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13社のファミリーバイク特約の保険料を比較しました(年間・月々)。
ファミリーバイク特約は自動車保険の特約ですから、まず自動車保険の契約があることが前提になります。
またファミリーバイク特約の対象となるバイクは125cc以下の原付バイクです。
125cc超のバイクは対象外になります。
一家に複数の自動車保険がある場合、そのうちの1つにファミリーバイク特約を付ければ、家族全員のバイク事故が補償されます。
その際、家族が所有するバイクの台数に制限はなく、何台所有していても補償されます(そもそもバイクを所有していなくてもファミリーバイク特約に加入できます)。
また友人から借りたバイクで起こした事故も補償の対象です。
ただし、単体のバイク保険にはロードサービスが付きますがファミリーバイク特約には付きません。
⇒⇒【プロが教える】自動車保険のファミリーバイク特約とは何かを徹底解説!
13社のファミリーバイク特約の保険料を比較
まず主要な保険会社13社のファミリーバイク特約の保険料比較一覧をご覧ください。
ファミリーバイク特約:13社保険料比較一覧 | ||
保険会社 | 自損事故型 | 人身傷害型 |
ソニー損保 | 年間8,090円 (月々670円) | 年間21,820円 (月々1,820円) |
おとなの自動車保険(セゾン損保) | 年間6,520円 (月々540円) | 年間18,240円 (月々1,520円) |
アクサダイレクト | 年間7,300円 (月々610円) | なし |
チューリッヒ | 年間11,020円 (月々920円) | なし |
三井ダイレクト | 年間10,270円 (月々860円) | 年間14,130円 (月々1,180円) |
イーデザイン損保 | 年間10,540円 (月々880円) | なし |
SBI損保 | 年間7,950円 (月々660円) | 年間21,710円 (月々1,810円) |
損保ジャパン | 年間9,370円 (月々780円) | 年間29,690円 (月々2,470円) |
東京海上日動 | 年間9,960円 (月々830円) | 年間24,800円 (月々2,070円) |
三井住友海上 | 年間11,500円 (月々960円) | 年間38,480円 (月々3,210円) |
あいおいニッセイ | 年間10,750円 (月々900円) | 年間34,710円 (月々2,890円) |
JA共済(農協) | 年間4,380円 (月々370円) | なし |
全労済 | 不明 | 年間7,980円 (月々670円) |
(保険料は改定等により変動していることがあります) ※月々の保険料は年間保険料を単純に12で割った数字を記載しています。実際の分割保険料は割増分が追加されてもう少し(数十円)高めになります ※三井ダイレクトのファミリーバイク特約は3タイプありますがウェブ見積の画面では自損型と人身傷害型しか選択できないので上の表では2タイプのみの表示です ※上記ファミリーバイク特約の保険料は「定額」です。つまり等級・年齢条件が変わっても保険料は変わりません ※全労済のホームページでの見積もり試算では主契約のマイカー共済に人身傷害が付いたプランしか計算できないので自損事故型の保険料は「不明」としました |
⇒⇒ファミリーバイク特約についてわかりやすく解説します。
単体のバイク保険とファミリーバイク特約:保険料比較
ファミリーバイク特約はどの保険会社でも扱っていますが、単体のバイク保険を扱う保険会社は限定されています。
単体のバイク保険:取扱保険会社一覧 | |
保険会社 | バイク任意保険 |
アクサダイレクト | ◯ |
チューリッヒ | ◯ |
三井ダイレクト | ◯ |
ソニー損保 | × |
おとなの自動車保険 | × |
イーデザイン損保 | × |
SBI損保 | × |
損保ジャパン | ◯ |
東京海上日動 | ◯ |
三井住友海上 | ◯ |
あいおいニッセイ | ◯ |
JA共済(農協) | 〇 |
全労済 | 〇 |
全ての保険会社は網羅していませんが、わたしたちが耳にする機会が多い保険会社はほぼ入っていると思います。
ご覧のように、通販型保険会社では「バイク保険御三家」と呼ばれるアクサダイレクト・チューリッヒ・三井ダイレクトの3社のみです。
「バイク保険御三家」というネーミングはわたしが勝手に付けたものですが、これには正当な根拠があります。
それは上記保険会社の中で最も本気でバイク保険に取り組んでいる保険会社がこの3社だからです。
たとえば、ホームページ上でバイク任意保険の見積もり試算ができるのは「バイク保険御三家」と全労済だけです。
大手代理店型の損保ジャパン・東京海上日動・三井住友海上・あいおいニッセイの4社は、自動車保険の見積もり試算はできますがバイク任意保険の見積もり試算はホームページ上でできません。※「そんなバカな!」と思う方もいらっしゃるでしょうが、本当です(2019年5月現在)
