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【記事丸わかり】
スズキ・パレットは多くの便利な機能を提供していますが、重い車体、非力なエンジン、および燃費の問題など、様々な欠点も抱えています。購入を考える際には、これらの点を慎重に考慮する必要があります。 ⇒⇒スズキ パレット レビュー&走行インプレッション |
欠点大解剖:スズキ・パレット【MK21S型(2008年 – 2013年)】の欠点を解剖:スペーシアの前身
スペーシアの前身スズキパレット:Wikipedia
スズキ・パレット【MK21S型】、2008年から2013年にかけて製造されたこの車は、多くのドライバーに愛され、スペーシアの前身としても知られています。
本記事では、パレットの特徴からスペック、価格、そして主な欠点について詳しく解説しています。経年劣化による故障箇所、中古車購入時の注意点、そしてユーザーレビューやライバル車との比較についても触れています。
この車を選ぶべき人物像も含め、スズキ・パレットについてのあらゆる情報を包括的にご紹介します。
どんなクルマ?
2008年に発売されたスズキ「パレット」の特徴は以下の通りです。
- 「ワゴンR」より背が高く、室内が広い軽自動車。
- 高い天井、広い後席、後席スライドドアの採用。
- ライバル車種は「ダイハツ・タント」。
- エンジンは自然吸気とターボが用意され、4WDも選択可能。
- 2009年9月にエアロモデル「パレットSW」を追加。
- 細目のヘッドライトと透明なフロントグリル。
- シャープな外装デザイン。
- 黒基調のインテリアコーディネート。
- 2013年2月に「スペーシア」に生産を移行し、生産終了。
- 日産に「ROOX(ルークス)」、マツダに「フレアワゴン」としてOEM供給。
スペック
スズキ・パレット「G(ベースグレード)」のスペックです。
新車価格 | 111万円※当時の新車価格 |
駆動方式 | FF |
燃料 | レギュラー |
燃料タンク容量 | 30L |
排気量 | 658cc |
トランスミッション | 4AT※後にCVTに移行 |
乗車定員 | 4名 |
最小回転半径 | 4.2m |
最高出力 | 40[54]/6500 kW[PS]/rpm |
最高トルク | 63[6.4]/3500 N・m[kgf・m]/rpm |
全長 | 3,395mm |
全幅 | 1,475mm |
全高 | 1,735mm |
ホイールベース | 2,400mm |
最低地上高(未積載時) | 150mm |
車両重量 | 900kg |
価格
スズキパレットの新車時の価格帯です。
111~169 万円
パレットの欠点大解剖
この記事のテーマは「欠点大解剖:スズキ・パレット【MK21S型(2008年 – 2013年)】の欠点を解剖:スペーシアの前身」というものです。
パレットのメリット・デメリットを概観することで、「欠点」が浮かび上がると思います。
メリット
- 両側スライドドア:パレットは軽自動車として初めて両側スライドドア(電動式も選択可能)を採用。使い勝手が良く、特に子育て中の家族におすすめです。
- インテリアのまとまり:インテリアデザインは好みが分かれるところですが、タントよりも比較的好評です。
デメリット
- 非力なエンジン: 初代パレットはK6A型658ccエンジンを搭載しており、他のスーパーハイトワゴンと比較してエンジンパワーが低めです。NAエンジンの最大出力は40kW(54PS)/6,500rpmで、ライバル車種よりも若干低めです。ターボエンジン搭載モデルもありますが、最大トルクでもライバル車に劣るため、荷物が多い時や高速道路での走行時にパワー不足を感じる場合があります。
- トランスミッションの問題: 当初、全グレードに4速ATが採用されていましたが、後にCVTが導入されました。4速ATを搭載しているモデルの場合、CVTに比べて変速ショックが大きく、燃費性能も劣ります。購入を考える際は、CVT搭載モデルを選ぶことが望ましいです。
- 重いボディ: スーパーハイトワゴンとしての特性上、初代パレットは他の軽自動車と比べて重いボディを持っています(900kg~970kg)。特にスライドドアの採用は便利さを提供する一方で、車両重量を増加させ、走行性能や燃費に影響を及ぼします。
