【プチ調査】フィアット500は買って後悔する車か?

フィアット500・後悔




【プチ調査】フィアット500は買って後悔する車か?

※トップ画像は3代目フィアット500(現行型) Wikipediaより

(※このページで言及している車はあくまでも現行型フィアット500についてです。)

フィアット500(チンクエチェント)を買って後悔した人は当然いると思います。

ただ、そうした人の声はネット上にはほとんど見当たりません。

なぜなら、本当に買って後悔したと思う人はさっさと車を売りに出して別の車に乗り替えていて、特に不満のコメントを残したりしていないからです。

ネット上にある「後悔」とか「失敗」とかいうコメントのほとんどは、実際にフィアット500を買ったことがない人、乗ったことがない人、つまり外野席でワーワー噂話をしている人たちの声であることがほとんどです。

ネット上で散見されるフィアット500のオーナーさんたちのコメントのほとんどは、

「こういうところがダメ、こういうところが使いにくい、こういうところが信じられない、でもこの車最高だね!」

というタイプのコメントばかりです。

フィアット500は、BMWミニとかルノーカングーとかスズキジムニーとかクライスラーのジープなどと同種の車で、車を評価する各種項目の平均点の高さを競う車ではまったくないということです。

一点突破の車です。

何か飛びぬけて気に入ったところがあったら、他の部分はそこそこでもいい。もちろん、他の部分もいいに越したことはないけれど、たとえイマイチだったとしてもそれでダメということにはならない。

そういう車として認知されているのは明白です。

この種の車のオーナーさんの共通点は、買って後悔するのではなく、一般的に欠点とか弱点とされる部分をけっこう楽しんでいる、というところです。

フィアット500で言えば、特徴的なトランスミッションであるデュアロジックがまさにこれで、この明らかに「未成熟」な作動をする変速機について、プラスの評価をしているオーナーさんはほとんどいないのですが、それでも、「まあいいか」という感じで乗り続けていらっしゃいます。

どうしても耐えられない人は「買って後悔した」などと言うコメントをいちいち残すことなく、さっさと車を手放すのですね。※そのおかげで程度のいい低走行の中古を入手出来たりする

では、フィアット500の「一点突破」の部分は何かというと、言うまでもなく、それは愛くるしいデザインへの偏愛です。

フィアット500のオーナーの皆さんは、いろいろ文句をつけたい不満点はあるけれど、結局は、

「かわいいから許す」

ということになるようです。

イタリア車の基本部分については意外と語られない

もっとも、不満があってもかわいいから許しているのはその通りだとしても、「ただスタイルが気に入っているだけ」と断定するのは言い過ぎで、エンジン特性や乗り味といった面の魅力も一方にあっての話だと思います。

実際のところ、たいしたパワーはないのに運転して楽しいと感じるのはイタリアの小型車の伝統のようです。

どういう部分が楽しいと感じるのかは、実際にオーナーとなって生活を共にしないと見えてこない部分なのでしょうが、間違いなく言えることは、シャシー、サスペンション、エンジン、トランスミッション、ブレーキ、シートといった車の基本部分が高いレベルでバランスが取れているからこその「楽しさ」なのだと思います。

よく「875ccツインエアエンジンの音や振動(鼓動)がたまらない」などと言う声がありますが、エンジン単体でいい悪いなどという話は車ではありえないことです。

エンジンの特性に神経を集中してそれを楽しみ味わうことができるのは、車の基本的部分がしっかりしているからこその話で、足回りやブレーキ性能に不安があったらエンジン音がどうのこうのという話は吹っ飛びます。

スバリストが水平対向エンジンの鼓動を誇らしく思えるのは、強靭なボディや4輪の接地感など他の部分に絶大な信頼感があるからこそでしょう。

イタリア車の場合、車の骨格部分の精度やサスペンションやブレーキ性能については、おうおうにしてドイツ車のように多くの言葉を費やして語られることは少ないと思います。

実際のイタリア車は十分すぎるほど基準をクリアーしていて、フィアット500のオーナーの皆さんがいろいろ不満を口にしつつ長く所有し続ける人が少なくないのも、こうした物理的根拠があるからでしょう。

デザインへの偏愛はどこから来るのか?

