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スタッドレスタイヤの履きつぶしでは高速と雨天に注意
冬場の雪道や凍結路を安全に走行できるように作られているのがスタッドレスタイヤです。夏タイヤと違って路面と接触するトレッド面のゴム素材には様々な工夫がされていて、たとえば低温下で普通ならゴムが硬くなる場面でも柔らかさを維持する素材が使用されたりしています。
そうした「冬季スペシャル」なタイヤがスタッドレスタイヤですが、新品時の山の高さ(溝の深さ)は10mmほどで、これが摩耗することで5mm程度になるとプラットホームと呼ばれる使用限界サインがトレッド面に露出します。
このサインが出ると雪道や凍結路での使用は不可です。当初の性能を発揮しないので冬タイヤとしての役目は終了です。
ただし、プラットホームが出た後も山はまだ残っているので、夏タイヤとして春・夏・秋に使用することは可能です。もちろん、本来は冬用タイヤなので下記に記すように様々なデメリットはありますが、それでも注意して走行すればまだまだ使用できます。
これが、いわゆる「履きつぶし」と呼ばれるものです。
スタッドレスを夏タイヤとして使用していると、そのうちにスリップサインと呼ばれる使用限界サインがトレッド面に露出してきます。溝の深さ1.6mmのサインです。このサインが出ると車検にも通りませんし、性能面でも危険領域なので、夏タイヤとしても使用不可となり、完全にタイヤの役割を完了します。
履きつぶしをした場合のデメリット
本来冬用のタイヤであるスタッドレスを春、夏、秋にも履き続けることを意味する「履きつぶし」ですが、これをやると下記のようなデメリットがあります。
- 制動距離が伸びる:夏タイヤに比べてスタッドレスのトレッド面は柔らかくできていて、特に夏場の高温でフニャフニャになるのでブレーキ性能はかなり落ちます。フルブレーキテストでは夏タイヤより30%前後制動距離が伸びるというデータもあります。
- 濡れた路面での制動距離が特に悪い:制動距離は雨の日などの濡れた路面でさらに伸びる傾向があり、やはりフルブレーキテストでは夏タイヤより45%前後伸びるというデータがあります。
- 燃費性能が落ちる:スタッドレスのトレッド面は夏タイヤより柔らかく路面との接触面積が増えるのでどうしても燃費が落ちます。5%~10%燃費が悪くなるのが普通です。
- 摩耗が早くなる:雪道や凍結路で本来の性能を発揮するように作られているので、普通のアスファルトを走ると摩耗が早まります。
- ノイズが大きい:夏タイヤよりトレッド面のパターンが複雑なのでロードノイズが大きくなります。
夏場の高速走行は要注意
上記の繰り返しになりますが、スタッドレスタイヤを冬以外に「履きつぶす」場合、特に注意していただきたいのは夏場の高速走行です。
夏場のアスファルトは高温です。その上をハイスピードで走行するとタイヤは通常よりさらに高い熱を持ちます。すると、ただでさえ夏タイヤより柔らかい素材でできているトレッド面がフニャフニャ状態になって、路面をグリップする性能が低下するだけでなく、強烈な負荷によってバーストする可能性が高まります。
したがって、スタッドレスタイヤの履きつぶしでは、タイヤがこうした高温にさらされるシーンはできるだけ避ける必要があります。
スピードを出さない、炎天下で乗らない、高速道路を避ける、などの対応が必要です。
路面の濡れに注意
スタッドレスを冬以外の季節に履きつぶして使用する場合、路面の濡れも要注意です。
スタッドレスタイヤのトレッド面を見ると、大小の溝が多数あって、ちょっと見には「水はけがよさそう」に思えるのですが、これは違います。
スタッドレスタイヤは雨に弱いタイヤです。濡れた路面でブレーキを掛けると、夏タイヤより確実に制動距離が伸びます。1.5倍くらいの距離が必要になります。夏タイヤなら20mで止まるところが30mないと止まらないということです。
こうした点には十分に注意してほしいと思います。
下記の記事も参考になさってください。
⇒⇒スタッドレスタイヤを一年中履きっぱなしで寿命は何年? ⇒⇒スタッドレスタイヤを夏に使用|夏場に履きつぶすのはアリ? ⇒⇒オールシーズンタイヤの見分け方|スタッドレスとの違いは? ⇒⇒スタッドレスタイヤの寿命|5年目・6年目・7年目はOK? |
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