【記事丸わかり】
⇒⇒【誰でもできる!】引っ越したら車検証住所変えよう❗️ |
このページでは法律の規定をメインにお話します。
引っ越しをして住所が変わったら15日以内に車庫証明を取り、やはり15日以内に車検証の住所変更手続きをしなければなりません。
けっこう忙しい話ですが、それが法律の規定です。
罰金もあります。
ただ、法律の運用はゆるいものになっていて、検問や取り締まりなどで車検証の住所変更がなされていないことが発覚しても、即処罰されるということはまずありません。
引っ越しと車庫法
「車庫法」という名称は通称で、正式名は「自動車の保管場所の確保等に関する法律」といいます。
引っ越しをしたら新住所地で新たに車庫証明を取る必要があります。
(要旨)自動車の保有者は、保管場所の位置を変更したとき、変更した日から十五日以内に、変更後の保管場所の位置を管轄する警察署長に届け出なければならない。
上の条文に違反した場合は10万円以下の罰金が処されることになります(自動車の保管場所の確保等に関する法律17条3項1号)
つまり、条文に従えば、引っ越ししたら15日以内に新しい住所地で車庫証明を取り直す必要があるということになります。
引っ越しと道路運送車両法
道路運送車両法には次の条文があります。
自動車の所有者は、登録されている型式、車台番号、原動機の型式、所有者の氏名若しくは名称若しくは住所又は使用の本拠の位置に変更があつたときは、その事由があつた日から十五日以内に、国土交通大臣の行う変更登録の申請をしなければならない。
上記条文に違反した場合は50万円以下の罰金に処せられます(道路運送車両法109条2項)
つまり、引っ越しをして住所が変わったら、15日以内に車検証の住所変更手続きを行う必要があります。
住所が変わったら15日以内に車庫証明を取り車検証の住所変更を
要するに、法律の条文をストレートに読み取れば、引っ越しで住所が変わったら、15日以内に車庫証明書を取得し、その車庫証明書を持って陸運支局で車検証の住所変更手続きを行わなければならない、ということになります。
※車検証の住所変更手続きには車庫証明書が必須で、車庫証明書がないと車検証の住所変更手続きはできません
※軽自動車で、車庫証明が必要な地域に引っ越しした場合は、登録車の場合と手続きの順番が逆になります。まず、軽自動車検査協会で車検証の住所変更手続きをし、それが終わったら警察署で車庫証明書を取得します
みんな法律通りにやっているの?
以上、法律の条文を確認したところですが、おそらく、みなさんはモヤモヤした気持ちになっていらっしゃるのではないでしょうか?
「引っ越しすればただでさえあれこれ手続きがたくさんあるのに、15日以内にやれって、そんなの鬼じゃないか!」
「法律にそうあるのなら、きっとそのとおりにやらなければいけないんだろうけど、でも、実際のところ、みんなそのとおりにやってますか?」
「引っ越しして車庫証明とらず車検証の手続きもしなかったからといって、それで罰金取られた人の話って、正直、聞いたことないんですけど?」
「新しい住所に車庫がなくて、引っ越してからはずっと道路を車庫代わりに使っている・・・というのなら当然NGだと思います。だけど、ちゃんとした駐車場に駐めていて、誰にも迷惑かけていないんだから、法律は法律として無視するつもりはないけれど、でも、そんなに悪いことしている意識はないんだけど・・・」
などなど、みなさんいろんな感想をお持ちではないでしょうか?
実際のところ、法律は、条文だけでなく、それがどのように運用されているか、その両方を見て判断する必要があると思います。
前の項目にあった車庫法と道路運送車両法は、わたしたち一般の自動車ユーザーの事情をしっかり受け止めた運用がなされていると言うべきで、警察も、決して杓子定規な対応はしていません。
悪質な「車庫飛ばし」をしている人には法律の条文を一字一句当てはめて厳格な運用がなされる反面、引っ越し後に手続きを放置しているけれど、特に悪質性がないと判断される事案に対しては、鷹揚に振る舞っているのが実情です。
したがって、わたしたち自動車ユーザーとしては、車庫証明を取らず車検証の住所変更をしないでいる場合の、実質的デメリットが有るかどうか、その点を考えたほうが得策ではないでしょうか?