しかも、この4社のホームページをご覧になるとわかることですが、バイク任意保険を紹介するページはほぼないに等しい状況です。※損保ジャパンはちょっとだけあります。しかし「バイク保険」の記載が一切見当たらない会社もあります
バイク保険を本気で販売する意思が感じられないのです。
そこで、ここでは本気で販売する意欲が感じられる「バイク保険御三家」の保険料をご紹介します。
※(全)は全年齢、(21)は21才以上のことです。
単体のバイク保険:「バイク保険御三家」保険料比較 | |||
保険会社 | 125cc以下 | 125cc超~250cc以下 | 250cc超 |
アクサダイレクト | (全)48,850円 | (全)87,690円 | (全)97,120円 |
(21)28,640円 | (21)47,310円 | (21)52,060円 | |
チューリッヒ | (全)64,110円 | (全)172,440円 | (全)172,440円 |
(21)39,760円 | (21)47,220円 | (21)47,220円 | |
三井ダイレクト | (全)52,150円 | (全)88,670円 | (全)88,670円 |
(21)26,950円 | (21)42,700円 | (21)42,700円 |
(保険料は改定等により変動していることがあります)
【試算条件】新規6等級 / 対人:無制限 / 対物:無制限 / 搭乗者傷害:300万 / 自損事故傷害保険1500万 / 無保険車傷害保険2億円 / ロードサービス付 / インターネット割引適用
年齢条件は、26才以上や30才以上を選べる会社もありますが、3社に共通している全年齢と21才以上だけで比較しました。
上記比較表でおおよその保険料相場がわかると思います。
アクサダイレクトと三井ダイレクトはほぼ同水準です。
チューリッヒは全年齢が突出して高いです。
ただし、チューリッヒは30才以上を選択できますし、大型バイクでは優位になるケースが多いです。
いずれにしても、単体のバイク保険は免許取り立ての若い人が新規で加入する場合はけっこう値段は高くなります。
そのかわりに、無事故で数年経過していくと、無事故割引が進行するだけでなく、年齢条件もより有利な条件に移行するので、保険料はかなり安くなります。
将来的にずっとバイクに乗り続ける予定の人には単体のバイク任意保険をおすすめします。
いっぽう、今はバイクだけれどそのうちに自動車に乗り換える見込みの方には自動車保険の特約であるファミリーバイク特約をおすすめします。※125cc以下の原付バイクにお乗りの場合
ファミリーバイク特約は最初から保険料が安いです。※そのかわり年数が経過しても保険料は安くならない
下記サイトでは「バイク保険御三家」の見積もり結果が即座にわかります。
東京海上日動を除いた大手代理店型保険会社の見積もりもできますが、即座に結果がわかるのではなく、代理店からの電話で見積もりを出しますし、契約もあいだに代理店が入ります。
ファミリーバイク特約【早わかり】
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ファミリーバイク特約:125cc以下のバイクが対象
ファミリーバイク特約は原付バイクの事故が対象ですが、実は「原付バイク」には2つの定義があります。
道路交通法が定める「原付バイク」 | 50cc以下のバイク |
道路運送車両法が定める「原付バイク」 | 125cc以下のバイク |
わたしたちが16歳になって取得できる原付免許、あるいは普通免許のおまけに付いてくる原付免許は、上の表の道路交通法が定める「原付バイク」が対象です。※厳密には「原付一種」(50cc以下)と呼びます
このページのテーマであるファミリーバイク特約でいう「原付バイク」は、上の表の道路運送車両法が定める「原付バイク」が対象です。※厳密には「原付一種」と「原付二種」(50cc超~125cc以下)です
125ccを超えるバイクに任意保険を付けたい場合は単独のバイク保険が必要ですが、125cc以下のバイクの場合は、単独のバイク保険に加入するかファミリーバイク特約にするか選択できます。
ファミリーバイク特約:被保険者(補償の対象になる人)の範囲
ファミリーバイク特約の被保険者(補償の対象になる人)の範囲は以下のとおりです。
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たとえば、父・母・娘・別居の息子(未婚の大学生)の4人家族があり、父の自動車保険にファミリーバイク特約を付けている場合、家族4人がすべてファミリーバイク特約の被保険者になります。
家族4人のうちの誰が原付バイクで事故を起こしてもファミリーバイク特約により補償されます。
ファミリーバイク特約:年齢条件や運転者限定は関係なし!
