ジープ レネゲードは後悔するから買ってはいけない車か?
※トップ画像は2019年2月のマイナーチェンジモデル(カーセンサー様より)
カッコイイというよりどことなく愛嬌があって可愛げな姿をしているジープレネゲードですが、日本市場では2020年の1年間で3,881台が売れています。
この数は、クライスラーのブランドである「ジープ」の28.6%を占めていて、ジープブランド全体の販売台数も、2020年は2009年の13.5倍に当たる13,588台が売れています。
SUVのみの販売台数では、
- ベンツ(20,263台)
- フォルクスワーゲン(15,210台)
- ジープ(13,588台)
となり、何と輸入車3位です!
レネゲード、ラングラー、チェロキー、コンパスといったジープSUV群の特徴は、日本やヨーロッパのSUV勢がどちらかというと舗装されたきれいな道路を走ることを前提にしているのに対して、悪路での走破性を備えたかなり本格的な作りの車である点でしょう。
実際のところ、雪国の自動車ユーザーはかっこだけのSUVには見向きもしないで実用性重視でジープを選択している人が大勢いらっしゃいます。
とは言え、今のSUVブームはそんなことにはお構いなしです。
ジープレネゲードにしても、「キャー、かわいい」「なんて愛らしいルックスだろう」というふうに、まさに見た目で購入しているオーナーさんも数多くいるはずですし、またそれでいいのだと思います。
だって、それが<流行>というものだからです。
日本にもジムニーやランクルのように本物の悪路走破性を備えた車がありますが、こうした車にしても、逆に幼稚園の送迎に使用したりそのへんのスーパーにお買い物に出かけたりするところに醍醐味があると言えるのであって、ランクルのオーナーさんが実際に悪路走行していたら、これはちょっと失笑ものではないでしょうか。※異論がおありでしょうがこうした見方をする者が私を含めているのは確かです⇒⇒知り合いのランクルオーナーさんに叱られました。その方は登山が趣味で登山口まで悪路をランクルで登るし、キノコ採りに悪路を普通に走っているとのこと。失礼しました!
さて、そこで本題です。
「ジープ レネゲードは後悔するから買ってはいけない車か?」
これがこのページのテーマです。
以下、検証していきたいと思います。
本国アメリカでの評判はちょっと・・・
アメリカのコンシューマー・レポート(2017年)の「買ってはいけない車(買わないほうがいい車)ベスト10」において、ジープレネゲードは3位です。
参考までに1位~5位は以下の通りです。
- キャデラック エスカレード
- フォード フォーカス
- ジープ レネゲード
- シボレー サバーバン
- クライスラー 200
反対に、ほぼ同時期に公表された「最も信頼できる車ベスト10」における1位~5位は下記の通りです。
- トヨタ プリウス
- レクサス CT200h
- インフィニティ Q70(フーガのこと)
- アウディ Q3
- レクサス GX
「買ってはいけない車」3位のジープ レネゲードですが、アメリカの自動車ユーザーからはけっこう厳しい評価を下されているようで、それだけ故障率が多いということを意味していると思います。
日本での評価は
ジープレネゲードは2015年9月5日に日本での販売が開始され、現在に至っています。
その間、マイナーチェンジ等があって信頼性が上がってきていますが、初期にはブレーキ鳴きの発生とか電装品の不具合等々、お約束のトラブルがけっこうあったようです。
また、ディーラーの対応に対する不満の声もけっこうあります。
とは言え、この記事を書いている2021年9月6日現在の価格コムのレネゲードのレビュー評価は平均4.28(投稿数12人)となっていて、4点を超える評価ですからこれはかなり高い数字と言えます。
ちなみに、前の項目で「最も信頼できる車」に出てきたプリウスは4.11(675人)、レクサス CT200hは4.04(70人)、フーガは4.15(41人)、アウディQ3は4.00(27人)となっています。
投稿数が異なるのであくまで参考にしかならない数値ですが、本当にどうしようもない車の場合は10人前後の投稿でも点数はもっと悪いですから、そういう意味でレネゲードはまずまずというところではないでしょうか。
輸入車の悪口は増幅されやすい
日本のユーザーが輸入車の購入を検討する場合、まず「故障率が高そうだけど大丈夫か」「日本のディーラーみたいにちゃんと対応してくれるのかな」「部品代や工賃が高そうだな」といった事柄がまず頭に浮かぶし、また周囲の友人からもそうした類の言葉をかけられるし、大いに身構えてしまうところがあると思います。
そうした心理的土壌があるところで、思い切って輸入車を購入し、しばらく乗っているうちに何か不具合が発生すると、
「ほら、やっぱり。だから輸入車はダメなんだ。日本車ならこんなことないのに」
という思いに駆られて、その結果としてあちこちに罵詈雑言が拡散されてしまうのです。
私にも身に覚えがあるから、このへんの事情はよくわかっているつもりです。
けれども、実際のところはどうなんでしょう?
ジープレネゲードはアメリカのクライスラー社の車ですが、トヨタ、ホンダ、日産、マツダなどの日本車と比べたら、おそらく事故率は高目だと思います。
また、ディーラーにしても、そもそも数が少なく、その地に店舗を構えてまだ年数が経っていなかったりして、スタッフさんが不慣れなところも確かにあるでしょう。
そして、車検費用や消耗品の部品代や交換工賃等が日本車より1.3倍から1.5倍ほど高めになる点も確かだと思います。
そういうことを総合的に考えると、ジープレネゲードを購入したら、トヨタのヤリスクロスやホンダのヴェゼルを購入した人よりもちょっとだけ大変な思いをすることは大いに考えられます。
けれども、あくまでも「ちょっとだけ」だと私は思っています。
レネゲードに何か不具合があると、つい「買ってはいけない車」だと大声を出したくなるでしょうし、「後悔するからこんな車買うな」などと言いふらす人も出てくるでしょう。
でも、反対にジープレネゲードを購入して大いに満足している人、不具合が出ても「想定の範囲内」と受け止めてやんわり受け流している人が相当数いるのも間違いないところです。
このページのテーマは「ジープ レネゲードは後悔するから買ってはいけない車か?」というものですが、ネットをあっちこっち眺めてみたところ、レネゲードが特筆するほど事故率が多かったりディーラーの対応が悪かったりするエビデンスは存在しませんでした。
つい先日も、「ミニクーパーやめとけ」というネットの声を調べてみましたが、やはりミニが決定的にひどい車である証拠はどこにもなく、むしろ大いに愛されていて、数年にわたって輸入車販売台数1位の座にある理由を再確認できたほどです。
結論
ジープレネゲードは輸入車ですから、輸入車一般に言えること、車検代とか部品代とか整備工賃などが日本車よりやや高めであること等は障壁として存在するのは確かですが、だからと言って「後悔するから買うな」とか「買ってはいけない車」と言われる筋合いの車でないことは確実です。
こんな愛らしい形の車にひどい言葉を浴びせるのはやめて欲しいです。
ご覧いただきありがとうございました。