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スバルWRX S4はどんなクルマ?新型と旧型の違いを比較して全貌を明かす!
5BA-VBH型スバル・WRX S4 STI Sport R EX(Wikipedia)
2021年11月25日フルモデルチェンジで2代目へ
スバルWRX S4は2014年8月に初代がデビューし、今回が2代目になります。4ドアセダンのスタイルはキープコンセプトと言えますが、排気量が旧型の2.0Lから2.4Lにアップされました。
ところが、最高出力も最大トルクも数値上はスペックダウンしています。実際の走りがどう変化しているのか気になるところです。
スバルでは「動力性能や操縦安定性、静粛性や乗り心地などのあらゆる性能を磨き上げ、卓越した走行性能と4ドアセダンの実用性を兼ね備えたスバルのAWDパフォーマンスを象徴するモデル」と紹介しています。(webCG)
そんな新型スバルWRX S4について、新型と旧型を比較することで、全貌を明らかにしていきたいと思います。
新旧比較:サイズ
WRX S4の外寸は以下の通りです。
- 旧型:全長4595×全幅1795×全高1475mm
- 新型:全長4670×全幅1825×全高1465mm
新型が全長で75mm、全幅で30mm大きくなっていますが、全高が10mm低くなっています。遠目には違いは分かりにくいかもしれませんが、間近ではけっこう違いを感じるかもしれません。
新旧比較:取り回し性
ホイールベースや最小回転半径を比較します。取り回し性にどれだけ違いがあるか、見ていきましょう。
- 旧型:ホイールベース2650mm、最小回転半径5.5m
- 新型:ホイールベース2675mm、最小回転半径5.6m
新型はホイールベースが24mm伸び、最小回転半径も0.1m長くなっています。わずかですが、旧型より小回りがきかない感じです。
水平対向エンジンは横幅がどうしても広めになると言われています。そのため、ハンドルの切れ角には制約が入ってしまうようです。
WRX S4はAWDですが、FRのBMW3シリーズ(2019年3月9日発売)のホイールベースは2850mm、最小回転半径5.3mです。こちらはホイールベースがさらに長いのですが、最小回転半径はけっこう短いですね。
FFのシビックタイプR(2022年9月2日発売)のホイールベースは2735mm、最小回転半径も5.9mとなり、明らかに取り回し性は劣ります。※シビックオーナーには「そんなの関係ねぇーよ」と言われそうですが。
新旧比較:エンジン
WRX S4のエンジンは旧型が2.0L、新型が2.4Lです。しかし、出力は旧型の方が大きいですね。
- 旧型:最高出力221kW(300PS)、最大トルク400Nm(40.8kgfm)
- 新型:最高出力202kW(275PS)、最大トルク375Nm(38.2kgfm)
後にご紹介するオーナーさんたちのレビューでは、ほぼ関係ないようです(笑)。すでに十分パワフルであり、違いをウンヌンする場面がどこにあるのか、といったところでしょう。
また、新型の方が扱いやすいという声が複数あります。
新旧比較:トランスミッション
新旧いずれもCVTです。上級グレードのSTIスポーツ R EXには6速MTが用意されていますが、基本はCVTです。
- 旧型:CVT(スポーツリニアトロニック。6速または8速)
- 新型:CVT(スバルパフォーマンストランスミッションSPT。8速)
旧型同様に新型もドライブモードの選択が可能で、「S♯」モード、または、マニュアルモードを選択すると、「DCTを上回る変速スピード」(スバル)という超高速の変速スピードで疑似的な8段ギアがリズムを刻んでいきます。また、その際の変速ショックはほとんどなく、SNS上にも、マニュアル必要?という声が散見されます。
新旧比較:燃費
- 旧型:WLTCモードは不明。JC08モード13.2km
- 新型:WLTCモード10.8km/L、JC08モード12.7km
旧型のWLTCモードでの数値は不明です。そこで、JC08モードでの比較になりますが、旧型がわずかにいいようです。排気量の差が出ているということでしょうか。
車両重量は、旧型1540㎏、新型1590km~1600㎏です。燃費の差は排気量ではなく重量の差かもしれません。あるいは両方の要因というべきか。
新旧比較:タイヤサイズ
- 旧型:前後225/45R18
- 新型:前後245/40/R18
ホイールサイズこそ同じ18インチですが、新型の方がより扁平でより幅広です。グリップ性能と乗り心地とのバランスが気になるところですね。何と言っても、WRX S4は「いちおう」4ドアセダンのファミリーカーですから。←ファミリーで乗ってる人はほぼ見かけませんが(笑)
新旧比較:燃料タンク・荷室容量
燃料タンク
これを比較して何の意味があるのかわかりませんが(笑)、
- 旧型:60L
- 新型:63L
というタンク容量です。いずれも無鉛ハイオク仕様です。