まず自動車保険の契約があり、これにオプションとして追加するのがファミリーバイク特約です。
その際、主契約である自動車保険には、通常、年齢条件や運転者限定が付いています。
しかし、ファミリーバイク特約はそうした主契約の年齢条件や運転者限定には縛られません。
そのことを下記の家族でご説明します。
同居 |
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別居 |
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上の家族では父が自動車を保有し自動車保険を付けています。
年齢条件は「35才以上」、運転者限定は「本人・配偶者限定(夫婦限定)」です。
したがって、父の車を運転できるのは父と母の二人だけです。
新たに50ccのバイクを購入することになり、この自動車保険にファミリーバイク特約を追加で付けました。
すると、50ccのバイクを運転できる人とできない人はどうなるでしょう?
その答えは、家族4人全員運転可、です。
ファミリーバイク特約の被保険者は主契約の年齢条件・運転者限定による制限を受けないからです。
これはファミリーバイク特約の大きな特徴です。
たとえば、自動車保険には他車運転特約というものがあります。
この特約は、他人の車を臨時に運転中に事故を起こした場合に自分の自動車保険が使える、というものです。
この他車運転特約の場合、被保険者(補償の対象になる人)は、原則的には記名被保険者とその家族全員なのですが、もしも自分の自動車保険に「本人・配偶者限定(夫婦限定)」が付いていたら、この特約を使えるのは記名被保険者とその配偶者の2人だけに限定されてしまいます。
夫婦以外の家族は対象外になります。
その点、ファミリーバイク特約は主契約の年齢条件や運転者限定による制限を受けません。
恐ろしく使い勝手のいい特約であり、これは驚くべきことだと思います。
ファミリーバイク特約:事故で保険を使ってもノーカウント事故扱い
原付バイクで事故を起こしファミリーバイク特約から保険金の支払いがあっても、翌年度の等級・事故有期間にはいっさい影響を及ぼしません。
ノーカウント事故として扱われ、他に保険を使っていなければ1等級アップします(無事故と同じ扱い)。
たとえば、バイクで通行人をはねて重症のケガをさせ、重度の後遺障害が残ることになり、対人賠償保険から8,000万円の保険金が支払われたとします。
このケースでも、他に事故で保険を使っていなければ、翌年度の等級は1等級アップします。
つまり無事故であったのと同じ扱いになります。
保険を使っても保険を使わなかったのと同じ扱いになります。
ファミリーバイク特約はこのように空恐ろしいほど使い勝手のいい特約です。
ファミリーバイク特約:バイクが何台あってもOK、借りたバイクでもOK
主契約である自動車保険にオプションとして追加するのがファミリーバイク特約です。
ファミリーバイク特約を追加する際、所有しているバイクを届け出る必要はありません。
主契約である自動車保険の場合は、当然のことながら、車検証の内容を申告し、保険証券に「登録ナンバー」や「型式」や「車台番号」などが記載されます。
しかしファミリーバイク特約を付ける場合はバイクの情報はいっさい不要です。
保険証券には「ファミリーバイク特約」の記載が載るだけです。
したがって、最初はバイク1台だけだったところに2台目を購入し、さらに3台目を購入した場合であっても、保険会社に報告する必要は全くありません。
そしてこれら複数のバイクのいずれかで事故を起こした場合もファミリーバイク特約から保険金が支払われます。
それだけではありません。
友人の原付バイクを借りて事故を起こした場合もファミリーバイク特約から保険金が支払われます。
他県の大学に通う「別居の未婚の子」が自分のバイクで事故を起こした場合も、大学の友人のバイクを借りて事故を起こした場合も、ファミリーバイク特約から保険金が支払われます。
「ほんとにこれでいいのか」
と思うほどファミリーバイク特約の範囲は広範囲です。
ファミリーバイク特約:「補償の重複」と「被保険者の範囲」
家族が車を複数台所有している場合、そのうちのいずれかの自動車保険にファミリーバイク特約を追加すれば、それで家族全員のバイク事故が補償されます。
ただし、誰の自動車保険につけるかによって「被保険者の範囲」が変わることがあるので、注意が必要です。
たとえば下記の家族で考えてみます。
同居 |
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別居 |
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上の家族で、父と母と娘がそれぞれ自分の車を所有し、それぞれ自動車保険を付けていたとします。
このケースでファミリーバイク特約を付けるとしたら誰の自動車保険に付ければいいでしょう?
