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目次
【記事丸わかり】 ※ランドクルーザープラドは2024年4月販売終了しました。
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プラドのリセール崩壊の理由と今後の展望:ランクル250登場でどうなる?
ランドクルーザープラド(2009年~):Wikipedia
【前提】プラドは現在も今後も高いリセールバリューを維持することはまず確実なクルマです。ネット界隈で「プラドリセール崩壊」と騒がれているのは、あくまでも投機目的でプラドを所有している人たちのあいだで言われている言葉です。ここ1年、2年と購入額より高いリセール価格を維持していたプラドですが、ここにきて購入額とほぼ同じくらいに落ち着いてきたのであり、これ自体異常な値段であることをお忘れなく。「崩壊」などしていませんから。「普通」に近づいているだけです。
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ランドクルーザープラドのリセール崩壊が噂されています。
本記事では、プラドのリセール価格下落の理由と今後の展望について解説します。
リセールを視野に入れている方は、ぜひ参考にしてください。
プラドの買取相場
中古市場でのプラドの価格は以下の通りです。
カーセンサー | 3,006台 | 179.8万~768.8万円 |
グーネット | 3,215台 | 78万~770万円 |
※2023年5月2日時点
プラドの買取相場は年式にもよりますが、2004年から2009年のモデルなら100万前後、比較的新しい150系モデルは270万円で購入できます。
2015年に登場した最新モデルは360万円、さらに、走行距離が少ない車体の場合は400万円を超える場合も。
このように、高いリセールバリューを誇っています。
しかし、中古車相場は需要と供給のバランスやさまざまな要因によって変動します。
プラドのリセール価格は崩壊するのかを検証
果たして、プラドのリセール価格は崩壊するのでしょうか?
頻繁なモデルチェンジ
プラドは、比較的短いサイクルでフルモデルチェンジやマイナーチェンジが行われています。
ランクルプラドのはじまりは1985年70系で、1990年代は3年に1度のペース、2000年代に入ると、直近の2020年までに10回ほど一部改良を含めたモデルチェンジを実施しています。
このように頻繁なモデルチェンジにより新たなモデルが市場に投入され、中古市場には旧モデルが増加することで、一時的に小幅なリセールバリューの下落もあるかもしれません。
納期が遅く受注が安定しない
トヨタ自動車では新型コロナの感染拡大と、世界的な部品不足によって納期遅れが生じています。
2022年9月には、ランドクルーザープラドを生産する田原工場(愛知県田原市)の第1ラインをはじめ、5工場5ラインで稼働停止期間を設けました。
このような新車の納期遅れで中古車市場の需要が高まり、競争が激化したことで、中古車価格が一時的に上昇したという側面があります。
貿易規制による崩壊の可能性は?
プラドは、世界170カ国の国と地域で使用されており、海外で非常に高い人気を誇っています。
しかし、海外の輸入規制によって、リセールバリューが大幅に崩壊するリスクを抱えています。
実際に、プラドの有力な受け入れ先であるパキスタンでは、2018年以降、日本からの輸入が規制され、中古車輸入台数は10分の1に減少しています。
パキスタンでは、さらに、2022年5月に自動車を含む33品目の輸入禁止措置が発令されています。
また、プラドはイスラム国で軍事利用されており、日本からこうした地域へ輸出する際には経済産業省の許可が必要となります。
このようにテロ組織などに軍事利用される恐れがあることから、今後はさらに輸出規制が厳しくなる可能性もあるでしょう。
今後の展望
プラドのリセールバリューの今後の展望について解説します。
大きなデザインの変化がない
ランドクルーザープラドは、一部改良やモデルチェンジを何度も実施しているものの、これまで大きくデザインを変えていません。
