【プチ調査】タフトが売れないって本当?誰が言ってるの?
※トップ画像はタフトGターボ2WD by Wikipedia
ダイハツタフトは2020年6月10日に「ジブン、オープン。青空SUV」のキャッチコピーでデビューしましたが、これは2代目で、初代は1974年~1984年にジープのような形で販売されていました。
それはともかく、タフトはスズキハスラーの対向車種として開発されたことは明白で、実際、いまタフトに興味がある人は、N-BOXとかスペーシア、あるいはワゴンRとかムーヴなどにはほぼ興味がないでしょう。
ダイハツの開発陣は、「タフトはハスラーの対向車として開発した車ではない」という趣旨の発言をしているようですが、こんな話を聞くと、サンドウィッチマンの富澤さんのように、「ちょっと何言ってるかわかんないんだけど」と言いたくなります。
さて、このページのテーマは、
「タフトが売れないって本当?」
というものですが、この「売れない」という表現は一種のネガティブキャンペーンであり、よくあるデマです。
N-BOXほど売れていないのは事実ですが、デビュー以来の月別ランキングではほぼ10位以内に入っています(3回ベスト10から外れている)。
ライバルであるハスラーに比べると、確かに「売れてない」と言えないことはないのでが、大きく差をつけられている、とまでは言えないでしょう。
あれこれ議論するより、まずは数字をご覧いただきたいと思います。
タフトとハスラーによるガチの数字対決です。
※タフトがデビューした2020年6月から、この記事を書いている2021年12月までの販売台数の推移をご確認ください。なお、データ集計の都合で直近の数字は2021年10月のデータになります。データははすべて「一般社団法人 全国軽自動車協会連合会」のHPより。
※( )内は軽自動車におけるランキングです。
※ハスラーは2020年1月にフルモデルチェンジされています。
タフトVS.ハスラー | ||
タフト | ハスラー | |
2020年6月 | 5079(9位) | 7875(4位) |
2020年7月 | 6300(8位) | 8831(5位) |
2020年8月 | 5292(9位) | 6384(5位) |
2020年9月 | 6873(10位) | 7757(7位) |
2020年10月 | 7471(5位) | 6536(7位) |
2020年11月 | 6503(7位) | 6579(6位) |
2020年12月 | 5424(8位) | 6614(6位) |
2021年1月 | 5273(9位) | 7663(6位) |
2021年2月 | 5580(11位) | 8217(6位) |
2021年3月 | 7123(12位) | 11147(6位) |
2021年4月 | 4655(10位) | 6834(5位) |
2021年5月 | 4388(9位) | 7119(5位) |
2021年6月 | 5172(7位) | 7241(5位) |
2021年7月 | 5552(7位) | 5635(6位) |
2021年8月 | 4887(7位) | 7246(4位) |
2021年9月 | 3899(11位) | 5903(5位) |
2021年10月 | 4926(7位) | 5416(5位) |
※2020年10月のみタフトがハスラーを上回っています。
タフトもハスラーも大いに健闘している
国内新車販売における軽自動車比率は37.4%です(2020年1月~12月)。
何の留保も付けることなく、文字通り日本の<国民車>になっているのが現状です。
その軽自動車の販売台数の内訳を見ると、みなさんご存じのように、N-BOX、タント、スペーシアといったスーパーハイトワゴン勢が常時トップ3~トップ5あたりに貼り付いています。
そうしたなかで、タフトは7位~10位くらいのあいだ、ハスラーは4位から6位くらいのあいだにあります。
タフトもハスラーも、言ってみれば「派生車種」あるいは「キワモノ」と呼んでいい立ち位置にある車だと思いますが、ダイハツにしてもスズキにしてもまずまずの成績として社内では評価されているのではないでしょうか。
実際のところ、ダイハツではタフトの月間販売目標を4,000台と見込んでいたそうです。いっぽう、スズキはハスラーを6,000台と見込んでいたというのですから、これは驚きです。
だって、タフトもハスラーも両車共に目標をわずかに上回る成績を収めているのです。
そんなに計算通りにいくものなんですね。
びっくり仰天です。
マイナーチェンジに望むこと
タフトは当初の月間販売目標をクリアーしているものの、フルモデルチェンジから1年以上経過してやや右肩下がりになりつつあるのは確かです。
今後盛り返していくには、たとえダイハツが否定していようとも、「ライバル」であるハスラーに見劣りしない内容を打ち出していく必要があるはずです。
少なくとも、ユーザーは車を購入する際に、タフトにしようかハスラーにしようかガチで悩んでいるのが現実ですから、メーカーがここから目をそらしたら売れるはずがないと思います。
今後のマイナーチェンジでは以下のような点の改良が必要なはずです。
タフトの購入者の声をご紹介します。
- タフトはリアシートがスライドしないので使い勝手が悪い。荷物をたくさん積みたいときはシートを前にスライドし、人が乗るときは後ろにスライドする。こうした使い方ができないのはなぜ?
