【超丁寧解説】自動車保険の中断証明書「必要書類」発行する時・再開する時

自動車保険・中断証明書・中断証明・必要書類・発行・再開・発行依頼書

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【記事丸わかり】

  • 中断証明書の必要性
    • 車を手放す場合や海外転勤・留学時に、自動車保険の等級を10年間保存するための書類。
    • 再開時に保存等級を引き継ぐことができ、保険料の大幅な節約が可能。
  • 発行条件(国内特則)
    • 車を手放すこと:廃車、譲渡、売却、車検切れ、一時抹消、災害、盗難など。
    • 再開後の等級が7等級以上になること。
    • 保険の解約日または満期日から13ヶ月以内に発行申請。
  • 発行条件(海外特則)
    • 海外出国日が中断契約の解約日または満期日から6ヶ月以内であること。
    • 再開後の等級が7等級以上になること。
    • 解約日または満期日から13ヶ月以内に申請。車を手放す必要はなし。
  • 発行条件(妊娠特則)
    • 中断契約の解約日または満期日までに妊娠届出を行うこと。
    • 再開後の等級が7等級以上になること。
    • 保険の解約日または満期日から13ヶ月以内に発行申請。対象は二輪車と原付のみ。
  • 発行に必要な書類(国内特則)
    • 中断証明書発行依頼書、自動車保険証券のコピー、車を手放したことを証明する書類(理由別に異なる)。
  • 発行に必要な書類(海外特則)
    • 中断証明書発行依頼書、自動車保険証券のコピー。
  • 発行に必要な書類(妊娠特則)
    • 中断証明書発行依頼書、自動車保険証券のコピー、母子健康手帳のコピー。
  • 再開に必要な書類(国内特則)
    • 中断証明書の原本、新たに契約する車の車検証のコピー。
  • 再開に必要な書類(海外特則)
    • 中断証明書の原本、車検証のコピー、パスポートのコピー(出国日と帰国日の確認)。
  • 再開条件
    • 中断証明書の有効期限内であること。
    • 中断前と新契約の車の用途車種が特定の8車種に該当すること。
    • 中断証明書記載の記名被保険者と新契約の記名被保険者が同一であること(配偶者や同居の親族も含む)。

⇒⇒【解約時の必殺技】自動車保険の中断証明書がアツい!

自動車保険中断証明書ノンフリート等級を10年間保存しておき、近い将来また保険を再開するときに保存しておいた等級を引き継ぐための書類です。

中断証明書の発行には料金は一切かかりません(無料)。

ですから、車を手放して中断証明書の発行条件に適合する場合は、迷いなく発行しておくべき書類です。

このページでは中断証明書の「必要書類」について発行する場合と再開する場合に分けて詳しく解説しています。

しばらくお付き合いいただければ幸いです。

中断証明書の必要性

中断証明書の必要性・自動車保険の中断証明書「必要書類」発行する時・再開する時

車を手放したり、転勤・留学などで海外に長期滞在することになった場合には、一時的に自動車保険が必要なくなる場合があります。

そういう場合には、中断証明書を発行しておけば、向こう10年間ノンフリート等級を保存しておくことができ、再開する次の契約に等級を引き継ぐことができます。

通常、自動車保険にはじめて加入する際は6等級または7等級からのスタートになります。

中断証明書で割引の進んだ等級を保存しておけば、再開する保険は割引の進んだ等級からスタートできるので、場合によっては、6等級でスタートするより保険料に2倍以上の差が出るケースも珍しくありません。

中断証明書の発行は無料でできるので、発効条件さえ満たしているなら、迷わず入手しておくべき書類だと思います。

かりに将来中断証明書を利用しなかったとしても、何一つペナルティーはありません。

中断証明書の発行条件を確認

中断証明書・発行条件・自動車保険の中断証明書「必要書類」発行する時・再開する時

まず、中断証明書の発行条件を確認しておきたいと思います。

あなたのケースが発行条件に当てはまるかご確認ください。

中断証明書には3つの種類があって、保険会社によって呼び方が異なりますが、一般的には「国内特則」「海外特則」「妊娠特則」の3つです。

中断証明書の発行条件:「国内特則」
発行条件(1) 保険期間内に車を手放していること

※廃車・譲渡・売却・車検切れ・一時抹消・災害・盗難など

発行条件(2) 再開後の等級が7等級以上になる等級・事故歴であること
発行期限 保険の解約日または満期日から13ヶ月以内

 東京海上日動、イーデザイン損保、AIG損保など5年以内

中断期間(有効期間) 10年間

 

