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車の水温計の表示について見方を解説します。
水温計が高い場合と低い場合の原因と対策。
いつもの位置まで上がらない場合の原因と対策。
警告灯のみで水温計がない場合の表示の見方など、詳しく解説します。
水温計とは
車やバイクのエンジンには水冷式と空冷式があり、水冷式のエンジンには必ずラジエーターが装備さていています。
ラジエーターには冷却水が入っていて、エンジン廻りを常時血液のように循環し、適正な温度に保つ働きをします。
水温計とは、このラジエーターの冷却水の温度を監視する装置です。
エンジンの種類によって異なりますが、一般的に、90度前後が適正温度です。
高い場合、低い場合
水温計にはCとHの表示があり、CはCOOL、HはHEATの意味です。
水温計の針がHの位置に上がってそこに張り付いてしまったら、完全にオーバーヒートの状態です。
オーバーヒートを起こすと、エンジンルームから甘いニオイがしたり(冷却水漏れの場合)、エンジンの回転が不安定になったり、アクセルを踏んでも加速しなかったり、聞き慣れない異音が発生したりします。
これを放置するとエンジンが焼き付いて、最悪エンジンを交換しなければならなくなります(修理費用・交換費用は数十万から100万超えも)。
反対に、針がCの側に残ったまま上がっていかない場合は、オーバークールと言って、やはりエンジンが不具合を起こす原因になります。
水温計の温度は90度前後が適正温度です。
通常なら水温計の針は90℃あたりの位置にピタリと停止していて、夏でも冬でも、一般道をゆっくり走っているときも高速道路をハイスピードで飛ばしているときにも、常に同じ位置にとどまっています。
針が明確にHやCの位置を指すのも問題ですが、90度の前後を行ったり来たりとフラフラ動く場合もトラブルの兆候です。
正常であれば決してそんな動きをしないのが水温計の特徴ですから、すぐに車を停めなければなりません。
上がらない場合
上記解説のように、水温計の針は高い位置でも低い位置でも問題があるのですが、トラブルが発生するのはほとんどが高い位置を指すケースです。
つまりオーバーヒートを起こすケースです。
ところが、ごくまれに針が上がっていかないことがあります。
水温が低い温度のままにとどまっているのです。
これをオーバークールと言いますが、オーバークールが発生する原因は、何らかの原因でエンジン内部のシリンダーとピストンの間にすき間ができてしまい、ガソリンなどの燃料とエンジンオイルが混じり合ってしまって、その結果、エンジンオイル濃度が薄まります。
これにより、オーバーヒートと原因は異なりますが、やはりエンジンに様々な不具合を発生させます。
オーバーヒートも怖いですがオーバークールも怖いので、とにかく水温計の表示には注意が必要です。
水温計がない場合
たとえ水冷式のエンジンでもすべての車に水温計がついているとは限りません。
安価でベーシックタイプの車は水温計を省略しているケースもあります。
ただし、水温計はなくても警告灯は必ずついています。
警告灯は「水に温度計をさしている図柄」なのですぐに分かります。
温度が低すぎる場合は青色が、温度が高すぎる場合は赤色が点灯します。
原因と対策
水温計の温度が高くなる原因はいくつか考えられます。
- 冷却水が漏れている
- 冷却ファン・ベルトなどの故障
- エンジンオイルの漏れ
などが考えられますが、とにかくエンジンの冷却システムのいずれかが故障していることが原因です。
水温計の針がHの位置に張り付いていたら完全にオーバーヒートなので、すぐに安全な場所に車を停止させてください。
停止させたら、そのままエンジンを切らずにしばらく様子を見ます。
針がHの位置から下がってきたら、それほど重症でないかもしれません。
冷却水漏れか冷却ファンの故障などが原因と考えられます。
しかし針がHの位置に張り付いたままなら、これは重症かもしれません。
エンジンを切る必要があります。
いずれにしても、自分でこうした診断が付く人はいいのですが、そういう自信がない人は中途半端に対応しないほうがいいと思います。
今の自動車保険(任意保険)にはどの保険会社や共済であっても「ロードサービス」が自動付帯しています。これは別途保険料を払って特約としてつけるサービスではなく、自動的についてくるサービスです。
このロードサービスに電話をかければレッカー車で最寄りの修理工場か行きつけのディーラーなどに車を搬送してくれます(ほとんどのケースで無料)。
トラブル箇所がエンジン回りですから、プロに見てもらうのが一番安心です。
オーバークールの場合も、もちろん、プロに見てもらいましょう。ただし、オーバーヒートと異なりオーバークールでエンジンが壊れることはめったにありません。不調になるだけです。
針は始動後10分~15分後に安定する
水温計は、エンジン始動直後はまだエンジンが温まっていないので、針は動きません。
10分~15分経てば安定します。
エンジンが正常か異常かは、その時点で針が指している位置で判断します。
あとは、走行中に異常がなければ常に90度付近に張り付いた状態でいます。
下記の記事も参考になさってください。
ご覧いただきありがとうございました。