東京海上日動の車両新価保険特約(車両新価特約)を徹底解説しています。
車両保険のオプションとして付ける車両新価保険特約(車両新価特約)ですが、この特約を使えば事故で車が大破した場合に「修理」するのではなく「新車に買い替え」ることができます。
修理して車が修復歴車になることを防いでくれます。
年間3,000円~10,000円の追加料金になります。
しばらくお付き合いいただけると幸いです。
⇒⇒Total assist 自動車保険 車両新価保険特約「新車」篇(東京海上日動)
東京海上:車両新価保険特約(車両新価特約)早わかり
まず名称について。
この特約の正式名称は「車両新価保険特約」です。
少し省略して「車両新価特約」と呼ぶこともあります。
あるいは、他社の名称で呼ばれることもあり、たとえば、新価特約、新車買替特約、新車特約などです。
このページでは東京海上の正式名称である「車両新価保険特約」で以下説明していきたいと思います。
さて、この特約の骨子を箇条書きでまとめたのが下記になります。
このページ全体を凝縮してあります。
東京海上日動「車両新価保険特約」早わかり |
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東京海上:車両新価保険特約を付帯できる「新車」とは?
車両新価保険特約は「新車」に付帯する特約ですが、東京海上の場合、新車から約4年間つけることができます。
車の車検証には「初度登録年月」の欄があり、ここにその車が初めて登録された日付が記載されています。
これを念頭に、以下の一覧表をご覧ください。
東京海上と他の保険会社との違いがわかると思います。
車両新価保険特約を付帯できる期間 | |
東京海上日動 | 満期日が初度登録年月から61か月以内 |
ソニー損保 | 保険始期日時点で初度登録から25ヵ月以内 |
おとなの自動車保険(セゾン損保) | 保険始期の属する月が初度登録年月から25ヶ月以内 |
イーデザイン損保 | 保険開始日の属する月が初度登録年月の翌月から起算して11ヶ月以内 |
損保ジャパン日本興亜 | 満期日の属する月が初度登録年月の翌月から起算して73か月以内 |
三井住友海上 | 初度登録年月が満期日より遡って61か月以内 |
あいおいニッセイ同和損保 | 満期日の属する月が初度登録年月の翌月から起算して61か月以内 |
全労済(マイカー共済) | 最初の車検の満了日の月末までにマイカー共済の契約期間の満了日が含まれる場合 |
※チューリッヒ・アクサダイレクト・三井ダイレクト・SBI損保・JA共済などは新価特約を扱っていません。
ご覧のように、大手代理店型の損保ジャパンが約5年、東京海上・三井住友・あいおいニッセイが約4年です。
ソニー損保とおとなの自動車保険が約2年、全労済が約3年、イーデザイン損保が約1年となります。
保険料との関係で言うと、初度登録から間もない1年目、2年目などは車両新価保険特約の保険料レベルは低くなります。
初度登録から4年、5年となると保険料は高くなります。
新車価格相当額が200万円~300万円ほどの車の場合、概算ですが、年間保険料は3,000円~10,000円くらいのあいだに収まると思います。※あくまでも目安としての金額です
東京海上:車両新価保険特約の支払い条件
車両新価保険特約は車両保険のオプションという位置づけなので、あくまでも車両保険の支払い対象となる損害が発生した場合に限られます。
※ただし「盗難」に関しては車両保険の支払い対象であっても車両新価保険特約では対象外になります |
一般条件の車両保険に加入している場合は、一般条件の支払い対象になる事故が対象です。
エコノミーの車両保険に加入している場合は、エコノミーの支払い対象になる事故が対象です。
補償内容 | エコノミー+A | 一般条件 |
車同士の衝突 | 〇 | 〇 |
台風・竜巻・洪水・高潮 | 〇 | 〇 |
火災・爆発 | 〇 | 〇 |
イタズラ・落書き・窓ガラス破損 | 〇 | 〇 |
飛来中・落下中の他物との衝突 | 〇 | 〇 |
2輪自動車・原付バイクとの衝突 | 〇 | 〇 |
単独の自損事故 | × | 〇 |
当て逃げ | × | 〇 |
また、車両新価保険特約は、
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が支払い対象となります。