中断証明書の発行条件:「海外特則」
発行条件(1)海外への出国日が中断する契約の解約日または満期日から6ヶ月以内の日であること
発行条件(2)再開後の等級が7等級以上になる等級・事故歴であること
発行期限 保険の解約日または満期日から13ヶ月以内

 東京海上日動、イーデザイン損保、AIG損保など5年以内

中断期間(有効期間) 10年間※海外への出国日から10年間
車の状態 手放していなくてもOK

※これが「国内特則」との最大の違い

3つ目は「妊娠特則」ですが、これは扱っている保険会社はわずかです。

ここではアクサダイレクトと三井住友海上の2社の規定をご紹介します。

いずれの会社も自動車保険は対象外で、2輪バイク・原付バイクの任意保険のみが対象です。

中断証明書の発行条件:「妊娠特則」※自動車保険は対象外
発行条件(1)中断する契約の解約日または満期日までに母子保健法に定める妊娠の届出をしていること

※保険会社には「母子健康手帳」のコピーを提出する

発行条件(2)再開後の等級が7等級以上になる等級・事故歴であること
発行期限 保険の解約日または満期日から13ヶ月以内
中断期間(有効期間) 3年間(アクサダイレクト)

 10年間(三井住友海上)

車の状態 手放していなくてもOK

 ※ただし、2輪バイク原付バイクのみが対象

中断証明書:発行の必要書類:「国内特則」

中断証明書・発行の必要書類・国内特則・自動車保険の中断証明書「必要書類」発行する時・再開する時
中断証明書発行の必要書類:「国内特則」
中断証明書発行依頼書(中断証明書発行申請書)
自動車保険証券のコピー
各種証明書など(車を手放した理由により提出書類が異なる)

上記必要書類について、順次ご説明いたします。

まずについて。

保険会社に中断証明書の発行を依頼すると、「中断証明書発行依頼書(中断証明書発行申請書)」という書類が送られてくるので、これに必要事項を記入し、保険会社に返送します。

中断証明書発行依頼書(セゾン)・自動車保険・中断証明書・発行・再開・必要書類

中断証明書発行依頼書(おとなの自動車保険・セゾン)※会社により様式が異なります

上の画像が「中断証明書発行依頼書(中断証明書発行申請書)」ですが、これに記入する際には自動車保険の証券番号やナンバープレートの番号が必要になるので、手元に自動車保険証券を用意してください。

自動車保険証券は「中断証明書発行依頼書(中断証明書発行申請書)」といっしょに保険会社に返送します(コピーでOK)。

車検証・自動車保険・中断証明書・発行・再開・必要書類

車検証

の各種証明書ですが、「国内特則」の場合は車を手放していることが発行の条件になります。

手放した理由によって、それぞれ提出する書類が異なるので一覧表で見てみましょう。

下記の内容はSBI損保のものです。

他の保険会社はこれほどマニアックではなくて、省略できる書類がたくさんあるのですが、もっとも厳し目の事例としてご紹介します。

※みなさんが実際に中断証明書発行依頼書を提出する際は、保険会社にどういう名称の書類を提出するのか、それとも書類の提出は不要か、個別にお問い合わせください。

理由別による提出書類
理由登録車(プリウスなど) 軽自動車(ワゴンRなど)
廃車・登録事項等証明書
・登録識別情報等通知書
・輸出抹消仮登録証明書
・検査記録事項等証明書
・輸出予定届出証明書
・自動車検査証返納証明書
・軽自動車検査証返納確認書
譲渡・売却・登録事項等証明書 (詳細証明)
・新所有者へ名義変更後の自動車検査証
・売買契約書
・新所有者へ名義変更後の自動車検査証
・売買契約書
リース車の返還・登録事項等証明書 (詳細証明)
・新所有者へ名義変更後の自動車検査証
・検査記録事項等証明書 (保存記録)
・新所有者へ名義変更後の自動車検査証
一時抹消・登録事項等証明書
・登録識別情報等通知書
・検査記録事項等証明書
・軽自動車届出済証返納証明書
・軽自動車届出済返納確認
ナンバープレートの返還・自動車重量税還付申請書付表1・自動車検査証返納証明書
・自動車重量税還付申請書付表1
車検切れ・自動車検査証
・登録事項等証明書
・軽自動車検査証
・検査記録事項等証明書
盗難・届出警察署名
・届出受理番号
・盗難発生日※これらの情報を、「中断証明書発行依頼書」に記入
車両入替(はき出された車)・変更手続依頼書
・承認書 (他の契約において車両入替されている事実および日付が確認できる書類)

