【超丁寧記事】自動車税・軽自動車税を滞納していると車検が通らない?

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【記事丸わかり】

  1. 滞納があると車検は通りません:
    • 自動車税・軽自動車税に滞納がある場合、車検を受けることができません。
  2. 過去の滞納分も含めて完納する必要:
    • 過去の滞納分も含めて全額を支払い、納税証明書を取得する必要があります。
  3. 納税証明書の省略(電子化)は滞納がある場合は適用外:
    • 滞納がある場合、電子システムでの納税確認はできず、紙の納税証明書が必要です。
  4. 車検切れで放置していた車:
    • 車検が切れた車を放置していた場合、車検を再取得するためには滞納分を支払う必要があります。
  5. 自動車税課税保留制度:
    • 車検切れの車に対する自動車税の課税を一時的に保留する制度がありますが、すべての自治体で採用されているわけではありません。
  6. 嘱託保存というケースもある:
    • 自動車税・軽自動車税を滞納している場合、車に嘱託保存(抵当権設定または滞納による差押)が行われることがあります。
  7. 車検切れから3年経過すると職権抹消:
    • 車検が切れてから3年以上経過すると、職権抹消が行われ、以後の課税がストップされることがあります。
  8. 最速の対応策は電話で確認:
    • 自動車税事務所に電話して、納税状況を確認することが最も確実です。

⇒⇒【早口解説】自動車税を滞納で差し押さえの恐怖。

電子車検証(車検証の電子化)とは?簡単にわかりやすく解説!

2023年1月26日
ズバット車買取比較

滞納があると車検は通りません

自動車税・軽自動車税に滞納がある場合、いざ車検を受けようとしても拒否されます。

車検整備の窓口となる場所はディーラー、整備工場、車検専門店、ガソリンスタンド、カー用品店などがありますが、これらの場所では車の整備を行うだけです。

法的に車検整備がなされていることを証明する書類である車検証(自動車検査証)を発行するのは陸運局(軽自動車は軽自動車検査協会)になります。

この車検証の発行は、その車の所有者(所有者がディーラー名やローン会社名の場合は使用者)が自動車税・軽自動車税に滞納がないことが条件になります。

車検証所有者使用者

車検証(①が使用者、②が所有者)

車検を受ける人は、滞納がないことを証明するために、車検の窓口となっているディーラーや整備工場などに納税証明書を提出します。

(※)一部の自治体では、滞納がない場合に限り、車検時の納税証明書の提示が不要になりました(登録車のみで軽自動車は従来通り)。

納税証明書

自動車税納税証明書(軽自動車税納税証明書も同様の様式)

上の画像にはボカシを入れてありますが、通常は「登録番号」のところに「富士山 あ 123 1234」というナンバープレートの番号か記載されています。

しかし過去に自動車税・軽自動車税の滞納があると、「登録番号」の欄が「※ ※ ※」といった記号になっています。

この「※ ※ ※」が入っている納税証明書は車検時の証明書としては効力を持ちません

当年度の滞納はもちろん、過去に滞納がある場合も、車検は通りません

上の画像では下のところに領収印が押してあるので、確かに当年度は納税している証明にはなりますが、「※ ※ ※」の記載が過去の滞納を表しているので、車検には使えません。

過去の滞納分も含めて完納し、納税証明書を発行してもらう

滞納分・完納・納税証明書

現在自動車税・軽自動車税を滞納している場合、車検時に必要な納税証明書を発行してもらうには、登録車の場合は自動車税事務所の窓口で、軽自動車の場合は市区町村の税務課の窓口で、まず過去の分も含めたすべての滞納金を支払います。

その際、延滞金が発生しているはずなので、延滞金も同時に納付します。

過去の滞納分だけ、あるいは当年度の滞納分だけといった納付では車検用の納税証明書は発行してもらえません。

必ずすべての滞納金(と延滞金)を完納する必要があります。

完納したら、その場で車検用の自動車税納税証明書を発行してもらいます(発行は無料)。

窓口で納税証明書を発行(必要書類)

認印

車検証

滞納分を完納するためのお金

納税証明書の省略(電子化)は滞納がある場合は適用外

納税証明書・省略・電子化

すべての自治体ではありませんが、平成27年4月から、運輸支局と税事務所とのシステム連携により、自動車税の納付確認が電子化されました(軽自動車税は従来通り紙の納税証明書が必要)。

