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目次
車のメンテナンスについて考えるとき、タイヤの空気圧やオイル交換が最初に思い浮かぶかもしれません。
しかし、車の重要なパーツの一つである「ファンベルト」について考えたことはありますか?
ファンベルトは、エンジンを冷却し、電力を供給し、さまざまな部品を動かすための重要な役割を果たしています。
しかし、このファンベルトが切れてしまうと、エンジンの冷却が不十分になったり、電力供給が停止したり、さらには車が動かなくなるという深刻な問題が発生します。
特に、運転中に突然ファンベルトが切れると、予期せぬ事故につながる可能性もあります。
そこで、この記事ではファンベルトが切れる前兆、特に「キュルキュル音」について詳しく解説します。
この音を理解し、早期に対処することで、大きなトラブルを未然に防ぐことができます。
車の安全運転と長寿命化に役立つ情報を提供しますので、ぜひ最後までお読みください。
車|ファンベルトが切れる前兆はキュルキュル音です。
車のファンベルトが切れる前兆のほとんどがキュルキュル音です。アイドリング中、加速でアクセルを踏み込んだ時やアクセルを離した時など、ファンベルトが劣化してくると様々な場面でキュルキュルという鳴きが入ります。
ファンベルトの鳴きは常に発生するとも限らず、高速道路を走行しているときには全く聞こえてこないけれど、一般道で信号待ちをしていたらキュルキュルと鳴き始めた、といったことがよくあります。
最初の内はそうした前兆が出たり出なかったりしているのですが、やがて常時キュルキュル音が出続けるようになります。
切れる前兆が発生してもしばらくの猶予がある
ファンベルトは芯の部分にファイバーが入っているのでかなり丈夫なのですが、それでも走行距離が増していくうちに亀裂が入ったりヒビが入ったりしてきます。
すると、エンジンの回転を受けてキュルキュルという異音が発生するようになり、まさにこの音がそのうち切れることの前兆となるわけです。
一時しのぎもできるが
ただし、キュルキュル音が出始めたばかりであれば、アジャストボルトの調整をしてベルトの張りを強めることで一時的に鳴りを止めることができます。
また、市販のベルト鳴き止めスプレーを吹きかけることで、一時しのぎではありますが、鳴きを止めることができます。
けれども、いったん前兆であるキュルキュル音が発生し始めたら、これは交換のサインと受け止めるべきで、できるだけ早くファンベルトを交換したほうが安心・安全だと思います。
キュルキュル音以外の前兆にはどんなものがある?
ファンベルトは、エンジンの動力を利用して車のさまざまな部品を動かす役割を果たしています。
そのため、ファンベルトが摩耗し始めると、それに連動して動作する部品の性能も低下します。
具体的には以下のような症状が現れます:
- エアコンやヒーターの効きが悪くなる: ファンベルトはエアコンコンプレッサーを駆動しているため、ファンベルトが摩耗するとエアコンやヒーターの効果が低下します。特に、エアコンを使用するとエンジンが重たく感じる、またはエアコンの冷却効果が低下するなどの症状が現れます。
- バッテリーの充電が進まない: ファンベルトはオルタネーター(ダイナモ)を駆動し、これがバッテリーを充電します。ファンベルトが摩耗すると、オルタネーターの動力が低下し、結果としてバッテリーの充電が進まなくなります。これが進行すると、エンジンが始動しなくなる可能性もあります。
- エンジンの温度が上がりやすい: ファンベルトはウォーターポンプを駆動し、これがエンジンの冷却システムを制御します。ファンベルトが摩耗すると、ウォーターポンプの効率が低下し、エンジンの冷却が不十分になります。その結果、エンジンの温度が上昇し、オーバーヒートする可能性があります。
これらの症状が現れた場合、ファンベルトが摩耗している可能性が高いです。
早急に専門家に診てもらい、必要であれば新しいファンベルトに交換することをお勧めします。
ファンベルトが切れるとどうなる?
ファンベルトが切れる前兆を無視して走り続けていると、そのうちにベルトが外れたり切れたりします。では、そうなったらどういうことになるのでしょう?
