【記事丸わかり】
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ソニー損保の自動車保険は年間走行距離が短くなるほど保険料が安くなります。
契約の際、予想年間走行距離に応じて保険料を算出します。
予想年間走行距離は2000kmごとの区分で選択します。
実際に走った距離が契約距離区分より短い場合は翌年の保険料が割引されます(「くりこし割引」)。
ソニー損保での契約が2年目以降の場合は「こえても安心サービス」が適用され、実際に走った距離が契約距離区分を超えても差額保険料の支払いは不要になります。
このページではソニー損保の「走る分だけ」「くりこし割引」「こえても安心サービス」について詳しく解説しています。
しばらくお付き合いいただけると幸いです。
ソニー損保:「保険料は走る分だけ」とは?
自動車事故の発生率は走行距離に比例して高まります。
1年間に走る距離が多ければ多いほど、それだけ事故の発生率は高まります。
逆に言うと、年間走行距離が少ないほど事故の発生率は低くなるので、保険会社としては支払う保険金の額も少なくなります。
そこで多くの通販型の自動車保険では年間走行距離に応じて保険料を割り引く制度を導入しています。
ソニー損保も同様です。
「保険料は走る分だけ」
走る分が多ければ保険料は高くなり、走る分が少なければ保険料は安くなります。
ソニー損保:使用目的が「主に家庭用」のみ適用
ソニー損保の自動車保険は申込みの際に使用目的を申告しますが、使用目的は「主に家庭用」と「主に業務用」の2つがあります。
「保険料は走る分だけ」は、使用目的が「主に家庭用」の場合にだけ適用されます。
ではこの2つの使用目的はどのように判別すればいいのでしょう?
具体的には下記のようになります。
「主に業務用」 | 次のいずれかに該当する場合に「主に業務用」となります。
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「主に家庭用」 |
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ソニー損保:契約時にオドメーターの距離数を申告する
初めてソニー損保で自動車保険を契約する場合も、ソニー損保で継続する場合も、他社から乗り換える場合も、申込みの際には申込み時点の積算距離計(オドメーター)の距離数を申告する必要があります。※積算距離計(オドメーター)とは新車から現在までのトータルの走行距離を記録しているメーターのこと。ガソリンスタンドで給油して使い切るまでの距離を測るメーターはトリップメーター。通常同じ表示画面を切り替えて使用します
申込時に積算距離計(オドメーター)の数値を申告し、契約の更新時にその時点の走行距離を申告することで、ソニー損保では1年間に走行した距離数を把握でき、その数字に基づいて保険料の計算をします。
ソニー損保:7つの契約距離区分の中から選択する
まず積算距離計(オドメーター)の数字を申告したら、次に予想年間走行距離(ソニー損保では契約距離区分といいます)を7つの区分の中から選択します。
ソニー損保では次の7つの契約距離区分を用意しているので、過去の使用状況を振り返りつつ、今後1年間の走行距離の予想を立てます。
その際、あまり真剣に考える必要はありません。
あくまでも予想の数字なので、実際に走ってみたら予想より多かったり少なかったりするのは当然です。
しかし、あとで解説しますが、予想と違ったからといって事故で保険が使えなかったりする心配はありません。
また、予想より走る距離が少なかった場合は、少なかった分を金額に換算して翌年の保険料から差し引きますので、損をする心配もありません。
肩の力を抜いて気軽にお選びください。
契約距離区分(7区分) | |
あまり乗らない | 3000km以下 |
近所の買い物がメイン | 5000km以下 |
通勤・通学(片道30分ほど) | 7000km以下 |
休日に使用、時々旅行 | 9000km以下 |
通勤・通学(片道1時間ほど) | 11,000km以下 |
毎日長距離運転 | 16,000km以下 |
毎日かなりの長距離運転 | 無制限 |
ソニー損保:「保険料は走る分だけ」の保険料算出方法
ここからは、より具体的に、「保険料は走る分だけ」がどのように保険料計算されるのか、ケース別にお話していきます。
【ケース1】契約距離区分より実際の走行距離が少なかった場合 |
たとえばAさんは契約距離区分9000km以下で契約していたのですが、1年経過して保険を更新する際のオドメーターの数字は6050kmでした。
ソニー損保の規定では、保険期間中の「走った距離」が契約距離区分の上限キロ数より1,000km以上少なかった場合は、その差額保険料に相当する額を、翌年の継続契約の保険料から割引きします。
これを「くりこし割引」と呼びます。
Aさんの場合、6050kmは当然契約距離区分の上限9000kmより1000km以上少ないですから、その距離の差を保険料に換算し、換算した金額を更改後の契約の保険料から割引きます。
これにより、Aさんは多く払いすぎていた保険料を回収できることになり、ソンをしないで済むことになります。
なお、上記の説明は、更新手続きをする際の保険料精算方法ですが、実は、保険期間の途中でもこうした精算手続きは可能です(⇒こちらのページに記載があります)。
けれども、保険期間の途中で走行距離が少なくなりそうだと思っても、まだ途中なので、満期までに急遽距離が伸びることだって大いにありえます。
そうなると、一度途中で精算したのに、さらにもう一度精算することになってしまいます。
結局、途中で保険料の精算をするのは、保険期間の途中でソニー損保から他社に乗り換えようとする契約者にとっては必要な手続きでしょうが、しばらくはソニー損保で契約を続けようとする契約者には無用の手続きです。
したがって、通常は契約の更新時にくりこし割引の適用を受ける方法が最適だと思います。