上記デメリットに関しては、パレットとパレットからバトンタッチされたスペーシア、そしてタント、さらにあのN-BOXといった「軽スーパーハイトワゴン」に共通して言われてきた「欠点」です。
しかし、各社改良に改良を重ね、今ではみなさんご存じのように、まさにこのジャンルこそ軽自動車で最も人気のある最量販ジャンルに成長しています。
つまり、現行のスペーシアと比較すると、パレットには様々な要改善点が見られますが、それでもよくできた車であり、今でも中古車として魅力的な車種です。
経年劣化により故障しやすい箇所
どんなクルマでも年数を経れば様々な箇所が故障しやすくなります。スズキパレットの場合、以下の箇所が故障しやすいと言われています。
- エアコンのコンプレッサー:
- 春から秋にかけて不具合が起きやすい。
- 焼付きや異音があり、高額な修理費用がかかることがある。
- 原因としては、エキスパンションバルブの詰まりやリキッドタンクのスラッジが原因で異常高圧になり故障することが多い。
- 修理費用は普通8万円以上になる。
- ターボ(タービン):
- ターボ車における異音やブースト不足、白煙などの故障。
- 新品のターボは10万~15万円、リビルト品でも4万~6万円の費用がかかる。
- エンジン内部:
- 定期的にオイル交換してない車両では、スラッジの蓄積やエンジン焼付きのリスクがある。
- エンジン内部の清潔さをチェックすることが重要。
パレットの中古を購入する際の注意点
- リコール情報:
- エアコンコンプレッサーに関するリコールが存在。
- コンプレッサーオイル不足やガス漏れがあるかチェックが必要。
- 4WD車:
- 一定期間内に生産された4WDモデルにリヤデフからのオイル漏れの問題あり。
- 電動格納ドアミラーの保証期間延長:
- 特定の生産期間の車両の場合、ドアミラーの保証期間が10年または10万キロまで延長されている。
購入前のチェックポイント
- エアコン、ターボ、エンジンの状態を確認。
- リコール等の対象車両かどうかを確認。
- 車両の整備記録やオイル交換の履歴をチェック。※整備記録簿がない車両は買ってはいけない。
- 中古車販売店の保証内容を確認。
MK21S スズキパレットの中古購入を検討する際は、上記の弱点や故障箇所に注意し、リコール情報や保証期間、整備記録簿の内容などを確認することが重要です。
これらの点をしっかりとチェックすることで、将来的な高額修理のリスクを減らすことができます。
中古市場では、スペーシアカスタムや他の人気モデルへ需要が移行しているので、逆に、パレットは比較的安価に手に入れることが可能です。
ユーザーレビュー
スズキ・パレットのユーザーレビューを見ていきましょう。
否定的・ネガティブなレビュー
まず、スズキ・パレットに関する否定的・ネガティブなレビューをご案内します。
- 台形のボディ形状と尖ったツリ目でエクステリアデザインが良いとは言えない。
- ベージュとグレーのインテリアデザインも良いとは言えない。
- 坂道や高速道路の勾配でエンジン性能の限界を感じる。
- 165/55R14のタイヤは低扁平で乗り心地が悪い。
- 街中でのアイドリングストップ機能がなく、信号待ちで燃費が悪化する。
- 上り坂でエンジンが辛そう。
- Mターボエンジンは非力。
- シートや足回りが少し硬め。
- テールランプの球が切れやすい。
- 後席は慣れないと酔いやすい。
- 軽自動車ながらも車重が900kg超で余裕がない
- 4ATは騒音の要因になっている
- DNA ECOSタイヤは車に合っていない可能性
- 収納スペースの大きさが中途半端で使い勝手が悪い
- 助手席下のボックスがジュニアシート取り付けで利用できない
- シートの腰高な設計が横方向の揺れを引き起こす
- 燃費が特に良いわけではない
- ルームミラーの位置が見づらい
- サンバイザーとルームミラーのサイズが合わない
- エンジンの立ち上がりがもたつく
- バック時のサイドミラーが不具合を起こすことがある
- リアの台形デザインが不評
以上のような評価が一定数見られます。これらはあくまでレビュアーの意見であり、必ずしもすべての指摘がファクトであるとは限りません。しかし、これらの意見はスズキ・パレットに関する様々な着眼点を提供しているので、ぜひ参考になさってください。
肯定的・ポジティブなレビューをご紹介
次に、スズキ・パレットに関する肯定的・ポジティブなレビューをご案内します。
- ユーティリティが優れており、ドリンクホルダーや肘掛けが便利。