これにより、車検(継続検査及び構造等変更検査)を受ける時に提示が義務付けられていた自動車税納税証明書が不要になりました。

しかしながら、この電子システムによる納税確認は税に滞納がない場合だけです。

あるいは納期限までに納付されている場合でも、納付直後に車検がある場合は、納付された情報が電子システムに反映されるまで2週間から3週間を要するため、納税確認が出来ず、従来通り紙の納税証明書が必要になります。

いずれにしても、滞納がある場合は電子システムによる納税証明書の省略は対象外なので、税事務所で滞納分を含めてすべての額を完納し、その場で車検用の納税証明書を発行してもらうことになります。

車検切れで放置、税を滞納し、再度車検を取る場合

車検切れ放置

車検が切れた車を放置してある場合、2つのケースが考えられます。

(ケース1)

一時抹消の手続きをしてナンバープレートを返納してあるケース。

このケースでは自動車税・軽自動車税は返納以後は課税されないので、滞納があったとしてもわずかです。

(ケース2)

ナンバープレートをつけたまま抹消手続き等は一切やらずに文字通り放置しているケース。

このケースでは自動車税・軽自動車税は課税され続けています。

もしも車検切れから5年放置していたとしたら、少なくとも5年分以上の自動車税・軽自動車税が滞納になっている計算です。


さて、ケース1では、また車検をとって公道を走ろうと思ったら、何の問題もなく手続きできます。

ナンバープレートは新しいものになり、この新しいナンバープレートのもとでは当然まだ滞納がありませんから、問題なく車検は通ります。

(※)ただし、一時抹消してナンバープレートを返納した際、その返納したナンバープレートを付けていた時期の自動車税・軽自動車税には滞納があるので、その滞納からは逃れられません。必ず納税しなければなりません。税事務所からも一時抹消手続きの1ヶ月~2ヶ月後くらいに「滞納分を納税するように」という連絡が来ます(必ず)。

ケース2はどうすればいいでしょう?

車検切れから5年間放置しています。

自動車税・軽自動車税も滞納しています。

しかし車検をとってまた公道を走りたい。

先程、このケースは計算上5年分以上の自動車税・軽自動車税が滞納状態にあると書きました。

でも、どうやらそうでもないようなのです。

似たような事例を複数調べていくと、多くの事例では、車検が生きていた時期の滞納額だけが問題で、車検切れ以降放置していた時期の(本来は積み重なっているはずの)滞納額は不問に付すことが多いようです。

あるいは、もうちょっと深刻な事態に陥る場合であっても、車検切れから3年分ほどの滞納額を支払えばまた新たに車検を通せるようです。

いったいどうなっているのでしょう?

自動車税課税保留制度とは?

自動車税課税保留制度

そもそも自動車税は都道府県が課税する税金です。

軽自動車税は市区町村が課税する税金です。

自動車税、軽自動車税共に地方税法が根拠法となっていますが、この地方税法の条文には、基本的なところは明文化してあるものの、実際の運用面では各自治体の条例等による裁量権を認める箇所が非常に多いのです。

一例として、次の条文をご覧ください。

地方税法(自動車税の納期)
第149条 自動車税の納期は、五月中において、当該道府県の条例で定める。但し、特別の事情がある場合においては、これと異なる納期を定めることができる。

この条文では、納期限は5月中と書いておきながら、「但し」に続く記述によってさらに裁量権を付与しています。

このことは全国の自治体の実際の運用に反映されています。

つまり、この条文の前半の規定により、殆どの自治体では自動車税の納期限は5月31日となっています。

そして、この条文の後半の規定を適用している自治体もあって、たとえば、青森県と秋田県は年度によって微妙に納期限が異なり、だいたい6月~7月にかけてとなっています。

このように、自動車税・軽自動車税に関しては、基本部分は全国ほぼ共通なのですが、細かな運用面で数多くの「ゆらぎ」があって、それがネット上で見かける多種多様な異なる記述の原因になっています。

