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目次
ボルボXC40 Recharge Plus Single Motor:評判・補助金・航続距離・充電時間・サイズ・スペック
XC40 Recharge(ボルボ)
どんな車?
ボルボの日本市場における100%BEV車の第2弾。それがXC40 Rechargeです。第1弾はC40 Rechargeでしたが、共に2022年に日本市場に導入したモデルです。
両車の販売台数は2022年通年で約800台とのこと。XC40 Rechargeは年末の導入でしたから、ほとんどがC40の数字になると思います。
XC40 RechargeはコンパクトSUVと呼ばれるカテゴリーに入る車です。一方で、C40 Rechargeは大きさも中身もほぼ同じですが、スタイルはクーペSUV風です。
XC40 Rechargeは、2022年7月7日よりオンラインで販売開始されました。ボルボは全世界で電気自動車の販売をオンラインで行っています。
XC40 Rechargeは2グレード構成です。前輪にモーターを1基搭載して前輪を駆動させて走るXC40 Recharge Plus Single Motor。そして、前後にモーターを1基ずつ搭載し全輪を駆動するXC40 Recharge Ultimate Twin Motorの2つです。
日本におけるEV戦略
ボルボは、日本市場において、2025年までに販売モデルの40%をBEVにする目標を掲げています。
2022年通年の実績では、電動化率は約18%です。この数字はBEVだけでなくHEVやPHEVも含めた数値のようです。
ですが、2025年に40%という目標は、BEVだけの数字だと思います。
販売台数(日本)
ボルボの2022年のBEVの販売台数は約800台。ただし、これはほとんどがC40 Rechargeの数字で、発売間もないXC40 Rechargeの数はあまり含まれていないと思います。また、マイルドハイブリッド車やプラグインハイブリッド車の数も含まない数字です。(日刊現代デジタル)
販売台数(世界)
不明です。ごめんなさい。
ライバル車たち
ボルボ・XC40 Rechargeの立ち位置は、BEV市場における最激戦区と言える場所です。
アマゾン通販のレコメンド風に言えば、「ボルボ・XC40 Rechargeに興味がある人は、下記の車にも興味があります。」ということになるでしょう。
ただし、ボルボ・XC40 Rechargeに興味がある人が主に意識するのは、メルセデスベンツ・EQB、BMW・iX3、アウディ・Q4 e-tron、テスラ・モデルY、といったところになると思います。他の車は、それなりに、そこそこの興味を持つ程度、といった感じでしょう。
- ボルボ・XC40 Recharge:639万~739万
- メルセデスベンツ・EQB:788万~906万
- BMW・iX3:862万
- アウディ・Q4 e-tron:620万~710万
- テスラ・モデルY:579万~750万
- フォルクスワーゲン・ID.4:499万~648万
- BYD・ATTO3:440万
- 日産・アリア:539万~790万
- ヒョンデ・アイオニック5:479万~589万
- ホンダ・ホンダe:495万
- トヨタ・bZ4X:600万~650万
- スバル・ソルテラ:594万~682万
XC40 Rechargeがそうであるように、上記の多くの車は2022年中に日本市場に参入したモデルです。日本のEV車市場はたった1年であっという間に様相が一変したということになります。
スペック・諸元
ボルボ・XC40 Rechargeは2グレード構成です。
XC40 Recharge Plus Single Motor:639万
XC40 Recharge Ultimate Twin Motor:739万
※Rechargeは「リチャージ」、Ultimateは「アルティメット」と読むようです。XC40の40は「フォーティ」か「よんじゅう」のいずれかだと思います。←当たり前だ
主なスペック・諸元は以下の通りです。
XC40 Recharge Plus Single Motor | XC40 Recharge Ultimate Twin Motor | |
