こちらの記事も読まれています
目次
【記事丸わかり】
|
【プチ調査】日産キックスはひどい?売れない理由は?徹底的に調査しました
画像:Wikipedia
【2023年6月23日追記】日産キックスの販売台数を2020年6月のデビューから2023年5月までご案内します。
年月 | 販売台数 |
---|---|
2020年6月 | 1,836台 |
2020年7月 | 456台 |
2020年8月 | 1,178台 |
2020年9月 | 3,493台 |
2020年10月 | 3,542台 |
2020年11月 | 4,292台 |
2020年12月 | 3,529台 |
2021年1月 | 4,667台 |
2021年2月 | 5,069台 |
2021年3月 | 4,801台 |
2021年4月 | 1,721台 |
2021年5月 | 2,302台 |
2021年6月 | 2,633台 |
2021年7月 | 2,828台 |
2021年8月 | 2,152台 |
2021年9月 | 3,348台 |
2021年10月 | 1,834台 |
2021年11月 | 1,924台 |
2021年12月 | 1,765台 |
2022年1月 | 2,896台 |
2022年2月 | 2,855台 |
2022年3月 | 3,364台 |
2022年4月 | 1,121台 |
2022年5月 | 1,200台 |
2022年6月 | 814台 |
2022年7月 | 1,284台 |
2022年8月 | 601台 |
2022年9月 | 1,249台 |
2022年10月 | 1,465台 |
2022年11月 | 1,010台 |
2022年12月 | 838台 |
2023年1月 | 788台 |
2023年2月 | 1,120台 |
2023年3月 | 1,852台 |
2023年4月 | 1,110台 |
2023年5月 | 912台 |
デビュー当初は3千~5千台であったのが、このところは2千台未満です。残念ですね。絶対にもっと売れていい車だと思います。サイズ感がいいです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(ここから記事本文)
2020年6月末に日産から発売された日産キックス、2022年7月19日にはマイナーチェンジで大幅にアップグレード!その後の日産キックスの売れ行きが気になりますよね。
この記事では、日産キックスの最新の販売状況、日産キックスはひどい?売れない理由を徹底的に調査しました。世間からの「ひどい」声だけではなく、日産の経営再建や今後の長期ビジョンについても解説しています。
「キックス」は今買うべきか?と気になっている方は、ぜひご覧ください。
日産キックスについて
画像:日産
日産キックスは、2020年6月30日に日産から発売された「新型コンパクトSUV」です。 |
キックスは、日本市場で実に10年ぶりとなるブランニューモデルで、2022年7月19日にはマイナーチェンジを果たし、燃費性能や静粛性もアップ!
よりパワフルな走りを実現しています。
キックスの名前の由来
初代の「KIX」とは、興奮や熱中を意味する「KICKS」と未知数の「X」を組み合わせた造語です。「乗る人すべてに快適で刺激的な走りを提供したい」という思いが込められています。
2代目では「KIX」から「KICKS」の表記に変更されました。
日産キックスの販売状況
最新の日産キックスの販売状況について見ていきましょう!(参照:日本自動車販売協会連合会)
2020年6月30日の販売から約3週間で9000台を超え、2020年度の販売台数は18,326台。2021年度の販売台数は35,044台と月平均およそ2900台を記録しており、デビュー後の出だしは好調です。
ところが、2022年に入ると、月販2000台レベルで推移していた販売台数が、
- 4月…1,121台
- 5月…1,200台
と2000台を下回り、6月には814台と1000台を切る流れに。2022年8月には601台となり、販売から2年経過し苦戦を強いられている状況です。
日産キックスはひどい?売れない理由を徹底調査
画像:日産
マイナーチェンジしたばかりの新型キックスですが、8月の販売台数は伸び悩みをみせています。この章では、日産キックスに対する「ひどい」声を集め、売れない理由を徹底調査します。
日産キックスに対する「ひどい」声を検証
SNS上には、日産キックスに対する否定的な意見が一部見受けられました。
|
このような「ひどい」「ダサい」といった意見のほとんどが、個人の好みの問題にすぎません。発売から2年経った今、日産キックスが売れない真の理由を探っていきます。