父あるいは母の自動車保険にファミリーバイク特約を付けた場合は、上の4人家族全員がファミリーバイク特約の被保険者になります。
しかし、娘の自動車保険にファミリーバイク特約を付けた場合は、同居している父・母・娘は被保険者になりますが、別居の息子(娘から見たら兄か弟)は被保険者になりません。
なぜなら、ファミリーバイク特約の被保険者は次のとおりであるからです。
|
記名被保険者が父または母であれば、他県の大学に通う息子は「別居の未婚の子」に該当します。
しかし記名被保険者が娘の場合、他県の大学に通うのは自分の子供ではなく、兄または弟です。
つまり別居の親族ということになりますから、被保険者には含まれません。
このように、「補償の重複」と「被保険者の範囲」は密接に関わっているので注意が必要です。
もしも娘が結婚のため家を出ることになったら、父または母にとって娘は「別居の未婚の子」の要件から外れますから、結婚後に娘が原付バイクを運転するのであれば、娘自身の自動車保険にファミリーバイク特約を付ける必要が出てきます。
このように家族構成に変化・変動が生じた場合は、それに応じてファミリーバイク特約の「補償の重複」あるいは「被保険者の範囲」を見直さなければなりません。
ファミリーバイク特約:「自損事故型」と「人身傷害型」
ファミリーバイク特約には2つの種類があります。
自損事故型と人身傷害型です。※人身傷害型は主契約に人身傷害保険が付いている場合にのみ加入できます
この2つは相手に対する補償(対人・対物)は同じですが、バイク運転者自身のケガに対する補償に違いがあります。
自損事故型では、電柱に激突したり、崖から転落したり、信号待ちの車に追突したり、こういった相手がない事故あるいは相手に過失が生じない事故、文字通り「自損事故」を起こしてケガ・死亡・後遺障害を負った場合に保険金が支払われます。※双方に過失が生じる事故で傷害を負った場合は補償の対象外になります
人身傷害型では、自損事故型で対象になる事故に加えて、双方に過失が生じる事故で傷害を負った場合など、バイクの事故で運転者自身がケガ・死亡・後遺障害を負うことになるどんな事故に対しても事故の過失割合に関係なく保険金が支払われます。※過失割合を問わず保険金が支払われるのが人身傷害保険の最大の特徴です。人身傷害保険は東京海上日動が東京海上であった時代に開発した保険で、その後各社が追随し、現在すべての保険会社が採用しています
このように人身傷害型は自損事故型より補償範囲が広いので保険料も高くなります。
加入に際しては、生命保険・医療保険・傷害保険など他の保険でバイク運転者自身のケガの補償を十分にカバーできるのであれば自損事故型であってもいいかもしれません。
そうでなければ人身傷害型に加入するほうが安心です。
なぜなら、バイク事故の場合、鉄板に包まれた自動車の事故と異なり、運転者はいわば「丸裸」ですから、大なり小なり必ず傷害を負います。
十分な補償を得るためには人身傷害型の方がより補償の範囲が広く安心です。
では、ファミリーバイク特約の2つの補償を整理してみます。
ファミリーバイク特約の2つの補償タイプ | |
自損事故型 | 人身傷害型 |
対人賠償保険 | 対人賠償保険 |
対物賠償保険 | 対物賠償保険 |
— | 人身傷害保険 ※自損事故傷害保険の対象となる事故を含みます |
自損事故傷害保険 | — |
ファミリーバイク特約:車両保険は付きません
単独のバイク保険には車両保険を付けることができますが、ファミリーバイク特約に車両保険は付けられません。
このことはファミリーバイク特約の補償の範囲を考えるとご理解いただけると思います。
つまり、ファミリーバイク特約では家族が複数台バイクを所有していてそのいずれのバイクで事故を起こしても補償の対象になりますし、友人から借りたバイクも補償の対象です。
したがってこれらすべてのバイク自体の損害(車両保険)まで補償することはとても不可能です。
どうしてもバイク自体の損害をカバーしたい場合は単独のバイク保険に加入するしかありません。
単独のバイク保険に加入すれば車両保険を付けることができますが、「盗難」は不担保の保険がほとんどです。
バイクの「盗難」にも備えたい場合は単体として販売されている盗難保険に加入する必要があります。※保険料は高いです
ご覧いただきありがとうございました。