【記事丸わかり】
⇒⇒保険アジャスターが来たら、車が全損になりました。。。 |
ソニー損保の自動車保険で車両保険を使う事故が発生した場合、車両が「全損」であるか「分損」であるかによって支払い方が異なります。
具体的には「免責」の扱いが関係してきます。
具体的な事例を交えてわかりやすく解説しています。
しばらくお付き合いいただけると幸いです。
ソニー損保:「全損」の事故とは?
車が事故にあい、ソニー損保がその車の損害状況を確認して「全損」と認定するのはどんなケースでしょう?
ソニー損保が「全損」と認定するのは次の2つのケースです。
- 物理的全損:事故や災害で修理不可能なほど車の損害が大きい場合、あるいは車が盗難にあい結局見つからない場合
- 経済的全損:修理費用が車の時価額を上回っている場合
<事例1:物理的全損>
新規登録から2年目の車・車両保険金額200万円・免責金額10万ー10万で車両保険に加入。
電柱に激突して車が大破し、ソニー損保は修理不可能と判断し「全損(物理的全損)」と認定した場合。
ソニー損保の車両保険からの支払い |
200万円 |
※単独の自損事故なので一般条件に加入している場合にのみ支払われます。
※初回事故の免責金額は10万円で設定されていますが、「全損」の場合は免責金額は適用されないので、車両保険金額が満額支払われます。
※車両保険金額の200万円とは別枠で車両全損時臨時費用が車両保険金額の10%(上限20万円)まで支払われます※ソニー損保の車両保険にはこの費用が自動セットされています。この事例ではちょうど上限額と同じ20万円です
※(オプション)ソニー損保の新車買替特約をオプションで付けている場合は新車に買い換えることができます。
<事例2:経済的全損>
新規登録から10年目の車・車両保険金額30万円・免責金額5万ー10万で車両保険に加入。
ガードレールに激突して車が大破し、ソニー損保は、修理可能だが修理費用が車両保険金額(≒時価額)を上回る70万円と判断して「全損(経済的全損)」と認定した場合。
車両保険からの支払い |
30万円 |
※車両保険を付ける際に車の価格として設定する車両保険金額と時価額は必ずしも同一金額ではありませんが、保険会社では自動車保険車両標準価格表に基づいて車両保険金額を設定していて、この金額はその時点の車の時価額に近いものです。
※単独の自損事故なので一般条件に加入している場合にのみ支払われます。
※初回事故の免責金額は5万円で設定されていますが、「全損」の場合は免責金額は適用されないので、車両保険金額が満額支払われます。
※車両保険金額の30万円とは別枠で車両全損時臨時費用が車両保険金額の10%(上限20万円)まで支払われます※ソニー損保の車両保険にはこの費用が自動セットされています。この事例では3万円です
上記2つの事例は「全損」の場合でしたが、「分損」の場合は下記の支払い方になります。
<事例1:分損>
新規登録から2年目の車・車両保険金額200万円・免責金額10万ー10万で車両保険に加入。
損害額が100万円であった場合
「分損」の場合の支払い方 |
損害額100万円-免責金額10万円=支払額90万円 |
<事例2:分損>
新規登録から10年目の車・車両保険金額30万円・免責金額5万ー10万で車両保険に加入。
損害額が20万円であった場合
「分損」の場合の支払い方 |
損害額20万円-免責金額5万円=支払額15万円 |
上記2つの事例にあるように、「分損」の場合は「損害額-免責金額=支払額」という原則どおりの支払い方になります。
ソニー損保:対物超過修理費用
これは車両保険の話ではありません。
対物賠償保険の話です。
しかし、事故で車が「全損」と認定されるケース、という意味で前の項目と大いに関連があります。
前の項目では自分の運転で車を大破させ「全損」になった話でした。
ここでは事故の被害者になったっ場合の話をします。
相手に100%の過失が認められる事故で車が「全損」になった場合、相手からはどんな補償が得られるのでしょう?
たとえば、赤信号で停止中に後ろから追突されたとします。
これは完全に0:100の事故で、相手側に100%の過失が生じる事故です。
この事故では追突された側が車両保険に加入していたとしても、通常は自分の保険を使う必要はなく、あくまでも追突した側の対物賠償保険から支払われるのが普通です。
その際、追突された車は新規登録から10年目の車で時価額が30万円の車だったとします。※時価額は中古車の平均価格を掲載した冊子やインターネットにおける中古車情報サイト(カーセンサーなど)を参考に算出します
事故の修理見積が70万円となり、車を修理することは可能だけれど、修理費用が時価額を上回ることになったとします。
車の時価額30万円 < 車の修理費用70万円 |
つまり、経済的全損と呼ばれるケースです。
このケースでは、追突した側の対物賠償保険により損害賠償額が支払われるのですが、法的には車の時価額を支払えばよく、修理費用との差額に関しては支払う義務が生じません。
時価額30万円と修理費用の70万円との差額は40万円です。
これでは追突された側が実際に修理して乗ろうと思ったら、不足分の40万円を自腹で払わないと再びこの車に乗ることはできません。
あるいは、車を乗り換える場合は、たとえ同程度の車が見つかったとしても、車両本体価格は相手から支払われた対物賠償額30万円でまかなえるものの、自動車取得税、車庫証明費用その他諸費用に関してはやはり自腹を切らなければならなくなります。
こういう状況でもしも追突した側が対物超過修理費用(ソニー損保の名称。他社の名称は異なる)に加入していたら、この特約から修理費用との差額が支払われます。※ソニー損保をはじめ多くの保険会社で対物賠償保険の特約として用意されています。ソニー損保では自動セットされています
このケースでは、相手側から支払われるのは、対物賠償保険から30万円、対物超過修理費用から40万円となり、めでたく修理費用全額が相手からの賠償額でまかなわれることになります。
ソニー損保:「全損」の事故⇒⇒車両保険から支払い⇒⇒所有権はソニー損保に
事故で車が修理不可能なほどの損傷を受け、ソニー損保から「全損」と認定され、車両保険から保険金の支払いを受けることになりました。
その際、車の所有権はソニー損保に移ります。
もしも所有権が移らなければ、契約者が事故車を買取業者に売却してお金に換えることができてしまいます。
そうなると、保険金と売却益の両方を得ることになり、いわゆる2重取りをすることになります。
したがって、これはできません。
ソニー損保は事故車両を引き取って業者に売却し、たとえわずかでもお金を回収します。
そもそもソニー損保が「全損」の事故で車両保険から支払いをする場合、事故車両の名義をソニー損保に変更する手続きは業務マニュアルの中に組み込まれています。※他の保険会社も同様です
「全損」となり車両保険が支払われた事故車両の所有権は保険会社に移されます。
ソニー損保関連の下記の記事も参考になさってください。
ご覧いただきありがとうございました。