売れない理由①コンパクトSUVはライバルが多い
ヤリスクロス(画像:Wikipedia)
日産キックスは、コンパクトSUVと呼ばれる車種であり、SUVは「スポーツ・ユーティリティ・ビークル(Sport Utility Vehicle)」の略語で、スポーツ用多目的車と呼ばれています。
コンパクトSUVは、文字通りコンパクトな車体の自動車で、排気量が約1000cc以上、全長が約4.4m以下の小回りの利くサイズ感が特徴です。
燃費も良く街乗りで活躍することから、たとえば都心部に住むドライバーなどからも大きな支持を得ており、SUVマーケットの中でも台数が伸びているカテゴリーです。そのため、
競合他車、いわゆるライバル車が多いという点が、日産キックスが売れない理由のひとつであると考えられます。 |
新型キックスの発売後、2020年8月31日にはトヨタの「ヤリスクロス」が発売され、2020年11月にトヨタ「ライズ」、2021年4月にはホンダの「ヴェゼル」と次々と新車が追加される事態に。このことが影響して販売数の低下が見られたと推測できます。
【2022年9月単月のコンパクトSUV販売台数】
車種 | 販売台数 |
トヨタ「ヤリス」 | 15,979台 |
トヨタ「ライズ」 | 8,829台 |
ホンダ「ヴェゼル」 | 3,967台 |
スバル「インプレッサ」 | 2,132台 |
ダイハツ「ロッキー」 | 1,984台 |
日産「キックス」 | 1,249台 |
マツダ「CX-30」 | 890台 |
トヨタ「C-HR」 | 868台 |
三菱「エクリプスクロス」 | 742台 |
(参照:日本自動車販売協会連合会)
※トヨタヤリスはSUVのヤリスクロスとコンパクトカーのヤリスとの合算値、スバルインプレッサもXVとセダンの合算値となります。
トヨタのライズやヤリスクロス、ホンダヴェゼルなど人気モデルが多く登場し、その中でもキックスはいまひとつ存在感を示せていない状況です。
売れない理由②強気の価格設定
マイナーチェンジ後の新型キックスの標準価格は、279万8400円~となっています。(参照:日産自動車公式ページ) |
どんなに安く見積もっても、乗り出しで300万は超えてしまい、こうした強気の価格設定に「ひどい」の声があるのは事実です。
その他オプションを追加してしまうと400万弱となり、ライバル車であるヤリスクロスやライズも購入できる価格となるため、人気の車種に流れてしまうことも考えられます。
売れない理由③日産車の中にコンパクトSUVの車種が少ない
画像:日産
販売店に行った時、購入の判断材料になるのが他車との比較です。
日産車の場合、キックス以外のコンパクトSUVの車種が少ないことも売れない理由につながると考えます。 |
エクストレイルやアリアなど、コンパクトSUVの販売実績はありますが、サイズや価格帯も違うことから比較対象になりにくいというデメリットがあります。
その点、トヨタはライズ、ヤリスクロス、カローラクロス、C-HRとコンパクトSUVのラインナップが充実しています。
売れない理由④ジュークの撤退
日産ジュークは2010年に発売され、2011~2012年には月平均3000台近くを登録する人気車でした。日産キックスはこのジュークの後継車として導入されました。
日本国内でジュークの販売が終了となったことも、売り上げが伸び悩む理由のひとつ。 |
ジュークは国内だけではなく、欧州、北米、中国でも注目を浴び、全世界で100万台以上の販売実績があり、2代目モデルも誕生しています。
ところが、ジュークの2代目は欧州のみでの販売。モデルチェンジを楽しみにしていた層やジュークファンからは、このようなクチコミもありました。
ジュークが一代で終了となったことで、同カテゴリーであるキックスに対して「販売終了するのでは?」「失敗作になったら困る」というネガティブな意見につながっていると考えられます。
売れない理由⑤コロナ禍の発売で納期に影響
日産キックスの発売は2020年6月。まさにコロナ真っ只中での販売でした。そのため、
キックスの生産国であるタイでも工場が操業停止を余儀なくされ、日本国内でのキックスの納期遅れが販売低迷に影響しています。 |
売れない理由⑥修理代が高くつく心配
キックスに搭載されているe-POWERは、通常のガソリン車にはないEV(電気自動車)関連の部品が多く使われています。今後、経年劣化によって不具合が出る場合もあるでしょう。
新品の部品交換修理となれば、高額請求に見舞われてしまう可能性も考えられます。
燃費が良くて浮いたガソリン代が、すべて修理代として消えてしまうかも、と購入に踏み切れない人も出てくるかもしれません。 |
今後の日産の経営再建
横浜市の日産グローバル本社(画像:Wikipedia)
