【3分記事】オールシーズンタイヤがダメで事故が起きやすいのは凍結路

オールシーズンタイヤ・事故・ダメ

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オールシーズンタイヤがダメで事故が起きやすいのは凍結路

自動車のタイヤは大別すると次の3種類あります。

  1. 夏用タイヤ(サマータイヤタイヤまたはノーマルタイヤ)
  2. 冬用タイヤ(スタッドレスタイヤ)
  3. 夏冬兼用タイヤ(オールシーズンタイヤ)

上記3種類の内、①と②はすでにおなじみのタイヤですが、③のオールシーズンタイヤはまだまだ自動車ユーザーの隅々にまで浸透しているとは言えないと思います。

夏でも冬でもOKで一年中タイヤ交換しなくていいしタイヤを保管する必要もない

というのがオールシーズンタイヤのウリですが、裏を返せば夏用としても冬用としても性能は中途半端でダメだと言えないことはないと思います。

オールシーズンタイヤは雪道で事故を起こしやすいからダメ

という声もあります。

実際のところはどうなんでしょう。

2017年にJAFが行ったタイヤテストの結果を見てみましょう。

圧雪路(雪が踏み固められた状態の路面)における時速40キロでのブレーキテストの結果は以下の通り。

ノーマルタイヤ29.9m
スタッドレスタイヤ17.3m
オールシーズンタイヤ22.7m

オールシーズンタイヤはノーマルとスタッドレスの中間で、どちらかと言うとスタッドレスの性能に近いことがわかります。圧雪路で全くダメというわけではなさそうです。

次に、氷盤路(つるつるのスケートリンクのように凍結した試験用の路面。アイスバーンに近い)における時速40キロでのブレーキテストの結果は以下の通り。

ノーマルタイヤ105.4m
スタッドレスタイヤ78.5m
オールシーズンタイヤ101.1m

アイスバーンになると、オールシーズンタイヤはノーマルタイヤとあまり変わらない性能になります。

このテスト結果を見ると、

オールシーズンタイヤは雪道はともかくアイスバーンはダメ。凍っていると事故を起こしやすい

ということが言えそうです。

上記JAFのテストは今から4年も前のテストなので、当然オールシーズンタイヤの性能も今より劣っていると思います。この4年の間の技術革新は相当なものがあるので、この記事を書いている2021年11月1日現在のオールシーズンタイヤの性能はさらにアップしているはずです。

とは言え、2020年12月のブリヂストンのタイヤ館(大府店)の記事においても、やはりオールシーズンタイヤのアイスバーンにおける性能はスタッドレスよりかなり落ちることが示されています。依然としてアイスバーンではダメという印象です。

実際にオールシーズンタイヤを装着しているユーザーさんのブログなども参考に、オールシーズンタイヤの現時点の性能を総合的に評価すると、

  • 通常の舗装路における性能はスタッドレスタイヤとほぼ同等(事故は起こしにくい)
  • 通常の舗装路におけるウェット性能はノーマルタイヤとほぼ同等(事故は起こしにくい)
  • 圧雪路やシャーベット状の路面における性能はスタッドレスタイヤよりやや劣るがほぼ同等(事故は起こしにくい)
  • アイスバーンにおける性能はスタッドレスタイヤよりかなり落ちノーマルタイヤに近くてダメ(事故を起こしやすい)

ということが言えそうです。

中途半端な性能だが天候が中途半端な地域にはフィットするかも

ここまで見てきたように、オールシーズンタイヤはある意味中途半端な性能のタイヤだと思います。

けれども、利便性に関しては特筆すべきものがあって、これを一度装着しておけばあとはすり減って交換時期が来るまで履きっぱなしでいられるのは大いに手間いらずで魅力的です。

また、ノーマルタイヤとスタッドレスタイヤを季節ごとに履き替える場合は使用していないタイヤを保管する必要がありますが、オールシーズンタイヤだとこの保管が不要になる点も大きなメリットです。

もっとも、降雪量の多い地域にお住まいの自動車ユーザーは、オールシーズンタイヤなど即座に「ダメ」で「却下」でしょう。こうした地域にお住まいの方は迷わずスタッドレスタイヤを履くべきだし実際にそうしていると思います。