引用:SBI損保

繰り返しますが、上のSBI損保の事例は最も厳し目のもので、これよりゆるやかな保険会社もあって、その一例が下の三井ダイレクトのものです。

手放した理由 提出書類
一時抹消登録(16条抹消)・登録事項等証明書

・登録識別情報通知書

車検切れ・自動車検査証

・登録事項等証明書

廃車書類の提出不要
譲渡・売却書類の提出不要
リース会社への返還書類の提出不要
盗難書類の提出不要

引用:三井ダイレクト

いかがでしょう?

三井ダイレクトはだいぶ省略できるようです。

実際のところ、特に代理店型の保険会社では、実務の現場では省略できる書類がけっこうあります。

たとえば、譲渡したり売却したりした場合は、それらの事実があった日付と譲渡・売却先を記入するだけでOKというケースが多いです。

中断証明書:発行の必要書類:「海外特則」

中断証明書発行の必要書類・海外特則・自動車保険の中断証明書「必要書類」発行する時・再開する時
中断証明書発行の必要書類:「海外特則」
中断証明書発行依頼書(中断証明書発行申請書)
自動車保険証券のコピー

海外赴任や海外留学する場合に発行してもらう中断証明書は、上記2つの書類だけでOKです。

中断証明書発行依頼書(セゾン)・自動車保険・中断証明書・発行・再開・必要書類

中断証明書発行依頼書(おとなの自動車保険・セゾン)

車検証・自動車保険・中断証明書・発行・再開・必要書類

車検証(コピーでOK)

海外特則による中断証明書の場合、発行は簡単にできますが、下記で解説しているように、保険を再開するときがちょっと面倒です。

実際に海外に出国した事実をパスポートの記載で確認する必要があるからです。

しかし、発行は簡単にできます。

保険会社に中断証明書の発行依頼をすれば、上記「中断証明書発行依頼書(中断証明書発行申請書)」が送られてくるので、車検証の記載を確認しならが必要事項を記入し、車検証のコピーと共に保険会社に返送すれば、1週間~10日ほどで発行してくれます。

本当に「海外特則」でいいですか?

中断証明書の「海外特則」は、1年あるいは2年程度の留学・海外赴任ならいいかもしれませんが、それ以上長期の海外渡航であるなら、実際のところ、あまり意味のない制度だと思います。

なぜなら、下記の「再開の必要書類」や「再開条件」などをご覧になればわかると思いますが、制約が多すぎるのです。

「海外特則」の最大のメリットは、車を手放さなくても発行できるところなのですが、そもそも長期間車を放置しておけばあちらこちら故障が発生する可能性大です。

それなら、いったん売却なり廃車処分して、「国内特則」で中断証明を取得しておいたほうがずっと使い勝手がいいと思います。

どうしても手放せない愛着のある車であるなら、一時抹消あるいはナンバープレートの返納をすれば「国内特則」が取得できます。

「海外特則」による中断証明書を持っていながら実際には使えなかったというケースがかなりありますので、この点、よく検討していただいて、それでも大丈夫という場合にだけ「海外特則」で発行してもらい、そうでなければ「国内特則」を利用すべきだと思います。

中断証明書:発行の必要書類:「妊娠特則」

中断証明書発行の必要書類・妊娠特則・自動車保険の中断証明書「必要書類」発行する時・再開する時

 

中断証明書発行の必要書類:「妊娠特則」
中断証明書発行依頼書(中断証明書発行申請書)
自動車保険証券のコピー
母子健康手帳のコピー

妊娠特則ですが、アクサダイレクトと三井住友海上の2社については電話で内容を確認していますが、あくまでも2輪バイクと原付バイクの任意保険に加入している人が対象です。

