【4分記事】車のサーモスタット故障でヒーター(暖房)が効かない場合

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車のサーモスタット故障でヒーター(暖房)が効かない場合

サーモスタットは水冷式エンジンの冷却水を適切に循環させるための重要なパーツです。そして、車のヒーター(暖房)はエンジン冷却水の熱を利用しているので、もしもサーモスタットが故障すると、エンジンに不具合が出ると同時に車内のヒーター(暖房)も効かなくなります。

サーモスタットが故障すると、冷却水の水弁が開きっぱなしになります。エンジン周りを冷却水がフルに循環し続けることになります。

(※)サーモスタットが故障した場合、水弁が開きっぱなしになるケースと閉じたままになるケースがあり、このページでは開きっぱなしのケースについて解説しています。

もちろん、冷却水の役割はエンジンを冷やすことなので、冷却水が循環し続けることが悪いことではありませんが、しかし、常時循環しっぱなしではダメです。状況に応じて弁を開いたり閉じたりするのがサーモスタットの役割ですから、弁が開きっぱなしでは必ずトラブルが起きます。

たとえば、エンジン始動直後は、エンジンがまだ暖まっていないので冷却水は循環してはいけません。通常は冷却水の温度が75度~85度くらいになるまでは弁は閉じたままです。

75度~85度になったら、水弁は徐々に開き始めます。一気に開くのではなくエンジンの熱が上昇するのに合わせて徐々に開いていきます。

やがて90度を超える頃になると水弁は一気に開いて冷却水がフルに循環を始めます。

これが正常なサーモスタットの働きです。

サーモスタットが故障した時の症状

サーモスタットが故障すると、常時水弁が開きっぱなしになるので、エンジン始動直後からフルに冷却水が循環を始めます。すると、エンジンはオーバークール(過冷却)の状態となり、エンストしやすくなったり、マフラーから黒煙を吐き出したりします。

ヒーター(暖房)との関連では、信号待ちなどのアイドリング状態ではある程度暖かい風が吹き出すけれど、走り出すとまた冷たい風が出てくる、といった症状が繰り返されます

これは、アイドリング状態では風によるラジエーターの冷却作用がなくなるので冷却水の熱を暖房に利用できるけれど、走り出すとラジエーターで冷却水が冷やされてしまうので、暖房に使える熱が消えてしまうからです。

エンジンは熱を発する機関なので加熱しないように冷却する必要がありますが、しかし、走り始めやアイドリング時などは、状況に応じて冷却水の循環をストップさせることも必要になり、そのためには水温管理をするサーモスタットが正常でなければなりません。

交換費用

サーモスタットの部品代は2,000円~3,000円と安価です。しかし、新品と交換するには、冷却水を全部ドレンから排出し、交換後に新しい冷却水を入れるというひと手間がかかるので、工賃と細かな部品代(ドレンワッシャー・ドレンコック・パッキン)などが発生します。

ディーラーや修理工場などに交換を依頼した場合の工賃込みの費用総額は10,000円~14,000円が相場です。

ディーラーは高め、修理工場は安めです。

なお、サーモスタットの寿命は、一般的には、10年10万キロと言われています。最近の車はもう少し長寿命になっていますが、使い方にもよります。また、車種によって故障しやすいものもあるようです。

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ご覧いただきありがとうございました。