仮に実燃費が9km/Lとすると、新旧いずれも560km前後が満タンでの航続距離となります。それでもEV車よりは走りますね。でも、プリウスなら軽く1000kmを超えるでしょう。←そんな車と比べるな(怒)
シビックタイプRは47Lです。
荷室容量
いちおう「4ドアセダンのファミリーカー」なので、荷室容量も大事です。
- 旧型:460L
- 新型:422L
BMWの3シリーズは480L、シビックタイプRは不記載。
新旧比較:ボディカラー
- 旧型:全6色
- 新型:全8色
車の性質からして、色で冒険するオーナーさんが多いとは思えません。それでも、新型には「ソーラーオレンジ・パール」というそこそこ派手な色が用意されています。
ソーラーオレンジパール色 東四国スバル
以前、クラウンにピンク色がありましたが、あれはともかくとして、パステル調の軽い色彩のWRX S4と路上で出会ったら、ほとんどの人が2度見するのでは。かわいい色してド、ド、ド、ドと水平対向エンジンを轟かすのも、ちょっと爽快な感じがします。でも、そういう色はないようです。
なお、人気色としては、上記ソーラーオレンジパールの他に、サファイアブルー・パール、イグニッションレッド、そして定番色WRブルー・パールがあります。
新旧比較:価格
旧型の価格も出始めと生産終了間近で異なりますし、グレードによる違いもありますから、価格にも幅があります。
- 旧型:343~474万円
- 新型:400~482万円
値段に幅があると言ってもまだマシな方です。アルファードは359~775 万円で、実に2倍以上の幅があります(笑)。
新旧比較:税金
新旧共にエコカー減税等の優遇措置はありません。
(自動車税)
- 旧型:36000円
- 新型:43500円
(自動車重量税)
- 旧型:49200円
- 新型:49200円
(環境性能割)※旧自動車取得税
- 旧型:オプション等を含めた車両価格の2%
- 新型:オプション等を含めた車両価格の2%
上記以外に、ガソリンを購入する度にガソリン税(1リットル当たり約53.8円)を支払います。ガソリンには毒のように税金が盛られていることをお忘れなく。
※車の税金に関してはこちらも覗いてみてください。⇒⇒「走行距離課税とは?」
新型:最量販モデルは?
2023年2月時点で一番売れているのは最上位グレード「STIスポーツ R EX」で、販売台数の7割以上を占めているそうです。(くるまのニュース)
つまり、一番値段の高いグレードが一番売れているということです。おそらく、購入した皆さんは一切の迷いなく最初から「STIスポーツ R EX」一択だったのではないかと思います。
「一番いいやつに乗るんだ!」
という声が聞こえてきそうです。7割以上ですから。すごい!あっぱれ!
新型:販売台数・購入層は?
WRX S4の2021年11月25日の予約開始から2023年2月20日までの受注台数は、約4500台です。
購入者層は、
- 50代:32.4%
- 60代:24.3%
と、子離れ世代がメインのようです。
「生活に余裕ができて、ミニバンやSUVといったファミリーカーを必要としない世代が購入しているというのが今の日本のセダン市場の特徴のようです。」(くるまのニュース)
新型:口コミ・評価・レビュー
新型WRX S4について、主にオーナーの皆さんの声をご紹介します。価格コムやみんカラから声を集めています。
価格コムとみんカラの評価点
まず、価格コムの評価点をご紹介します。
- 新型WRX S4:4.36点(5点満点)
次に、みんカラの評価点を。
- 旧型・新型:4.72点(5点満点)
※いずれも2023年3月6日時点のもの。評価、高いですね。なお、みんカラは旧型と新型の評価がごちゃ混ぜになっています。
※新型シビックタイプR(2022年9月2日~)の価格コムの評価点は4.29点、みんカラは4.46点です。
(走行性能)
- 高速合流時にスポーツ+で踏むと飛びそう。飛行機が離陸する時みたいな。
- そんなパワーを何に使うかと言われれば、高速の合流や追い越し時に躊躇なくできます。特に首都高ではこのレスポンスがあると本当に楽だし安全だと思います。
- セダンだけあってリアまわりに剛性感があってリアからの押し出し感が楽しい。
- パワーダウンをネガティブと考える方は日本国内のどこを走らせるのでしょうか。充分過ぎる動力性能です。
- 300馬力のターボより200馬力のNAの方がスポーツカーとしてはずっと良い選択だと感じる。つまりスポーツカーとしてはWRXよりもBRZをお薦めする。
- S#にした時に、シフトダウンが驚くほど速く、びっくりします。コーナーでの貼り付き感がすごいです。
- R34スカイラインGT-Rに乗っていた頃を思い出します。運転がとても楽しいです。
(エクステリア)
- フェンダー周りの分厚い無塗装樹脂が物議をかもしているが、個人的には相当にカッコいいと思う。
- 樹脂パーツもとてもかっこいいと思います。
(操作性・操縦性)
- 家族も運転するので顔認識でポジションが再現されるのは、とても便利を感じます。