自動車保険は対象外です。

保険会社に中断証明書の発行依頼すれば、後日「中断証明書発行依頼書(中断証明書発行申請書)」が返送されてくるので、車検証の記載を確認しながら必要事項を記入し、車検証のコピー、母子健康手帳のコピーと共に保険会社に返送してください。

アクサダイレクトは1週間~10日ほど、三井住友海上は2週間~3週間ほどで、中断証明書が発行されると思います。


中断証明書:再開の必要書類:「国内特則」

中断証明書再開・国内特則・自動車保険の中断証明書「必要書類」発行する時・再開する時

わたしたちが普通に「中断証明書」と言うとき、それは「国内特則」のことを指していることがほとんどです。

車を廃車・売却・譲渡・一時抹消などで手放した際に中断証明書を発行したもの、それが「国内特則」と呼ばれるものです。

中断証明書には、これ以外に「海外特則」と「妊娠特則」があります。

まず「国内特則」の中断証明書を再開する場合の必要書類です。

中断証明書で保存しておいた等級を新たに加入する保険に引き継ぐには、「中断証明書の原本」と新たに契約する車の「車検証のコピー」が必要になります。

新たに契約する保険が代理店型であっても通販型であっても、必要書類は「中断証明書」と「車検証」です。

中断証明書の再開に必要となる書類
国内特則 「中断証明書の原本」「車検証のコピー」

※妊娠特則の再開は国内特則と同じです

※中断証明書を発行した会社で保険を再開する場合は、中断証明書の原本を紛失していても契約できます。他社で再開する場合は原本が必要になります

中断証明書:再開条件:「国内特則」

中断証明書・再開条件・国内特則・自動車保険の中断証明書「必要書類」発行する時・再開する時

前の項目では、中断証明書を再開する際に手元に用意すべき必要書類を確認しました。

ここでは、再開するための諸条件を確認します。

あらためて「条件」を並べてみると、なんだか色んな制約があるように見えるかもしれませんが、よほど特殊なケースでない限り、たいていの場合は問題なく契約できると思います。

では、あなたのケースが条件をクリアーできているか、一つ一つご確認ください。

まず「国内特則」の条件です。

※お手元に「中断証明書」と「自動車検査証(車検証)」をご用意ください。

<1>再開する契約の保険始期日が中断証明書の「有効期限」内であること

中断証明書には必ず、

「有効期限:〇年〇月〇日」

という記載があります。

再開する契約の保険始期日は、この有効期限日を含めその手前の日付でなければなりません。

※「国内特則」による中断証明書の場合、有効期限は「中断日(前契約の解約日または満期日)から10年間」となっています

<2>中断前の車と新契約の車の用途車種が下記の8車種のいずれかであること
  1. 自家用普通乗用車
  2. 自家用小型乗用車
  3. 自家用軽四輪乗用車
  4. 自家用小型貨物車
  5. 自家用軽四輪貨物車
  6. 自家用普通貨物車(最大積載量0.5トン以下)
  7. 自家用普通貨物車(最大積載量0.5トン超2トン以下)
  8. 特種用途自動車(キャンピング車)

たとえば、中断前が②自家用小型乗用車で、新契約が⑦の自家用普通貨物車(最大積載量0.5トン超2トン以下)なら、いずれも上記8車種に含まれるのでOKです。

⑧から①でも、⑤から④でもOKです。

用途車種は車検証の右上部分に記載があります。

ただし、下の画像にあるように、素直に「自家用小型乗用」とは記載されていません。

「小型」「乗用」「自家用」という順序で記載されています。

他の用途車種も同じように順序がヘンなので、ちょっと注意してください。

車検証・用途車種・自動車保険・中断証明書・再開・他社・等級
<3>中断証明書記載の「記名被保険者」と新契約の「記名被保険者」が同一であること。ただし、下記に該当する者は同一であるとみなす
  • 中断証明書に記載の記名被保険者の配偶者
  • 中断証明書に記載の記名被保険者またはその配偶者の同居の親族