けれども、東京や名古屋や大阪をはじめ、日本全国を見渡してみると、雪の降り方がまさに中途半端な地域がたくさんあります。

いきなり降ることもあるけれど、降らないこともある。また降ったとしても積もって何日も消えないということはめったになく、たいてい翌日にはみな溶けて消える。

こうした地域は日本列島にけっこうあると思います。

雪に関してそういった中途半端な地域に住んでいる人にとって、オールシーズンタイヤは性能的に中途半端なところがあるけれど、注意して使用すればかなり利便性の高いタイヤであることもまた確かではないでしょうか。※雪が降っていったん溶けかかったものの深夜に凍結してアイスバーン状態になった翌朝の路面などが特に要注意

オールシーズンタイヤの見分け方

オールシーズンタイヤと他のタイヤ(ノーマルタイヤやスタッドレスタイヤ)との見分け方は、タイヤの側面にある表示で判断できます。

オールシーズンタイヤの場合、下記のいずれかの表示があります。

  • M/S
  • mud&snow
  • M+S
  • M&S
  • M.S

上記の「M」はmud(泥)を意味します。

「S」はsnow(雪)の意味です。

もしスタッドレスタイヤなら「Studless」の表示があります。

ごく少数ですが「Studless」と「M/S」の両方の表示があるタイヤもあって、これは文字通りスタッドレスタイヤとオールシーズンタイヤを兼用しているタイヤのことです。

オールシーズンタイヤのトレッド面(路面と接触する面)には独特のパターンがあります。

下記の画像をご覧ください。ミシュランのオールシーズンタイヤのトレッド面です。独特なパターンをしています。

オールシーズンタイヤ・見分け方・スタッドレスタイヤとの違い

ミシュランのオールシーズンタイヤのトレッド面

「冬用タイヤ規制」が敷かれている区間の走行

タイヤチェーンまで必要としない「冬用タイヤ規制区間」がありますが、この区間を走行できるのはスタッドレスタイヤとオールシーズンタイヤです。ノーマルタイヤは不可です。

ただし、これは道路によって規制内容が異なるようですが、オールシーズンタイヤでもM/S表示があればOKなケースと、スノーフレークマークがついているものでないと不可のケースがあるようです。

スノーフレークマークとは下記のようなものです。

オールシーズンタイヤ・スノーフレークマーク

赤丸の部分がスノーフレークマーク

つまり、「冬用タイヤ規制」がかかっている区間には、単なるオールシーズンタイヤはダメで、スノーマークの付いたオールシーズンタイヤでないと通行できない区間があるということです。

ちょっとややこしい話ですが、この辺りは複雑な感じになっているようです。

「チェーン装着車以外通行止め」の区間におけるオールシーズンタイヤ

タイヤ規制には、上記「冬用タイヤ規制」の他にもっと内容が厳しい規制があって、それが「チェーン装着車以外通行止め」という規制です。

具体的には、下記の標識がある道路区間に適用される規制です。

チェーン装着車以外通行止めの標識

「チェーン装着車以外通行止め」の標識

この標識がある区間を走行する場合は、スタッドレスタイヤであってもオールシーズンタイヤであっても必ずタイヤチェーンを装着しないと通行できません。

ただし、ここが肝心なところですが、この標識があれば常にチェーン装着が義務付けられているかと言うと、そうではなくて、あくまでも「大雪特別警報」や「大雪に対する緊急発表」があった場合にのみ適用される規制です。

逆に言えば、「大雪特別警報」や「大雪に対する緊急発表」がない場合は、たとえ上記標識があってもチェーンを装着しない状態のスタッドレスタイヤやオールシーズンタイヤで走行可能です。

まとめ

このページでは「オールシーズンタイヤがダメで事故が起きやすいのは凍結路」というテーマでお話ししてきました。

オールシーズンタイヤには季節の変わり目にいちいちタイヤ交換しなくていい利便性があります。

けれども、それは雪の降り方が中途半端な地域に限定された話であり、しょっちゅう雪が降り路面が凍結する地域では明らかに「オールシーズンタイヤはダメで事故を起こしやすい」ということになります。

凍結路(アイスバーン)においては性能的にノーマルタイヤと大差なく、残念ながら「ダメ」です。

ご自分の行動範囲をお考えになったうえで、タイヤ選びをなさっていただきたいと思います。

余談ですが、オールシーズンタイヤはアイスバーン性能などでダメな点はあるものの、トレッド面の独特のパターンはかなりかっこいいと私は思います。

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