アクセルを踏むとカタカタ音がするのですが、原因は何?
車を発進させる際にアクセルを踏み込んだり、あるいは低速から速度を上げるためにアクセルを踏み込むような場合にカタカタ音が発生することがあります。
こうしたカタカタ音の原因の多くはノッキングと呼ばれる現象がほとんどなのですが、その詳細は後で解説します。
その前に、最近多く報告されている事例として、CVTの車で頻繁に発生するカタカタ音について触れておきたいと思います。
最近のオートマチックトランスミッション(AT)としては、従来のトルクコンバーター式より無段変速機であるCVTを採用している車種が増えていると思います。小型車などはほとんどがCVTに切り替わっているはずです。
このCVTですが、アクセルを踏むとカタカタ音がする、エンジンが滑らかに回転しない感じがする、という報告がネット上にも数多くあげられています。
こうした事例の中では、実際にエンジンに不具合があるケースもあるでしょうが、多くのケースでこれらは異常ではありません。そういう設定にしてある、というのが本当の答えになるのではないでしょうか。
つまり、燃費性能を極限まで上げるために、できるだけ少ない回転で(できるだけ少ない燃料消費で)車を走らせようとするあまり、通常のモードで走行する場合の燃料供給プログラムをそうしたギリギリの設定にしてあるのです。
その証拠に、通常のDレンジでなくスポーツ走行モードであるSモードに切り替えて同じ操作をすると、ほとんどのケースでカタカタ音は消えるのです。
私が今乗っているフォルクスワーゲンゴルフはCVTではなくDCT(DSG)と呼ばれる変速機ですが、この変速機でも通常走行時はできるだけエコな走行をするようにプログラミングされているので、カタカタ音に近いノッキング寸前の音がします。
現在の車にはノッキングを防止するノッキングセンサー(ノックセンサー)がついているので完全なノッキング状態にはなりませんが、それでもその寸前までいくようなギリギリの状態で車を走らせる傾向にあります。
だから、CVTでカタカタ音が発生するからといってディーラーに車を持ち込んでも、
「これは故障ではありません。」
といって突き返されるわけです。
場合によっては、アイドリング時のエンジン回転を少し上げる調整をされて戻ってくることもあるようですが、基本的に、問題なしとして戻ってきます。
慣れるしかないのかもしれませんね。
実際に異常が発生している場合のカタカタ音⇒⇒ノッキング
アクセルを踏むとカタカタ音がするというケースで、実際にエンジンに異常が発生しているケースとして考えられるのは、ノッキングと呼ばれる現象です。
ノッキングとはエンジンの異常燃焼のことです。未燃焼混合気が自己着火する異常燃焼です。カタカタとかガタガタとかカクカクといった音と振動が発生するので誰でも気づきます。
ノッキングはMT車ではギアの選択を間違えたりするとわりあい頻繁に発生します。ただし、これは運転操作が原因のノッキングなので心配ないのですが、運転操作以外が原因でノッキングが発生したら、これは放置できません。
ノッキングの発生は以下のような原因が考えられます。
- オクタン価の低いガソリンを使用している:ハイオク指定の車にレギュラーを入れている場合など
- プラグの劣化により混合気の発火に必要な高圧電流が発生しなくなっている
- プラグの点火時期が早すぎる場合
- エンジンの燃焼室内に燃えカスであるカーボン等が許容量を超えて堆積している:買い物等近距離の走行を繰り返すとカーボンが蓄積しやすくなる。ある程度のカーボンは燃料添加剤で除去できます。
- エンジンへの吸気温度が高すぎる場合:オーバーヒート現象
- エンジンそのものが異常な高温になっている場合:オーバーヒート現象
- 燃料供給の量が不足している
ノッキングとはエンジンの不整脈です。リズミカルに混合気が爆発して滑らかにピストンを回転させるのではなく、ギクシャクとした点火を繰り返す現象のことです。
低速時に発生するノッキングはまだ初期症状ですが、高速走行時にノッキングが発生すると一発でエンジンが損傷を受けることがあります。
いずれにしても、私たち一般のドライバーがノッキングの原因箇所を即座に特定することはまず無理です。
ディーラーや修理工場に持ち込んでプロの診断を受けたほうが安心だと思います。
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