サイズ(mm) | 全長4440×全幅1875×全高1650 | 全長4440×全幅1875×全高1650 |
車両重量 | 2000kg | 2150kg |
ホイールベース | 2700mm | 2700mm |
最小回転半径 | 5.7m | 5.7m |
最低地上高 | 180mm | 180mm |
タイヤサイズ | 前:235/50R19 後:255/45R19 | 前:235/45R20 後:255/40R20 |
最高出力 (kW[PS]) | 170(231) | 前:150(204)、後:150(204) |
最大トルク (Nm[kgm]) | 330(33.6) | 前:330(33.6)、後:330(33.6) |
総電力量 | 69kW | 78kWh |
一充電航続距離(WLTCモード) | 502Km | 484km |
駆動方式 | FWD(前輪駆動) | AWD(全輪駆動) |
(主要諸元:ボルボ)
※(XC40 Recharge Ultimate Twin Motor)0-100km/h加速4.9秒 ※ポルシェ718ボクスターSは4.6秒
※2023年1月に、ボルボは欧州でXC40 RechargeのRWD(後輪駆動)仕様を発売すると発表しています。(レスポンス)
オンライン販売について
ボルボは全世界で、電気自動車の販売をオンラインで行っています。自動車の購入の複雑さを根本から減らすための施策のようです。
その一方で、電気自動車に関わるさまざまな質問や要望に365日年中無休で応じるコールセンター「カスタマー・リレーションセンター」を開設しています。
また、全国のショールームに電気自動車のエキスパートを配置して、オンラインでもオフラインでもより質の高いサービスを提供できる体制を整えているとのこと。
電気自動車のオンライン販売は、テスラ、ヒュンダイ(ヒョンデ)などもすでに実施しています。
充電時間
- 普通充電は9.6kWまで対応(AC200Vの場合)
- 急速充電はCHAdeMO規格で150kWまで対応
(例)200V/6kWでTwin Motorの78kWバッテリーにフル充電するには、10%から100%までが約12時間
バッテリー保証
ボルボでは、駆動用リチウムイオンバッテリーについては、8年16万キロの保証が適用されます。
なお、ボルボの新車一般保証は国内販売車種すべて5年間走行距離無制限です。
補助金
試算例:C40 Recharge Ultimate Twin Motor(2023年モデルの場合)※XC40 Rechargeも同額です。
- CEV補助金:650,000円
- 環境性能割:186,300円
- 自動車重量税減税額(エコカー減税):61,500円
- 自動車税減税額(グリーン化特例):18,500円
上記減税等による優遇額の合計:916,300円
(ボルボ)
※上記以外に自治体による補助金を受けられる場合があります。たとえば、東京都在住の個人の場合、45万~75万円の補助金が受けられます。年度により制度が変わることがあるので、その都度各自治体で確認してください。
※CEV補助金の対象になるか、金額はいくらか、これらは下記サイトで最新の情報を確認してください。
⇒⇒CEV補助金対象 最新車両(EV)(一般社団法人 次世代自動車振興センター)
XC40 Rechargeの様々な特徴
【ワンペダルドライブ・回生ブレーキ】
XC40 Rechargeはワンペダルドライブが可能。ペダルを踏むと加速し、離すと改正ブレーキがかかって減速し、なおかつ、充電し、最終的に停止まで制御可能。
【チルトアップ機構付き電動パノラマ・ガラス・サンルーフ】
XC40 Rechargeはチルトアップ機構付電動パノラマ・ガラスルーフを標準装備しています。広大なガラス面積を持ち、すべての座席に広々とした開放的な雰囲気を提供するとのこと。
【Google搭載とはどういう意味?】
XC40 RechargeにはインフォテイメントシステムにGoogleが搭載されます。これにより、下記のような機能を利用できます。
- Googleマップによるナビゲーション
