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【記事丸わかり】
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【プチ調査】ヒュンダイ(ヒョンデ)はやばい?評判・性能の悪さで日本では売れない?海外の評価は?
ヒュンダイ(ヒョンデ)アイオニック6(画像:日経クロステック)
2022年7月に日本に再上陸してきたヒュンダイ(ヒョンデ)。世間では、「やばい」「性能の悪さで売れない」などと、良くない評判があります。
実際のところどうなのか?この記事では、日本における『やばい評判』と海外での評価を徹底解説します。
実態の分かりづらいヒュンダイ(ヒョンデ)について、分かりやすく解説しますので、
- 日本では売れないのでは?
- 再上陸したところで売れないでしょ?
- 興味はあるけど海外の評価はどうなんだろう?
と思っている方は、ぜひ読み進めてみてくださいね。
ヒュンダイ(ヒョンデ)について
ヒュンダイ自動車は、1967年に設立された韓国の最大手の自動車メーカーです。グループ傘下には韓国2位の起亜自動車があります。
ヒュンダイ(ヒョンデ)が再上陸するまで
ヒュンダイが再上陸するまでの歴史を振り返ってみましょう。日本にヒュンダイが本格的に導入されたのが、2001年。
その当時は、日本でも大ヒットしたドラマシリーズ「冬のソナタ」のぺ・ヨンジュンさんや、当時人気の小倉優子さんをCMに起用し、コストをかけた販売戦略が話題を呼びました。
しかし、そのような販売戦略もむなしく、販売が振るわず2010年に撤退することになりました。
ヒュンダイ撤退の理由
2001年~2010年まで約9年間、参入初年度は1,000台以上を販売。数年間は2,000台をコンスタントに売り上げるなど、一定の販売台数を保っていました。
しかし、2008年度以降は、原材料の高騰を理由に車両価格を値上げし、売上が低迷。年間販売数が『0台』の年もあり、2010年に日本からの撤退を発表しています。
「なぜ、日本では売れないのでしょうか?」という問いに、ヒュンダイ(ヒョンデ)は、
「日本のユーザーの声をしっかりと把握することができなかった」
と、当時の経営方針に対して反省の弁を述べています。
ヒュンダイの再上陸のきっかけ
2022年2月、ヒュンダイ(ヒョンデ)は日本の乗用車市場への再上陸を果たします。日本再上陸のきっかけは、「CASE」。
「CASE」とは、Connected(コネクティッド)・Autonomous/Automated(自動化)・Shared(シェアリング)・Electric(電動化)の略。
通信によるコネクティビティ、自動運転、シェアリングなどの新サービスの展開です。
ヒュンダイは「CASE」を軸に電動化にシフトした販売を掲げ、ヒュンダイの新しいブランド価値を日本に浸透させることを重要視しているとのこと。
日本では、
- 電気自動車の「アイオニック5」
- 水素自動車の「ネッソ」
の2車種を展開し、受注受付は2022年7月から始まっています。
※2022年7月~12月までのヒュンダイ車販売台数は439台(JAIA 日本自動車輸入組合)
ヒュンダイのやばい評判
さて、日本市場に再上陸してきたヒュンダイですが、売れない過去の影響もあり、
- なぜまた上陸してきたの?
- 日本ではもう売れないでしょう?
と否定的な意見が目立ちます。なぜ、このようなやばい評判が出るのか気になります。
こちらの章では、ヒュンダイの日本国内での「やばい」評判を調査します。
やばい評判①名前を変えて再登場
ヒュンダイ⇒ヒョンデなぜ?