そこで本題ですが、車検切れを放置して5年経過した車に車検を通してまた乗る場合の自動車税・軽自動車税の滞納分はどう処理されるのか、についてです。

実は自動車税課税保留制度というものがあり、これは車検切れの車に対する自動車税の課税が保留される制度です。

車検が生きているか切れているかはシステムの連携でわかるので、4月1日の時点で車検が切れている場合は、通常なら車検証の所有者に自動車税の納税通知書を送付するところを、送付しないで、課税を「保留状態」にしておくというものです。

なんだ、それなら放置しておいてもあんまり心配することはないんだな

と思う方もいらっしゃるでしょう。

けれどもわたしたちが混乱の極みに引きずり込まれるのはここからです。

まず、この自動車税課税保留制度はすべての自治体が採用している制度ではありません

採用している自治体の間でも運用面でけっこうな違いがあります

<ゆらぎ1>

「車検切れの車には課税を保留にする」という場合の「車検切れ」の判断を、前年の12月31日現在とする自治体もあれば、年度末の3月31日現在とする自治体もあれば、それ以外もあります。

<ゆらぎ2>

車検切れの車にこの制度を適用する際、自治体が一方的に保留状態にするケースが多いけれど、車の所有者に連絡を取って理由書のようなものを取り付けた上でこの制度を適用する自治体もあります。

<ゆらぎ3>

車検切れから5年経過した車に車検を通す場合、車検の前にいったん一時抹消登録をしてから車検を通した場合、保留にしていた車検切れ以降の滞納分をご破算にしてくれる自治体もあれば、3年分だけしっかり徴収する自治体もあります。

(※)ただし車検が有効であった期間の滞納分はすべての自治体が徴収権を放棄しません。つまり滞納分を完納してからでないと車検は通せません。

<ゆらぎ4>

これはwikipediaに記載されている例ですが、自治体間のゆらぎというよりも担当者によるゆらぎと呼ぶべき運用例があって、普通の車にはこの制度を適用するけれど、高級車や年式の新しい車などには適用しないで課税し続ける、という嫉妬心からではないかと疑われるようなケースもあります。

<ゆらぎ5>

車検切れと判断した車にはすべて一律に課税を保留する自治体がある一方で、納税者の顔色を見るかのような気色の悪い対応を取る自治体があり、その自治体では、車検切れの車にも保留制度を適用せずに納税通知書を送付し、その通知書で真面目に納税した人には、翌年度も車検切れであることを承知の上で納税通知書を送りつける、といった対応をしておきながら、その一方で、納税通知書を無視して納付しないでいる人に対しては、2年とか3年といった一定期間が経過した後に、経過した期間をさかのぼって保留制度を適用するという、信じがたい運用をしている自治体があります。

以上のことから、車検切れで5年放置していた車に車検を通して乗る場合は、結論として、管轄する自動車税事務所あるいは市区町村の税務課に問い合わせてください、これがわたしからの回答です。

共通のルールが無いので、下手にどれか一つのルールをここに書いたら、かえってみなさんを混乱させてしまいます。

お役に立てずに申し訳ない気持ちです。

嘱託保存というケースもある

嘱託保存

上で自動車税課税保留制度の解説をしましたが、実は他にもあります。

車検切れで放置し、滞納している自動車税・軽自動車税も支払わずにいた場合、課税当局によって車に嘱託保存という措置が取られるケースがあります。

この嘱託保存には「抵当権を設定」する場合と「滞納による差押」の2種類あります。

いずれのケースも、嘱託保存された車は自由に名義変更したり廃車したり車検を通したりすることが出来なくなります

たとえば車検を通すには滞納していた自動車税・軽自動車税を延滞金を含めて完納しなければなりません。

ところで、この嘱託保存ですが、実務の世界ではあまり出会うことがない非常にレアなものです。

通常、課税当局が車を差し押さえしたら、ヤフオクなどに出品して換金します。

つまり車は滞納者の手元にはないはずです。

インターネット公売の実施について
身延町では、財政基盤である町税収入確保と納税の公平性の確保のため、町税の滞納者から差し押さえた動産を、ヤフー株式会社が提供するインターネットオークションシステムを利用して公売を行います。

山梨県身延町のHPより。他の多くの自治体でも同様のアナウンスが行われています。)

したがって嘱託保存がどのようなケースで実施される措置なのか、あまりに実例が少ないために、よくわからないのが正直なところです(というより、わたしの調査力不足ですが)。

