【納得解説】引っ張りタイヤとは|メリットとデメリットを知る

引っ張りタイヤとは・メリット・デメリット

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引っ張りタイヤとは|メリットとデメリットを知る

引っ張りタイヤとは?

車を斜め前から眺めた際、フロントタイヤやリアタイヤのホイール部分がタイヤのゴムの部分より外側に出っ張っている、まるでホイールがメインでタイヤのゴム部分はオマケみたいに見える、これが引っ張りタイヤです(笑)。

具体的には、たとえばホイールのサイズを表すのに、

17×7J

とあったら、この「7J」はホイールのリム幅を表します。つまりタイヤがすっぽりはまる部分の横幅です。

このホイールの横幅に対して、そこにぴったりはまるサイズのタイヤが装着されれば、それはごく普通のタイヤとホイールになります。

しかし、ホイールの横幅が7Jに対して、それよりサイズが小さい、たとえば6サイズのタイヤを装着した場合、タイヤはリム幅にとりあえず収まるのが精いっぱいで、ホイールより外側に膨らむ余地さえなくなります。

これを車の斜め前から見ると、まさにホイールが主役でタイヤが脇役、ホイールが外側(横側)に突き出ていてタイヤはおとなしく内側に隠れています。

これが引っ張りタイヤです。

「引っ張り」とは、通常より幅の狭いタイヤがホイールのリム幅に届くように精いっぱい引き伸ばされる様子を表す表現です。

引っ張りタイヤにすると、ごく限定的な使用目的では走行性能を高める効果もありますが、いま巷で注目されている理由は、ただひたすら人目を惹くルックスにあると思います。

目立ちます。かっこいいです。

モーターショーなどでもこれ見よがしの引っ張りタイヤが展示ブースでキラキラと照明を反射していますし、一般のカスタムズでも大人気です。

ど派手なネガティブキャンバーが走行性能など一切お構いなしにひたすら目立つことだけを目指しているのと同様、引っ張りタイヤもやりはじめるとエスカレートする傾向にあり、「いっそのことタイヤなどつけなければいいじゃないか」といった冗談が飛び出す始末です。

メリット

ルックスの良さ:すでに触れていますが、これが最大のメリットです。と言うか、ほとんどの人はルックス以外のメリットを求めてはいないでしょう。

フェンダーとの干渉をおさえる:車の足回りのカスタマイズをする際、車高調に扁平率の高い幅広タイヤなどを装着すると、サイズによってはハンドルを切った際にタイヤがフェンダーに接触してしまうことがあります。引っ張りタイヤはタイヤのゴム部分が引っ込んでいるのでこの干渉をなくすことができます。

走行性能が向上する:これは注釈付きです。あくまでも適正な空気圧、適正なタイヤとホイールのバランス、適正なタイヤ銘柄などの条件をクリアーした場合に限られますが、引っ張りタイヤは走行性能が向上することがあります。タイヤを横に引っ張るので路面との接地面が広くなり、ダイレクトに路面をとらえ、スポーツ走行に適したセッティングにすることが可能です。

デメリット

引っ張りタイヤはタイヤメーカーが推奨するホイールとの組み合わせを、ある意味無視しています。ひたすら目立つルックスを求めてどうしても無理をします。ホイールのリム幅よりもタイヤの幅が狭ければ狭いほど引っ張り度合いは強くなり、それゆえど派手なルックスが際立ちます。

しかし、そうやって無理して引っ張る結果として、様々な不具合が出てきます。

タイヤの空気圧がシビアになる:引っ張りタイヤは通常のタイヤとホイールの組み合わせに比べてより高い空気圧が必要になります。ペタッと張り付くようにホイールに装着され、クッション部分が少なくなる分を高い空気圧で支える必要があるからです。空気圧が低すぎるとタイヤがホイールから外れてしまいますし、空気圧が高すぎるとバーストします。※一般的に3キロつまり300kPa(3.0kgf/㎠)くらいに上げることが多いようです。

静粛性・乗り心地が低下する:これはセッティング次第という面がありますが、多くのケースで引っ張りタイヤにすると静粛性が低下し、乗り心地が悪くなります。

ハンドルが重くなる:タイヤを引っ張ることで路面との接地面が増え、ハンドルが重くなる傾向にあります。「だから何?」と言われればそれまでですが。

車検に通らないことがある:車検の検査官の主観によることが多いようですが、引っ張りタイヤの引っ張りの程度によっては車検で不合格となることがあります。ただし、保安基準の条文のなかに明記されているわけではなく、あくまでも検査官の判断になります。ディーラー車検なら引き受け不可になることもあるかもしれません。ディーラーは引っ張りタイヤに限らず純正品以外のものを嫌いますから。また、ロードインデックス(最大負荷能力)が適正以下のタイヤの場合は車検に通らないと思います。

とにかくショップのスタッフさんの意見を聴くこと

引っ張りタイヤには一般的な意味での適合表のようなものも存在します。つまり、ホイールのリム幅に対してタイヤの幅はどのサイズまでOK、というようなものがあります。

しかし、そもそもホイールのサイズ表記にしてもメーカーによって実寸は微妙に異なります。これはタイヤにも当てはまることで、同じサイズが表示されているタイヤでも、メーカーによって実寸が異なることはもちろん、引っ張りの程度つまり引き伸ばしやすいタイヤと引き伸ばしにくいタイヤが存在します。

また、ホイールのサイズ表示が同じでも、タイヤのビード部分が密着するリムの形状によっても引っ張りがやりやすいものとやりにくいものがあります。

そういう意味で、経験を積んだショップのスタッフさんの意見には素直に耳を傾けるようにしてください。自分の希望を告げるのは大事ですが、スタッフさんが「それは無理」とか「おすすめできない」という組み合わせは避けるべきでしょう。

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ご覧いただきありがとうございました。