【記事丸わかり】
⇒⇒【車検】ディーラーと町の激安店は何が違うのかを元整備士ディーラー営業マンが分かりやすく説明 |
車検はどこでやっても同じ?ディーラーでしかできないことがある?
車の車検は、メーカーのディーラー、カー用品店、街の整備工場、全国チェーンの車検専門業者、ガソリンスタンドなど、どこでも簡単に申し込みができます。
車検にかかる総額で見ると、最も高いのがディーラー車検、その他はケースバイケースとなります。
いずれにしても、値段的に一番高いのがディーラーであることは間違いないところです。
では、値段の高いディーラーにあえて車検を依頼する意味がどこにあるのか?
この点について考えてみたいと思います。
ディーラー車検のメリットはどこにある?
ディーラー車検のデメリットは明白です。
それは値段の高さです。
では、メリットはあるのでしょうか?
考えられるメリットとして、下記のようなものがありそうです。
- メーカー保証:新車保証や延長保証などで不具合を修理する場合はディーラーでなければ保証が受けられません
- リコール対応:リコール情報はディーラー以外からも得られますが、ディーラーとお付き合いしていればユーザーがボーッとしていてもリコール情報を知らせてくれます
- 改善対策:リコール対象にはならないものの、改善したほうがいいという情報をメーカーが発した場合、ディーラーなら確実にユーザーに知らせてくれます
- サービスキャンペーン:リコールや改善対策の対象外だけれど、気を付けたほうがいい点をメーカーが情報発信することがあり、これもディーラーならユーザーに知らせてくれます
- OBD車検:2024年10月以降に本格始動を控えているOBD車検では、OBD=オン・ボード・ダイアグノーシス/車載式故障診断装置)により、主に自動車に内蔵した電子制御システムが正しく動いているのかを検査し、誤作動による事故・トラブルを未然に防ぎます。OBDはディーラー以外でも導入していますが、不具合が見つかった場合の対応はディーラーが安心でしょう
- バッテリー交換時の車両データの再設定:最近のクルマはバッテリーの充放電積算量を記録しているので、バッテリー交換時にはこれらのデータをリセットする必要があり、これができるのはディーラーなどに限られるケースが多いです
- 日産R35GT-Rの整備・点検:超強気で排他的な制度です。NHPC(日産ハイパフォーマンスセンター)で点検整備しないと、新車保証はしない、出入りも認めない、とのこと。怖いです。でも、安心かもしれません。
(参考:Web Cartop)
ディーラー車検には上記のような様々な安心材料があります。
実際のところ、たとえば私が新車を購入したとしたら、少なくとも最初の5年間はディーラーさんのお世話になると思います。
ディーラー車検の整備手数料などが他より高いのは、手厚い安心料が含まれているととらえるべきでしょう。
ディーラーのメカニックは、新しい車種が誕生すれば、それに応じた教育も受けますし、リコール・改善対策・サービスキャンペーンなど小まめな顧客対応にも時間を割いています。
これらが金額に反映されていると考えるべきです。
また、安い車検では、「この車検が通ればそれでいい」というスタンスになりがちですが、ディーラー車検では、「少なくとも次の車検まで整備不要で走れるように」というスタンスでやるので、パーツなどは予防的に交換するケースもあります。
こうした対応が車検費用が高くなる要因の一つであり、それはそれでユーザーにとってデメリットではないと思います。
逆に言うと・・・
ディーラー車検は値段が高くなりますが、それには上記のような理由があります。
高いけれど、大きな安心があるのは確かです。
けれども、ここまで見てきたディーラー車検の特徴を総合的に考えると、逆に見えてくることもありそうです。
つまり、たとえばすでに新車登録から10年以上経過して、リコール対応もとっくに済ませているし、あとはだましだまし動く間だけこの車と付き合っていこう、といったスタンスでカーライフを送っている人にとっては、「安けりゃどこでもいいよ」という気持ちになるのもよくわかります。
もちろん、車の運転は、自分の命だけでなく他者の命にも責任を負う行為なので、整備不良のどうしようもない車であっていいわけはありません。
そこは、最低限の車両状態を保つ必要はありますが、そのことを前提で、できるだけ車検費用を抑える工夫も、諸物価高騰の折、生活防衛として現実的な選択肢であることは確かだと思います。
ご覧いただきありがとうございました。