※法人の組織変更等による場合等も記名被保険者が同一であるとみなす場合があります。この場合の詳細は保険会社にお問い合わせください

中断証明書にも自動車保険証券にも、必ず

「記名被保険者:〇〇〇〇」

という記載があります。

この欄に記載される氏名が同一人であれば問題ありませんが、たとえ同一人でなくても、同居の親族内であれば自由に入れ替えることができるという規定です。

たとえば、中断証明書に記載の「記名被保険者」が妻である場合、新契約の「記名被保険者」は、妻はもちろんOKですが、妻以外に夫、妻の同居の親族、夫の同居の親族のいずれかであればOKということです。

同居の親族の「同居」とは、同一生計や扶養関係の有無に関わらず、同一家屋に居住していることをいいます。

同居の親族の「親族」とは、6親等内の血族、配偶者および3親等内の姻族をいいます。

<4>中断証明書記載の「車両所有者」と新契約の「車両所有者」が同一であること。ただし、下記に該当する者は同一であるとみなす
  • 中断証明書に記載の記名被保険者
  • 中断証明書に記載の記名被保険者の配偶者
  • 中断証明書に記載の記名被保険者または配偶者の同居の親族

※法人の組織変更等による場合等も記名被保険者が同一であるとみなす場合があります。この場合の詳細は保険会社にお問い合わせください

記名被保険者の場合と同じように、中断証明書と自動車保険証券には、必ず

「車両所有者:〇〇〇〇」

という記載があります。

「車両所有者」に関しても、記名被保険者と同じように、同居の親族のあいだであれば誰の所有であっても問題なく新契約に引継ぎできるという規定です。

また、車をローンで購入したり、リース契約を結んでいる場合は、車検証の「所有者」欄にはローン会社やリース会社の名称が記載されています。

しかし、その場合「使用者」欄には購入または貸借契約した人の名前が記載されているはずです。

このようなローンやリースのケースでは「使用者」欄にある人を「車両所有者」とみなします。

したがって、「使用者」が上記のいずれかに該当すれば、問題なく契約は成立します。

<5>新契約の車が、新契約の保険始期日の過去1年以内に取得または借入した車であること

この規定は文字通りのご理解でいいかと思います。

過去1年以内に購入したり、リース契約を結んだりした車であればOKということです。

<6>新契約の車が新規取得自動車であること

これは<5>の補足です。

ここでいう「新規取得自動車」にはやや説明が必要だと思います。

ディーラーや中古車店で購入した車は、もちろん「新規取得自動車」です。

しかし、これ以外にも、

  • 車検切れにより中断を行った旧契約の契約車両を、再び車検受けした車(再車検自動車)
  • 一時抹消により中断を行った旧契約の契約車両を、再登録した場合の車(再登録自動車)
  • 車両入替により「はき出された自動車」となった自動車

こうした車も「新規取得自動車」とみなします。

中断証明書:再開の必要書類:「海外特則」

中断証明書・再開の必要書類・海外特則・自動車保険の中断証明書「必要書類」発行する時・再開する時
いわゆる「国内特則」の中断証明書は上記の通りですが、「海外特則」の中断証明書で再開する場合は、「中断証明書の原本」と「車検証のコピー」の2点に加えて「パスポートのコピー」を提出する必要があります。

「パスポート」が必要なのは、実際に海外に渡航したことを確認するためです

保険会社は「海外特則」で保険を再開する場合は、必ず出国と入国の確認を取ります。

パスポートのどのページをコピーすればいいかというと、「記名被保険者を確認できるページ」と「出国日および帰国日が確認できるページ」です。

なお、自動化ゲートを利用すると、通常、パスポートに記録は残りません。

そこで、自動化ゲートによる出入国手続きを利用する際は、自動化ゲート通過時にパスポートへスタンプ(証印)が必要な旨を空港職員に申告し、必ずパスポートにスタンプを押印してもらってください

もうすでに自動化ゲートを普通に通過し、パスポートにスタンプを押してもらっていない場合は、法務省の「出入(帰)国記録に係る開示請求について」の記載にしたがって出入国記録を入手する方法があります。