- Googleアシスタントによる音声操作
- Googleアプリ&サービスのハンズフリー機能が利用できる
たとえば、ナビで目的地を設定すると、目的地までの道の周辺に充電スポットが表示されます。また、到着時の予想バッテリー残量が表示されます。使用者のコメントでは、この残量は非常に正確のようです。
ナビの目的地設定も、名称とか住所などを普通に発声すれば、正確に認識するようです。
ナビに目的地設定をすることになるのだが、ここも基本的にAndroidのスマートフォン利用者なら慣れているGoogle検索を使う。そう、目的地の名称、住所などを発声すれば、かなりの正確度で認識。
また、眠気を覚ますために「明るく楽しい音楽が聴きたい」と言えば、その種の音楽を嫌というほど聞かせてくれるそうです。
安全装備・快適装備
XC40 Rechargeには下記のような安全装備・快適装備があります。
- 「対向車対応機能」
- 「歩行者・サイクリスト検知機能」
- 「City Safety(衝突回避・被害軽減ブレーキ・システム)」:「インターセクション・サポート(右折時対向車検知機能)」など
- 「全車速追従機能付ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)」
- 「パイロット・アシスト(車線維持支援機能)」
- 「ステアリングアシスト付BLIS(ブラインドスポット・インフォメーション・システム)」
- 「衝突回避・被害軽減ブレーキ機能付CTA(クロス・トラフィック・アラート)」
- 「ランオフロード・ミティゲーション(道路逸脱回避機能)」
- 「オンカミング・レーン・ミティゲーション(対向車線衝突回避支援機能)」
- 「先行車発進告知機能」
- 「リア衝突回避・被害軽減ブレーキ・システム」など
【Ultimate Twin Motorのメーカーオプション】
AWDのTwin Motorのオプションとして、ピクセルLEDヘッドライト(フル・アクティブ・ハイビーム付)が設定されています。
「ヘッドライトに内蔵された84個のピクセルLEDを制御し、同時に最大5台の車両に対して遮光が可能で、他のドライバーを眩惑させることなく、照射パターンを最適化させて夜間視界を確保し、より安全な運転に寄与する」
とのこと。
評価・レビュー
ボルボは本当に情報の少ないメーカーですね。他社のクルマなら、たとえ発売直後であっても、何かどうか情報が集まるのですが、ボルボ車の情報はほとんど見当たりません。
そこで、少ないながらもいろんなところからかき集めたXC40 Rechargeに関する評価・レビューをご紹介します。自動車メディアの皆さんに感謝します。
(走行性能)
- (Twin Motorは)AWDのおかげで大トルクでもしっかりとグリップをし、加速時に車両はどんどん前に押し出され修正舵の必要もなく安楽にワープしていく。
(乗り心地)
- 荒れた路面では20インチのスポーツタイヤが発するロードノイズが目立つ。(Twin Motor)
- 高速道路など、良路になると、まるで滑走するようにスムーズかつ、硬めながら低重心によるフラットな乗り心地に徹してくれる。(Twin Motor)
- XC40ツインモーターの場合乗り心地がハイパワー車然としていてやる気の時には信頼感がとてもあるが、通常の街中ではいささかハードな面が伺える。
(操縦性)
- Aピラーがそれほど太くないこともあって、視界はとても広く感じます。
(その他)
- フロントフードを開けると、そこは荷物スペースがあります。収納スペースが多いのは便利です。
- センターコンソールには、取り外しできるゴミ箱が収納されています。こういうちょっとした小物は嬉しいです。
- グローブボックスにフックが付いているのも、気が利いている。
まとめ
「ボルボXC40 Recharge Plus Single Motor:評判・補助金・航続距離・充電時間・サイズ・スペック」のテーマで解説してきました。
ドイツのプレミアムブランド3社と並んで、ボルボのEV車も、購入して不満が出ることは有り得ないほどの、盤石の完成度を誇る車に仕上がっているようです。
あとは、やはり航続距離、充電環境といったことが問題になるのだと思います。
