【調査結果】「プジョー2008は最悪」というのは本当?

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【調査結果】「プジョー2008は最悪」というのは本当?

※トップ画像は初代の後期型(Wikipedia様より)

私はほぼ毎日当サイト「車のお手伝い」の記事を追加していますが、最近は特定の車種をディスるキーワードが気になっていて、その種の記事を書く機会が多くなっています。

たとえば、「ヤリスクロスの内装はダサい」とか「ランクル300はダサい」とか「エクストレイルの新型はひどい」とか「RAV4はでかすぎて運転しにくい」とか「セレナe-powerを買って後悔」などなど。

極めつけは、つい先日書いた「ミニクーパーやめとけ」という記事があります。

いえ、私がこうした車をディスっているのではなくて、ディスっている内容が適切かどうかを検証しているわけです。

ネットには匿名性の陰に隠れて言いたい放題の人がいるものです。だから、こうしたマイナスの言葉をいちいち相手にしてもしょうがないのですが、ただし、大手マスコミには決して取り上げられないようなユーザーの本心、本音という部分が現れているケースもあるので、一概に全否定できないところもあります。

いずれにしても、このページのテーマはプジョー2008です。

208をベースにしたSUVです。

初代は2014年2月15日に発売され、2020年9月に販売終了しています。

2代目、つまりこの記事を書いている2021年9月4日現在の現行型は、2020年9月16日に発売されています。

なお、2台目からのネーミングは、それまでの「2008」から「SUV2008」に変わっています。

そこで、本題です。

このプジョー2008に対して「最悪」という言葉が投げつけられているのですね。

本当に「最悪」の車なのか、調べてみました。

「最悪」とは、たぶん初代の初期型に対するコトバでしょう

2020年に日本に導入された2代目2008は評判いいです。

電装品の操作にやや難があったり、だいぶ良くなったものの相変わらずプラスチッキーな内装などには不満の言葉があるものの、スタイリングや動力性能や乗り心地など、深い愛を感じるほど高い評価を受けている車です。

一方で、2014年に販売開始された初代の初期型に対しては、かなり厳しい言葉が残されています。

細かい点は省略するとして、もっとも手厳しい言葉が投げかけられているのは、トランスミッションに対してです。

初期型には、ETG5(Efficient Tronic Gearbox 5)という名称の2ペダル式5段MTのトランスミッションが付いていました。

このETG5にはオートマチックモードもあるので、必ずしもマニュアル操作しなくても安楽な運転が可能です。

ただし、その作動に難点があって、要するに、ギクシャクするわけです。

特に1速から2速への変速の際に、車がちょっとだけ空走状態になり、その結果、ドライバーの首がカックンと前後に揺さぶられるのです。

私もこのトランスミッションは経験済みです。確かに完成度の低い装置です。人によっては「最悪」とののしる人がいても仕方ないと思ってしまうほどです。※プジョーファンの中にはこのヘンな動きを楽しんでいる方もいらっしゃいますが

ところで、モータージャーナリストの皆さんは、こういう明らかに問題がある機構に対しては、ほとんどの人が次のような対応をしています。

つまり、新車が発表されて試乗記を書く際に、「話題のETG5はちょっとギクシャクした感じはあるものの、この優秀な車の走りに大きな影響はなく、フランス車特有の走りの質感を楽しめるでしょう」といった書き方をするのです。

そして、マイナーチェンジによってトランスミッションが新しいものに変更されると(実際に2016年モデルからアイシン製6速ATに変更された)、今度は次のように書くのです。

新しいトランスミッションはプジョーファンには朗報だ。初期型に搭載されていたETG5の最大の欠点である1速から2速への変速ショックがなくなり、日本車のATと何ら変わらないスムースなギアの繋がりが体験できる

え?何だって?

何と、ETG5は「欠点」を抱えていたと言うのです。

最初の試乗記にはそんなことは一言も書いていないのに、モデルチェンジとかマイナーチェンジで新しくていいものができた時になって、初めて、過去のモデルの悪いところを堂々と「欠点」と明言するのですね。

これがモータージャーナリストの常套手段です。

だったら最初からそう言って欲しいんだけど

と思いますよね。

実は、ここがミソだと私は思っています。

何のミソかと言うと、「最悪」とか「最低」とか「ダサい」とか「ひどい」とか「やめとけ」といった極端にこき下ろすような言葉がネット上を行きかう要因の一つとして、マスコミで語られる専門家の言葉がことごとくメーカーへの忖度に染められているから、それに対する反発心として必要以上に強い罵倒をしてしまうのです。

もちろん、だからといってそういった罵声を肯定するつもりはありません。

言い過ぎてはダメです。

でも、気持ちはわかります。

なお、「最悪」という罵声には、上記のような要因もあると思いますが、それ以外に、「買いたいけど買えない」人が発するやっかみとか嫉妬心が裏にあるケースも考えられます。あるいは、フランス車のちょっとオシャレな佇まいに対する「フン!」といった反応が悪口になっている場合もあるのでは。

結論:とてもいい車ですよ

「プジョー2008は最悪」という言葉は、恐らく初代の初期型に搭載されていたETG5の未成熟な作動の仕方に対して発せられた言葉だろうと思います。

したがって、この記事を書いている2021年9月4日現在において、初代の後期型を中古で乗ったり、現行のSUV2008を新車で乗る分には、何ら問題ないということになります。

プジョー2008あるいはSUV2008のライバルと言うと、日本車ではヴェゼルとかヤリスクロスとかC-HRなどになると思いますが、プジョーの方が値段がやや高めであること、ディーラーの数が少ないこと、車検代や修理代が日本車の1.3倍から1.5倍くらいになるだろうということ、違いはこういったところだと思います。

逆に言うと、もしも値段がほぼ同じで、ディーラーの数も同じで、維持費もほぼ同じであったら、日本のユーザーの多くはプジョーをはじめとしたヨーロッパ車に乗る人の方が多数派になるかもしれません。

誰もナショナリズムに突き動かされて日本車に乗っているわけではないと思います。

スマホを見てください。

ソニーのエクスペリアがあるのに半分以上のユーザーはアップル製品のとりこになっています。※2021年1月時点で日本におけるiPhoneのシェアは57.73%(ウェブレッジ調べ)

これはiPhoneに製品としての魅力があるからでしょう。

もしもプジョーをはじめとしたヨーロッパ車に現在ある大小さまざまなバリアーが取り除かれたら、日本車は大ピンチになると思います。

そういうわけで、プジョーをはじめとしてヨーロッパ車にまだまだ物理的・心理的な障壁があることは、日本の自動車メーカーにとっていいことなのだと思います。

ご覧いただきありがとうございました。




ABOUTこの記事をかいた人

元保険代理店代表です。ほぼ毎日新しい記事を追加しています。何かお役に立つ記事があったら、次のお役立ちのためにお気に入りに登録していただけるとうれしいです。励みになります!