ファンベルトはいろんな装置と繋がっているので、切れた場所に応じて以下のような不具合が発生します。
- パワステのアシストが無くなるのでハンドルが半端ない重さになります。
- オルタネーターの動きが止まりバッテリーへの充電が止まりますから、エンジンをはじめ様々な機器が不調になり、やがて止まります。
- エアコンコンプレッサーの動きが止まり、当然エアコンが効かなくなります。
- ウォーターポンプの動きが止まり、冷却水があちこちに滞留することになり、そのうちオーバーヒートでエンジンが不調になり、やがて止まります。
ファンベルトの役割
そもそもファンベルトの役割は何かというと、エンジンの動力を様々な補機類に伝達する役目です。
具体的には、
- パワステの油圧ポンプ
- オルタネーター(発電機)
- エアコンコンプレッサー
- ウォーターポンプ(ラジエーターの冷却水の循環)
といった補機を作動させるための動力をベルトを介して伝えているのです。
なお、車種によって実際にファンベルトが作動させている補機の数には違いがあります。
電動化した補機にはファンベルトは使われていない
現在の多くの車はラジエーターの冷却ファンは電動化されているので、最近の車で冷却ファンを回すためにファンベルトが使われることは少なくなっています。
だから、「ファンベルト」という名称は昔の名残ということになります。
また、パワステも電動化されている車種が多いので、パワステの油圧ポンプを作動させるためにファンベルトを使っている車も少なくなっています。
いずれにしても、名称にはあまりとらわれないでください。とにかくベルトを介してエンジンの動力をエンジンルームの補機類の作動のために働いているもの、これがファンベルトです。
ファンベルトの別の名称
名称にとらわれないでと言いつつ、いちおう参考までに他の呼び名をご紹介しておきます。
- Vベルト
- リブドベルト
- ALTベルト
などとも呼ばれています。
ファンベルトのメンテナンスと交換
ファンベルトのメンテナンスは、車の性能を維持し、予期せぬトラブルを防ぐために重要です。
以下に、ファンベルトのメンテナンスと交換についての基本的なガイドラインをご案内します。
ファンベルトの寿命: ファンベルトの寿命は、使用状況や車のメーカーによりますが、一般的には5万キロメートルから10万キロメートル、または5年から7年ごとに交換が推奨されています。ただし、これは目安であり、車の使用状況や環境条件により異なるため、定期的な点検が必要です。
自分で交換するか、プロに任せるか: ファンベルトの交換は、一部の車種や状況では自分で行うことが可能です。しかし、専門的な知識と工具が必要であり、間違った取り扱いはエンジンに損傷を与える可能性があります。そのため、自信がない場合はプロに任せることをお勧めします。
交換のタイミング: 「キュルキュル」という音が聞こえたり、エアコンやヒーターの効きが悪くなったり、バッテリーの充電が進まない、エンジンの温度が上がりやすいなどの症状が現れた場合、ファンベルトの交換が必要なサインかもしれません。また、定期的な車検時にもファンベルトの状態をチェックし、必要であれば交換を行います。
交換にかかるパーツ代と工賃の総額は10,000円前後が相場
交換にかかるパーツ代と工賃の総額は10,000円前後が相場です。
交換ではなく、鳴きが入ったときにベルトの張りを調整する工賃は、3,000円前後が相場です。
ファンベルトのメンテナンスと交換は、車の安全運転と長寿命化にとって重要な要素です。
適切なメンテナンスを行い、必要なときに交換を行うことで、車の性能を最大限に引き出し、安全に運転を続けることができます。
まとめ
- 車のメンテナンスにおいて、ファンベルトの重要性はしばしば見過ごされがちです。
- しかし、ファンベルトはエンジンを冷却し、電力を供給し、さまざまな部品を動かすための重要な役割を果たしています。
- そのため、ファンベルトが切れると、エンジンの冷却が不十分になったり、電力供給が停止したり、さらには車が動かなくなるという深刻な問題が発生します。
- ファンベルトが切れる前兆として最も一般的なのが「キュルキュル」という音です。
- この音は、ファンベルトが摩耗し、適切なテンションで動作していないときに発生します。
- この音が聞こえた場合、ファンベルトがすでにかなりの摩耗を受けている可能性があります。そのため、早急に専門家に診てもらうことをお勧めします。
- また、エアコンやヒーターの効きが悪くなる、バッテリーの充電が進まない、エンジンの温度が上がりやすいなど、他の前兆も存在します。これらの症状が現れた場合も、ファンベルトのチェックが必要です。
ファンベルトのメンテナンスと交換は、車の安全運転と長寿命化にとって重要な要素です。
適切なメンテナンスを行い、必要なときに交換を行うことで、車の性能を最大限に引き出し、安全に運転を続けることができます。
車のメンテナンスは、単に車を動かすためだけでなく、自身と他人の安全を確保するためにも重要です。
ファンベルトの状態を定期的にチェックし、必要なメンテナンスを行うことを心掛けましょう。
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ご覧いただきありがとうございました。