とは言え、フィアット500のオーナーさんがデザインを偏愛しているのは紛れもない事実です。

「妻が一目惚れしたから購入した」

などという人もいますが、自分自身も気に入らなければ買うはずがないでしょう。

フィアット500のデザインがこれほどまでに愛されている、その主要な要因の一つは、私は<サイズ感>にあると思います。

現行型フィアット500のサイズは、

全長×全幅×全高:3570×1625×1505mm

※(参考)スズキワゴンR:3395×1475×1650mm

です。

もしも、です。

もしもフィアット500がトヨタハリアーほどのサイズ感で目の前に現れたとしたらどんなハレーションが起こるでしょう?

恐らく、フィアット500のオーナーの皆さんは、ちょっとした化け物を見るような表情を目に浮かべ、眉間にしわを寄せて、一歩半ほど身を後退させるのではないか。

私は、そう想像します。

以前、自動車評論家の笹目二朗さんだったと思いますが(間違っていたらゴメンナサイ)、フォルクスワーゲンのニュービートルはなぜゴルフベースで作ったのか、ポロベースで作ればよかったのに、といった感想を言われたことがありました。

私も強くそれに同意した憶えがあります。

後のザ・ビートルも同様です。

サイズが大きすぎて威圧感ばかりが強調されて、本来持っている「愛らしさ」が薄められていると感じるのです。※勝手なこと書いてます。ニュービートルとザ・ビートルのオーナーさん、ご不快なこと書いてごめんなさい。お怒りでしょうが大目に見てくださいね

あの空冷ビートルだって、もしもサイズが二回りくらい大きかったら、もうとっくに私たちの前から姿を消していただろうと思います。

元祖ビートルが多くの人に長く愛されてきているのは、ただ単に<形>の問題ではなかったと思います。同じ形でも、それが縮小されたり拡大されたりすれば、受け止め方はまったく違ったものになるからです。

空冷ビートルの「3サイズ」は4070×1540×1500(※タイプによって微妙に異なる)ですが、このサイズ感が私たち自動車ファンの脳髄を鷲づかみにしてしまうのだと思います。

フィアット500もまったく同じでしょう。

たとえ今の「形」であっても、これより大きかったり小さかったりしたら、とっくに廃版になっていたのではないでしょうか。※今より小さくなる分にはもう少しだけ余地はあると思いますが。初代と2代目がそうでしたから