いずれにしても、パスポートに関しては、保険会社により提出に必要な内容が微妙に異なることがあるので、事前に確認していただきたいと思います。

中断証明書の再開に必要となる書類
海外特則 「中断証明書の原本」「車検証のコピー」「パスポートのコピー」

※中断証明書を発行した会社で保険を再開する場合は中断証明書の原本を紛失していても契約できます。他社で再開する場合は原本が必要です

なお、後ほど解説しますが、同居の親族内であれば旧契約と新契約の記名被保険者が異なっていても契約は成立します。

たとえば、中断証明書を発行した時点の記名被保険者が夫で、再開する契約の記名被保険者が妻であっても、問題ありません。

ただし、「海外特則」による中断証明書の再開なので、このケースでは、夫と妻の両者が海外渡航している事実がなければなりません。

そこで、新旧の記名被保険者、つまり夫と妻の両者のパスポートが必要になります。

それぞれのパスポートの必要箇所をコピーして保険会社に提出します。

中断証明書:再開条件:「海外特則」

中断証明書・再開条件・海外特則・自動車保険の中断証明書「必要書類」発行する時・再開する時

次は「海外特則」の再開条件です。

<1>再開する契約の保険始期日が中断証明書の「有効期限」内であること

中断証明書には必ず、

「有効期限:〇年〇月〇日」

という記載があります。

再開する契約の保険始期日は、この有効期限日を含めその手前の日付でなければなりません。

※「海外特則」による中断証明書の場合、有効期限は「海外渡航に出発した日から10年間」となっています

<2>中断前の車と新契約の車の用途車種が下記の8車種のいずれかであること
  1. 自家用普通乗用車
  2. 自家用小型乗用車
  3. 自家用軽四輪乗用車
  4. 自家用小型貨物車
  5. 自家用軽四輪貨物車
  6. 自家用普通貨物車(最大積載量0.5トン以下)
  7. 自家用普通貨物車(最大積載量0.5トン超2トン以下)
  8. 特種用途自動車(キャンピング車)

たとえば、中断前が②自家用小型乗用車で、新契約が⑦の自家用普通貨物車(最大積載量0.5トン超2トン以下)なら、いずれも上記8車種に含まれるのでOKです。

⑧から①でも、⑤から④でもOKです。

用途車種は車検証の右上部分にあります。

ただし、下の画像にあるように、素直に「自家用小型乗用」とは記載されていません。

「小型」「乗用」「自家用」という順序で記載されています。

他の用途車種も同じように順序がヘンなので、ちょっと注意してください。

車検証・用途車種・自動車保険・中断証明書・再開・他社・等級
<3>中断証明書記載の「記名被保険者」と新契約の「記名被保険者」が同一であること。ただし、下記に該当する者は同一であるとみなす
  • 中断証明書に記載の記名被保険者の配偶者
  • 中断証明書に記載の記名被保険者またはその配偶者の同居の親族

※法人の組織変更等による場合等も記名被保険者が同一であるとみなす場合があります。この場合の詳細は保険会社にお問い合わせください

中断証明書にも自動車保険証券にも、必ず

「記名被保険者:〇〇〇〇」

という記載があります。

この欄に記載される氏名がたとえ同一人でなくても、同居の親族内であれば自由に入れ替わりができるという規定です。

たとえば、中断証明書に記載の「記名被保険者」が妻である場合、新契約の「記名被保険者」は、妻はもちろんOKですが、妻以外に夫、妻の同居の親族、夫の同居の親族のいずれかであればOKということです。

同居の親族の「同居」とは、同一生計や扶養関係の有無に関わらず、同一家屋に居住していることをいいます。

同居の親族の「親族」とは、6親等内の血族、配偶者および3親等内の姻族をいいます

上記のように同居の親族間では自由に入れ替わりが可能ですが、ただし、「海外特則」による中断証明書の再開の場合、新旧の「記名被保険者」が異なる場合は、その両者が海外渡航している事実がなければなりません

そのため、新旧の記名被保険者のパスポートが必要になります。

それぞれのパスポートの必要箇所をコピーして保険会社に提出します。

(パスポートの提出に関する詳細は、「再開の必要書類:「海外特則」の場合」をご覧ください)

<4>中断証明書記載の「車両所有者」と新契約の「車両所有者」が同一であること。ただし、下記に該当する者は同一であるとみなす
  • 中断証明書に記載の記名被保険者
  • 中断証明書に記載の記名被保険者の配偶者
  • 中断証明書に記載の記名被保険者または配偶者の同居の親族

