【2024年2月29日】ブリヂストンがパンクしないタイヤ「エアフリー」の公道実証実験を開始しました。⇒⇒エアフリー |
タイヤの空気圧に左右差ができる原因とデメリット
車のタイヤの適正空気圧は、その車の運転席のドアを開いた裏側にあるのが普通です。
ステッカーが貼ってあって、250kPa(2.5kgf/㎠)などと記載してあるはずです。
そして、この指定空気圧通りガソリンスタンドなどで空気の充填をしてもらい、しばらく走ってから、後日もう一度空気圧の点検をしたら、なぜか左右のタイヤで空気圧の値が異なっていた、ということもあるかもしれません。
さて、こうしたことが発生した場合、この左右差をどう考えればいいのでしょう?また、どんな原因でこうしたことが起こるのでしょう?そして、左右差があるまま走り続けるとどんなデメリットがあるのでしょう?
左右差が発生する原因
左右の空気圧に差ができるといっても、指定空気圧が250kPaのところ、左が240kPaで右が230kPaというように、10kPaていどの違いであれば、あまり心配することはないと思います。
この程度の違いは誤差の範囲内だと思います。
しかし、左右で50kPaあるいはそれ以上違っていたら、これは何か異常があると考えるべきでしょう。
このように左右の片方が指定空気圧より大幅に圧が低下している場合の原因としては、以下のようなものが考えられます。
- タイヤの接地面(トレッド面)に釘や金属片などが刺さっていて、まだ抜けずにそこにとどまっている:釘などが抜けてしまえば空気もあっという間に抜けるのですが、刺さったままだとゆっくり空気抜けする
- エアバルブのバルブコア(ムシ)が古くなっていて空気が漏れている:今はホイールにエアバルブが付いていることが多いのですが、ホイールが古い場合はこういうことも起こりえます
- タイヤが古く、内側か外側のいずれかに傷、ひびなどが入っていて、そこから空気が漏れている:製造年が古いタイヤはたとえ見た目は山が残っていてもこういうことが起こりえます
- 2ピースあるいは3ピースのホイールで、各ピースの組付けや接合がうまくいっていないために空気抜けしている:聞いたことがないようなメーカーのホイールだと接合部分のボルトやナットが緩んでしまったりします。あるいは溶接部分が弱いケースもあります
- ホイールのリムの幅とタイヤの幅が不適合でエアが抜けている:最近タイヤかホイールを替えていませんか?サイズ違いだとこういうことが起こります
- ホイールのリムと接するタイヤのビード部分が劣化していてそこから空気が漏れている:タイヤが古い場合に発生することがあります
- ホイール自体が縁石との接触等で変形し、タイヤとの接合部から空気抜けしている:ホイール部分にまで衝撃が来るような強い当たり方をしたことがありませんか?
要するに、パンク・エアバルブ・ホイールとタイヤのマッチング・ホイールの不良などが原因だということです。
左右のタイヤのいずれかがすぐにペシャンコになってしまえば、これはパンクだということで分かりやすいのですが、すぐに空気が抜けずにゆっくり空気圧が低下していくケースは、けっこう厄介だと思います。
タイヤを目視点検したり、石鹸水をかけて泡が発生する箇所を見つけたり、いろいろやってみてもよくわからない場合は、そのまま放置しないで、プロの診断を仰ぐべきです。
タイヤ専門店、カー用品店、ディーラー、修理工場、ガソリンスタンドなどで調べてもらってください。現状は大丈夫であっても、いきなり空気圧が急降下して事故になることもありますから。
左右差がある場合のデメリット
タイヤの左右の空気圧に大きな差がある場合、次のようなデメリットが考えられます。
- 空気圧が低いタイヤの方角にハンドルが取られる
- 細い道の走行、ギリギリですれちがいをするような状況で接触事故を起こしやすい
- 空気圧が低下したタイヤは接地面の中心がへこみ、両肩ばかりが接地するため、偏摩耗が発生してタイヤの寿命を縮める
- ホイールからタイヤビード(ホイールと接する部分)が外れることがある
- 空気圧が低いタイヤがスタンディングウェーブ現象を起こし、タイヤのバーストが発生し、大事故を起こしやすくなる(特に高速道路で):スタンディングウェーブ現象とは、空気圧が低下することでタイヤが変形してウェーブ状の振動を繰り返し、内部のスチール部分にまで切断・亀裂が起こって、結局タイヤがバースト(破裂)する現象
- ハイドロプレーニング現象(水膜現象)が起きやすくなる:ハイドロプレーニング現象とは、水が張った路面などを走行した際に、タイヤと路面のあいだに水が侵入して、車が水の上をすべるような状態になって、ハンドルもブレーキも効かない状態になること
後輪の左右差は気づきにくい
わたしたちが気を付けなければいけないのは、後輪に発生した左右差です。
後輪の左あるいは右が極端に空気圧低下した場合、前輪に比べて、気づかないまま走り続けるケースが多いのです。
やはり、前輪はハンドルを切るタイヤなので、左右差があれば誰でも異変に気づきやすいのですが、ほとんどの車がFF(前輪駆動)の現在では、後輪は駆動輪でもなければ方向を決める車輪でもないので、なかなか気づきにくいのです。
また、最近のタイヤは扁平率が低くなっていて、タイヤのゴムの部分が薄くなっているので、ちょっとくらい空気圧が低下しても、もともとペタンとした平べったいタイヤなので、異変に気づきにくいのです。
「ドライバーが気づかないくらいの変化なら、べつにそのまま走行したって問題ないのでは?」
と思われる方もいらっしゃるでしょう。
でも、前の項目で触れたように、タイヤの空気圧が低下すると、特に高速走行時にタイヤが大きく変形し、やがてバースト(破裂)してしまう可能性が高まります(スタンディングウェーブ現象)。
あるいは、水膜現象とも呼ばれるハイドロプレーニング現象が起きやすくなります。つまり、空気圧が低下することで、タイヤと路面の接地性が良くなりすぎて、雨の日などはタイヤが水たまりを走った際にタイヤの接地面から水を排出しきれなくなるのです。
とにかくロクなことはないので、空気圧の低下したタイヤをよく調べて、自分で原因が特定できない場合は、すぐにプロの診断を仰ぐようにしてください。
まとめ
左右のタイヤの空気圧の数値が、もしも50kPaかそれ以上異なる場合は、どこかに異常があるので、すぐに対処する必要があります。
自分で原因を特定できない場合は、プロの診断を仰いでください。
そのまま放置すると危険です。
下記の記事も参考にしていただけると幸いです。
ご覧いただきありがとうございました。