車庫証明取得・車検証の住所変更をやらずにいることのデメリットは?
まず確認しておきますが、車検証の住所変更には車庫証明書の提出が必須なので(登録車の場合)、この2つの手続きは一体のものです。
ですから、これからは「車検証の住所変更」ということで話を進めていきたいと思います。
そこで、デメリットの話です。
リコールの通知が届かない
車検証の住所変更をやらずにいた場合のデメリットですが、まず考えられるのが、リコール情報が届かなくなる可能性がある点です。
最近は新聞を読まない方が多いと聞いていますが、わたしもそれほど熱心に新聞を読んではいないものの、それでも見出しだけは一通り目を通しています。
そこで気づくことがあって、それは、車のリコールというのは本当にしょっちゅうあるということです。
重大で数も多いリコールはテレビなどで大きなニュースになりますが、そうでないものは、新聞の隅っこにひっそり載っているという感じで、実にしばしば目にします。
こうしたリコールの中には、ちゃんとリコール対応しておかないと次の車検に通らないものも含まれています。
ところが、リコールの連絡は、車検証の住所欄に記載されている住所に送られます。
引っ越しして新しい住所で生活している場合、車検証の住所変更手続きをしていなければ、リコールの通知が届かないことになります。
これは大きなデメリットだと思います。
自動車税・軽自動車税の納税通知書が届かない
毎年5月頃になると自動車税・軽自動車税の納税通知書が送られてきます。
これも車検証の住所に送られてくるので、住所が変わりながら車検証の住所変更をしていない場合は、納税通知書が届かない可能性があります。
もっとも、引っ越しの際に郵便局に転居・転送サービスを申し込んでおけば、無事新住所に届くでしょう。
ただ、転居・転送サービスは1年で切れますから、引っ越しの2年目から納税通知書が届かないこともありえます。
そうした事態にならないように、自動車税事務所(軽自動車は市区町村の納税課)に電話をして新住所を伝えておけば、車検証の住所変更はしないでいても、納税通知書はちゃんと新住所に届きます(翌年度以降も)。
いずれにしても、かなりバタバタすることは間違いないです。
もしも車検証の住所変更を普通にやっていれば、納税通知書は黙ってても新住所に届きます。
警察が悪質と判断する事故を起こした場合のデメリット
先ほど、「車庫法と道路運送車両法は、わたしたち一般の自動車ユーザーの事情をしっかり受け止めた運用がなされていると言うべきで、警察も、決して杓子定規な対応はしていません」と書きました。
実際そのとおりなのですが、しかし、もしもあなたが人身事故等を起こしてしまい、警察の現場検証、後日警察署への呼び出し等で警察官に免許証や車検証を提示する機会があった場合、事故の内容によっては厳しい処置が取られる可能性はゼロではないと思います。
柔道に「合わせ技一本」というのがありますが、引っ越しで単に手続きをやらずにいるだけなら大目に見ていたとしても、警察が悪質だと判断するような事故を起こした場合は、その事故と、手続きをやらずにいたことの両方をひっくるめて、厳しく処罰されることがあるかもしれません。
そんなトラブルを引き寄せないためにも、手続きはしっかりやっておいたほうがいいのではないかと思うのですが、いかがでしょう?