- 4ATの変速制御が完成されていて非力な軽NAでも不満がない。
- ACオンオフがアクセルの踏み込みを考慮し、走行性能を犠牲にしない。
- 155/65R14にタイヤを変えると乗り心地がソフトになり、タイヤ代も安い。
- 郊外で18km/L前後の燃費を達成。
- 軽にしては良いインテリア。
- 助手席裏のフックが使い勝手が良い。
- 高速でもビュンビュン走る。
- 運転していても疲れない。
- 乗り心地が良い。
- 13年乗って大きな故障がなかった。
- 車内が広々しており、視界も良い。
- トランパスLuKへのタイヤ交換で走りが軽快になった
- タイヤ交換により横方向の揺れが減少
- シートの快適さが乗り心地を向上させている
- 高速道路でも安定している
- 車内が広く、小回りが効く
- 300kmの長距離運転でも快適
- ターボモデルは加速が良い
- フル乗車でもエアコン使用時に苦にならない
- スタビライザーの標準装着で安心感がある
- キュートでスポーティーな外観デザイン
- インパネ周りが高級感を出している
- 自発光メーターが見やすい
- ハイト系ワゴンとしての利便性が高い
総合的・全般的なレビューをご紹介
レビューの最後に、スズキ・パレットに関する総合的・全般的なレビューをご案内します。「細かな点ではいろいろ言いたいことがあるけれど、結局のところスズキ・パレットのことをどう思っているのか」、そうしたレビュアーの<思い>が込められたレビューとなります。ぜひ、参考になさってください。
- 室内の広さと視界の良さ、幅が狭いことによる走りやすさがメリット。
- 故障が少なくコストパフォーマンスが高い。
- 可愛らしさと力強さがバランス良く、両側電動スライドドアが便利。
- 非力なMターボエンジンに不満があるものの、全体的には快適で満足している。
- 収納が便利で、4人乗車でもベビーカーが乗るほど広い。
- 非力ながらも日常の運転には十分な性能。子供の送迎や買い物に大活躍
- 実用的でコストパフォーマンスが良い。安全性や快適性に優れたデザイン
- ターボモデルや高品質なタイヤを選ぶことでさらなる満足度が得られる
レビューサイトの平均評価点のご案内
スズキ・パレットが有名なレビューサイトでどう評価されているか、以下ご紹介します。
※2023年12月29日時点
ライバル車とその特徴
スズキ・パレットのライバル車とその特徴をまとめました。
車名 | 特徴 |
---|---|
ホンダ・N-BOX | 広い室内空間と使い勝手の良さが魅力。軽自動車の売れ筋No.1車種。 |
ダイハツ・タント | 助手席側スライドドアで乗り降りがしやすい。N-BOXと並ぶ軽自動車の売れ筋車種。 |
どんな人におすすめ?
スズキ・パレットがおすすめの人物像をまとめました。
おすすめの人物 | 理由 |
---|---|
都市部での移動が多い人 | コンパクトなサイズで、狭い道や駐車スペースに適している |
若いドライバーや初心者ドライバー | 扱いやすい運転感覚とリーズナブルな価格 |
小家族や単身者 | 限られたスペースを有効活用するデザイン |
燃費を重視する人 | 燃料効率の良いエンジンで経済的 |
スズキ・パレットは、特に都市部での移動に頻繁に利用する方に適しています。コンパクトなサイズは狭い道や駐車スペースでも取り回しがしやすく、都市部での運転に最適です。
また、若いドライバーや運転経験が少ない方にもおすすめです。見晴らしがよくて扱いやすい運転感覚と、リーズナブルな価格設定が、これらのドライバーにとって魅力的です。
小家族や単身者にも適しており、限られたスペースを効果的に利用できるデザインが特徴です。さらに、燃費を気にする方にも良い選択肢であり、燃料効率の良いエンジンは長期的に経済的です。
まとめ
『欠点大解剖:スズキ・パレット【MK21S型(2008年 – 2013年)】の欠点を解剖:スペーシアの前身』のテーマで解説してきました。
この記事では、スズキ・パレット【MK21S型】レビューをお届けしました。そのスペックから価格、利点、欠点、経年劣化による故障箇所、中古車購入時のチェックポイントまで、パレットに関連するさまざまな側面を網羅しました。
また、ユーザーの声やライバル車との比較を通じて、この車がどのようなドライバーに適しているかも探りました。この情報が皆様のカーライフに役立つことを願います。ご覧いただきありがとうございました。