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【記事丸わかり】
⇒⇒ハイブリッド車の補機バッテリーが上がってしまった時の対処法 |
ハイブリッド車がバッテリー上がりになったら
ガソリンエンジンのみで走行する車がバッテリー上がりになったらエンジンがかかりません。
これはハイブリッド車でも同じ現象が起こります。
まず、ハイブリッド車には2種類のバッテリーが積まれています。
- 補機用バッテリー(12V):ガソリン車のバッテリーと同じ働きをするバッテリー。メーター類、灯火類、カーナビ等を駆動するための電気を供給する。またハイブリッドシステムを起動する電源でもある
- 駆動用バッテリー(200V):駆動用モーターを動かすためのバッテリー
ハイブリッド車がバッテリー上がりを起こした場合は、言うまでもなく「補機用バッテリー(12V)」が上がっている状態です。
この症状が出たら、ガソリン車のバッテリー上がりと同じ方法で対応します。
つまり、救援車を呼んで、バッテリー同士を赤と黒のケーブルでつなぎ、5分ほど充電して、そしてスタートボタンを押します。
ただし、ハイブリッド車のバッテリー上がりには特有の注意点があります。
以下、詳しくご説明します。
必ずガソリン車から充電。ハイブリッド車同士は不可!
まず、結論を書きます。
ハイブリッド車がバッテリー上がりを起こしたら、これを救援するための車は必ずガソリン車からでなければなりません。ハイブリッド車に救援を頼むのはNGです。
- ガソリン車⇒⇒ハイブリッド車:OK
- ハイブリッド車⇒⇒ハイブリッド車:NG
- ハイブリッド車⇒⇒ガソリン車:NG
理由を説明します
ハイブリッド車がバッテリー上がりを起こした場合、そのバッテリーは一般のガソリン車のバッテリーと同じ補機用バッテリーです。
だから、一見すると、ハイブリッド車に救援を依頼しても問題ないように思えます。なぜなら、同じ補機用バッテリー同士をケーブルでつなぐのですから、ガソリン車に救援してもらうのと同じはずだからです。
けれども、同じではありません。
ハイブリッド車の補機用バッテリーは、ハイブリッドシステムや様々なハイブリッド車に特有のセンサー類と配線がつながっています。
この点がガソリン車の補機用バッテリーと異なります。
だから、ハイブリッド車同士の補機用バッテリーをケーブルでつなぐと、救援する側か救援される側のいずれかまたは両方の電気系統が故障してしまうのです。
したがって、ハイブリッド車⇒⇒ハイブリッド車という救援はNGであるだけでなく、ハイブリッド車⇒⇒ガソリン車の救援もNGなのです。
電気系統が故障してしまいます。
そこで、もう一度結論です。
ハイブリッド車がバッテリー上がりを起こしたら、必ずガソリン車から救援をしてもらってください。
救援の方法:バッテリーケーブルのつなぎ方
さて、ここまで見てきたように、ハイブリッド車がバッテリー上がりを起こしたら必ずガソリン車から救援してもらう必要があります。
その際、互いの補機用バッテリーをバッテリーケーブルで接続するわけですが、ここでもハイブリッド車特有のやり方があります。
車種によって異なりますが、通常、ハイブリッド車のエンジンルームを開けても、ガソリン車と同じように補機用バッテリーがむき出しになっていることはありません。
たとえば、トヨタのアクアの場合なら、車の正面に立ち、エンジンルームを開けると、右奥の角の所にヒューズボックスがあり、この蓋を開けると、そこに赤色の+端子があります。
これを「救援端子」と呼びます。
補機用バッテリーそのものは別の場所(トランク部の下)にあります。
そこで、アクアの場合で説明しますと、もしもアクアがバッテリー上がりを起こしたら、次の手順で作業を進めてください。
- アクアと救援車(ガソリン車)のフロントを突き合せた状態にする
- アクアのエンジンルームを開け、右奥の救援端子に赤いケーブルの端子をつなぐ
- その赤いケーブルのもう一方の端子を救援車の+端子につなぐ
- 救援車の-端子に黒いケーブルの端子をつなぐ
