【記事のポイント】
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【写真で解説】インパネMTモード付CVTとは|コラムやフロアとの違い
インパネMTモード付CVTとは、「インパネ部分に取り付けられたMTモード付のCVT」という意味です。
まず、「インパネ」とは、運転席正面のエアコンスイッチなどがある場所です。※下記写真参照
次に、「MTモード」とは、オートマチックトランスミッションに疑似的にマニュアルモードをつけたものを言います。
そして、「CVT」とは、トルクコンバーター式の従来のATではなく、ベルトとプーリーによって無段階に変速するオートマチックのことです。
これら3つの要素が組み合わされた変速機のことを、
インパネMTモード付CVT
と呼んでいます。
矛盾した機構
ご説明したように、インパネMTモード付CVTとは、「インパネ」+「MTモード」+「CVT」という3つの要素が組み合わされた変速装置のことです。
しかし、「MTモード」と「CVT」はそもそも矛盾しています。
なぜなら、CVTというのは、ベルトとプーリーの働きで無段階に変速する装置です。この無段階変速機に「MTモード」をつけているのですから、原理的には矛盾しています。
ですが、あえてMTモードをつけることで、マニュアル車のように1速⇒⇒2速⇒⇒3速というように、ギアチェンジして車を走らせる操縦感覚を味わえます。
スポーツ走行を楽しむことができますし、長い下り坂などでは、ギアを固定することで、けっこう実用的な使い方ができると思います。
次に、「インパネ」と「コラム」と「フロア」の違いを画像で確認してみましょう。
「インパネ」に取り付けられたシフトレバー
三菱デリカD:5(カーセンサー):ややフロアに近い位置ですが、インパネ部分に取り付けられています。MTモード付CVTです。
「コラム」に取り付けられたシフトレバー
ハンドルの付け根からニョキッと飛び出しているシフトレバーです。この位置が「コラム」と呼ばれる場所です。ただし、この車は「マニュアルモード付CVT」ではなく、トルクコンバーター式の従来のATです。
「フロア」に取り付けられたシフトレバー
上の写真の位置を「フロア」と呼びます。この位置にシフトレバーがあるクルマが最も一般的です。
インパネにあるシフトレバーもコラムにあるシフトレバーもフロアにあるシフトレバーも、どれも機能はまったく同じであり、取り付けてある場所が異なるというだけです。
ミニバンのように少しでも室内を広く使いたい用途の車では、フロア部分を避けてインパネ部分にシフトレバーをつける傾向があります。
また、タクシーでコラム部分にシフトレバーがついている車両をご覧になった方も多いと思いますが、一般の乗用車ではめったにないですね。
まとめ
『【写真で解説】インパネMTモード付CVTとは|コラムやフロアとの違い』のテーマで解説しました。
以下、記事のまとめです。
- インパネMTモード付CVT とは、「インパネ(運転席正面のエアコンスイッチなどがある場所)」に設置された、マニュアルモードを有するCVT(無段階変速機)です。
- MTモード はオートマチックトランスミッションにマニュアル操作の機能を追加したもので、CVTにこのモードを付けることは原理的に矛盾していますが、マニュアル車の感覚を味わうために存在します。
- MTモードは、スポーツ走行を楽しむためや、長い下り坂でのギア固定など、実用的な使い方が可能です。
- シフトレバーの位置の違いによって、「インパネ」、「コラム」、「フロア」の三つのタイプがあり、それぞれ機能は同じですが、取り付け場所によって呼称が異なります。
- 特にミニバンやタクシーなどでは、室内空間を広く使うために「インパネ」や「コラム」部分にシフトレバーが設置されることが多いです。
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ご覧いただきありがとうございました。