- (CVTについて)モーターみたいな高周波と言うんでしょうか、速度に同調して音域が変わるノイズが、路面や走り方によってとても耳につきます。
- センターの液晶はもう少し小さくしても良かったんじゃないかと思います。大きいから何か使いやすいかと言われたら、ん?と。
- (アイサイトXについて)渋滞時のハンズフリーは手を添える添えないでこんなに違うのかと思うほど楽です。特にゴルフ帰りの疲れた体で運転するときは最高です。
- (アイサイトXについて)ハンズフリー運転ができるが、実はGNSSを受信できないとハンズフリーが解除されてしまいます。今回アクアラインの渋滞で利用しましたが、アクアラインは半分はトンネルなので、その間はハンズフリーできません。
- ナビの機能や解像度、色合いは2010年頃に出回っていたものと同等の感じで、以前のナビってこんな感じだったなーっと懐かしく思う点が所々にあります。
- アイサイトが素晴らしい。レーンキープ力が優れています。アイサイトに身を任せて信頼して乗ることができます。憂鬱な高速の渋滞もアイサイトXで手放し出来るのでかなりストレスが減ります。
- 高速渋滞ではアイサイトエックスが私の代わりに運転してくれます。
(インテリア)
- メーター周りは、多くの情報を瞬時に把握できるよううまく工夫して配置されており、表示の切り替えも簡単で、感動的でさえある。
- スポーツカーらしくて好きです。デジタルコックピットも情報量が多くて良いです。この情報量の多さはアウディの次にいいのではないでしょうか。国内ではトップだと思います。
- スバル車はアイサイトXをはじめとする安全装備は100点だが、快適装備が他社の同価格帯の車と比べて数段劣っている。ステアリングヒーター、シートベンチレーション、ヘッドアップディスプレイがない。
(燃費)
- 職場が近いので、燃費は6km/L程度と悪い。高速走行すれば10km/L以上は出る。
- 全体の平均が11キロを超えています。
- 東京都ですが、街中だけだと9.0から9.5km/L。高速使うと12から13行きます。
(購入動機)
- レヴォーグも良いかな、と試乗したのですが、ディーラーの敷地を出る前段階で剛性感の違いを感じられてしまい、選択肢に出来ませんでした。この辺りは流石セダンボディですね。
- 人生最後の車として購入しました。自分のための車で、コンフォート不要のため、GT-Hを購入しましたが、満足感が高いです。
- 他の四駆セダンは、すごく乗せられてる感があったのですが、S4は操ってる感があったのが決め手です。
- 50代後半。子供も独立し経済的に余裕ができたので、自分が好きな車を買いました。音と振動が無い車には魅力を感じないので、買って良かったです。
(乗り心地)
- 少し硬めですが、メーカーオプションで付けたレカロシートに厚みがあり、よく振動を吸収してくれます。
- スポーツカー慣れしていない人が乗ったら確実に硬いと感じる。コンフォートとノーマルはレヴォーグに近づけて欲しい。
- Comfortでも段差でやや突き上げ感がありますが、これ以上マイルドな乗り心地にしてしまうと、エンジン性能と足回りのバランスが悪くなり、かえって乗り心地が悪くなりそうな気がします。
(価格)
- この車に限らず最近の車は高いですね。30年前は300万円も出せば、当時のこのクラスの車が買えましたよ(給料水準は今と変わってません)。
(礼賛)
- 走っていて最高に楽しい車。新型のCVT(SPT)は挙動が神。
- 本体価格が高くてもガソリン代がかかっても、何ものにもかえがたい歓びを得られるクルマだと実感しています。
- BMWのいろんな車種に乗って来ましたが、スバル車、私が想像していた以上に素晴らしいと思います。
- スバルは良い車作りをしているが、伝わらない事が昔と変わらない。まぁ欲しい人が買えば良いと言う考え方だから仕方ないかと。
- 少し高価な車ですが、それを超える魅力と性能を持った車です。安全性能も間違いなくトップクラスだと思います。
まとめ
「スバルWRX S4はどんなクルマ?新型と旧型の違いを比較して全貌を明かす!」のテーマで解説してきました。
スバルWRX S4は、リセールバリューが高いことで知られています。一部サイトの情報では「3年後のリセールバリューで70%〜90%、5年後のリセールバリューで55%〜74%と高い残価率を誇っています。」(スポーツカーラボ)
上記数字はもちろん「参考価格」ですが、新車時に同じくらいの価格の外国車を購入しても、こんな残価率は有り得ないでしょう。
自分が購入した車の市場価値が高い水準にとどまり続けることは、その車のオーナーにとって、そこで売る気がある・ないに関係なく、誇らしく心強いものでしょう。
仮に乗りつぶすつもりであり、市場価値などどうでもいいという気持ちであっても、スバルWRX S4は市場でそんな風に評価されている車だという点は、購入を検討する際の一つの大きな要素(後押し)になるはずです。
ご覧いただきありがとうございました。
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