【3分解説】ブレーキブースター(倍力装置)の仕組み|踏力をアシスト

ブレーキブースター・倍力装置




ブレーキブースター(倍力装置)とは?

現在道路を走行している車のブレーキは、ほぼすべてがブレーキブースター(ブレーキ倍力装置)を備えています。

人間の足がブレーキペダルを踏みつける力を1とすると、この3倍から7倍ほどの力でアシストしています。

ブレーキブースターは、「ブレーキ倍力装置」「真空サーボ」「マスターバック」「バキュームサーボ」とも呼ばれます。

仕組み:負圧を利用

ブレーキブースターは「負圧」を利用します。

「負圧」とは吸い込む力です。

みなさんも経験があると思いますが、車のフットブレーキを踏み込んだ際に、ペダルが自ら沈み込んでいくような感覚を覚えたことはありませんか?

ブレーキを踏む、というより、ブレーキペダルに吸引されるような感覚。

これこそがブレーキブースターの作動方式の表れです。

つまり「負圧」です。

負の圧力、マイナスの圧力の力を利用して、人間がブレーキペダルを踏みこんだ際に、その踏力に応じてブレーキペダルを床の側に吸い寄せるのです。

では、そのマイナスの圧力である「負圧」はどのようにして作り出されるのか?

(ガソリン車の場合)

ガソリン車ではエンジンが空気を吸入する際の吸入圧力を利用します。具体的には、空気を吸入するインテークマニホールド内に発生する「負圧」をマスターシリンダーに導き、ピストンを動かすことで、踏力の3倍~7倍程度のアシスト力を発生させています。

(ディーゼル車やハイブリッド車の場合)

一方で、ディーゼルエンジンはガソリン車より吸気圧力が低いので、同じ装置では力不足となります。そこで、独立した真空ポンプを用意することで「負圧」を発生させ、踏力をアシストします。

ハイブリッド車はエンジンがONとOFFを繰り返すので、ディーゼルエンジンとは別の意味でインテークマニホールドの吸気圧力を利用することができません。そこで、やはりディーゼル車のように独立した真空ポンプで「負圧」を発生させる方式になっています。

ただし、同じハイブリッド車でも、常時エンジンが回転するタイプの車(ホンダのインサイトなど)では、ガソリン車と同じようにインテークマニホールドの「負圧」を利用しています。

なお、ニッサンのリーフなどの100%純粋な電気自動車では、そもそもエンジンがないので、独立した真空ポンプで「負圧」を発生させています。

日産のノートe-POWERの場合、走行はモーターの力のみで走るのですが、そのモーターを回転させる電力はエンジンで作り出しています。いわば「小規模発電所付電気自動車」といったところですが、この車では、通常のガソリン車のようにエンジンの吸気圧力で「負圧」を発生させ、ブレーキペダルのアシストをしています。

(※)ノートe-POWERの説明で、ちょっと納得できない方もいらっしゃるでしょう。なぜなら、ノートの場合、エンジンは常時回転しているわけではないからです。エンジンは動いたり停止したりを繰り替えします。この場合、「負圧」はある程度の量を蓄積することができるので、まだ足りているうちはエンジン停止状態でもちゃんとブレーキアシストしますが、蓄積が不足してくると、いきなりエンジンが動き出したりします。ノートe-POWERのオーナーさんは、こうしたエンジンのON・OFFを楽しんでいただきたいと思います。私の近所にもe-POWERのオーナーが二人いて、「普通の車と違うところ」をいろいろ自慢しています。

(※)大型トラックなどの場合はコンプレッサーを作動させ、そこで発生した空気をエアタンクに圧縮空気として蓄えます。この圧縮空気の圧力をブレーキのアシストパワーとして利用しています。

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ご覧いただきありがとうございました。