デザインが変わらない車種は、トレンドに左右されず中古車市場でも安定した人気を維持する可能性があります。
海外需要が高い
悪路走行が多い海外では、プラドの人気が高くリセールバリューが高めです。
また、海外では修理しながら車を長く乗り続けるという考え方が一般的です。
そのため、低年式、多走行の車種であっても、高値で取引されることが多い傾向です。
古いモデルの熱狂的なファンがいる
日本には、プラドの熱狂的なファンが存在しています。
特に70系や90系のような古いモデルは、製造から時間が経過しているため希少価値も高く、高価買取につながります。
まとめ
プラドのリセール崩壊の理由と今後の展望について、解説しました。
プラドは、希少価値の高い車であるため、常時高いリセールバリューが維持されている車です。
また、モデルチェンジの頻度や、コロナによる生産遅延などの要因により、一時的に大幅な価格変動が生じた可能性があります。
リセールを考えているなら、いくつかの買取業者から見積もりを取ったり、モデルチェンジの時期を見極めることが大切です。
いずれにしても、大幅なリセールバリューの崩壊が考えにくい車種であることはほぼ間違いないところでしょう。
「プラドリセール崩壊」とは、コロナや半導体不足で一時的に価格が暴騰し、それが正常化した際に言われたことであって、これが今度は暴落するかというと、そんな要素はほとんど見当たらないクルマだと思います。
【2023年8月11日追記】プラド後継の「ランクル250」登場の影響は?
トヨタ自動車は2023年8月3日に、実質的にプラドの後継モデルとなるランドクルーザー250(ランクル250)を2024年前半に販売すると発表しました。
つまり、「プラド」というサブネームは消滅することになります。
さて、そこで現行プラドのリセールバリューに関する考察です。
ついさっきCARVIEWさんの示唆に富んだ記事を読ませていただき、大いに共感したので、この記事の概略を紹介させていただきます。
概略: ランクル250が登場し、新車が順調に供給されれば、その時点で旧型となるプラドのリセールバリューは、暴落はしないものの、当然落ちるはず。 ところが、ランクル300と同様の事態に陥ったら、話はガラリと変わるだろう。 ランクル300は、新車発売とほぼ同時に、納期4年といったような状況になった。半導体不足、コロナの影響による工場の稼働停止、投機筋による複数台の買い占め等々がその原因とみられる。 もしもプラドの後継であるランクル250が2024年前半に販売開始となった際に、生産が注文に追い付かず納期3年とか4年といった事態に至ったら、プラドの価格は暴騰するのではないか。 なぜなら、ランクル300が「欲しくても買えない車」になったために、旧型であるランクル200の価格がランクル300の新車価格を上回るほどにまで跳ね上がったのと、まさに同じ構図となるからである。 したがって、人気車種になることはほぼ間違いないランクル250とその旧型となるプラドに関しては、通常のフルモデルチェンジの際に発生する価格の動向は当てはまらない可能性がある。 すなわち、<新型ランクル250が発売開始⇒⇒旧型プラドの価格が下落>という流れは発生しないかもしれない。 事態は、トヨタが十分な供給体制を維持できるかどうかにかかっている。 これがCARVIEWさんの記事の概略です。 |
私もこの記事に100%同意します。
一つ付け加えるとしたら、どうか投機目的でランクル250を買わないで欲しい、という点のみです。
ランクル300の時は、一人で複数台の注文をする人もいたそうです。完全に転売目的ですね。ライブのチケットを買い占め、後で高額で転売するのと同じやり方です。
もしかしたらランクル300の時にトヨタがとった対応策である「誓約書の提出」が、ランクル250を購入する人にも要請されるかもしれません。
もちろん、輸出や転売を防止するための措置です。
いずれにしても、トヨタ・ランドクルーザープラドのリセールバリューに関しては、まさに様々な要因が絡んでいるので、今後どういう値動きを示すのか予断を許さないところです。
ですが、繰り返します。プラドのリセール価格が「暴落」する可能性は限りなくゼロでしょう。
プラドはそんなヤワな車じゃないです。
ご覧いただきありがとうございます。