やはり、今のサイズ感であるからこそ、たとえあれこれ不満や弱点があっても、オーナーの皆さんの偏愛が止まらないのだと思います。

買って後悔していないオーナーさんたちの声

この記事を書いているのは2021年12月4日ですが、現行型フィアット500(チンクエチェント、チンクェチェント、チンク)は3代目に当たります。

初代は1936年~1955年に販売され、2年間ブランクがあったのちに、2代目が1957年~1977年に販売されました。

そこからさらに30年のブランクを挟んで、2007年から3代目が販売されて現在に至っています。※日本での販売は2008年から

フィアット500とBMWミニとフォルクスワーゲン・ニュービートルorザ・ビートルの共通点は、いずれも復刻版、リバイバル商品として世に出た点です。

さらに共通しているのは、ご先祖に当たるモデルの、とりわけ「デザインに対するオマージュ」という形で世に出ているところでしょう。

けれども、すでに触れたサイズ感という点で、ご先祖様に一番寄り添う展開を見せたのはフィアット500でした。

3代目フィアット500は、2代目フィアットNUOVA 500より大きいものの、それは時代が要請する安全性能などの面で止むを得ない変更だったと思います。

いっぽうで、BMWミニはみなさんご存じの通りもはや「ミニ」ではないサイズですし、ニュービートルとザ・ビートルも近くで見ると威圧感のある姿でこちらに迫ってきます。

それから・・・いや、敵を作るといけないのでこのくらいにしておきますが、とにかくそういう感じです(汗汗汗)。

さて、このページのテーマは「フィアット500は買って後悔する車か?」というものですが、後悔した人はさっさと手放しています。

後悔などしないで、酸いも甘いも全て引き受けて愛し続けているオーナーさんたちの声を以下にご紹介いたします。

これからフィアット500の新車あるいは中古車の購入をお考えの方に少しでも参考になれば幸いです。

私はドイツ車歴が長かったので、最初にフィアット500の試乗をしたとき、デュアロジックの作動にはかなり戸惑いました。戸惑ったのだからそこでやめておけばよかったのです。でも、こんな変速機の車を買う人がそれなりにいるのはなぜだろう、という疑問を抱いてしまい、その疑問を突き詰める気持ちがチンクを購入してしまう結末を招いたのです。購入後もモヤモヤは続きました。不出来であるゆえに愛する、ということは往々にしてあることですが、なかなかそういう境地には至らずに、買ったことを後悔する日もありました。たとえばミニクーパーの場合、段差の突き上げがひどくてファミリーカーとしてはちょっと苦しいと思うけれど、ただし、突き上げのトレードオフとして、あのすばらしいゴーカートフィーリングが得られます。でも、チンクのデュアロジックの場合はそのトレードオフがないのです。「変速はギクシャクするけれど、その代わりにこんな〇〇が得られる」という〇〇がないわけです。これがつらいところです。そして、いまオドメーターは25,000キロです。よく走ったと思います。ここからは話半分でお聞きになっていただいてけっこうですが、最近〇〇に相当するものが見つかったような気がしています。トレードオフですね。それは「もう何でも理詰めで考えるのはやめよう。理屈じゃないものもあるんだから、もう少し気持ちを広く持とう」という心境です。そんな気持ちが芽生えてきました。フィアットがデュアロジックにそんな意図を込めたとは到底思えませんが、とにかく結果的にわたしはそんな肩の力を抜いた気持ちになれたような気がします。依然としてデュアロジックは厄介な変速機であり続けますが、深く追求しないようにしています。いろんな意味で、とても味わい深い車です。

 

この車は燃費がいいです。私のは1.2ですがツインエアも燃費はいいです。普通に走れば18キロ~20キロは当たり前です。元気に走っても15キロを下回ることはめったにないと思います。エコです。※地方在住者です。

 

フィアット500を買う人へ。新車か認定中古車なら保証が付いているので大きなトラブルでも安心です。車検とか部品代とか作業工賃などは日本車の3割増し~5割増しくらいだと思います。それなりにお金はかかると思いますが、ひっくり返るような金額ではないのであまり敬遠するのはもったいないですよ。それと、万が一走行中にトラブルが発生して自走できなくなっても、自動車保険のロードサービスを呼べばレッカー移動してくれます(無料で)。フィアット自体にロードサービスが付いているようですが、それも不要ですしJAFも不要です。自動車保険(任意保険)にはどの保険会社のも自動付帯ですから、それを使えばいいんです。日本車だってけっこうトラブルでレッカー移動しているんです。あまり騒がれないだけです。価格コムのレビューを見るときに「並べ替え」をしてみてください。デフォルトでは「投稿日(新しい順)」になっていると思いますが、これを「満足度(低)」にするんです。そうすれば出てくるわ出てくるわ、トヨタだってホンダだって酷評がこれでもかと出てきます(プリウスのレビューは見ないように)。でも、こういうコメントはあまり問題にならなくて、ヨーロッパ車、特にイタリア車のトラブルは増幅されて拡散されるのです。こうした扱いは不当で不公平だと思います。

