YZF-R3大解剖：ロングツーリング・遅い・後悔・足つきを検証！

ヤマハ・YZF-R3：YAMAHA

バイクには多様なニーズと要望があります。スピード、パフォーマンス、快適性、足つき性など、どれも重要な要素ですが、一台のバイクで全てを満たすことは難しい。今回の記事では、YamahaのYZF-R3というバイクに焦点を当て、メリットとデメリット、特に「ロングツーリング」「遅い」「後悔」「足つき」について詳しく解説しています。

ユーザーレビューに基づいた分析結果も含め、このバイクがどのような人に適しているのか、あるいは適していないのかを明らかにします。同時に、YZF-R3のライバル車と比較してその特徴を考察することで、より総合的な評価を行います。

さらに、このバイクに興味を持ち、ディーラーを訪れた際に目移りしてしまうかもしれないYamahaの他の車種にも触れます。この記事がYZF-R3を検討している方々の購入判断の一助となれば幸いです。

どんなバイク？

ヤマハ・YZF-R3は、320ccの水冷直列2気筒エンジンを搭載したミドルクラスのスポーツバイクです。コンパクトな車体と軽量な車重により、街乗りからワインディング走行まで、幅広い走行シーンで高いパフォーマンスを発揮します。

320ccの水冷直列2気筒エンジン、最高出力は42ps、最大トルクは30Nmを発揮します。WMTCモード値は25.4km/Lです。

スペック

YZF-R3のスペック（主要諸元）を以下にまとめました。

項目	YZF-R3
車名	YZF-R3
型式	8BL-RH21J/H406E
フレーム形式	ダイヤモンド
全長×全幅×全高	2,090mm／730mm／1,140mm
最低地上高	160mm
シート高	780mm
エンジン種類	水冷・4ストローク・DOHC・4バルブ
総排気量	320cm³
最高出力	31kW（42PS）／10,750r/min
最大トルク	30N・m（3.1kgf・m）／9,000r/min
燃料タンク容量	14L（無鉛レギュラーガソリン指定）
乗車定員	2名
トランスミッション形式	常時噛合式6速／リターン式
車両重量	169kg
燃料消費率（ｋｍ/L）	41.6km/L（60km/h） 25.4km/L（WMTC）

価格

ヤマハ・YZF-R3の価格です。※2023年10月時点

726,000円（税込）

否定的・ネガティブなレビューをご紹介

この記事のテーマは「YZF-R3大解剖：ロングツーリング・遅い・後悔・足つきを検証！」です。

検証するには材料が必要です。

まず、YZF-R3に関する否定的・ネガティブなレビューをご案内します。その後でレビュー内容を分析します。

低速でのバックトルクがやや大きい。
高速道路で風圧が強く感じる。
フロントカウルが小さく、風の影響を受けやすい。
平常時はヘッドライトが1灯しかつかない。
車検が必要な320ccという排気量。
人気が少ないため、将来の買い取り価格が不安。
サイドスタンドが出しにくいと感じる場面もある。

パワーがちょっと物足りない
ブレーキが弱く感じる場面がある
乗り心地が快適すぎてつまらなさを感じる
高速道路で長時間走行すると振動で手にしびれを感じる
価格に対して同クラスのninjaがもっと満足感を提供できる可能性がある
400ccクラスとして排気量をもう少し上げても良い
メーターのデザインは旧R3の方が好み
高回転型のエンジンではないので4気筒エンジンの音やパワーには劣る

320ccは税制上中途半端な排気量。
低回転域でのトルクが細く、不安定。
エンジンブレーキの制御が自然でなく、Uターン時にバランスを崩す可能性。
ブレーキ性能が悪い。
下り坂で特に止まりにくい。
ブレーキパッドの効きが1000km走行後も改善されない。
純正タイヤのグリップ性能が低い。
高速走行時に横風に弱い。
5~6速での振動が多く、手が痺れることも。
高速走行時の防風効果が小さい。

荷物が載せにくい
燃費があまり良くない
トルクが物足りないと感じる時がある
低速運転が苦手
排気量が320ccと半端なサイズで、時々勿体無いと感じる
マフラー形状が改善の余地あり
20～30分の運転で手が痺れる
ジーンズで乗ると股が排熱で熱くなる
高速道路での燃費は30km/L程度

速度が上まで伸びない。
レブに当たるので、ツーリングユースのほうが得意。
タイヤがバイアスで、雨の日にスリップが多い。
積載性能はほぼ皆無。
ハザード機能が標準で付いていない。
高速道路での走行は風を受けやすく辛い。
サイドパニアを付ける等、キャリアの選択肢が限られている。
マルチデジタルメーターになったのは寂しい。
無難すぎる作りゆえに飽きが来る。

