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ハイラックスで後悔&失敗|不便だからいらないという声は本当?
※トップ画像はWikipedia様より
このページのテーマは「ハイラックスで後悔&失敗|不便だからいらないという声は本当?」というものですが、結論を先に書きますと、そんな声はありません。
個別の不満や失敗や後悔はあり、こんなのいらない、という意見もありますが、それは部分的な話であって、ハイラックスそのものに対する満足度や評価はとても高いものがあります。
オーナーさんの多くは、このちょっと他にない圧倒的存在感を発散するピックアップトラックに魅了されています。
13年ぶりの新型は高くてでかいヤツだった!
この記事を書いているのは2021年9月9日ですが、現時点の最新型ハイラックスは2017年9月12日に販売開始された8代目であり、日本市場では13年ぶりとなる新型の投入でした(タイからの逆輸入ですが)。
トヨタのハイラックスはホンダのシビックなどと同様に、いったん日本市場を捨てて世界市場で勝負に出た車で、実際に約180か国で販売されている車です。
ところが、2017年時点の日本では従来型のハイラックスの登録台数が9000台あまりあり、特に北海道では働く車としてバリバリの現役車として活躍していました。
ハイラックスの日本市場での復活を望む声は根強くあったのです。
そこで再度登場したのが2017年の8代目ハイラックスということになります。
ところが、ところが、です。
タイのトヨタで製造されている8代目は、価格帯が従来型より100万円以上高く、ボディーが巨大化し、従来型が4ナンバーだったところが普通貨物車扱いの1ナンバーとなったことから、購入層はまったく異なる様相を呈することになりました。
正式名は「TMTハイラックス」
新型ハイラックスの正式名は、タイのトヨタで生産されていることから「TMTハイラックス」と言います。※TMTはTOYOTA MOTOR THAILANDの略。
TMTハイラックスが日本で発売された2017年9月における初月の受注台数は2300台ありましたが、そのうち旧型ユーザーの乗り換えは23台で、なんと全体の1%でした。
それ以外の購入予定者は主に20代と30代の男性で、20代は全体の6割相当です。
つまり、復活を望んでいた従来のユーザーはほぼ無反応で(「高すぎる」「でかすぎる」)、結果として新規ユーザーを開拓したことになったわけです。
もちろん、このことはいい悪いの問題ではありません。しばしば発生する現象です。
新型ハイラックスのユーザーの多くは、若くて、新しい物好きで、目立つ車が好きで、ツインキャブのピックアップトラックに乗った経験は(たぶん)ない人たちで、でもお金はあるから普通の車じゃ満足できなくて、何事にも活動的で、休日のレジャーは積極的に楽しみたい・・・という感じの人たちなのだと思います。
この記事を書いている2021年9月9日現在のみんカラの評価は平均4.38点(評価人数113人)、価格コムは平均4.38点(評価人数13人)で、奇しくも同じ点数です。※4.38はかなり高い数値です
「後悔」「失敗」「不便」「いらない」という具体的な声
- 駐車場に後ろ向きに停める際、車止めを当てにしていると、車止めで止まる前に突き出た荷台が壁をぶち破った。バックカメラで確認する必要がある。かなり不便で怖い。
- 車幅は1855㎜なので、大きいとはいえ走り出してしまえば何とかなるけれど、駐車場での切り返しや狭い道路での右左折や道を間違えた時の転回などは数値通りの扱いにくさだ。つまり全長5340㎜、ホイールベース3085㎜、最小回転半径6.4mというとんでもない数値が正直に運転操作にのしかかる。普通の車のつもりでこの車に乗ると必ず後悔するだろうし、不便きわまりない。ちなみに、あのアルファードの最小回転半径は5.6m(G/X)だ。ハイラックスの6.4mがとんでもないことがわかるはず。
- サイドステップはあるけれど乗り降りは結構きつい。最低地上高が215㎜というのはけっこうな高さだ。子供は面白がってくれるが妻には文句を言われる。
- 荷台が空で高速道路を走るのはけっこう危なっかしい。70キロとか80キロならいいけれど、100キロ~120キロだと暴れ馬みたいな感じだ。
- 独自性の塊のような車だからリセールバリューはいいはずで、だから購入したのだけれど、値段はごく普通に高いと思います。でも、高いから誰でも買えず、それゆえ希少性が高くなり、リセールもよくなって・・・という計算をする自分がみっともないと思うことがある。そう、私は車に惚れたから買ったんです。・・・と思いたい(笑)。
- 4ナンバーではなくて1ナンバーの普通貨物車です。サイドアンダーミラーが付いてきます。全長が5340㎜あります。車重2080キロです。最小回転半径が6.4メートルです。何を言いたいかと言うと、要するにトラックだということです(笑)。普通の車の感覚でそのへんの駐車場に停めようとすると、入れるときも出るときもひどい目に遭う確率がとても高いです。他の車に迷惑かけることもあります。買うときはトラックのオーナーになるという自覚を持つべきです。
- ハイラックスはSUVともミニバンともステーションワゴンとも違います。でもクライスラーのジープよりもっと押し出しが強くて個性的です。たぶん1000万を超えるヨーロッパの超高級SUVを横に並べてやっと対等に感じるくらいの異彩を放つとんでもない車です。こういう車は所有する満足度は高いけれど常時一定のテンションが必要ですから、気力体力が要求されます。それはオーナーになってわかったこと。うまく説明できないけれど、気力体力がとにかく必要ですからね。
- 1ナンバーは高速料金が高いと初めて知った。これだけが想定外だった!
