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目次
BMW iX3 諸元・航続距離・充電時間・補助金・バッテリー保証ほか
BMW iX3 (Wikipedia)
BMW・iX3は、ミッドサイズSUV「X3」をベースとする100%電気自動車(EVまたはBEV)です。
iX3は「アイエックススリー」と読むのが一般的です。
EV専用としてゼロから開発されたフラッグシップSUV「iX」とは異なり、iX3はX3のプラットフォームで作られたEV車です。
iXは、いかにも電気自動車であることを前面に出した内外装ですが、iX3はX3のオーナーが乗り換えてもほとんど違和感のない内外装になっています。
iX3はEV専用の車台ではないものの、評判はとてもいい車です。BMWらしさ全開の車で、これまでBMW車のオーナーだった人がこの車に不満を見つけるのは困難なほどの、高い完成度の車。そういう評価がすでに定着しています。
このページでは、「BMW iX3 諸元・航続距離・充電時間・補助金・バッテリー保証ほか」のテーマで解説していきます。参考になさってください。
iX3が目指すもの
BMWのiX3のサイトには下記の記載があります。
「かつてないほどスポーティーな外観に。長距離のドライブでも、ちょっとそこまでのお出かけでも・・・どのようなシチュエーションにもマッチします。」
これだけです(笑)。
販売台数(日本)
2022年1~7月の累計販売台数:約1200台(※EV車の合計。iX3単独の数字は不明)
※テスラの日本での販売台数も、明らかにされたのは2022年になってからでした。輸入車メーカーは、すごく売れている車の台数は公表しますが、そうでない時は隠すのかもしれません。
販売台数(世界)
2021年:3万7939台
iX3はグローバル市場ではそこそこ売れているようです。日産サクラの3~4倍の値段ですから、売上高ベースで考えると、上記数字はけっこうな販売実績になると思います。
iX3のライバル車たち
BMW・iX3の立ち位置は、BEV市場における最激戦区と言える場所です。
アマゾン通販のレコメンド風に言えば、「BMW・iX3に興味がある人は、下記の車にも興味があります。」ということになるでしょう。
ただし、iX3に興味がある人が主に意識するのは、メルセデスベンツ・EQB、アウディ・Q4 e-tron、テスラ・モデルY、ボルボ・XC40 Rechargeといったところになると思います。他の車は、それなりに、そこそこの興味を持つ程度、といった感じでしょう。
- BMW・iX3:862万
- メルセデスベンツ・EQB:788万~906万
- アウディ・Q4 e-tron:620万~710万
- テスラ・モデルY:579万~750万
- ボルボ・XC40 Recharge:579万円~679万
- フォルクスワーゲン・ID.4:499万~648万
- 日産・アリア:539万~790万
- ヒョンデ・アイオニック5:479万~589万
- BYD・ATTO3:440万
- ホンダ・ホンダe:495万
- トヨタ・bZ4X:600万~650万
- スバル・ソルテラ:594万~682万
iX3は2021年でしたが、上記の多くの車は2022年中に日本市場に参入したモデルです。日本のEV車市場はたった1年であっという間に様相が一変したということになります。
スペック・諸元
BMW iX3 (Wikipedia)
BMW・iX3は1グレードです。
- M Sport:862万円
主なスペック・諸元は以下の通りです。
M Sport(2021年11月4日発売) | |
サイズ(mm) | 全長4740×全幅1890×全高1670 |
車両重量 | 2200kg |
ホイールベース | 2865mm |
最小回転半径 | 5.7m |
最低地上高 | 179mm |
タイヤサイズ | 前:245/45R20 後:275/40R20 |
最高出力 (kW[PS]) | 210[286] |
最大トルク (N・m[kgf・m]) | 400[40.8] |
総電力量 | 80kWh |
一充電航続距離(WLTCモード) | 508km |
駆動方式 | RWD(後輪駆動) |
自動車税減税率 | 75% |
自動車重量税減税率 | 100% |
環境性能割税率 | 非課税 |
荷室容量(シート立てた状態) | 510L |
荷室容量(シート倒した状態) | 1560L |
実際の航続距離
各種レビューから拾ってきたiX3の航続距離データです。1回の充電で何キロ走るかの数字です。
- 満充電で400km走行可能で特に問題はありません。
- 実際には冬場350−370キロ程度、夏場400−450キロ程度の走行距離。
- 街中400kmほど、高速オンリー528kmを記録。
- 航続可能距離は400km以上。カタログ値ほどではないですが、かなり走ります。
一般的に、電気自動車の航続距離は、カタログ値の7掛け(×0.7)くらいと言われています。iX3のWLTCモード値は、一充電508kmです。すると、508km×0.7=約356kmとなります。
これを考えると、上記の実航続距離はかなりいい数値だと思います。
充電時間
- 急速充電:最大80kWでの充電が可能。80kWの急速充電時は約70分でバッテリー容量約80%。CHAdeMO対応
- 普通充電:最大9.6kWでの充電に対応。バッテリー容量がゼロから約8時間で容量100%
バッテリー保証
BMWの電気自動車のバッテリーは、「新車登録から8年、160,000kmまで保証」です。
また、万が一の電欠やパンクなどのトラブルにも、24時間、365日電話一本でサポートを受けられます。
補助金
BMW・iX3を購入する際は、