タンデムシートの形状が使いにくい
320ccは微妙な排気量
シングルディスクブレーキとタイヤが細い
ABS仕様しかない
スリッパークラッチがない
純正ステップの操作性が悪い
効かないブレーキ
タンデムシート下の収納スペースがほぼない
カウルの造形が低いハンドルに交換できないようになっている
タンク幅が細すぎる
カウルを外さないと作業できない
ピッチングが激しい純正リアサス
高速での横風が怖い
シートが窮屈
ラジエーターの容量が不足
5速以上での加速が鈍い
バンク角が狭い
サイドスタンドとマフラーが地面に当たり易い

ライトが片目点灯で、よく「ライトが切れていますよ？」と言われる。
灯火類がLEDではなく暗い（テールランプを除く）。
社外品が極端に少ない。
車重が約170kgと軽いとは言えない。
配線なりをいじる場合、カウルを外す必要がある。
カウルを外す際には複数のクリップやネジで固定されており、注意が必要。
積載関係がほとんど考慮されていない。

上記の否定的・ネガティブなレビューの分析結果

YZF-R3に関する上記多数のレビューを基に、以下のような特徴や問題点が浮かび上がっています。

性能面の課題: パワーとトルクが物足りないとの意見が多く、低速から高速までのバンドで不満が見られます。ブレーキ性能も評価が低く、特に低速時や下り坂での制動性能に不安がある。
快適性と乗り心地: 乗り心地が快適すぎてつまらない、高速道路での長時間走行で手にしびれを感じるなど、快適性とスリルのバランスに問題があると感じられています。
デザインと装備: メーターデザインやフロントカウルの小ささ、ヘッドライトが1灯しかつかない等、外観や装備にも改善点が指摘されています。
価格と価値: 同クラスの他のバイク（例：Ninja）と比較して満足感が低いという意見がある。
維持費と車検: 320ccという排気量は車検が必要で、それなら400にすればいいという意見が散見される。
耐久性と安全性: タイヤのグリップ性能が低く、高速道路での横風や振動に弱いといった安全性に関わる問題も指摘されています。
個性とカスタム: 社外品が少なく、個性が出しにくい。
積載性と実用性: 積載関係がほとんど考慮されておらず、タンデムシート下の収納スペースがほぼないなど、日常使用における実用性に欠ける。
その他: 燃費があまり良くない、ジーンズで乗ると股が熱くなる、ラジエーターの容量不足など、細かいが多くの点で改善の余地が指摘されている。

以上の点から、YZF-R3は性能、価格、快適性、安全性、個性、実用性において多くの改善点を指摘するレビューが複数見られます。

肯定的・ポジティブなレビューをご紹介

次に、YZF-R3に関する肯定的・ポジティブなレビューをご案内します。その後でレビュー内容を分析します。

低速トルクがあり、町中でも乗りやすい。
4速で3000rpmでも粘りがある。
ギアポジションインジケーターが便利。
サスペンションの硬さがちょうどよい。
乗り心地が良く、長距離でもお尻が痛くならない。
取り回しやすく、重量も170kg程度と扱いやすい。
燃費が良く、約26km/Lで高速道路も快適。
価格がリーズナブルで、中古でも車検付きだった。
デザインが個人的にはカッコいい。
高速道路での追い越しも問題なし。
前傾がきつくなく、長時間の乗車でも疲れにくい。

デザインやカラーリングが大人っぽい
普通に走る分にはエンジン性能は申し分ない
よく曲がるし軽い
取り回しも楽
燃費が良い（街乗りでもリッター30キロは超える）
価格に対しての性能は満足
ハンドリングが抜群
ロングツーリングも十分こなせる
164センチでも足つきが良いので女性ライダーにもオススメ
サスペンションが固すぎず、シートの座り心地も悪くない
車体が軽くて取り回しやすい
下道メインでも燃費が優秀
250ccと同じ車体で70ccの余裕が感じられる※YZF-R25と同じボディ
街乗りでも峠でも高速でも常に余裕の走りができる
価格の安さも購入の決め手の一つ

メーターはアナログとデジタルの組み合わせで好評。
街乗りでは快適なエンジン性能。
高回転域で気持ち良いパワー感。
軽い車体で加速も流れをリードできる。
峠道での走行が楽しい。
取り回しが容易。
足つきも良い。
新車価格がリーズナブルで、完成度も高い。
毎日乗れるスーパーバイクとしてのコンセプトがしっかりしている。
初バイクとしてもおすすめ。