なお、車の損傷に関しては、車の骨格部分や動力系に損害が発生した場合が対象で、内外装や外板部分のみに損害が発生したケースは対象外です。
車両新価保険特約を付帯しているからといって、必ず車両新価保険特約を使う必要はなく、通常の車両保険の支払い方に沿って修理代を受け取るという方法も選択できます。
その場合は、修理代を受け取り、それで終わりです。
車両新価保険特約を使用する場合、事故日の翌日から起算して1年以内に新車に買い替える必要があります。
参考までに、他社は下記の期間内に買い替えが必要です。
- ソニー損保(6ヶ月以内)
- 損保ジャパン日本興亜(1年以内)
- あいおいニッセイ同和損保(90日以内)
東京海上:車両保険と車両新価保険特約の関係
車両新価保険特約は車両保険のオプションなので、車両保険に加入している契約のみが対象です。
そこで、まず車両保険です。
車両保険に加入する場合、車両保険金額を設定しますが、これは車両標準価格表に基づいて一定の価格幅の中から金額を設定します。
たとえば車両本体価格が200万円の車を新車で購入した場合、車両標準価格表でこの車の型式を検索すると「180万~245万」などと表示されているはずです。
車両保険金額はこの幅の中から選択できます。
オプション(カーナビ等)も付けたので220万円を選択したとします。
すると、車両保険の車両保険金額は「220万円」となり、1年目は新車価格相当額も同額の「220万円」です。
1年が経過してこの保険を更改した場合、車両保険金額は時価額評価なので「170万円」に落ちますが、新車価格相当額は「220万円」のまま変わりません。※時価額評価は車により異なります。例として示しています。以下同様
さらに1年が経過してこの保険を更改した場合、車両保険金額はさらに落ちて「150万円」になりますが、新車価格相当額は「220万円」のままです。
経過年数 | 新車価格相当額 | 車両保険金額 |
1年 | 220万 | 220万 |
2年 | 220万 | 170万 |
3年 | 220万 | 150万 |
さて、たとえば新車購入から2年目でガードレールに衝突して車が大破したとします。
修理費用は120万円です。
2年目の車両保険金額は「170万円」で新車価格相当額は「220万円」です。
通常の車両保険の支払い方では、120万円の修理費用が支払われ、それで終わりです。
しかし、車両新価保険特約を使用するとしたら、支払い方はどうなるでしょう?
まず、修理代が120万円の事故なので、「新車価格相当額の50%以上の損害」という車両新価保険特約の条件をクリアーしています。
損害の内容も、ガードレールに激突して骨格部分を損傷しているので車両新価保険特約の対象に含まれます。
そこで、車両新価保険特約を使用することにして、新車価格相当額である「220万円」を支払ってもらい新車を購入しました。
この「220万円」ですが、これは車両本体価格+付属品+消費税の上限額です。※付属品とはフロアーマット等のこと
実際に車を走らせるには、自動車取得税・自動車重量税・自賠責保険・車庫証明費用などの諸費用が別途かかります。
そこで、東京海上では、車両新価保険特約を使って新車を購入した場合には、これとは別枠で「再取得時諸費用保険金」を支払うことになっています。
これにより、特別なケースを除けば、まさに保険金だけで、自腹を1円も切ることなく、新車に乗り換えることができます。
上の例では、話の都合上、買い替える車が220万円ジャストでしたが、もしも買い替える車の「車両本体価格+付属品+消費税」の合計額が180万円だとしたら、220万円との差額である40万円は現金で受け取れるのでしょうか?
いいえ、それはできません。
180万円が支払われ、それに再取得時諸費用保険金がプラスされ、それでおしまいです。
それではもったいないと思ったら、上の例のように「車両本体価格+付属品+消費税」の合計が220万円ジャストの車を選ぶか、ジャストが難しいのであれば230万円くらいの、とにかく220万円をオーバーする金額の車を買い、オーバーした部分を自腹で払う、という方法を取ればいいと思います。
なんだか商品券で買い物するときのやり方みたいですが、そういう決まりになっています。
こうした細かな部分は、実際に車両新価保険特約を使用する段階で東京海上の担当者に相談して話を詰めていくのがベストでしょう。
いかがでしょう?
通常の車両保険の支払い方と、車両新価保険特約からの支払い方と、違いをご理解いただけたでしょうか?