- 国からのCEV補助金(650,000円)※令和4年度の場合
- 自治体による補助金:東京都では45万⇒⇒75万円に増額※2022年途中から。要確認。
- 環境性能割非課税
- 自動車税免税(75%)
- 重量税免税(100%)
が適用になります。
東京都在住の個人の場合、国と都で140万の補助金が受けられることになります。ただし、2023年以降はその都度確認してください。
※CEV補助金の対象になるか、金額はいくらか、これらは下記サイトで最新の情報を確認してください。
⇒⇒CEV補助金対象 最新車両(EV)(一般社団法人 次世代自動車振興センター)
iX3の様々な特徴
- 「アイコニック・サウンド・エレクトリック」という走行サウンド機能を採用。音による効果で「駆けぬける歓び」を体感可能にする機能。映画『パイレーツ・オブ・カリビアン』や『ダークナイト』の楽曲を担当したハンス・ジマーが手がけたもの。モード切替で、サウンドを強調することも可能。もちろんOFFにすることも。
- オーディオは、464Wの高出力アンプと16個のスピーカーで構成されるharman/kardonサラウンドサウンドシステムが標準装備。
- 回生ブレーキの強さは「アダプティブ(自動調整)」「高い」「普通」「低い」の4段階から選択可能。完全に停止するにはブレーキを踏む必要がある。
評価・レビュー
価格コム、みんカラ、Webcg、その他サイトからiX3に関する評価・レビューを集めました。参考になさってください。
(走行性能)
- どの速度からでも高トルクが出るため、とても運転しやすく感じます。
- ヘッドレストに頭がぶつほどの加速で、それは経験したことのない感覚です。それくらい異次元ですが、反面高揚感のない加速でもありました。
- 踏み始めからピークトルクの圧倒的な加速は病みつきになります。
- 20分、30分と峠道を走り込むにつれて、エンジンとかモーターとか、どうでもいいような気持ちになりつつあった。・・・頭のてっぺんからつま先まで、ひとつのカタマリとなってコーナーをクリアする一体感はBMWそのもの。
- 停止時、ブレーキからゴリゴリと音がなり、上質さを失ってます。海外の某有名You tuberもここ指摘していましたね。
- リア加重、後輪駆動による加速の際の気持ちよさ。FFの引っ張られる感とは逆に後ろからドンっという感じです。
(乗り心地)
- サスペンションも心地よく、今まで所有したBMWの中では、一番乗り心地が良いと思います。
- ロール、跳ね上げは少なく、特に高速道路での乗り心地は最高です。
- 前後方向にも横方向にも揺れが少ないソリッドなフィーリングは、辛口ではあるけれどスカッと爽やかで気持ちがいい。
- 静粛性は5シリーズ。5シリーズは遮音材が多い分、やや優勢。iX3はアコースティックガラスとEVの静粛性なので、隣を走るトラックとかの音がうるさい。
- 重量も重くSUVであるのに、ユサユサ揺れない。ゴツゴツ感も殆どない。静かでしっとりとしているが、剛性感を感じるので、安心して運転できる。
(インテリア)
- ほぼX3と同じですね。BEVである主張や、先進的!みたいな感動はありません。違和感なく乗れる、とも言えますが。
(操縦性)
- 購入時は、大きさ(車幅)が不安でしたが、すぐに慣れました。
- 回生ブレーキの効きはあまり強すぎず、使いやすい。
(電装品関連)
- センターにある大きいコントロールディスプレイ、見やすく、快適です。また、走行可能距離も音声でも教えてくれてGood!
(航続距離等)
- 満充電で400km走行可能で特に問題はありません。
- 実際には冬場350−370キロ程度、夏場400−450キロ程度の走行距離。
- 街中400kmほど、高速オンリー528kmを記録。
- 航続可能距離は400km以上。カタログ値ほどではないですが、かなり走ります。
- evステーションは44kw以上の場所でないと、なかなかいっぱいになってくれない。
(その他)
- 残念なのはハンドル高さ調整は手動、後部座席のセンターシートのヘッドレストは高さ調整できない。
- オプション含めて910万円、X3シリーズと考えると高いが、電気自動車と考えるとリーズナブルである。
- 遠出をしない方であれば、日常の通勤や近所の買い物など、快適に使用できます。
- 自動駐車などの運転支援機能が充実。
- X3ベースなのでBEVなのにフロアトンネルがある。ボンネット下の空間を活用していない(トランクにして欲しい)。車格の割には車内・荷室ともに狭い。
- ほぼフルオプションのパッケージで、HUD、サンルーフ、ハーマンカードン、ワイスレスチャージ、アダプティブLEDなど殆ど全て標準装備。従ってコストパフォーマンスが高い。※HUDはヘッドアップディスプレイ
まとめ
「BMW iX3 諸元・航続距離・充電時間・補助金・バッテリー保証ほか」のテーマで解説してきました。
BMWの車だけあって、細部には不満がある人も、走りに関してディスる人はほぼ皆無のようです。ここは絶対に外さないメーカーであることを再確認しました。
一充電の航続距離が、WLTCモードの78%くらい走ったという報告が複数あります。一般的には70%と言われていますから、電気の使い方が効率的な機構なのかもしれません。
BMWもメルセデスベンツも、内燃機関車の車台を流用するモデルと、EV車専用の車台を使用するモデルと、入り混じったラインナップになっています。
今後は全車EV専用のプラットフォームに切り替わっていくのか、そうでもないのか、EV化に関して欧州メーカーの軸足の置き方が明確になる一つの指標だと思います。
iX3がそうであるように、流用でもいい車は作れるのかもしれません。でも、たぶん「利益率」が違ってくるのでは。
ご覧いただきありがとうございました。