ヒュンダイは、日本語訳すると「現代自動車」という名前です。今までは「ヒュンダイ」として知られて来ましたが、2020年世界統一名称として韓国語の発音により近い「ヒョンデ」に変更しています。
「ヒュンダイ」→「ヒョンデ」に名称を変えることで、今までの販売不振やマイナスイメージを払拭しているという推測も。その結果、やばい評判が広まっています。
やばい評判②相次ぐ事故
韓国国内では、相次ぐ事故が報告されているため、性能の悪さゆえに日本市場では売れないのでは?といった声が上がっています。
【2022年6月】 韓国釜山にある高速道路を走行中だったアイオニック5が、料金所付近にある衝撃吸収体に正面衝突して全焼。自動車に乗っていた2人が死亡した。 |
【2022年12月5日】 『衝突後3秒で炎上』した事故も大きく報道されました。韓国内で暴走した電気自動車「アイオニック5」が、ビルの柱に衝突した後、3秒後に炎上して4人が死亡したという事故。 |
どちらの事故も、車内に火が到達した時点で避難できずに焼死したと考えられています。2022年12月の事故では、近くにいた人が中に取り残された人を救助しようと試みたが、ドアが開けられずに、命を救うことができなかったという。
また、車両火災の鎮火には、7時間もかかったと伝えられています。
【事故の原因】
これらの事故は、バッテリーの熱暴走現象が原因であると指摘されています。衝突事故は電気自動車に限らず、ガソリン車でも起こることから、電気自動車の熱暴走による火災が問題視されています。
また、「ドアが開けづらい状況だった」ことも、死亡事故に大きく影響していると考えられています。ヒュンダイは近未来的なデザインのものが多く、「安全性に欠けているのでは?」と、日本での評判は悪いようです。
やばい評判③MKタクシーへの導入
京都に本社を置くMKタクシーでは、2022年にヒュンダイが日本に再上陸したことを受けて、タクシー車両として「アイオニック5」を50台導入しています。
しかし、「アイオニック5」の相次ぐ事故が報告されたこともあり、以下のような批判的なクチコミもありました。
小説家の百田尚樹さんのツイートも話題になりました。
MKタクシーには乗らないようにしようっと。これは差別でもなんでもないよ。私の気分なんやから。(Twitter)
このように、「性能の悪いタクシーに乗りたくない」という評判の悪さがうかがえます。さらにそこに追い打ちをかけたのが、東京エムケイ株式会社社長の逮捕。
MKグループである東京エムケイの社長「ユ・チャンワン」容疑者が、タクシー運転手に暴行して逮捕されたというもの。
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このように、複雑な歴史的背景も相まって韓国企業に対する偏見を持つ人により、ネガティブな情報が拡散していると考えられます。
性能の悪さに対するクチコミはあるの?
相次ぐ事故が報告される中で、ヒュンダイ製電気自動車の「性能の悪さ」が懸念されています。こちらの章では、ヒュンダイの購入者レビューから、性能の悪さに対するクチコミを検証します。
エンジン性能について
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走行性能について
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※アイオニック5の車両重量は1,870 ~ 2,100 kg。
エンジンや走行性能については、『性能の悪さ』についてのクチコミはほとんどありません。
海外の評価は?
日本での評判はあまり高いとは言えませんが、海外の評価はどうでしょうか?
2022年累計販売台数第3位
2022年1月~12月のヒュンダイ及び傘下の起亜自動車の世界累計販売台数は684万8198台となり、
1.トヨタグループ…1048万台
2.フォルクスワーゲングループ…826万2,800台
に続き、世界3位を記録しています。
(※)ヒュンダイのデータ:日本経済新聞 、トヨタ・VWのデータ:日本経済新聞、日本経済新聞
きらびやかな受賞歴
また、以下のようなさまざまな賞も受賞しています。
- 2019年北米カーオブザイヤー
(※ヒュンダイの高級車ブランドジェネシスの「G70」が受賞)
また、「アイオニック5」は、
- 2022ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー
- 2022ワールドEVオブザイヤー
- 2022ワールドカーデザインオブザイヤー
の3冠を達成しています。
また、「アイオニック5」は、
- ドイツ・カー・オブ・ザ・イヤー
- 英国カー・オブ・ザ・イヤー
も受賞しています。
さらに、ご存じのように日本でも「2022-2023インポート・カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞しています。
脱炭素社会をめざす動きが世界で広がっていることもあり、ガソリン車からEVへのシフトが進む中、ヒュンダイの電気自動車が世界から注目を浴びています。
要するに、グローバル市場において2022年はヒュンダイ・アイオニック5の年だったということです。
日本国内での販売台数
JAIA(日本自動車輸入組合)の統計によると、2022年1月~12月の日本国内でのヒュンダイの販売台数は下記の通りです。※予約受付は5月から、デリバリーが7月から。それ以前にも販売実績があります。
1月 | 19台 |
2月 | 20台 |
3月 | 記録なし |
4月 | 4台 |
5月 | 7台 |
6月 | 37台 |
7月 | 61台 |
8月 | 76台 |
9月 | 147台 |
10月 | 63台 |
11月 | 35台 |
12月 | 57台 |
- 2022年の日本における年間総販売台数:526台(※3月の数字が不明)
となっています。日本国内ではハイブリッドカーの人気が高く、世界に比べてEV自動車への関心が低いと言われています。そのため、日本では電気自動車が売れない傾向にあります。
また、
- 充電スポットが少ない
- 電気自動車保険を提供している保険会社が少ない
ことも、EV化にシフトしない理由と言われています。
日本では、2035年までに新車販売を電動車のみとする方針を打ち立てています。世界から遅れを取っている日本、ヒュンダイの電気自働車の導入で今後どうなるのかも注目です。
ヒュンダイの販売戦略
2023年1月現在、日本におけるヒュンダイの販売方法は、テスラのように実店舗ではなく『ネット販売』です。高価な車をネットでポチっとするのです!