- 運転席の足元が狭くて膝が当たって痛いし疲れる。
- タフトのターボは滑らかさに欠ける。かなり昔のドッカンターボ風のタイムラグがある。パワーはあるけれどこうした感触が今ひとつ残念。
- タフトのエンジン音から連想するのは田んぼを走っている軽トラのエンジン音です。音質がとても似ている。
- 私の使い方だと燃費が20キロに届かない。
- タフトは角ばっているから一見洗車が楽なように見えます。でも、いざ自分で手洗い洗車しようとすると、あちこちに段差があってかなり大変です。もちろんこれは欠点ではありません。ただの愚痴です(笑)。
いいところ
肯定的なコメントも寄せられています。さらに磨きをかけていただきたいところでしょう。
- スカイフィールトップによる解放感は圧倒的。全車標準装備なのがすごい。
- スカイフィールトップは開放的で最高です。夏は閉めましょう。
- ハスラーと乗り比べてタフトに決めました。タフトの方がコンパクトカーに近い乗り味です。
- 先日初めて妻が運転している際に後部座席に座ったところ、運転席下にちゃんと足を滑り込ませることができ、とても快適でした。
- タフトの3サイズって、実はムーヴと全く同じです。3395mm×1475mm×1630mmです。ムーヴはスーパーハイトワゴンたちの勢いに押されて、街を走っていてもやや存在感が薄くなりがちですが、タフトは同じサイズでもデザインの力でオーラを放っていると思います。実際、かなり大きく見えますよね。
- タフトはひょこひょこした動きがなくて運転している私も同乗している家族も満足しています。ピッチングやロールもうまく抑え込まれていると思います。
- 最近の軽は値段が高いと言われますが、タフトも135万円~179万円の価格帯で、多くの人はこの平均値あたりの値段で購入していると思います。でも、これは止むを得ない部分もあると思います。スマートアシスト、ドライブレコーダー、全方位カメラやリアカメラ、ETCなど20年前の車には存在しなかった安全装備等を付けると、いつの間にかそれなりのお値段になってしまいます。ミライース、アルト、またワゴンRの一番下のグレード、などは100万円前後の価格帯に収まっていますが、こういう車に、あれを付けて、これを付けて、そしてやっぱりこれも付けて・・・とやっていくと、あっという間に150万円前後になってしまいます。今の軽自動車の<素>の部分はだいたい100万円くらいの価値なのでしょう。あれこれつけると、150万円、200万円、そしてN-BOXとかタントなどのスーパーハイトワゴン系になってくると平気で220万とか230万なんていう数字に跳ね上がります(登録時の諸費用を含めない段階の金額で)。そして新車購入者の約4割弱が軽自動車を選択しています。軽自動車を購入している人はほとんどの人が軽自動車しか選択肢に入れていないと思います。200万以上出すなら、軽以外に、ほらこんな車も買えるよ、と言っても無駄でしょう。タフトはそうした軽自動車市場のなかで、お値段的には中間的な位置にある車だと思います。つまり、ハスラーなどと並んでこの車が今の日本の軽自動車市場の代表格ということです。とてもいい車ですよ。※なんだその結論は?
- 電動パーキングブレーキとオートブレーキホールドは慣れると確かに便利で、もうレバー式のバーキングブレーキには戻れない。
- 電動パーキング、オートホールド、停止保持のACC。こうした装備が付けられるタフトはすばらしい。
- タフトのシートは長距離でも疲れないいいシートだと思います。リアシートがスライドもリクライニングもしないのは残念だけど、シートそのものはとてもいいと思います。
- タフトの後席は確かにスライドできないしリクライニングもできませんが、普通にたたむことができるので車中泊は大得意です。凸凹を和らげるマットを敷けば完全に二人寝転ぶことができますよ。
- タフトの乗り心地とかハンドリングはコンパクトカーとほぼ変わらない感じです。私のはターボ車ですがパワーも十分です。ただアイドリングストップのタイムラグは気になるところで、キャンセルできないところがつらいです。
- タフトのオーナーさんの中には「軽だと思ってバカにしないで欲しい。タフトはコンパクトカー並みにいい車だ。」と言い張る人がいますが、これはやめたほうがいいです。タフトのオーナーに限らず軽自動車のオーナーすべてに言えることですが、「軽だから」「軽の割には」と軽軽軽と言われ続けることを不快に思う方がいらっしゃるようですが、一歩退いて状況判断をすべきでしょう。もしも世間一般に「もはや軽自動車はヤリスやフィットやマツダ2と何ら変わらない」という認識が広まったら、政府は軽自動車に対する優遇策を廃止しますよ。軽自動車税や都市部以外の車庫証明不要や減価償却期間などを普通車レベルに引き上げる法整備が行われ、現在ある軽自動車ゆえのメリットがすべて消えてしまいますよ。そう、高速料金も軽は普通車より2割くらい安いです。任意保険も同じ補償で比較すると軽の方が確実に安くなります。※任意保険は政策とは関係ありませんが・・・だからみんなに軽軽軽と上から目線で言われても、暖簾に腕押し、柳に風、とやんわり受け流すのが賢い軽自動車オーナーのふるまいだと思います。
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