【5分記事】ラジエーターの仕組みと構造|エンジン冷却装置丸わかり!

ラジエーター・仕組み・構造

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ラジエーターの仕組み

水冷式エンジン車には熱源であるエンジンを冷却する装置が不可欠です。それがラジエーターと呼ばれる装置です。

ラジエーターには常時冷却水が満たされています。エンジンがかかり、まだ過剰な熱が出ていない状態では冷却水は静止しています。

やがてエンジンが加熱してくるにつれ、そのまま放置するとエンジンとその周辺が高温にさらされて破壊されてしまうので、設定された温度に冷却水が達したタイミングでサーモスタットが水弁を開きます。

この時、同時にウォーターポンプが作動して冷却水が冷却経路を循環し始めます。

冷却水は、まずエンジン周辺でエンジンの熱を奪い取り、奪い取って熱くなった冷却水は車の前部に位置するラジエーター本体に戻ります。ラジエーター本体は前方からの風を受けて熱くなった冷却水の熱を空気中に放散します。

そうやってまた低い温度になった冷却水がエンジン周辺に再度向かっていきます。

なお、車は常時走行するわけではなく、信号待ちや渋滞で停止状態でいることもあり、その場合は前方からの風で冷却水を冷やすことができません。

そこで、そうしたケースでは、ラジエーターの隣に設置してある冷却ファンが作動して冷却水の熱を放散します。冷却ファンは電動式のものとエンジンの動力を使うものがありますが、現在はほとんどが電動ファンです。

また、渋滞状態が長く続いたり、あるいはスポーツ走行が連続したりした場合には、冷却水の温度が100度を超え、110度とか120度といった高温になってしまうことがあります。

そのように水温が超高温に達した場合には、そのままでは冷却効果が低下してオーバーヒートを発生させるので、膨張した冷却水を一時的にリザーブタンクに逃がします。

逃がした冷却水は、エンジンが冷えてくると、またラジエーター本体に戻るようになっています。

ラジエーターの構造

ラジエーター本体は車の前部にあります。ここで走行中の風を受けて効率的に冷却水を冷やしています。冷却効率のための工夫はラジエーターの構造にも凝らされています。

ラジエーター本体は細いパイプをつなぎ合わせたような構造になっていて、それぞれのパイプにはフィンと呼ばれる羽が付いています。このフィンは風にあたる表面積を大きくするためのもので、フィンの面積が多ければ多いほど冷却効率は高まります。

また、ラジエーター本体の上部にはラジエーターキャップが付いているのですが、これはただのフタではありません。3つの機能があって、それが加圧弁、負圧弁、密閉弁の3つの働きです。

加圧弁としての働きは、ラジエーター内部を常時高圧状態にしておくことです。ちょうど圧力鍋と同じで、普通なら100度程度で沸騰してしまう冷却水を110度とか120度にならないと沸点に達しないように加圧しているのです。

しかし、もしも120度を超えるような水温に達したら、前の項目で解説したように、冷却水をいったんリザーブタンクに逃がし、エンジンが冷えたらまた戻します。この戻す際に、ラジエーターキャップの負圧弁の機能が活躍するわけです。

エンジンより重要な装置

水冷式エンジン車においては、逆説的な言い方になりますが、エンジンよりエンジン冷却装置であるラジエーターの方が重要な装置と言えます。

一般的な使用では、たとえ40万キロとか50万キロ走行しても、エンジンそのものが壊れることはまずありません。

エンジンが壊れることがあるとしたら、それはエンジン冷却装置であるラジエーターとその周辺に不具合が発生し、それを放置してオーバーヒートを起こした場合です。

逆に言うと、エンジン冷却システムを常時正常に保っていれば、エンジンそのものは半永久的に使用可能です。

水冷式エンジン車では、それほどエンジン冷却システムは重要な位置を占めていることになります。

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