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目次
アイオニック5の評判と売れ行きは?売れない?日本での販売台数(2022年)
ヒュンダイ(ヒョンデ)アイオニック5 <Wikipedia>
2010年に一度日本市場から撤退したヒュンダイ(ヒョンデ)ですが、2022年7月に再上陸を果たしています。
今回はやや異例の展開です。販売方式はネット注文のみでディーラー網を持ちません。また、当初はアイオニック5とネッソの2車種のみの販売です。
アイオニック5はEVまたはBEV(電気自動車)、ネッソはFCVまたはFCEV(燃料電池車)です。
このページでは、ヒュンダイ(ヒョンデ)のアイオニック5の評判はどうなのか、日本での売れ行きはどうなのか、売れてるのか売れてないのか、2022年の販売台数は何台か、といったところをプチ調査しています。
まずは、ヒュンダイ(ヒョンデ)が目指す世界戦略についてご紹介します。
「ストラテジー2025」
ヒュンダイ(ヒョンデ)は2019年に「ストラテジー2025」を発表しています。(EVsmart)
その内容は、2025年までに56万台のBEVと11万台のFCEVからなる年間67万台の電気自動車の販売を目指し、2025年までにバッテリーおよび燃料電池EVの世界トップ3メーカーの1つになる、というものです。
2022年通年のIONIQ 5とIONIQ 6の世界販売台数は100,000台を超えています。燃料電池車の数は不明ですが、2025年までに年間67万台という目標の途上にあります。
「2045年のカーボンニュートラル」構想
さらにヒュンダイ(ヒョンデ)は、2021年の9月に「2045年のカーボンニュートラル」と題する新たな構想を掲げています。(JETRO)
世界市場で販売する完成車のうち、「電動車」(BEV、FCEVなど)の割合を2030年までに30%、2040年までに80%まで高める、というものです。
地域別の目標として、2035年までに欧州市場で販売する全モデルをBEVとFCEVのみとし、2040年までに他の主要市場でも全ての販売車両を電動車にシフトする、というものです。
参考までに:ホンダの戦略
日本のホンダは、2040年に世界で販売する新車をすべてEV・FCVにするという「脱エンジン目標」を掲げています。
2023年1月現在、ホンダのEV車は2020年に日欧で発売した「ホンダe」1車種のみ。FCVはクラリティ・フューエルセルを販売していましたが、現在は販売終了になっていて、2024年に再参入する予定だそうです。
(参考:東洋経済)
参考までに:トヨタの戦略
トヨタは2021年12月に、2030年までにEV車を30車種そろえるというEV戦略を発表していました。しかし、世界市場でのEV車の普及速度が予想を上回ったことから、戦略の見直しに迫られ、おそらく2023年中に新たな戦略を公表するものと見られます。
見直しの内容は一部判明しています。まず、2030年までに30車種とありましたが、車種をもっと絞り込むようです。
また、2022年に販売開始したEV専用モデルであるbZ4X(ビーズィーフォーエックス)ですが、この車のプラットフォーム(車台)はEV車専用の設計ではありませんでした。ガソリン車やハイブリッド車用のものを流用していて、コスト高になることが判明しています。そのため、今後はEV車専用のプラットフォームを開発するとのこと。
(参考:朝日新聞)
参考までに:日産の戦略
日産は「Nissan Ambition 2030」を掲げています。2030年度までに15車種のEVを含む23車種の電動車を導入し、ニッサン、インフィニティの両ブランドをあわせて電動車のモデルミックスを50%以上にする目標です。
また、2026年度までにEVとe-POWER搭載車を合わせて20車種導入し、各主要市場における電動車の販売比率を以下のレベルまで向上させるとのこと。
・欧州: 75%以上
・日本: 55%以上
・中国: 40%以上
・米国: 2030年度までに40%以上(EVのみ)
(参考:日産自動車)
アイオニック5の評判
本題に戻ります。日本の自動車業界の今後が心配になったのでつい横道に逸れました。本題です。アイオニック5です。
悪い評判
アイオニック5は、電気自動車特有のバッテリー熱暴走による車両炎上事故が発生しています。2022年12月に韓国で発生した事故では、熱暴走による炎上だけでなく、救助に向かった人がドアを開けられなかった点が問題視されました。
アイオニック5のドアノブは、フラッシュサーフェス化するよう格納式になっています。出っ張った部分がないために、救助に入った人が開けられなかったようです。
おそらく、右端を押せば反対側が手前に飛び出したと思いますが、それは知っている人しかできないこと。今後のために、事故の衝撃があれば、まずロックが解除され、ドアノブが自動的に飛び出す仕様に変更して欲しいです。
いい評判
「アイオニック5」は、
- 2022ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー
- 2022ワールドEVオブザイヤー
- 2022ワールドカーデザインオブザイヤー
の3冠を達成しています。
また、「アイオニック5」は、
- ドイツ・カー・オブ・ザ・イヤー
- 英国カー・オブ・ザ・イヤー
も受賞しています。
さらに、ご存じのように日本でも「2022-2023インポート・カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞しています。
アイオニック5のライバル車たち
ヒュンダイ(ヒョンデ)のアイオニック5の立ち位置は、BEV市場における最激戦区と言える場所です。
