【6分記事】車がオーバーヒート|水を入れる・水をかけるはOK?

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オーバーヒートした車のラジエーターに水道水を入れるのはOKです。ただし、エンジンルームに水をかけて冷やすことに関しては意見が分かれるところです。

順次詳しく解説していきます。

オーバーヒートとは

オーバーヒートとは、エンジンが異常な温度にまで上がってしまう状態のことを言います。最近の車はオーバーヒートしないといわれることがありますが、点検・整備を怠っていると最近の車でもオーバーヒートを起こします。

それは夏場の高速道路を走ればわかることです。路側に車を停止させ、ボンネットを開けてエンジンルームを冷やしている光景を目にしたことがある人も多いでしょう。あれは多くの場合オーバーヒートだと思います。

オーバーヒートは、冷却水(ラジエーター内のロングライフクーラント)が適量入っていて、エンジンオイルも定期的に交換していて、冷却ファンも回転していて、ウォーターポンプも作動していれば、まず起こることはありません。

もっとも、ちゃんと整備・点検されている車両であっても、たとえばサーキット走行をしたり峠道でスポーツ走行をしたりすると、エンジンに高い負荷がかかって、車本来の冷却能力をオーバーしてしまい、結果としてオーバーヒートが発生することがあります。

ただし、この場合のオーバーヒートは、冷却水等はちゃんとあるので、しばらくゆっくり走行するか、路側に停止してアイドリング状態を続けているうちに、水温が低下し、元に戻ったりします。

しかし、冷却水が漏れたり、エンジンオイルの量が少なくなったり、冷却ファンが故障したり、ウォーターポンプが故障したりすると、運転中にアクセルを踏んでも加速しなかったり、エンジンルームから水蒸気が昇ったり、甘いにおいがしたり、マフラーから青白い煙が出たりして、やがて水温警告灯が点灯・点滅し、車が止まってしまいます。

こうなったら完全なオーバーヒートです。

冷却水がまだ入っているときは?

オーバーヒートで明らかに車の動きがいつもと違うと感じたら、速やかに車を路側の安全な場所に停止させて下さい。

ボンネットを開け、エンジンルームを風で冷却します。

その際、クーラントリザーブタンクに冷却水がちゃんと入っていて、なおかつ、冷却ファンも回転している状態であれば、エンジンは切らずにアイドリング状態を続けてください。

エンジンを切ってしまうと、冷却水が循環しないだけでなく、エンジンオイルも循環しないので、冷却効率が極端に落ちてしまうからです。

そうやってエンジンを動かしつつ冷却させるのですが、オーバーヒートは車のトラブルの中でも深刻度の高いものなので、あとはプロに任せるべきです。

具体的には、JAFか自動車保険のロードサービスを呼び、ディーラーとか修理工場にレッカー搬送してもらって、そこでプロに診断・修理をしてもらってください。

冷却水が空の時は?

もしもクーラントリザーブタンクに冷却水がなく、エンジンルームから水蒸気が立ち上っていたり、甘いにおいが立ち込めていたり、あるいは、冷却ファンが回転していないような状態の場合は、エンジンは切ってください。

エンジンを切って、ボンネットを開いた状態のまま自然冷却してください。冷却ファンも停止していて冷却水も空の状態でエンジンを回すことはとても危険です。エンジンを壊してしまいます。

そしてすみやかにJAFまたは自動車保険のロードサービスを呼び、後のことはプロに任せてください。

ただし、JAFや自動車保険のロードサービスが駆けつけるまでは30分前後の時間があります。その間に応急対応としてやっておくべきことがあります。やっておくべき、というよりも、ある程度車に詳しい方の場合はやっておいた方がいいというべきかもしれません。

車に詳しくない人はそのまま待っていた方がいいと思います。

やるべきこととは、クーラントリザーブタンクが空であったら、そこに水道水を入れてください。冷却水は専用のものが望ましいのですが、応急的には水道水で大丈夫です。ミネラルウォーターは避けたほうがいいです。ミネラル分が各経路で石化してしまう恐れがあるからです。

水道水を規定のラインまで入れたら、エンジンをかけて、水をエンジン周辺に巡らせて冷却してください。

リザーブタンクがないラジエーターの場合は、ラジエーター本体の上にあるキャップを開けて水を入れるしかありませんが、しかし、まだ高熱を保っているのは確実なので、いきなりキャップを開けると水蒸気で大やけどします。

この場合は、エンジンを切ったままJAFや自動車保険のロードサービスが到着するのを待ってください。

なお、熱を持っているラジエーターに水をかけて冷やすべきかどうかに関しては、様々な意見があります。

ラジエーター本体だけに水をかけるのはOK という意見と、たとえラジエーター本体にだけかけるつもりでいても、エンジンや他の電装部分にも水がかかってしまうであろうから、そうなるとエンジンブロックにひびが入ったり電装部分をショートさせることになるので、水をかけるのはやめるべきだという意見もあります。

すでに応援を呼んで待機している状態の話なので、わたしも水をかけることはやめた方がいいと思います。

あるいは、JAFや自動車保険のロードサービスを呼んだ際に、オペレーターに応急対応の方法を教えてもらうのも一つの方法かもしれません。

JAFも自動車保険もレッカー搬送は原則無料

オーバーヒートでJAFや自動車保険のロードサービスを呼んだ場合、JAFの会員であればレッカー搬送は無料ですし、自動車保険の場合も無料です。

JAFの非会員であっても出動依頼することはでき、現場でJAFに入会することも可能ですが、ただし、レッカー搬送が無料になるのは次回サービス提供時からです。その場では13,310円必要です。

自動車保険のロードサービスを利用した場合、等級や保険料のことが気になると思いますが、サービスを利用しても翌年度の等級には影響を与えません。ノーカウント事故として扱われます。保険料も上がりません。

下記の記事も参考になさってください。

⇒⇒車のオーバーヒートとは?意味は?点検で防止できる?

⇒⇒車がオーバーヒートだけどエンジンかかる場合は大丈夫?

⇒⇒オーバーヒート時はエアコン付ける?ヒーターで熱拡散?

⇒⇒オーバーヒートでエンジン停止の影響|後遺症・ダメージは?

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