この販売手法については、自動車メディアのみならず、さまざまなメディアで取り上げられ注目を浴びました。クルマ選びから見積もり、注文、納車だけではなく、購入後のサポートや点検もオンラインで受けられます。
さすがIT大国と言われる韓国らしい戦略です。この手法は、最新トレンドに関心が高い人や次世代に向けたものとして取り入れられ、若い人をターゲットとしているそう。
「MOCEAN(モーシャン)」によるカーシェアリングサービス
2022年12月から、ヒュンダイのモビリティサービス「モーシャン」によるカーシェアリングサービスも始動しています。会員になれば即利用できる、スマホ1台で完結する便利なカーシェアサービスです。
性能の悪さが気になっている人は、カーシェアサービスで試してみてもいいですね!
公式サイトから試乗申し込み可能
また、ヒュンダイの車を試してみたい場合は、公式サイトから試乗予約ができます。面白いことに、公式サイトの試乗予約の画面には、日本のカーシェアサービスであるAnyca(エニカ)の申し込み画面も並んで表示されています。
画像:ヒュンダイ公式
(※)AnycaはDeNAとSOMPOホールディングスの合弁会社であるDeNA SOMPO Mobilityが運営しているカーシェアです。アイオニック5なら1時間1200円くらいが相場です。
まとめ
「ヒュンダイ(ヒョンデ)はやばい?評判・性能の悪さで売れない?海外の評価は?」というテーマにもとづき、解説しました。
韓国に対する歴史的背景はあるものの、現在では、KーPOPや韓国コスメ、食文化、映画やドラマ、家電商品など多くの韓国製品が受け入れられています。日本ではヒュンダイに対して、よくない評判もありますが、世界からは高い評価を受けています。
相次ぐ事故により性能の悪さを懸念する声もありますが、最新の「アイオニック6」は、欧州で自動車の安全性能テストを手掛ける「ユーロNCAPの最優秀車(大型ファミリーカー部門)」に選ばれています。(聯合ニュース)
現在、世界的なEVシフトに乗り遅れている日本は、今後自動車メーカー衰退のリスクもあると言われています。ヒュンダイの電動自動車導入をきっかけに、国内メーカーがどう成長するかも注目していきたいですね。
ご覧いただきありがとうございます。
【2023年6月28日追記】ヒョンデが次世代EV専用車台を開発し新型13車種に採用へ
カテゴリ | 詳細 |
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プラットフォーム | 次世代EV専用プラットフォーム(IMA: Integrated Modular Architecture)を開発、2030年までにヒョンデ、キア、ジェネシスの新型EV専用モデル13車種に採用予定 |
モジュール標準化 | モデル間でモジュールと部品を標準化し、スケールメリットを拡大 |
車両クラス | 小型から大型のSUV、ピックアップトラックまで、ほぼすべての車両クラスをカバー |
バッテリー適用 | 次世代の「NCM」バッテリーや「LFP(リン酸鉄リチウム)」バッテリーなど、さまざまなバッテリーソリューションを適用予定 |
AI活用 | AIを活用したバッテリーマネジメントシステムの統合により、バッテリーの状態をリアルタイムで監視・診断 |
ソフトウェア戦略 | SDV(software-defined vehicle)戦略をサポート、レベル3以上の自動運転機能とOTA(Over The Air)アップデートの進化などを目指す |
LFPバッテリー導入 | 2025年頃に高エネルギー密度と低温効率を向上させたLFPバッテリーを初めて導入予定 |
次世代バッテリー開発 | 中長期的にはリチウム金属バッテリーや固体バッテリーなどの次世代バッテリーの開発に注力予定 |