実例は少ないとしても、実際に行われていることは間違いなく、自動車税・軽自動車税を滞納し、なおかつ車は手元にある人で、自分の車が嘱託保存の措置が取られているかどうかは、下記の書類で確認できます。

<登録車は陸運支局で入手>

登録事項等証明書の「現在証明」(300円ほど)

<軽自動車は軽自動車検査協会で入手>

検査記録事項等証明書の「現在記録」(300円ほど)

車検切れで放置している車にも車検証が残っているはずですが、その車検証には嘱託保存の記録は当然記載されていません。なぜなら嘱託保存は所有者の意思に関係なく課税当局が強権的に実施している措置であるからです。したがって「現在証明」あるいは「現在記録」を申請して確認するしかないのです。

車検切れから3年経過すると職権抹消になることも

職権抹消

上の嘱託保存に比べると、こちらの方は比較的よくあるケースです。

職権抹消(しょっけんまっしょう)です。

車検が切れたのに、継続車検も取らず、ナンバープレートの返納もなされずにいる車は、当然、陸運局や軽自動車検査協会でも電子システムで把握できます。

車検切れしてから3年ほど経過すると、当局の権限により職権抹消という措置が取られることがあります。

実務的には車検切れから5年ほど経過しないとこの措置は取られないのですが、規定上は3年で取られることになる措置です。

強制的に永久抹消の手続きがなされます。

そしてこの職権抹消は、自動車税・軽自動車税の滞納者にとっては、天の恵みのようなありがたい措置でもあります。

なぜなら、この措置をとってもらうことで、以後の自動車税・軽自動車税の課税をストップしてもらえるからです。

自動車税課税保留制度の場合は、自治体によっては保留以後の滞納分をチャラにしてくれるところとしっかり徴収するところと対応が分かれますが、職権抹消の場合は、抹消登録されるので課税はその時点でストップされます。

そもそも自動車税・軽自動車税はナンバープレートに紐付けられているので、ナンバープレートが返納されない限り課税され続けます。

しかし職権抹消の措置が取られると、実際のナンバープレートは放置した車につけられているにしても、法的には返納処分された状態(厳密には「保留状態」ですが)になり、課税が止まるわけです。

最短最速最良の方法は自動車税事務所に電話で訊くこと

電話

このページでは、自動車税・軽自動車税を滞納している車に車検を通して乗る、というテーマでお話してきました。

滞納の期間が短い場合は大きな問題はないと思いますが、車検切れで放置していた場合には何かと厄介な事態に陥る可能性があることをご理解いただけましたでしょうか?

しかし、記事を書いているわたし自身感じていることなので、お読みになっている皆さんはもっと感じていらっしゃると思いますが、何が何だか分からないなあ、というのが本当のところではないでしょうか。

まったくそのとおりだと思います。

自動車税課税保留制度、嘱託保存、職権抹消などのルールが一応あるものの、これらが全国一律に適用されるルールではなく、運用面で様々なゆらぎがあり、個別具体的なこのケースではどうなのか、という疑問には明確な答えが出せないのが実情です。

ですが、現実的な対応として、最速最短で最良の対応策を突き止める方法があります。

登録車の場合は自動車税事務所へ、軽自動車の場合は市区町村の税事務所に電話することです。

電話して、登録ナンバー(ナンバープレートの番号)を伝えれば、あなたの車の納税状況(滞納状況)を明確に教えてくれます。

本当にあっさり即座に教えてくれます。

登録ナンバーを伝えてしまえば、もう納税から逃れられないのでは

と不安に感じる気持ちはわかります。

しかし、そもそも税の滞納からは逃れられませんので、この機会に思い切って整理をなさってはいかがでしょう。

納税状況(滞納状況)がわかれば、車検を通すにしても、廃車にするにしても、判断がつくと思います。

また、たとえば車検切れから5年経過している場合でも、車検切れ以後の滞納分は納めなくていいケースが多数派です。

車検が生きていた期間の滞納分は必ず納税しなければなりませんが、それなら1年分か2年分ではないでしょうか。

また、金額が多い場合は、分割納付(分納)の相談に応じてくれる場合もあります。

この際、思い切って電話してみてはいかがですか?

分納相談

【超丁寧記事】自動車税・軽自動車税を滞納しているが分割が可能ですか?

2018年6月11日

下記の記事も参考になさってください。

ご覧いただきありがとうございました。