前傾姿勢が強くなく、楽な姿勢で乗れる
5時間乗っても腰は大丈夫
足付きが良く、安心感がある
トルクがあり乗りやすい
デザインが良い
軽さからくる扱いやすさ
コーナリング性能が高い
ニュートラルに入りやすい
納車直後でエンストしなかった
高速道路もストレスなく走れる
186cmの身長でも取り回しに苦労しない
発進時に慎重に半クラすればエンストしにくい
タイヤをラジアルに変えるだけで楽しさが増す
運転姿勢が前傾でも苦にならない
初めて乗った感想は「楽しい」

扱いやすく、ライディング姿勢も快適。
シャープなデザイン。
低中速トルクが優れている。
通勤やツーリングにも適している。
純正のステップポジションでも疲れにくい。
トップケースを付けるキャリアの選択肢はある。
現行は倒立フォークでスポーツバイクらしさが出ている。
市街地もワインディングもお手の物。
320のトルク感には車検費用を払うだけの価値がある。
高速も多少なら快適。
パニアキットを組めば積載問題は解消。

軽量で取り回し易い
高速道路での追越し加速がスムーズ
低速時に力強いトルク
見た目がカッコイイ
車検はあるが価格がリーズナブル
限定車で個性が出る
通勤とツーリング両方で使える
パワーウエイトレシオが良い
R25と多くの共通部品で困らない
情報量の多いメーター

見た目が非常にカッコいい。
車体がキビキビと動く。
足回りの性能が高い。
ブレーキフィーリングがよく、ジワッと効く。
250ccとの70ccの差がはっきりと感じられる。
高速道路での追い越しもスムーズ。
ツーリングで疲れにくい。
足つきが良い。
高回転で相当なスピードが出る。
マフラーの音が良い。
同じR3乗りが少なく、出会うと嬉しい。

上記の肯定的・ポジティブなレビューの分析結果

YZF-R3に関する上記レビュー内容から、以下のような点が明確になります。

乗り心地と快適性: 長距離の乗車でも疲れにくく、座り心地が良い。トルクもあり、低中速での走行が楽しい。
扱いやすさ: 車体重量やサイズが適切で、取り回しが容易。燃費も良く、日常使用に非常に適している。
パフォーマンス: 3000rpmでの粘りや高回転域でのパワー感、優れたハンドリング性能が評価されている。
デザイン: シャープで大人っぽいデザインが好評。アナログとデジタルのメーターも評価されている。
価格と総合性能: 価格がリーズナブルでありながら、性能や完成度が高い。
多機能性: 通勤からツーリング、高速道路の使用まで多用途。
女性ライダー向け: 足つきが良く、車体が軽いため、女性ライダーにも推奨されている。
高速道路性能: 高速での追い越しもスムーズ、そしてストレスなく走れると評価されている。
カスタマイズ可能性: トップケースやパニアキット、ラジアルタイヤなど、カスタマイズの選択肢が多い。
個性: 同じモデルに乗る人が少なく、個性が出ると評価されている。

以上の点から、YZF-R3は多用途で高性能、かつコストパフォーマンスに優れたバイクであるという評価が一定数見られます。

「ロングツーリング」「遅い」「後悔」「足つき」を重点的に分析

この記事のテーマは「YZF-R3大解剖：ロングツーリング・遅い・後悔・足つきを検証！」というものです。

テーマの重点項目である「ロングツーリング」「遅い」「後悔」「足つき」について、ここまで見てきたレビューを基に、検証したいと思います。

項目	内容
ロングツーリング	高速道路での振動により手がしびれる。タンデムシート形状不便。防風効果が低く、燃費も30km/L程度。乗り心地が良く、長距離でもお尻が痛くならない。腰も5時間乗っても大丈夫。パニアキットやトップケースも取り付け可能で積載問題も解消。 ※数の上では、ロングツーリングが得意、というレビューが上回っています。やはり、感じ方は人それぞれですね。
遅い	加速が鈍い、特に5速以上で。バンク角狭く、旋回が制限される。低速トルクがあり、町中でも乗りやすい。4速で3000rpmでも粘りがある。低速時にも力強いトルク性能。 ※一部のピュアなスーパースポーツを期待する人からは不満が出ていますが、大方は高評価です。
後悔	予算オーバーで価格が高い。人気が少なく買い取り価格不安。同クラスのNinjaがより満足感を提供可能。価格がリーズナブルで、燃費も良い。価格に対しての性能が高く、後悔する要素が少ない。 ※買って後悔した、と言うレビューはほぼ皆無です。
足つき	シートが窮屈で足つきが不安定。 164センチでも足つきが良く、186cmの身長でも取り回しに苦労しない。女性ライダーにもオススメ。安心感がある。 ※こればかりは実際にまたがってみるしか判断のしようがないですね。ただ、足つきを問題にするレビューはほぼ見当たりませんでした。

