【記事丸わかり】
⇒⇒自動車税を滞納で差し押さえの恐怖。 |
このページのタイトルは「自動車税・軽自動車税を滞納しているが分割が可能ですか?」というものです。
つまり、今現在税の滞納状態にあり、納付しなければと思っているけれど、一括で納付するのは厳しそうなので、何とか分割納付ができないものか、という方に対する回答を用意しているページです。
ですが、これは順を追ってご説明するほうがわかりやすいと思いますので、やや遠回りになるかもしれませんがご容赦ください。
と言うか、お急ぎの方は目次でジャンプしていただければと思います。
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まず地方税法の条文から確認
自動車税・軽自動車税は共に地方税法の規定により課税されています。
この条文の前半の規定により、殆どの自治体では自動車税・軽自動車税の納期限は5月31日となっています。
なかにはこの条文の後半の規定を適用している自治体もあって、たとえば、青森県と秋田県は年度によって微妙に納期限が異なり、だいたい6月~7月にかけてとなっています。
これらは納期限の規定ですが、では分割納付(分納)に関する規定はどうなっているかというと、実はありません。
ところが、同じ地方税法のもとに徴収される固定資産税には次の条文があります。
このように条文において明確に分割納付(分納)が認められています。
したがって、自動車税・軽自動車税の分割納付(分納)は、すべて各自治体の条例あるいは実務上の運用にかかっていることになります。
多くの自治体で分割は認められている
結論から言いますと、多くの自治体で分割納付(分納)は可能です。
ホームページ等でやむを得ない場合は可能であることをアナウンスしている自治体もありますし、まったく分割に関する記述がない自治体でも、飲食店の裏メニューみたいに、相談すれば応じてくれるところもあります。
ただしまったく分割納付(分納)には応じない自治体もあります。
「クレジットカードの分割払い」について
これもすべての自治体ではありませんが、多くの自治体でクレジットカードによる自動車税・軽自動車税の納付が可能です。
その際、各クレジットカード会社が用意している分割回数による支払いができます。
みなさんご存知のように、クレジットカードの分割というのは、支払う側にとっては「分割」であっても、支払いを受ける側(この場合は自治体)にとっては「一括払い」になります。
カード会社がとりあえず一括払いしておいて、あとはカードの持ち主から手数料を加算した上で分割徴収する、という仕組みです。
したがって自治体側にすれば、分割であっても全くのノープロブレムというわけです。
・一括払い・分割払い・リボ払いを選択できる(分割の場合は手数料がかかる)
・324円の手数料がかかる(分割の手数料とは別に)
・納税通知書の納期限までに支払う(納期限を過ぎたら不可)
・パソコンかスマホで支払う(コンビニや金融機関は不可)
(※)納税通知書に記載されているクレジットカード払い用の番号を入力し支払う
・ネットでの支払いなので領収書は発行されない
・車検で必要な納税証明書は後日送付してくれる自治体と送付しない自治体がある
(※)クレジットカードで納付した直後に車検をうける場合、クレジット払いでは納税証明書が間に合いません。クレジット払い後に納税証明書を送付してくれる自治体であっても、クレジット払いが電子システムに反映されるのに2週間~3週間はかかるので間に合いません。また、車検の際の納税証明が電子化されていて納税証明書の提示が不要な自治体であっても、やはり支払い直後にはまだ電子システムに反映されないので確認しようがありません。したがってすぐに車検がある場合は、通常通り紙の納税通知書でコンビニや金融機関で納付するしかありません。
・口座振替で納付している場合、その年の3月までに口座振替を解除しておかないと、クレジットカード払いは出来ません。
(上記説明には自治体によって細部に違いがある場合があります)
本来は滞納する前に分割の相談をするべき
自動車税・軽自動車税の納期限は5月31日である自治体がほとんどです。
この納期限までに納付できそうにない場合は、納期限が来る前に相談すべきです。
自動車税なら都道府県の自動車税事務所です。
軽自動車税なら市区町村の税務課です。