アマゾンのレコメンド風に表現するなら、「アイオニック5に興味がある人は下記のような車にも興味があります」となるはず。
- ヒョンデ・アイオニック5:479万~589万
- BYD・ATTO3:440万
- フォルクスワーゲン・ID.4:499万~648万
- 日産・アリア:539万~790万
- テスラ・モデルY:579万~750万
- トヨタ・bZ4X:600万~650万
- スバル・ソルテラ:594万~682万
- ホンダ・ホンダe:495万
- メルセデスベンツ・EQB:788万~906万
- BMW・iX3:862万
- アウディ・Q4 e-tron:620万~710万
- ボルボ・XC40 Recharge:579万円~679万
上記の多くの車は、2022年中に日本市場に参入したモデルです。たった1年であっという間に様相が一変したということになります。
日本での販売台数(2022年通年)
JAIA(日本自動車輸入組合)の統計によると、2022年1月~12月の日本国内でのヒュンダイの販売台数は下記の通りです。
現在、日本で販売されているヒュンダイ(ヒョンデ)の車はアイオニック5とネッソの2車種のみです。車種別のデータがないので、以下の数字はアイオニック5とネッソを合わせた数字です。ですが、ネッソはほとんど売れていないので、ほぼアイオニック5の数字と見ていいと思います。
1月 | 19台 |
2月 | 20台 |
3月 | 記録なし |
4月 | 4台 |
5月 | 7台 |
6月 | 37台 |
7月 | 61台 |
8月 | 76台 |
9月 | 147台 |
10月 | 63台 |
11月 | 35台 |
12月 | 57台 |
上記を合計すると526台(3月の数字が不明)となります。これが日本におけるアイオニック5の売れ行きです。
上記の数字を取りまとめた際、私は、
「なんだ、全然売れてないじゃないか」
と思いました。
しかし、それは間違いでした。
以下、2022年の通年の数字ですが、
- ホンダe:371台
- ソルテラ:105台(姉妹車bZ4xは不明)
- BMWのEV車:1200台(2022年1月~7月)※iX3単独の数字は不明
- アウディのEV車:808台※Q4 e-tron単独の数字は不明
- ボルボのEV車:約800台※ほとんどがC40 Rechargeの数字と見られる
といった販売台数なのです。
つまり、通年で526台という数字は、日本市場のEV車販売台数としては立派な数字ということです。
さらにすごいのは、日産アリアです。
- アリア:3285台
比較の問題になりますが、この数字はすごいですね。
いずれにしても、アイオニック5は大健闘しているということになります。
まとめ
「アイオニック5の評判と売れ行きは?売れない?日本での販売台数(2022年)」のテーマで解説してきました。
アイオニック5の評判は、まず日本のモータージャーナリストの間ではとても高いです。海外の評判も高く、さらに海外では実際に一定数売れています。
IONIQ 5とIONIQ 6を合わせた数字になりますが、2022年通年の世界販売台数は100,000台を超えています。
今後どこまで健闘するのか楽しみです。
ご覧いただきありがとうございました。
【2023年6月28日追記】ヒョンデが次世代EV専用車台を開発し新型13車種に採用へ
カテゴリ | 詳細 |
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プラットフォーム | 次世代EV専用プラットフォーム(IMA: Integrated Modular Architecture)を開発、2030年までにヒョンデ、キア、ジェネシスの新型EV専用モデル13車種に採用予定 |
モジュール標準化 | モデル間でモジュールと部品を標準化し、スケールメリットを拡大 |
車両クラス | 小型から大型のSUV、ピックアップトラックまで、ほぼすべての車両クラスをカバー |
バッテリー適用 | 次世代の「NCM」バッテリーや「LFP(リン酸鉄リチウム)」バッテリーなど、さまざまなバッテリーソリューションを適用予定 |
AI活用 | AIを活用したバッテリーマネジメントシステムの統合により、バッテリーの状態をリアルタイムで監視・診断 |
ソフトウェア戦略 | SDV(software-defined vehicle)戦略をサポート、レベル3以上の自動運転機能とOTA(Over The Air)アップデートの進化などを目指す |
LFPバッテリー導入 | 2025年頃に高エネルギー密度と低温効率を向上させたLFPバッテリーを初めて導入予定 |
次世代バッテリー開発 | 中長期的にはリチウム金属バッテリーや固体バッテリーなどの次世代バッテリーの開発に注力予定 |
【2023年5月16日】IONIQ 5 アップデートモデルおよび限定車 IONIQ 5 Lounge AWD Limited Editionを発表
IONIQ 5アップデートモデル
項目 | 詳細 |
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バッテリー・プリコンディショニング機能 | 追加 |
ブースト・チャージングプログラム | 採用 |
Voyage AWDグレード | 追加 |
エクステリアカラー | アトラスホワイトマット追加 |
IONIQ 5 Lounge AWD Limited Edition
項目 | 詳細 |
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生産台数 | 100台限定 |
デジタルサイドミラー | 搭載 |
エクステリアカラー | ルーシッドブルーパール(20台限定)、アトラスホワイトマット(80台限定) |
インテリアカラー | ダークティール |