すぐ車検なら、その時にやればいいかも
以上の理由で、引っ越ししたらできるだけ速やかに車検証の住所変更手続きをしたほうがいいと思いますが、ただし、すぐに車検に出すという場合は、車検の際に全てまとめてやってしまえばいいと思います。
しかも、車検なら、業者さんに丸投げでやってもらえます(別途手数料はかかりますが)。
おやりになったことがある方はご存知でしょうが、車庫証明書の書類を揃えるのって、けっこう大変です。
また、警察署と陸運支局に、最低でも1回ずつ足を運ばなければなりませから、仕事も有給を取ったりしなければならないかもしれません。
だから、車検の際に、車両の検査、車庫証明の取得、新しい車検証の発行(住所変更を同時に)、とすべて業者さんにやってもらえば、本当に助かります。
けれども、車検は1年以上先だという場合は、これは大変ですけど、できるだけ速やかに車庫証明の取得から車検証の住所変更まで、おやりになっていただきたいと思います。
ディーラーや行政書士に代行してもらうこともできます(有料)。
ご検討ください。
車検証の住所変更手続き(詳細版)
まず車庫証明書について。
車検証の住所変更を行うには車庫証明書の添付が必須です(登録車の場合)。
ですから、引っ越しした新しい住所地の警察署でまず車庫証明書(自動車保管場所証明書)を発行してもらい、その証明書を持って陸運局で車検証の住所変更手続きを進めることになります。
軽自動車で、車庫証明が必要な地域に引っ越した場合は、登録車とは手順が逆になり、まず車検証の住所変更を済ませた上で、新住所地の警察署で車庫証明書を発行してもらいます。
というわけで、車庫証明書を入手したら、いよいよ車検証の住所変更手続きに入ります。
登録車の場合は陸運支局で、軽自動車の場合は軽自動車検査協会で手続きします。
<登録車の住所変更手続き>
必要書類 | 内容説明 |
車庫証明書 | ・警察署で発行されてから1ヶ月以内のもの |
住民票 | ・車検証の記載住所から現住所までのあいだに2回以上引っ越しをしている場合は、そのあいだのつながりが分かる書類(住民票の附票あるいは戸籍の附票)が必要 |
車検証 | ・自動車検査証のこと |
印鑑 | ・認印でOK |
申請書 手数料納付書 自動車税・自動車取得税申告書 | ・いずれの書類も陸運支局で入手し(無料)、その場で記入 ・手数料は350円 |
ナンバープレート前後2枚 | ・これまでと管轄が異なる運輸支局のナンバーに変える場合は、ナンバーを返納し、新しいナンバーを交付してもらう ・新ナンバーの料金は、通常のペイント式なら1,500円~1,900円、字光式なら3,000円前後、希望ナンバーなら4,200円前後、希望ナンバー+字光式なら5,200円前後、そして図柄入りの記念ナンバーなら7,000円以上 ・古いナンバーを記念に持ち帰れるようになりました(ナンバープレート記念所蔵) |
手続代行 | ・家族や業者に手続きを代行してもらうことが可能 ・車屋さんや行政書士で15,000円~30,000円が相場 |
<軽自動車の住所変更手続き>
※軽自動車は先に車検証の住所変更を行い、その後で車庫証明書の手続きをする(車庫証明が必要な場合)
必要書類 | 内容説明 |
車検証 | ・自動車検査証のこと |
印鑑 | ・認印でOK |
住民票の写しor印鑑証明書 | ・新しい住所地のもの |
ナンバープレート前後2枚 | ・管轄区域が変わり新しい管轄地のナンバープレートに変える場合は返納する ・新たに交付するナンバー代は約1,900円 ・古いナンバーを記念に持ち帰れるようになりました(ナンバープレート記念所蔵) |
申請書 軽自動車税申告書 | ・窓口で入手し(無料)、その場で記入 |
手続代行 | ・家族や業者に手続きを代行してもらうことが可能 ・車屋さんや行政書士で15,000円~30,000円が相場 |
※軽自動車の車庫証明が必要な地域に引っ越した場合は、上の車検証の住所変更を済ませた後に、新住所地の警察署で車庫証明書を発行してもらってください
このページでは車検証の住所変更について解説しましたが、引っ越しでやるべき自動車関連の手続きは他に4つあります。
まだ手を付けていないものがあったら、できるだ早く手続きしてください。
【引っ越しに伴う車関連の5つの手続き】
項目 | 手続き場所 | |
①免許証の住所変更 | ・警察署・免許センターなど | ⇒手続き |
②車庫証明の発行 | ・警察署 | ⇒手続き |
③車検証の住所変更 | ・陸運支局(登録車) ・軽自動車検査協会(軽自動車・2輪) | このページ |
④自動車保険(任意保険)の住所変更 | ・インターネット、代理店、営業店 | ⇒手続き |
⑤自賠責保険(強制保険)の住所変更 | ・代理店、営業店、郵送 | ⇒手続き |
下記の記事も参考になさってください。
ご覧いただきありがとうございました。