- 大きくて重くて取り回しが悪くて燃費が悪くて維持費がかかって値段が高くて・・・と散々ネガティブなコメントが出回っているけれど、エイヤッという気持ちで買ってみたら、すべてのコメントが実際より少しずつ増幅された一種のネガティブキャンペーンのようなものだとわかった。普通のミニバンやSUVと違うのは確かだけれど、言いふらされているほどひどいところは1つもない。子供には尊敬されている。妻が不機嫌なのは気になるが・・・。
- 内装はカッコイイけど質素です。でももし豪華だったらタフに使えないのだからこれで正解でしょう。
今の日本では唯我独尊の超ド派手な「実用車」。オーナー大満足!
散々不満点をあげつらいつつ、でも大好きだというのは、人目を惹く車に乗る人には大いにありがちなことです。TMTハイラックスに関してもまさにこれがドンピシャで当てはまるようです。
分析的に論じれば、やれ不便だとか失敗したとか、なにかと欠点や不満点は出てくるのですが、では買って後悔したか、こんな車いらないから手放すか、となると、決してそうではないのですね。
空間的に余裕のある地方在住のオーナーさんだけでなく、都内のオーナーさんも、不自由なところがあるのは認めつつ、類まれな希少車両を所有している満足感は何物にも代えがたいもののようです。
TMTハイラックスのオーナーのみなさんは、恐らく、同じトヨタのFJクルーザーのオーナーさんたちと多くの共通点を持っていると思います。(⇒⇒当ブログのFJクルーザーの記事)
それと、後あとのことを考えてもハイラックスは買って損はない車だと思います。そう、リセールバリューのことです。
ハイラックスはリセールバリュー最高の車!
もちろん一定の程度を保つことが条件ですが、ハイラックスは断然資産価値の高い車です。
だって、多くの人が、
「新車では買えなかったけれど中古なら」
と思う車ですからね。
ただし、リセールバリューが高いということは中古価格もなかなか落ちないということでもあり、実際に中古価格は高止まり状態です。
そして、こうした値動きをする車ほどネットで「失敗」「いらない」「後悔」「不満」「ダサい」「やめとけ」といったディスるコメントが出回る傾向にあります。
ランクル300なんかが典型です。(⇒⇒当ブログのランクル300の記事)
買えないけれど、でも興味あるから、屈折したコトバがつい口をついて出てしまうのですね。
いずれにしても、ハイラックスのオーナーさんは大満足です。ご覧いただきありがとうございました。
【2023年6月27日追記】「超凄いハイラックス」発売へ(ニュージーランド):くるまのニュースから
項目 | 詳細 |
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日付 | 2023年6月27日 |
発表者 | トヨタのニュージーランド法人 |
車名 | ハイラックス |
新モデルの投入予定 | 2024年初め |
モデルの歴史 | 1968年に初代モデルが登場、現在は約180の国と地域で販売 |
新型ハイブリッドハイラックスのパワートレイン | 2.8リッターディーゼルターボエンジン+モーター |
トランスミッション | 6速AT |
ハイブリッドシステムの効果 | 燃費の向上、オフロード走破性の向上、騒音・振動の低減 |
牽引能力 | 全輪駆動モデルでは3500kgを維持 |
トヨタのニュージーランド法人のCO2削減目標 | 2030年までに少なくとも46%削減 |
ニーラジ・ララ氏のコメント | ハイブリッドハイラックスがニュージーランドのUTE市場に大きな影響を与え、二酸化炭素排出量を削減する手段となると語り、完全電気自動車のハイラックスを提供することが目標であると述べた |