自治体によって分割に応じるところと応じないところがありますが、たとえ応じる自治体であっても、納期限を過ぎてからの相談には応じないところもあります。
納期限を過ぎると、督促状が送付され、催告書が送付され、差押事前通知が送付され、最後通告である差押調書が送付され・・・といった流れになるのですが、納期限前に相談するのでなければ、はなから納める気のない人だと決めつけられる可能性があり、後は差し押さえに入られるだけです。
したがって、納期限までに納められそうにない場合は、放置しておかずに、分割払い(分納)の相談を納期限が来る前にしてください。
納期限を過ぎて滞納状態に入ったら
とは言え、諸事情で分割の相談をすることなく納期限を過ぎてしまうこともあります。
納期限を1日でも過ぎたら、これは滞納です。
上の項目で、本来分割に応じる自治体であっても、分割の相談が納期限過ぎの場合は応じないところもある、と書きました。
しかし、応じてくれるところもあります。
これは実際に相談してみないとわからない領域です。
実務の現場では、自治体によって対応が異なるだけでなく、担当者によって対応が違うことも普通にあります。
こうした違いが発生する要因の一つは、相談する際の態度だと思います。
ただ単に分割にしてくれという態度では、断られる確率は高いです。
やはり、あくまでも低姿勢で、お願いするという態度を貫き、一括で支払えない事情を具体的に訴えるべきです。
失業中である、複数の支払いが一度に集中して今はお金がない(実際5月はそういう月です)、病気・ケガで予想外に治療費がかかった、事故で車を買い替えたばかり・・・などなど具体的に一括納付ができない理由を申告し、無理なく納められる金額・回数を相談してください。
晴れて分割納付(分納)に応じてもらえたら、後日分割回数に応じた納付書が送られてくるので、間違いなく最終回まで期限を守って納付してください。
ここでも納期限内に支払いがなかったら、100%の確率で仏の顔が鬼の顔に変わります。
つまり差押に突入するでしょう。
数年分を滞納している場合に分割は可能?
これまでの解説は、滞納といっても、自動車税・軽自動車税の納期限を過ぎてまだ間もない期間の話です。
そうではなくて、もっと大幅に滞納しているケースもあります。
たとえば車検切れになった車をそのまま放置しておき、当然、自動車税・軽自動車税も納めずにいるようなケースです。
2年以上の滞納です。
3年、5年、10年放置しているケースもあるでしょう。
こういう場合、規定では次のような措置が取られることがあります。
・自動車税・軽自動車税を2年滞納すると嘱託保存という措置が取られることがあり、これは課税当局が強制的に抵当権を設定したり差押状態にすることで、滞納した税を完納しない限り、抹消手続きや名義変更が一切できなくなります。
・車検切れから3年が経過すると陸運局(軽自動車検査協会)の権限で職権抹消という措置が取られることがあり、この措置が取られると、再度車検を受ける場合は滞納分を完納しなければなりません。また廃車する場合も一定の制限がかかります。
こうした規定は一応ありますが、しかし自動的に必ずこうした措置が取られるわけではありません。
まさにケースバイケースです。
(※)自動車税・軽自動車税はナンバープレートと紐づけされているので、抹消手続きでナンバープレートを返納しない限り課税され続けます。
いずれにしても、何らかの事情で自動車税・軽自動車税を2年以上滞納したり、車検切れの車を放置して自動車税・軽自動車税も滞納し続けた場合、納税義務からは逃れられませんから、滞納している税は何らかの形で支払わねばなりません。
しかし1年分ではなく複数年分の税金なので、金額も高いでしょうから、一括納付が困難なケースです。
こういうケースこそ、まさに分割納付(分納)の相談をすべきときです。
たとえば、車検切れを放置して10年が経過しているケースです。
このケースでは、単純計算では10年分以上の自動車税・軽自動車税が滞納されていることになります。
ただ、同様の事例を集めたところでは、多くの場合、車検が有効であった期間に滞納していた分を納税すればよくて、車検切れ後の滞納分は不問に付す事が多いようです(絶対確実にこの様になる保証はありませんが)。
また分割納付(分納)に応じてくれるケースも多いようです。
自動車税・軽自動車税の滞納に関しては下記のページも参考になさってください。
下記の記事も参考になさってください。
ご覧いただきありがとうございました。