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【今更ですが】日産ジュークはひどい・ダサい・気持ち悪いですか?
※トップ画像は2014年にマイナーチェンジしたジューク(Wikipedia様より)
異形のフロントマスクで日本中を震撼させた日産ジュークがデビューしたのは2010年6月でした。
「こんな化け物みたいな車が売れるわけないだろう」
と誰もが思ったのでしたが、販売開始から3年余りの間、なんと月平均3,000台前後売れたのです。
実は、この「ある程度売れた」という事実が、ジュークのことを「ひどい」「ダサい」「気持ち悪い」と言って忌み嫌う大多数の自動車ファンの怒りに火をつけたフシがあります。
こういうデザインをヨシとする自動車ユーザーが一定数存在することに許しがたい感情を抱いたのでしょう。
以来、日産ジュークは、もしもジュークが車ではなく心と感情を持つ一社会人であったなら、もうとっくに心を病んでいるに違いないほど、目と耳を覆いたくなる罵詈雑言の嵐を浴び続けることになったのです。
この記事を書いている2021年9月26日現在、SNS上における誹謗中傷の書き込みに対する「侮辱罪」や「名誉毀損罪」が厳罰化される方向がほぼ確実視されていますが、世の自動車ファンはそんなことにはお構いなしです。
ここ数年の間に日産ジュークに投げつけられた言葉の数々を以下ご紹介します。
「人間で言えば目と鼻と口の配置を間違えた犯罪レベルのひどいデザイン」
「ダサいという言葉では言い足りない不気味でキモいクルマ」
「これはゴキブリの擬人化なのか。どう見ても気持ち悪いだろ!」
「ブタかイノシシかわからないような醜い珍獣そのもの」
「ジュークが近づいてきたら子供が泣き出した。存在してはいけないひどい車だ」
「踏みつぶされたカエルまたは性格の悪いエイリアンのようで、ダサいにもほどがある」
とまあ言いたい放題の有様。
恐らく、日産自動車の関係者も怒り心頭に達しているのではないかと推察されるところです。※が、当の日産関係者も上記罵詈雑言を一部受け入れているみたいな噂もあってもう何だかよくわからない状況です
いずれにしても、「ひどい」とか「ダサい」とか「気持ち悪い」などなど、あまりと言えばあまりの口汚い言葉の数々に影響されたのか、日産ジュークの販売台数は次第に減少していきました。
以下、販売開始以来の売り上げ台数の推移です。
- 2010年:22,803台※実質7か月
- 2011年:34,224台
- 2012年:33,648台
- 2013年:18,727台
- 2014年:14,444台
- 2015年:9,622台
- 2016年:8,645台
- 2017年:5,091台
- 2018年:4,043台
- 2019年:3,052台
- 2020年:不明
- 2021年:不明
日産ジュークは、日本市場においては2019年内に生産中止となり、以後は在庫分のみ販売することになって現在に至っているのですが、ヨーロッパ市場では2019年9月にフルモデルチェンジされた2代目ジュークが投入されて、2020年の販売台数は58,402台となり、大ヒットではないもののそれなりに売れています。
2代目ジュークの日本での販売予定はなく、ジュークの後継車種と位置付けられるのがキックスで、2020年6月から2021年8月までの1年2か月で累計44,499台売れています(月平均3,178台)。1代目ジュークの販売開始3年間より月平均200台から300台ほど多めに売れていることになります。
世間に罵られるほど深まるオーナさんたちの<ジューク愛>
上記のように、日本市場でのジュークの販売台数は、当初はそこそこ売れたものの、次第に低迷していったわけですが、そうはいっても、2021年までのトータルで見れば154,299台以上売れています。
この記事を書いている2021年9月26日現在、カーセンサーに登録されているジュークの中古車台数は1,237台あります。※グーは1,232台(カーセンサーとほとんど重複しています)
つまり、日本全国に日産ジュークのオーナーさんが散在していて、今も世間の「ひどい」「ダサい」「気持ち悪い」という冷淡な視線にさらされながらも、日々ジュークと共に親密なカーライフを送っていらっしゃるのです。
実際のところ、ネットの投稿などを拝見すると、ジュークのオーナーさんたちは周囲のジュークに向けられた心無い視線を誰よりも強く意識していらっしゃるようです。
そして、だからこそ、ジュークへの思いがより強く深くなる心情がにじみ出る投稿が多いのですね。
「みんなに嫌われていることはわかっている。でも、それならなおさら自分が大事にしてあげなければ」
こういう強い思いを感じるのです。※価格コム等の投稿をご覧いただけばわかります
私たちは気軽に「ひどい」とか「ダサい」とか「気持ち悪い」と言ってジュークを罵倒しますが、やはり、人の感じ方は千差万別であり、好みは十人十色です。
意見や感想は自由ですが、「ほどほど」にするのが礼儀というものだと思います。
なお、スズキのハスラーが予想に反して大ヒットしたのは、日産ジュークの出現で人々の体内にすでに免疫(抗体)が出来上がっていたからだ、という説が巷に出回っています。※それを言うなら、トヨタC-HRが最も恩恵を受けていると私は思いますが。
ハスラー(やC-HR)にとってもジュークにとっても、褒められているのか貶されているのかわからない言説ですが、それほど自動車のデザインというのは社会的に影響力があることの証左だと思います。
そもそもこのページではジュークの排気量とかサイズとか動力性能とか乗り心地には一言も触れていません。
理由は簡単で、まずデザインをクリアーしないと人はその車の性能などに何の関心も持たないものであり、ジュークはそのデザインが最大の関門となる車種であるからです。
良きにつけ悪しきにつけ貴重な車がたった1代で終了したことはちょっと悲しいですね。※すでに触れたようにヨーロッパでは2代目も活躍していますが
【2023年5月追記】奇しくも、トヨタC-HRも2023年中にたった1代で生産終了になるようです悲。
ご覧いただきありがとうございました。