【ケース2】契約距離区分より実際の走行距離が多かった場合 |
Aさんとは反対に、Bさんは契約距離区分9000km以下で契約していたところ、1年経過して保険を更新する際のオドメーターの数字は10500kmでした。
すると、1つ上の区分に入ってしまいます。
予想より多く走り過ぎてしまったわけです。
この場合は、ソニー損保が契約距離区分9000km以下と1つ上の契約距離区分との年間保険料の差額を計算し、その差額を更新後の保険料とは別枠で徴収することになります。
上の例は、保険期間中に契約距離区分をオーバーしても、それをそのままソニー損保に報告せず、更新手続きの際に精算したことになります。
しかし、ソニー損保の約款(正確には「重要事項説明書の補足事項」(12ページ)」によると、走行距離が保険期間中に契約距離区分をオーバーした場合は、速やかにソニー損保に通知し、契約距離区分を変更し、変更により発生する差額保険料を支払う、これが正規の手続きになります。
これは「通知事項」に該当するもので、そうすることが望ましいというのではなく、そうしなければならないことです。
けれども、仮に更新時までオーバーしたことを通知しなかった場合でも、更新時に精算手続きすることで問題は解決します。
また、保険期間中に事故を起こし、事故を起こした時点の走行距離が契約距離区分をオーバーしていた場合であっても、差額保険料を支払うことで、事故に対する保険金は通常通り支払われます。
いずれにしても、保険期間の途中で契約距離区分をオーバーした場合は、原則として、速やかにソニー損保に通知する必要があります(「通知義務」)。
そして、この通知義務は、通常、ソニー損保の自動車保険に加入した1年目だけに適用されるものです。
なぜなら、後で解説するように、ソニー損保2年目以降は「こえても安心サービス」が適用され、このサービスにより契約距離区分をオーバーした場合でもソニー損保に通知する必要もなければ追加保険料を支払う必要もなくなるからです。
それにしても、保険期間の途中で当初の予測より走行距離が伸びたら保険会社に連絡することを「通知事項」として規定する保険を、よくもまあいけずうずうしく販売しているものだと呆れてしまいます。
わたしたちに四六時中自動車保険のことだけ考えて生活しろというのでしょうか?
とはいえ、実質的にはソニー損保初年度だけのことなので、耐えることにしましょう。
※ソニー損保の名誉のために付け加えますが、ソニー損保のスタッフさんは誠実で丁寧に応対してくれる人がほとんどです。わたしも車関連のこうしたブログを運営している関係上、時折ソニー損保さんに電話で疑問点を伺うのですが、とても丁寧に対応していただいています。電話を切ってしばらくしてから「先ほどはちょっと説明不足の部分がありました」と後追いで教えていただいたこともあります。ありがたいことです。
ソニー損保:「こえても安心サービス」とは?
ソニー損保の「保険料は走る分だけ」は、ソニー損保初年度と2年目以降で扱いが異なります。
まず初めてソニー損保で自動車保険を契約し、契約距離区分を7000km以下でスタートした場合をみてみます。
1年経過した際に実際に走行した距離が7000km以下の区分に収まっていれば保険料の精算(増減)はありません。
予想より多く走って上の契約距離区分に突入してしまった場合は、多く走った分を差額保険料として支払います。
予想より少なく走り下の契約距離区分に収まった場合は、「くりこし割引」が適用されて保険料の差額分が継続契約の保険料から差し引かれます。
いかがでしょう?
おそらく、ここまでは、ストンとみなさんの胸に落ちる説明になっているのではないでしょうか?
しかし、ソニー損保の「保険料は走る分だけ」は、ここからがちょっと複雑になります。
複雑と言っても、これは契約者に有利になる内容なので、ちょっとお付き合いください。
ソニー損保の自動車保険で2年目以降の契約には「こえても安心サービス」というものが用意されています。
このサービスは、簡単に言うと、契約距離区分をオーバーしてしまってもソニー損保に通知する必要もなければ追加保険料も徴収されない、という内容のサービスです。
ソニー損保2年目以降の契約に付けられるサービスで、初年度は対象外です。
さて、この「こえても安心サービス」ですが、条件があります。
上の事例を使ってご説明します。
ソニー損保で初めて自動車保険を契約し、契約距離区分を7000km以下で契約したケースです。
1年間経過し、契約距離区分通りに7000km以下の区分に収まった場合、2年目を7000km以下で更新すれば「こえても安心サービス」が自動的に適用されます。※契約者が申告して付けるのではなく条件を満たせば自動的に付くサービスです
ここで重要なのは、前年走った実際の距離が収まる契約距離区分で継続契約を結ぶことです。
1年目を7000km以下で契約し、実際に走った距離がこの区分に収まったのですから、この7000km以下の区分を選択することが条件になります。
前年実際に走った距離が7000km以下の区分であったのに、継続契約を9000km以下あるいは11000km以下の区分にした場合は「こえても安心サービス」は付きません。※ただしこれらの区分を選択することは自由です。「こえても安心サービス」がつかないというだけの話です
繰り返しますと、ソニー損保初年度に7000km以下の区分でスタートし、実際に走った距離がこの区分の中に収まった場合、2年目の継続契約では、同じ7000km以下の区分を選択すれば、自動的に「こえても安心サービス」が付きます。
そして、2年目が満期になり、3年目の継続契約をする際、実際に走った距離が7000km以下の区分を超えてしまった場合、通常なら保険期間の途中でソニー損保に通知する義務があり、また超えて走った分の差額保険料を支払う必要があるのですが、「こえても安心サービス」が付いているので、通知も差額保険料も不要になります。
問題は、ここからです。
では、3年目の契約距離区分はどの区分にすればいいのでしょう?