ここまでは、日産キックスが売れない理由を検証しました。販売時期や価格設定の問題に限らず、コンパクトSUVの車種が少ないことや、ジュークの撤退など日産の経営戦略も関係しています。
この章では、日産自動車の今後の経営再建について解説します。
人気のジュークを継続せず、新型キックスを導入したのには理由がある
日産ディーラー(画像:日産プリンス千葉木更津店)
前会長のカルロス・ゴーン被告をめぐり、日産では混乱や新型車不足、さらにはコロナ禍で業績が低迷。このような事態を踏まえ、
日産自働車は、2019年度事業構造改革計画の中で、全体車種数の20%削減(69車種⇒⇒55車種)を2023年度までに行うと発表しています。 |
人気のキューブやティアナも生産終了を迎え、国内市場の再強化を図っています。ジュークの撤退もこの計画のひとつ。
ジュークは個性的なデザインが特徴的で、その分後席や荷室が狭く使いづらいという声もありました。
一方、キックスは実用性を重視し、高齢者など幅広い年代に受け入れられやすい仕様にして新たな顧客の獲得を目指した車です。
2021年度日産自動車の決算は、売上高8兆4246億円、営業利益2473億円、当期純利益2155億円と、3年ぶりに黒字化を実現しています。今後のキックスの販売の伸びも期待したいですね。
2020年グッドデザイン賞を受賞
画像:日産
日産キックスは2020年10月、公益財団法人日本デザイン振興会が主催する「グッドデザイン賞」を受賞しました。(参照:日産自動車ニュースルーム) |
「SUVならではの機敏性と燃料性能を持ち、既存車には見られなかった鮮やかなオレンジと黒のツートンのカラーリングは、道路上での人の目を惹きつける。」と高く評価されています。
購入者のクチコミ
納得していいものが購入できた!と喜びのクチコミも見受けられます!
e-POWERらしくスムーズな加速です。ガソリン車から乗り換えたときは、すごく違和感がありましたが、エンジン音の静かさやレスポンス・加速性の良さを体感すると、これまでのガソリン車にもう戻れないかもと思います。
後は燃費がいいことです。街中でも燃費が20km/Lくらい出るので、毎日の通勤に使う人には助かります。それでいて、SUVなのでちょっとしたキャンプや釣りなどのレジャーに使えるのもありがたいですね(参照URL)
納車後、8ヶ月のレビューです。厳寒地なため、ステアリングヒーター・シートヒーター・PTC素子ヒーターはありがたい。感覚的には本格的な電動RCカーのアクセル&ブレーキに近い。モーター駆動のパワー感やフィーリングが好きな人はこの車は良いと思います。(参照URL)
※PTC素子ヒーターとは、周辺温度を自己判断して動作する、電熱線補助ヒーターです。電気で発熱するため、エンジンの熱を使用する通常のヒーターに比べ、温度の上昇が早くなります。(日産:PTC素子ヒーターとは)
EV車種の積極導入に期待
日産自動車は「Nissan Ambition 2030」の長期ビジョンで、2026年までに電気自動車(EV)と「e-POWER」搭載車を合計23種導入し、欧州で75%以上、日本国内では55%以上の電動化目標を掲げています。 |
2021年度の日産自動車の「e-POWER」搭載車とEV車の世界販売台数は27万4千台と前年度比35.6%と増加。
また、2028年度までにリチウムイオン電池の技術をさらに進化させた自社開発の全個体電池(ASSB)搭載のEV車の導入も目指しています。
充電時間が3分の1に短縮でき、動力、走行性能の向上も期待できる取り組みです。
環境に優しく、エネルギーコストが安くなるだけではなく、非常用電源としても活用できるEV車のさらなる投入が待ち遠しいですね!
※2022年現在、世界各地で電気自動車(EV車)の火災事故が頻発しています。しかし、2010年に初代日産リーフが発売されて以来、充電池を起因とする火災事故をリーフは1件も起こしていません。これは真に誇っていい事柄だと思います。「技術の日産」は言葉そのままに受け取っていいのでは。
まとめ
「日産キックスはひどい?売れない理由は?」というテーマに基づき、日産キックスの売り上げが低迷している理由を解説しました。
売れない理由としては以下の6つがあげられます。
|
国内市場では、フォルクスワーゲンの「T-クロス」、ベンツの「GLA」が日本に上陸し、ますますコンパクトSUV人気は続いていくと予想されます。コンパクトSUV初のe-POWER搭載車として大きく注目されている日産キックス。
コロナによる部品供給の影響もありましたが、現在は生産ラインを徐々に増強しています。今後は新たな経営再建のもと、ライバルと競い合う日産自動車の成長を期待したいですね。
ご覧いただきありがとうございます。
こちらの記事も読まれています