車|冷却水の交換費用|DIYで交換する際の注意点
水冷式エンジン車にはエンジン冷却装置であるラジエーターは必須です。ラジエーターはエンジン周辺を循環して熱を持った冷却水を走行風で冷やす装置です。
一般的な冷却水は2年~3年、つまり車検のタイミングで新しいものと入れ替えるように推奨されています。ただ、最近の新型車には耐久性が高いものが使われるようになっていて、下記のように相当期間を無交換でいけるものもあります。
- トヨタのスーパーロングライフクーラント(ピンク色):交換時期は7年16万キロ
- ホンダのウルトラeクーラント(青):交換時期は11年20万キロ
定期的な交換ではなく、冷却水にオイルが混じったり、サビが混入したり、水道水の継ぎ足しを繰り返した結果凍結防止剤や防錆剤の濃度が薄くなってきたようなケースでは、古い冷却水をラジエーターのドレンから抜き、新しい冷却水を入れる必要があります。
LLC(ロングライフクーラント)
冷却水には水道水を入れてはダメです。ちょっと減った時に継ぎ足しするのであれば、少量であることを条件に、水道水でも構いませんが、全交換する場合は絶対にNGです。
なぜなら、ラジエーターの冷却水は、凍結防止・サビ防止・泡立ち防止の3つの機能を備える必要があるからです。この3機能が満たされていないと四季を通じてエンジン冷却性能を発揮できないからです。
そこで、通販ショップやカー用品店でラジエーターの冷却水を購入する場合は、LLC(ロングライフクーラント)という名称の液体を購入してください。
原液をそのまま使うタイプと、水で希釈して使うタイプがあります。
水で希釈する場合は、水道水でもOKですが、工業用の精製水だとさらにいいです。
LLCには、
- エチレングリコール:凍結防止剤として
- 防錆剤:ラジエーターや配管内部の錆を防止する
- 消泡剤:冷却効率を高める
が含まれています。
上記3つの成分はメーカーが違っていたり色が違っていても、内容的にはほぼ同じです。
なお、上記のうち、凍結防止剤として使用しているエチレングリコールには毒性があって、使い古しの冷却水を排水溝などに捨てるのは法律違反になります。
冷却水を購入した店舗とかいつも利用しているガソリンスタンドなどに持ち込んで廃棄してもらってください。⇒⇒古いクーラントの処理はガソリンスタンドに依頼できる?
DIYで全交換する際の注意点
冷却水をDIYで全交換する際には注意すべきことがあります。
1つは、上に述べた廃棄の仕方です。もう1つは、いわゆる「エア抜き」と呼ばれる作業が必要になる点です。
新しい冷却水を注入した場合、そのままでは必要とされる量の90%しか入りません。なぜなら、冷却水の循環経路は形状が複雑に入り組んでいて、特にエンジン周辺に空気だまり(エアポケット)ができやすいからです。
そのままエンジンをかけると、抜けずに残っていた空気が熱膨張し、冷却水を逆流させてクーラントリザーブタンクから熱湯が吹き出したりします。
そこで、あらかじめエア抜きという作業をやっておくわけです。
エア抜きの工程は以下のようになります。※あくまでも、いったんエンジンを冷やしてから行ってください
- ラジエーターキャップを外し、エンジンをかける
- そのままサーモスタットが水弁を開くまでエンジンをかけ続ける
- ラジエーターあるいはリザーブタンクから大小の水泡が出続け、やがて泡が出なくなるまでエンジンをかけ続ける※車種によってはいつまでやっても小さな泡が出続けるものもある
- 上記のあいだ、冷却水が減ってきたら継ぎ足す
- 泡が出なくなったらエンジンを切り、エア抜き終了
交換費用
冷却水の全交換をDIYでやる場合、必要になるのは冷却水だけです。エア抜き作業は自分でやるので無料です。
交換費用の総額は1,000円~2,000円です。
LLC(ロングライフクーラント)の費用だけです。
もしも、冷却水の全交換とエア抜き作業をカー用品店などに依頼した場合は、総額で10,000円前後かかると思います。エア抜き作業はある程度の時間がかかるからです。
下記の記事も参考になさってください。
⇒⇒クーラント(冷却水)に水混ぜる|水道水or精製水どっち?
⇒⇒ロングライフクーラント(LLC)とはラジエーター液|交換時期と費用|色・成分・廃棄方法・車検
⇒⇒クーラントリザーブタンクの量が空なら冷却水を補充|交換時期・交換費用
ご覧いただきありがとうございました。