2023年1月現在、日本国内には短時間で充電可能な100キロワットを超える急速充電器はわずか15か所のみだそうです。政府の規制では現在でも200キロワットまでは比較的簡単に設置できるはずなのですが、それでもまだ15か所とのこと。
そこへ、規制緩和の動きが出てきたようです。つまり、200kW超の急速充電器を50~200kWの充電器と同じ扱いとする、というものです。今までは200kW超は「変電設備」と見なされ、屋内の区画が必要であったり、担当者以外の立ち入りが認められないなど、設置が困難でした。
そうした規制が外され、50~200kWの設備と同等の扱いになるようです。もちろん、現在でもすでに200kWまでOKだったのに、実際は15カ所までしかなかったのですが、何事も「きっかけ」というものがあります。この規制緩和が実現すれば、200kWを通り超えて、大型EVやEVバス、EVトラックへの急速充電可能な設備が急増する可能性があると思います。
(2023年1月6日:財経新聞)
(2023年02月02日:ITmedia(産経新聞))
というわけで、EV車への充電がよりスピーディーになることを祈るのですが、でも、実現したとしても、それは「数年後」でしょう。
今現在の話に戻れば、依然として長距離移動に不安が伴うことに変わりありません。
こうしたことを考えると、もはやEV車を購入しようという人は、日産サクラや三菱ekクロスEVを購入した人たちと同じ「切り捨て」が必要なのだと思います。
「どうせ今のEVで長距離移動なんてムリだ。できても面倒くさい」
「ならば、お買い物専用でいいじゃないか。子供の送迎車で何が悪い」
「そうだ、どうせ今まで乗ってた車だってご町内車だったんだから」
サクラやekクロスの契約書にサインした皆さんの多くは、上記のような割り切り・切り捨てをしたに違いないと思います。
そうであるなら、ボルボXC40 Rechargeの購入を迷っている方だって、同じ割り切りと切り捨てをすればいいのではないでしょうか。
長距離乗る人は、マイルドハイブリッドかプラグインハイブリッドにすればいいと思います。ご近所車で十分な人はBEVのXC40 Rechargeをどうぞ。
補助金とその後の維持費を考慮すると、見かけの価格差も実は実質的にほぼ横並びになるはず。
とにかくカッコいい大人の車に乗りたい人、周囲から羨望の視線を浴びたい人、でもドイツ勢はなんとなく嫌な人、振り返るとたいして距離を乗らなかった人、そして数百万のお買い物でもマウスをポチっとできる人はボルボXC40 Rechargeを買うべきです。
ご覧いただきありがとうございました。
【2023年6月16日追記】ボルボ最小BEV『EX30』は500万円前半?年末に日本市場へデリバリー
モデル名 | EX30 |
メーカー | ボルボ |
モデルの位置付け | ボルボのエントリーモデル(最小のSUV)であり、全新車ラインアップの100%をBEV(バッテリー式EV)にするというボルボの2030年の目標の一部 |
価格(予想) | およそ36,000ユーロ(約540万円)で、日本ではボルボのコンパクトSUV『XC40』の529万円と同等かそれ以下と予想 |
バッテリー | 69kWhのバッテリーを搭載 |
航続距離 | 1回の充電で最大480km |
サイズ | 全長4233mm、全幅1837mm、全高1549mm(アウディ『Q2』やトヨタ『ヤリスクロス』と近いサイズ) |
デザイン | フラッグシップの『EX90』とデザイン上の共通点が多く、フロントマスクは『C40リチャージ』からの流れを汲み、ヘッドライトは“トールハンマー”LEDが採用され、新たなボルボフェイスを作り上げている。また、リヤセクションのLEDのラインが分断され、ウインドウ部分にI字、その下にVOLVOのロゴを囲むようにC字のLEDが配置されている |
インテリア | ウールがブレンドされたシート表皮を採用し、再生プラスチックをダッシュボードなどに取り入れるなど、カーボンニュートラルへの取り組みとデザインを両立。また、リサイクルデニム、亜麻仁由来の再生可能な繊維の亜麻、再生プラスチックを含む3D編みニットと、合計4種類のインテリアを選ぶことが可能 |
デリバリー開始(予定) | 2023年末 |