 

フィアット500のドアの開き方は独特です。3分の1とか2分の1という開け方が苦手で、いつもガバッと開ける感じになります。そうしないとうまくいかないんです。そもそもドアのサイズが大きいです。狭い場所では本当に注意が必要です。

 

1.2の4気筒の方が900ccの2気筒より格上だと思っている人がいるようですが、逆です。2気筒の方はツインエアエンジンといって、いわゆるダウンサイジングターボです。数字上も1.2よりパワフルですし、実際に走らせてもずっとスポーティーです。そして私のはツインエアです(笑)。独特の音と振動があります。うるさいかって?まあ、人によってはうるさいでしょう。振動も感じるでしょう。でも、こうしたエンジンの音と振動は、これからは今までと意味が変わってくると思います。感じ方が変わってくると思います。日本では周りを見渡せばハイブリッドが当たり前で、これからはEVも勢いをつけて普及してくるでしょう。こうした電動車を走らせているとロードノイズや風切り音がメインの音源になって、それを消すために遮音性がどんどん上がっていって、いずれ超静かな車が出来上がるでしょう。そういう潮流の中でのツインエアの鼓動なんです。今以上に今後は希少性がいや増していくことは確実で、いずれは「神の鼓動」と呼ばれるようになるはずです(それはないか)。とにかくすごいんです。

 

中古でフィアット500sを見かけたらお宝だと思ってください。普通のマニュアル車です。これが当たり前のチンクエチェントです。フィアットも電動化に舵を切っていますから、だからこそ、マニュアルトランスミッションのチンクエチェントは至宝になるんです。お金の工面がつくようなら即買いしてくださいね。電動車にはいつでも乗れるんだから。いま新車で販売されている乗用車のうち、MT車の割合は1%か2%しかないので、今現在すでにマニュアル操作は「特殊技能」になっています。今後はマニュアル車を運転する人は「人間国宝」になるでしょう。それはウソですが、尊敬されるか変人扱いされるか、そのいずれかの運命が待ち受けています。私の予想では、車という車がすべて電動化され、トランスミッションもオートになり、運転操作自体も自動化されていく方向性がより際立つ頃になれば(2030年以降?)、逆に内燃機関でマニュアルミッションの車は自動車ユーザーの一定数を占めることになるのは確実だと思います。一つのまとまった市場が新たに生まれるのです。なぜそういうことになるかというと、人間の欲求不満が頂点に達するからです。EV化とか自動運転化というのは、人間は手足を縛られて脳だけ働かせていればいいと社会が人間に枠をはめることであって、そんなのに黙って従っていたら誰だってストレス満杯になってしまいます。保育園や幼稚園の子供たちを観察してみてください。いかに好奇心に満ちているか。動き回っているか。じっとしていないか。いま車のほとんどが2ペダルのATであること自体異様な光景だと思います。・・・ちょっと言い過ぎたかも。失礼。

 

魅力的なエクステリアに見合った華のあるインテリアですね。外装色を取り入れた色の使い方がカッコいいです。わたしはミニのインテリアも好きで、品質感ではあちらが格上のように感じますが、ふわっとほんのり温かい気持ちにさせてくれるのはチンクエチェントのほうかも。デザインの力ってすごいと思います。生活の空気感を変えてくれます。このクルマは子育てみたいに大変で、部品待ちで1か月乗れないこともあったし、ロングドライブを機嫌よく走ってくれて最高の時もあったし、いろいろあるけれど、シートに座ってふっと車内を眺めると明るく前向きな気持ちになるんです。何とかなるよって。

【3分記事】「ミニクーパーやめとけ」という不思議な言動について。

2021.08.30

ご覧いただきありがとうございました。




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元保険代理店代表です。ほぼ毎日新しい記事を追加しています。何かお役に立つ記事があったら、次のお役立ちのためにお気に入りに登録していただけるとうれしいです。励みになります!