※法人の組織変更等による場合等も記名被保険者が同一であるとみなす場合があります。この場合の詳細は保険会社にお問い合わせください

記名被保険者の場合と同じように、中断証明書と自動車保険証券には、必ず

「車両所有者:〇〇〇〇」

という記載があります。

「車両所有者」に関しても、記名被保険者と同じように、同居の親族のあいだであれば誰の所有であっても問題なく新契約に引継ぎできるという規定です。

また、車をローンで購入したり、リース契約を結んでいる場合は、車検証の「所有者」欄にはローン会社やリース会社の名称が記載されています。

しかし、その場合は「使用者」欄には購入または貸借契約した人の名前が記載されているはずです。

このようなローンやリースのケースでは「使用者」欄にある人を「車両所有者」とみなします。

<5>新契約の保険始期日は、海外から帰国した日から1年以内の日であること。ただし、出国日から新契約の保険始期日までの間に連続して1年を超える国内での滞在がない場合にかぎる

中断証明書の海外特則の有効期限は、海外に出発した日から10年間です。

けれども、たとえば5年経ったところで帰国し、帰国から3年経過したところで自動車保険を再開しようとした場合、確かにまだ有効期限の10年以内ではありますが、「帰国した日から1年以内」という上の規定に抵触するので、この場合は中断証明書が使えません。

また、海外勤務中あるいは留学中であっても、一時的に帰国することは当然あると思います。

しかし、中断証明書の有効期限10年のあいだに一時帰国があった場合で、その一時帰国の期間が1年以内であるなら問題ありませんが、1年を超える期間一時帰国していた事実があった場合は、中断証明書は使えません。

海外特則で中断証明書を再開する場合は、保険会社にパスポートのコピーを提出するので、その記載内容から一時帰国の期間が保険会社にも把握されてしまいます。

<6>新契約の車が、新契約の保険始期日の過去1年以内に取得または借入した車であること

この規定は文字通りのご理解でいいかと思います。

過去1年以内に購入したり、リース契約を結んだりした車であればOKということです。

<7>新契約の車が新規取得自動車であること

<6>の補足の規定ですが、ここでいう「新規取得自動車」にはやや説明が必要だと思います。

ディーラーや中古車店で購入した車は、もちろん「新規取得自動車」です。

しかし、これ以外にも、

  • 車検切れにより中断を行った旧契約の契約車両を、再び車検受けした車(再車検自動車)
  • 一時抹消により中断を行った旧契約の契約車両を、再登録した場合の車(再登録自動車)
  • 車両入替により「はき出された自動車」となった自動車

こうした車も「新規取得自動車」とみなします。

中断証明書の再開は他社でもOK:等級は引継ぎできる!

中断証明書・他社・等級・引継ぎ・2・自動車保険の中断証明書「必要書類」発行する時・再開する時

自動車保険を他社に切り換えることはごく普通に行われています。

これは、ノンフリート等級が各保険会社のあいだで共有されているからです。

正確に言うと、損害保険会社、JA共済(農協)、全労済、その他一部共済のあいだでは、わたしたちの契約データが必要に応じて照会できる仕組みになっています。

中断証明書も同じ扱いです。

損害保険A社から全労済へ、JA共済から損害保険B社へ、自由に保険の切り替えが可能です。

当然、中断証明書で保存されている等級を引き継ぐ形で次の契約を結ぶことができます。

また、代理店型の損害保険会社と通販型の損害保険会社(ダイレクト自動車保険)のあいだでも、何の問題も無く等級は継承されます。

中断証明書の再開
中断証明書で保存されている等級は、損害保険会社、JA共済(農協)、全労済、一部共済のあいだで自由に切り換え可能

※ただし、ダイレクト自動車保険のなかには、共済からの受け入れに制限をかけているところがあるので、現在共済の中断証明書を持っていてダイレクト自動車保険で再開する予定の方は、個別にお問い合わせいただきたいと思います

通販型自動車保険で再開する場合:インターネット割引について

通販型自動車保険・再開・インターネット割引・自動車保険の中断証明書「必要書類」発行する時・再開する時

前の項目で書いたように、中断証明書は何の問題も無く他社で再開することができます。

たとえば、代理店型の自動車保険会社で発行してもらった中断証明書を使って、通販型自動車保険(ダイレクト自動車保険)で再開することはごく普通に行われています。

ただし、1つだけ注意点があります。

それは、このところ盛んに耳にするようになってきた「インターネット割引」です。

通販型自動車保険のインターネット割引というのは、電話オペレータや郵送による書類のやり取り等を介さずに、契約者がネット上で保険契約を完結(Web契約)した場合にのみ適用される割引です

