数は約32,000台にとどまりました。
単純に年平均にすると5300台ほど、月平均にすると440台ほどになります。
これでは「売れない車」という烙印を押されても仕方がないと思います。
このようにホンダグレイスは高い評価を受けながらもセールス面では明らかに売れない車となって結局1代限りの車として消滅することになったのですが、もはや原因は明らかでしょう。
日本市場においては大衆車部門における「4ドアセダン」の需要はほとんど底をつくまで落ち込み切っているからです。
高級車部門ではドイツ勢をはじめとしてまだまだ根強い需要がありますが、大衆車はミニバンかSUV、それとハッチバックにしかユーザーは興味を示さなくなっています。
一定の評価を受けならがらも販売が振るわない4ドアセダンは何もグレイスだけではありません。
日産のラティオやシルフィーも売れない車でしたし、トヨタのカローラアクシオやプレミオ/アリオンも売れない車でした。
4ドアセダンというジャンルが完璧に「氷河期」に突入してしまったことがホンダグレイスが生産終了に追い込まれた最大の要因だと思います。
「悪評」って何?ホンダグレイスのオーナーさんの声を紹介
ホンダグレイスは購入したオーナーさんたちの評価がすこぶる高い車です。以下、いいところも悪いところも含めてグレイスを愛してやまないオーナーさんたちの声をご紹介します。
これからグレイスの中古車を購入しようかと検討している人にとって参考になれば幸いです。
- 一般道(時々渋滞)、高速道路、山道などを4000キロ走った平均燃費は約28km/ℓです。(グレイス HYBRID LX)
- 新型コロナウイルスの感染力を上回るSUVウイルスの猛威に晒されている現状では、グレイスのような車はひっそりと姿を消していくしかないのかもしれません。SUVにそれなりのメリットがあることをわたしも無視しているわけではありません。でも、いまSUVに夢中になっている人が、ある時ふっとグレイスのような<普通のセダン>に乗ったら、きっと何か憑き物が落ちたように気づくはずです。「なんてホッとする乗り心地の車だろう」「キビキビ走っているのになんていい燃費だろう」「アイポイントが低くて見晴らしは確かによくないけれど、ボディーが傾いたり腰がねじれるような動きがないって、こんなに気持ちのいいものなんだな」「意味もなく車が重くないことがこんなに爽やかな走行感覚をもたらしてくれるなんて」といった感想を多くの人がしみじみ感じる時がきっと来ると思います。(ホンダ グレイス HYBRID LX)
- ホンダグレイスは5ナンバー枠のコンパクトなセダンですが、後席は思いの外広くてシートも上質で座り心地がいいです。私のグレイスは最上級グレードのEXなのでホンダセンシング、シートヒーター、8スピーカーなどなど装備満載です。ACCも使える装備です(改良の余地はありますが)。そしてフロントガラスには遮音材が入っているのでとても静かな車です。エンジン音などが静かなせいか逆にロードノイズが目立つようです。ただ小物類を入れる収納スペースがホンダ車には珍しくほとんどないです。(ホンダ グレイス HYBRID EX Honda SENSING)
- 普通に乗れば普通の車の走りをしますし、峠道でちょっとアクセルを踏み込めばスポーティーカーに変身します。グレイスのハイブリッドシステムはフィットでトラブル続きだったユニットが熟成されたものなので、逆に今では安心して乗れる優れものです。アクセルを踏み込んだ時のふるまいは、モーターは補助に徹しあくまでもエンジンが前面に出ます。パワーは別にして音質はタイプRそのもの。以前友人のジェイドを走らせた時も全く同質の音でした。ホンダの伝統なのだと思います。気分的にはスポーツカーを操っているような感じになります。15年~20年経ったらこのエンジン音は消えてしまうのでしょうか。(ホンダ グレイス HYBRID EX Honda SENSING)
- 一般道がメインで時々高速という乗り方で、だいたい15キロ~25キロの間です。幅があるのはエアコンを使う使わないで差が出るからです。これまで一番悪い時でも15キロなので、悪くないのでは。(ホンダ グレイス HYBRID EX Honda SENSING)