なお、買い替える車は事故を起こした車とメーカーや車種が違っていてもOKです。
プリウスで事故を起こしたからプリウスを買わなければならない、ということはありません。
新車価格相当額の範囲内であればどんな車を買うのも自由です。
東京海上:車両新価保険特約をつかった場合は何等級ダウンする?
車両新価保険特約で保険の支払いを受けると翌年の等級はダウンしますが、そもそも車両保険で3等級ダウン事故に該当する事故で車両新価保険特約を使った場合は、翌年3等級ダウンして事故有期間3年が付きます。
車両保険で1等級ダウン事故に該当する事故で車両新価保険特約を使った場合は、翌年1等級ダウンして事故有期間1年が付きます。
※車両新価保険特約を使った場合の等級ダウンに関しては東京海上のホームページに記載はなく、約款や重要事項説明書にも見当たらないので、東京海上に電話で確認したのが上の説明です。電話オペレーターの方は「内規」でこうした規定になっているとの事でした。
下記の表は、車両保険の「エコノミー+A」と「一般条件」の補償範囲、また保険を使った場合に何等級ダウンするかをまとめたものです。
車両新価保険特約を使った場合も、等級ダウンの仕方はこれと同じです。
補償内容 | エコノミー+A | 一般条件 | 保険を使った場合の等級ダウン |
車同士の衝突 | 〇 | 〇 | 3等級ダウン |
台風・竜巻・洪水・高潮 | 〇 | 〇 | 1等級ダウン |
火災・爆発 | 〇 | 〇 | 1等級ダウン |
イタズラ・落書き・窓ガラス破損 | 〇 | 〇 | 1等級ダウン |
飛来中・落下中の他物との衝突 | 〇 | 〇 | 1等級ダウン |
2輪自動車・原付バイクとの衝突 | 〇 | 〇 | 3等級ダウン |
単独の自損事故 | × | 〇 | 3等級ダウン |
当て逃げ | × | 〇 | 3等級ダウン |
※通常の車両保険では「盗難」は対象になりますが、車両新価保険特約では対象外になります
たとえば上の表の3行目、「台風」で車が水没し、エンジンその他の主要部分が損壊して新車価格相当額の50%以上の損害が認定された場合、車両新価保険特約を使って新車に買い替えることができます。
その際、台風による車の損害は1等級ダウン事故に該当するので、車両新価保険特約を使った場合も翌年の等級は1等級ダウンし、事故有期間1年が付きます。
東京海上:車両新価保険特約のデメリットは?
車両新価保険特約を付帯するデメリットは、保険料が高くなることです。
それ以外にデメリットはなく、保険料の負担感をそれほど感じないのであれば、付けておいたほうがいい特約だと思います。
東京海上:車両新価保険特約の必要性について
車両新価保険特約を付帯できる期間は新車から約4年間です。
そもそも車両新価保険特約は、まず車両保険を契約していて、これに追加する形で付帯する特約です。
ですから、事故で修理が必要なときは、車両保険から最低限の支払いを受けられることになり、車両新価保険特約はあくまでも「より手厚い補償」という位置付けになります。
そういう意味では、ぜひとも付けておきたい特約、という必要性は薄いかもしれません。
とは言うものの、新車から2年とか3年くらいのあいだは、車両新価保険特約を付ける意味はかなりあると思います。
2年落ちや3年落ちくらいの車の場合、リセールバリューはまだまだあります。
しかし事故で骨格部分等を修理すれば、「修復歴車」としてリセールバリューはかなり落ちます。
車両新価保険特約なら、修理ではなく丸ごと新車に交換できるので、リセールバリューが落ちるどころか、交換した時点では0年落ちのまっさらな新車です。
あるいは、そうした経済的な側面だけでなく、精神面での違いも大きいと思います。
4年落ちとか5年落ちの車が「修復歴車」になるのと、真新しい車がいきなり「修復歴車」になってしまうのとでは、精神的ショックの度合いがあまりに違うのではないでしょうか。
車両新価保険特約のために支払う保険料は、高級車などは別にして、通常、年間保険料3,000円~10,000円の追加で収まります。※金額は目安です
少なくとも、初度登録の3年目くらいまでは付けておくと大いに安心だと思います。
あとはみなさんの保険料の負担感次第というところですが。
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