保険会社の側からすると、まさに人件費削減の究極の形態であり、経費削減できる分を契約者に還元するのが、いわゆる「インターネット割引」です。

そこで中断証明書の扱いですが、会社によって対応が分かれています。

次の3つの対応です。

・自社の中断証明書からも他社の中断証明書からも契約の再開ができる会社
・自社の中断証明書からのみ契約の再開ができる会社
・自社も他社も契約の再開ができない会社

※ただし、電話オペレーターによる中断証明書からの契約の再開はすべてのダイレクト自動車保険で可能です。あくまでもWeb契約によるインターネット割引の適用の可否です

また、すべての通販型自動車保険(ダイレクト自動車保険)に共通しているのは、「海外特則」に関しては自社の中断証明書も他社の中断証明書もWeb契約(インターネット割引)はできない点です。

そこで、わかりやすく一覧表にまとめてみます。

中断証明書を使用してWeb契約(インターネット割引の対象)が可能か
 自社の中断証明書 他社の中断証明書
会社名 国内特則 海外特則 国内特則 海外特則
ソニー損保 〇 × 〇 ×
おとなの自動車保険(セゾン) 〇 × 〇 ×
そんぽ24 〇 × 〇 ×
チューリッヒ 〇 × × ×
イーデザイン損保 × × × ×
三井ダイレクト × × × ×
アクサダイレクト × × × ×
SBI損保 × × × ×

※繰り返しますが、上記のすべての保険会社で電話オペレーターによる中断証明書からの契約の再開は可能です。あくまでもWeb契約によるインターネット割引が可能か否かの〇×です

つぎに、上記インターネット割引の対象になるWeb契約可能な4社に絞り、インターネット割引の金額を比較してみます。

なお、おとなの自動車保険以外の3社には紙の保険証券を不要とした場合の証券割引(500円)があるので、その割引も付け加えています。

インターネット割引+証券割引
ソニー損保 10,000円+500円※2年目は5,000円引
おとなの自動車保険(セゾン) 10,000円※2年目以降も10,000円引
そんぽ24 保険料の7%割引+500円※2年目以降は10%引
チューリッヒ 最大10,000円+500円※2年目以降は減っていく

※2年目以降もWeb契約した場合の割引額です

以上、中断証明書とインターネット割引の関係を見てきました。

もう一度話を整理しますと、中断証明書を使って通販型自動車保険で保険を再開することは可能です。

ただし、インターネット割引の対象となるのは、電話オペレーターを介さず自分で契約を完結させるWeb契約をした場合だけです。

そこで中断証明書を使ったWeb契約が可能な保険会社を探すと、ソニー損保、おとなの自動車保険、そんぽ24、チューリッヒの4社があります。

この4社のうち、ソニー損保とおとなの自動車保険とそんぽ24は、自社の中断証明書も他社の中断証明書もOKですが、チューリッヒは自社のもののみOKです。

ただし、4社すべてが「国内特則」のみ受け入れ可能で、「海外特則」は全社NGです。

※「海外特則」はパスポートの内容を確認する必要があるのでWeb契約は困難です

そして、インターネット割引の金額比較ですが、2年目以降の割引額も考慮すると、おとなの自動車保険が一番条件がよさそうです(ずっと10,000円引)。

※ ※ ※ ※ ※

なお、通販型自動車保険にはインターネット割引とか早割りなどさまざまな割引がありますが、保険会社を選ぶ際は、こうした各種割引の額だけにとらわれないほうがいいと思います。

割引額の前に、まずはベースとなる保険料の比較が重要です。

同じ条件で各社の保険料を比較することが先決ではないでしょうか。

ひょっとすると、インターネット割引が適用されないA社の方が、インターネット割引が適用されるB社より安いかもしれません。

保険料一括比較サイトなどを利用して、まずはベースとなる保険料を比較することをおすすめします。

ご覧いただきありがとうございました。