- 話しをわかりやすくするためにちょっとオーバーに話しますが、ミニバンやSUVの足はゴツゴツと固いかフワフワしていて危なっかしいか、このいずれかしかないと思います。ところが、グレイスのような背の低い車は乗り心地と操縦安定性がごく当たり前に実現されます。また、意味もなく鉄をたくさん使う車が公道を占拠している現状は理解しがたいものがあります。トヨタの社長さんはカーボンニュートラルに関してはデータに基づく正当な意見をおしゃっているけれど、意味もなく鉄をたくさん使う車を量産することに関しては、やはり利潤を追求する立場を堅持されていますね(それが悪いと言っているのではありません)。SUVのように売れる車、流行の車を追いかけざるを得ないお立場はわかります。でも、意味もなく重い車は燃費が悪くなってカーボンニュートラルにも反します。純粋なEVかハイブリッドを含めた広い意味の電動車か、この対立だけが問題ではないと思います。そのことを私は言いたいと思います。私はグレイスを中古で購入しましたが、120万円ちょっとでこんな素晴らしく立派な車が手に入ってとんでもなく満足しています。(ホンダ グレイス HYBRID LX)
- サスペンションはやや硬めの設定のようです。ちょっとごつごつした感触があります。ただ段差を乗り越えた後はぴたりと収まります。市街地中心の平均燃費はちょうど20キロくらいです。(ホンダ グレイス HYBRID EX Honda SENSING)
- シートヒーターはありがたい装備ですね。高級車じゃなくてもこれはどんな車にも付けて欲しいと思います。またグレイスを選んだ決め手は後席のシートの良さです。子供たちにはいいシートで送迎してあげたいですからね。ヴェゼル(初代)のシートよりいいですよ。グレイスは5ナンバーサイズなのになぜか室内が広く感じます。実際に広いです※2600㎜あるホイールベースが後席の広さをもたらしているのだと思います。最近の車は幅が広すぎると思いますよ。あと、4ドアセダンという形状は、昔は平凡だったと思いますが、今は周囲がみんなミニバンやSUVなので、逆に個性的に見えるところが笑えます。(ホンダ グレイス HYBRID EX Honda SENSING)
- ホンダのディーラーさんは親切丁寧ですね。ファンになりました。(ホンダ グレイス HYBRID EX Honda SENSING)
- グレイスは後席が広い車ですね。ホイールベースが2600mmあるのでこれが貢献していますね。頭の上も狭すぎる感じはないです。乗せた人によく褒められます(お世辞もあるでしょうが・・・)。アダプティブクルーズコントロールはよく使いますが、加減速がややぎこちないところがあります。燃費ですが私の乗り方だとリッター24キロを下回ることはないです。(ホンダ グレイス HYBRID EX Honda SENSING)
- フィットと比べると小物類の収納スペースが少ないです。セダンとしては期待していたよりも乗り心地は固いですが、そのぶんスポーティに走れます。平均燃費は25キロ前後です。セダンに乗っていると変人扱いされますが見方を変えると個性的だということです。いい車であることをもっと知ってもらいたい気持ちがありますが、知る人ぞ知るでもいいかなと。(ホンダ グレイス HYBRID EX Honda SENSING)
- グレイスの前はCR-Zでしたがパワーはグレイスが上です。高速の追い越しも楽です。モーターの補助がより強くなっていると感じます。サスは私には柔らかすぎと感じたので購入時にモデューロのサスに交換してもらったのですが、これで高速安定性はばっちりです。それにしてもグレイスはとても静かな車ですね。(ホンダ グレイス HYBRID EX Honda SENSING)
【2023年5月24日追記】ホンダが2026年シーズンにF1復帰:アストンマーティンとタッグ
項目 | 詳細 |
---|---|
発表日 | 2023年5月24日 |
会社 | 本田技研工業(ホンダ) |
発表内容 | 2026年シーズンからF1世界選手権に参戦 |
パートナーシップ | アストンマーティン・アラムコ・コグニザント・フォーミュラ・ワン・チームにパワーユニット供給 |
三部敏宏社長のコメント | 「F1への参戦は、電動化パワーユニットにおいてホンダがトップであることを示す絶好の機会」 |
F1からの撤退 | 2021年シーズン後 |
F1への復帰 | 2026年シーズンから |
復帰理由 | F1がカーボンニュートラルを目指すホンダの方向性に合致、エンジンとモーターの出力比率変化により電動部分が重要に |
新パートナー | アストンマーティン |
ローレンス・ストロールのコメント | 「ホンダとアストンマーティンF1は同じDNAを持っている。ホンダとのパートナーシップは、アストンマーティンがF1のタイトルを獲得するための“最後のピース”である」 |
パワーユニット開発とレース運営 | ホンダ・レーシング(HRC)が全てを担当 |
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