- その黒いケーブルのもう一方の端子をアクアの「塗装していない金属部分」につなぐ
- 救援車のエンジンをかけ、5分ほどアイドリングよりやや高いエンジン回転で回し続ける
- アクアのスタートボタンを押す
以上の手順になります。
トヨタでは上記の手順をわかりやすい動画にまとめています。
5分弱の動画です。
JAFか自動車保険のロードサービスを利用する手もある
ハイブリッド車のバッテリーが上がった際は、上記方法で自分で解決することができますが、出先で救援してくれるガソリン車が見当たらないこともあります。
そんな時は、加入している自動車保険(任意保険)のロードサービスを利用してください。
今の自動車保険には、どの会社の保険であれ、緊急時のロードサービスが自動付帯になっています。「自動付帯」とは、漏れなく必ずついているという意味です。
特約で付けるのではなく、普通に自動車保険に加入していれば、特に説明がなくても必ずついているサービスです。
損保ジャパンとか東京海上日動などの代理店型自動車保険だけでなく、チューリッヒとかソニー損保などの通販型自動車保険にもロードサービスは自動付帯しています。
こくみん共済(旧全労済)やJA共済などの共済にもロードサービスは自動付帯しています。
そして、どの会社のロードサービスもバッテリー上がりに対応しているので、とにかく困ったら電話を掛ければ現場に駆けつけてくれます。
その際、駆けつけた車からバッテリーケーブルをつないで救援してくれることもあれば、バッテリーの劣化状況によっては、とりあえず最寄りの修理工場等にレッカー移動して、そこで対処する場合もあります。
そして、こうしたサービスは無料で行ってくれます。※バッテリーを新品に交換する場合は実費支払いが必要
同様のサービスはJAFでも行っています。
ただ、みなさん、当然自動車保険に加入しているでしょうから、自動車保険のロードサービスを利用すべきです。
無料ですし、翌年度の等級にも影響しません。全くの無料サービスです。
もちろん、バイク保険(バイクの任意保険)にもロードサービスは自動付帯しています。
下記記事も参考になさってください。
⇒⇒ハイブリッド車は暖房で燃費悪化する?:水冷式のエンジン車では、車内の暖房はエンジンの冷却水の廃熱を利用しています。もともと捨ててしまう熱を再利用しているだけなので燃費を悪化させることはありません。ハイブリッド車の暖房も、いろいろ方式はありますが、多くは通常のエンジン車と同様に冷却水の廃熱を利用しています。 ⇒⇒ハイブリッド車のバッテリー上がり対策:バッテリー上がりに関してはハイブリッド車も普通の車も原因は同じです。長期間のらずに放置していたり、ライトをつけっぱなしにしたり、長時間半ドアのままでいたりすると、バッテリーは放電してしまい、エンジンが始動しなくなります。 ⇒⇒車のACCモードでバッテリー上がり?:車のACCモードとはアクセサリーモードのことで、エンジンを切った状態でラジオやスマホの充電ができるモードのことです。ACCモードで電装品を使用するということは、バッテリーには大きな負担になりますから、もしもバッテリーが弱っていると思われる場合は、カー用品店などで販売されている充電器などでバッテリーを強化しておくべきです。 ⇒⇒エアコンでバッテリー上がり?:電気自動車やハイブリッド車の一部では、エアコンの動力源が電気で、当然ファンの回転も電気、という方式になっているので、エアコンの使用はダイレクトにバッテリーの消耗につながります。ただ、EV車やHV車はその分だけバッテリーの容量が大きいので、どれだけバッテリーに負担をかけるかは使い方次第です。 ⇒⇒バッテリー上がりはしばらく待つと直る?:バッテリー上がりになったら、もう2度と自然回復しないのでしょうか?しばらく待つとまた復活してエンジンがかかることがあるのでしょうか?その答えは、自然回復してエンジンがかかることもあれば、自然回復しないで2度とエンジンがかからない場合もある、という2通りになります。 |
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