オーバーヒートでエンジンはどんなダメージを受けるのか?
「オーバーヒート」とはエンジンが異常な高温になることです。オーバーヒートになると様々な不具合が発生しますが、不具合には軽度から重度にかけて様々な段階があり、オーバーヒートになったからといって即座にエンジンにダメージが出るわけではありません。
しかし、初期の段階で対策すればいいものの、放置しておくとエンジンそのものに重大なダメージが発生します。エンジン載せ替えの場合は500,000円~1,000,000円は当たり前にかかります。うまく中古エンジンやリビルド品が見つかった場合でも、エンジンそのものの代金は新品の3割から4割引きくらいになりますが、工賃は変わらないので、やはり数十万円の出費は確実にかかります。
こうなると車の乗り換えを視野に入れなければならないでしょう。
オーバーヒートの症状
車がオーバーヒートするとどんな症状が出るのでしょう?
下記のようなものが代表的な症状です。
- アクセルを踏んでも加速しない
- エンジンルームから白い煙(水蒸気)が上がる:冷却水漏れ
- エンジンルームから甘い匂いがしてくる:冷却水漏れ
- エンジンルームから油のにおいがしてくる:エンジンオイル漏れ
- 水温警告灯が点灯または点滅する
- エンジン警告灯が点灯または点滅する
- 水温計が90度を超えてくる(適正水温は60℃~90℃のあいだ)
エンジンで走る車のほとんどが水冷式なので、やはりエンジン冷却系統の不具合が最も多い原因となります。
オーバーヒートの原因
水冷式エンジン車のオーバーヒートですが、下記のような原因が考えられます。
- ラジエーター本体にサビ等で穴が空き冷却水が漏れている
- 事故で車の下部を打ち付けラジエーターに穴が開いて冷却水が漏れている
- 冷却水を適温に保つサーモスタットが故障している
- 渋滞時に活躍する冷却用電動ファンが故障している
- 冷却水を循環させるウォーターポンプが故障している
- ラジエーターホースまたはラジエーターキャップが劣化し水漏れがある
- ラジエーターリザーブタンクが劣化して水漏れがある
- エンジンオイルの量が不足している(オイル漏れまたはオイル上がり・オイル下がりなど)
エンジンにダメージがくる前に対策する
車がオーバーヒートになったからといって、即座にエンジンにダメージが発生するわけではありません。車には水温警告灯など様々な警告灯が付いているので、初期の段階で不具合を発見し、適切な処置が取られていれば、エンジンが破損するほどの被害は防止可能です。
そのためには日頃から下記のようなことに注意しておくべきです。
- 冷却水(ロングライフクーラント)の量を確認する:エンジンルームのクーラントリザーブタンクの目盛りで確認。
- エンジンオイルを定期的に交換。その際、2回の交換に1回はオイルエレメント(オイルフィルター)を交換する。
- 駐車場にオイルのシミや冷却水のシミがあったらすぐに対応する。
- エンジンルームから甘いにおいがしたらすぐに対応する。冷却水は熱で蒸発すると甘いにおいを発します。
- メーターパネルの各種警告灯が点灯・点滅したら、放置しないで対処する
日頃から上記のようなことを心がけていればオーバーヒートが発生することはまずないと思います。
下記の記事も参考になさってください。
⇒⇒オーバーヒートでエンジン停止の影響|後遺症・ダメージは?
⇒⇒クーラント(冷却水)に水混ぜる|水道水or精製水どっち?
⇒⇒ロングライフクーラント(LLC)とはラジエーター液|交換時期と費用|色・成分・廃棄方法・車検
⇒⇒クーラントリザーブタンクの量が空なら冷却水を補充|交換時期・交換費用
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