2年目と同じ7000km以下の区分でいいのでしょうか?
それともオーバーしてしまった距離が収まる上の距離区分で契約しなければいけないのでしょうか?
その答えは2通りあります。
まず、3年目も「こえても安心サービス」を付けたい場合は、オーバーしてしまった距離が収まる上の距離区分(つまり9000km以下)で契約する必要があります。
もしも、「こえても安心サービス」はいらない、ということであれば、どの契約距離区分でも選択できます。
たとえば、生活の変化でほとんど車には乗らないだろうと予想される場合は3000km以下を選択することも可能です。
ただその場合「こえても安心サービス」が付かないというだけのことです。
いかがでしょう?
おおよそのシステムは飲み込めていただけたでしょうか?
整理整頓のため、「こえても安心サービス」の適用条件をまとめておきます。
「こえても安心サービス」の適用条件 |
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ソニー損保:契約距離区分をオーバーしている状態で事故を起こした場合、保険金はおりるのか?
ソニー損保の「保険料は走る分だけ」に関し、多くの方がもっとも心配しているのがこの点です。
「くりこし割引」とか「こえても安心サービス」とか、保険期間の途中で契約距離区分を変更する手続きだとか、いろいろありますが、とにかく、そういうことはいったん横に置いておいて、ごく単純に、事故を起こしてしまった際、オドメーターを見たら契約距離区分をオーバーする距離を既に走っている状態だった、ということが実際に起こりえます。
その際、保険金はちゃんと支払ってくれるのか?
これが一番心配ではないでしょうか。
その答えですが、問題ありません。
保険金はおります。
もしも事故が発生した時点で、実際に走った距離が契約距離区分をオーバーしていた場合は、オーバーしていた距離に応じた差額保険料を支払うことで、問題なく、事故で支払われるべき保険金はおります。
ソニー損保:「実際に走った距離」に関する素朴な疑問に答えます
ここまでの説明で、みなさんの中にはふっと疑問に感じた点があるのではないでしょうか?
それは、「実際に走った距離」の計測の仕方です。
なぜなら、自動車保険というのは、通常、保険始期日の何日か前に契約手続きを完了します。
また、継続契約の手続きにしても、満期日を待たずしてその数日前に手続を完了するのが普通です。
そうであるなら、「保険の始期日から満期日」のあいだに「実際に走った距離」などわかりようがないはずです。
鋭いですね。
まさに、その通りです。
「実際に走った距離」とは言うものの、これは言葉通りに受け取ってはいけません。
結論を言いますと、ソニー損保は「みなし」で距離を把握します。
つまり、保険の契約をするのが始期日の30日前であったとして、そこで顧客からその時点のオドメーターの数字を申告してもらいます。
25000kmだったとします。
そしてその顧客の契約距離区分が5000km以下だったとします。
すると、ソニー損保としては、この顧客は年間5000kmほど走るので、申込日から保険始期日までの30日間には約411km(5000÷365×30)走るであろうと予測し、保険始期日時点のオドメーターの数値を25411(25000+411)とみなします。
※上記計算式は当サイトの管理人がこういう計算式であろうと予想したものであり、ソニー損保が実際に採用している計算式ではありません。いずれにしても「内規」によって独自の計算方法が決められているはずです
つぎに、保険の満期が近づき、継続契約の手続きをする際に、それまで走った距離の申告を受けるわけですが、この場合は、満期までまだ日にちが残されているのですが、それは無視して、継続手続きをするその日のオドメータの数値をダイレクトに保険料計算に反映させます。
このようにして、ソニー損保では年間走行距離を把握しています。
ですから、厳密に言えば「実際に走った距離」ではありません。
途中、予測に基づいた「みなし」の数値が入っています。
ですが、大局的にはほぼ実態を反映したやり方ではないかと思います。
ソニー損保:ページ下の「こんな場合はどうなるの?」をクリック
ソニー損保:「保険料は走る分だけ」のまとめ
ソニー損保の「保険料は走る分だけ」を箇条書きでまとめてみました。
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ご覧いただきありがとうございました。