レビューサイトの平均評価点のご案内

YZF-R3が有名なレビューサイトでどう評価されているか、以下ご紹介します。

レビューサイトを参考にする際、「平均評価点」というのはとても重要な指標です。項目別のレビューなどいくら並べ立てても、実はバイク選びにはあまり参考になりません。

バイクのような趣味性の強いモノは、「いろいろ言うべきことはあるだろうが、結局のところ好きなのか嫌いなのか」、そこが最も知りたいところであり、「平均評価点」はこれを知る近道です。

みんカラ：4.73点（5点満点）
価格コム：4.52点（5点満点）
ウェビック：3.85点（5点満点）

※2023年10月9日時点

上記平均評価点の分析結果

各レビューサイトにおけるYZF-R3の平均評価点を見ると、その評価は異なりますが、概して高評価と言えます。具体的には、「みんカラ」が4.73点、「価格コム」が4.52点、「ウェビック」が3.85点と、5点満点の評価制度の中で比較的高いスコアを獲得しています。

まず、「みんカラ」と「価格コム」では4.5点以上と非常に高評価です。これらのサイトは一般的なバイク愛好者や購入を検討している人々が多く利用するプラットフォームです。「みんカラ」はバイクライフを楽しむ人たちが集まるコミュニティサイトで、実際にYZF-R3を所有している人たちのリアルな声が多く聞かれます。

「価格コム」は製品の価格比較を主体としており、多くの人が購入前に参考にするため、信頼性が比較的高いと言えます。

一方で、「ウェビック」は3.85点とやや低めですが、このサイトは専門家や経験豊富なライダーが多く参加しています。そのため、評価が厳しくなる傾向があります。

以上のことを考慮すると、YZF-R3は一般的なバイク愛好者からは非常に高く評価されている一方で、専門家や経験豊富なライダーから見ればまだ改善点もあると言えそうです。

ライバル車とその特徴

YZF-R3のライバル車とその特徴をまとめました。

車名	特徴
Kawasaki Z400	398㏄。726,000円。ミドルクラスの本格的スーパーネイキッドマシン ⇒⇒レビュー記事
Honda GB350	348cc。561,000円。クラシカルテイストのスポーツバイク。 ⇒⇒レビュー記事
KTM 390 デューク	373cc。765,000円。オーストリアのネイキッドスポーツマシン。
Suzuki ジクサー250	249cc。481,800円。軽快なミドルスポーツネイキッド。 ⇒⇒レビュー記事
BMW G310R	312cc。740,000円。プレミアムブランドのミドルスポーツネイキッド。

どんな人におすすめ？

YZF-R3がおすすめの人物像をまとめました。

おすすめの人物	理由
日常使いの人	良い燃費と低中速トルクにより通勤や街乗りに適している。
長距離ライダー	座り心地が良く、疲れにくい。ロングツーリングも問題ない。
初心者ライダー	扱いやすい車体と価格のリーズナブルさが魅力。
女性ライダー	足つきが良く、車体が軽いため扱いやすい。
デザイン重視の人	シャープで大人っぽいデザインが多くの人に好評。
多用途で使いたい人	通勤からツーリング、高速道路の使用まで多用途。
カスタム好きな人	トップケースやパニアキット、ラジアルタイヤなど、カスタマイズの選択肢が多い。
パフォーマンスを求める人	高速での追い越しもスムーズ、高回転域での性能も高い。

YZF-R3に興味があってディーラーを訪れた人が、思わず目移りしてしまうかもしれないYAMAHAの他の車種があるとしたら、それは何？

思わず目移りしてしまうかもしれないYamahaの他の車種をまとめました。

車名	特徴
YZF-R25	249cc。690,800円。ネイキッドスポーツ。YZF-R3と同じボディ。兄弟車でなくほぼコピーモデル。遺伝子が同じ。
MT-25	249cc。632,500円。ネイキッドスポーツ。 ⇒⇒レビュー記事
MT-03	320cc。687,500円。ネイキッドスポーツ。MT-25と同じボディ。兄弟車でなくほぼコピーモデル。遺伝子が同じ。 ⇒⇒レビュー記事
トリシティ300	292cc。957,000円。全輪2輪+後輪1輪の3輪バイク。唯一の弱点は、足の長い人しか乗れない足つきの悪さ。他は超推しの超個性的バイク。 ⇒⇒レビュー記事