マニュアル車がうざいというよりMT乗りがうざいんです。

マニュアル車・うざい




マニュアル車がうざいというよりMT乗りがうざいんです。

いま「乗用タイプ」として新車販売されている車のうち98%~99%が2ペダル方式のAT車です。※ATにはトルコン式AT、CVT、DCT等を含む

3ペダル方式のマニュアル車はわずか1%~2%のシェアしかないのが実情です。

もちろん、公道を走っている車のすべてが新車ではありません。新車から10年とか20年経過した車も走っていますし、軽トラや長距離トラックなど「働く車」も走っていて、これらの中にはまだまだ3ペダルのMT車もかなりの割合であります。※軽トラの7割はMT車

では、免許証はどうなっているのでしょう?

2019年の普通免許取得者の数字になりますが、「AT限定」で免許を取得した人の割合は全体の約68.2%です(1,094,648人 / 1,605,386人)。

おそらく、限定のない普通免許を取得した3割強の方々は、マニュアル車しかない職場に就職する時のことを考慮している人もいるでしょうし、あるいは、マニュアルのスポーツカーに乗りたいという人もいるでしょう。

いずれにしても、全ての車が電動化に向かう今後の自動車を取り巻く環境を考えると、2ペダルのAT車こそがデフォルトであって、3ペダルのMT車は「例外的な車」あるいは「特殊車両」という位置づけになるのは目に見えています。

というか、すでに現状がそういう状態になっているとみるべきでしょう。

そこで、このページのテーマです。

「マニュアル車はうざい」あるいは「MT乗りはうざい」です。

これまで5台のマニュアル車を所有した車歴を持つ私としてはとてもつらいテーマで、憂鬱な思いでネットの情報を収集してみたのですが、その結果、次のようなことがわかりました。

  • 世の中にはマニュアル車あるいはマニュアル車を運転する者に対してマイナスの感情を持つ人が一定数存在する
  • さらに深堀りすると、そうしたマイナスの感情を持つ人は、マニュアル車そのものを嫌っているというよりも、マニュアル車を特別なものとして語りたがるマニュアル車乗りの存在そのものに対して「うざい」という感情を持っている

つまり、です。

マニュアル車あるいはマニュアル車乗りに対してうざいと感じている皆さんは、まさにこの私のような人間をうざいと思っていらっしゃるのです!!

これは凹みます。

悲しいです。

でも、身に覚えがあります。

自分としてはただ単にマニュアル車の魅力を語っただけなのですが、今振り返って、あの時私の話を聞いていた人は心の中で「ああ、やだやだ。この人うざい」と思っていたのではないか、とそう思えるシーンがいくつか頭に浮かぶのです。

本当に気を付けなければいけないと思います。

ワインについて語りだすと止まらない人がいますが(本当にたくさんいます)、ご本人は知っていることをただ話しているだけなのでしょうが、あれほど人の話を聞くことが苦行だと感じる瞬間はありません。

「黙って飲めばいいのに」

と言いたくなります。

でも、これと同じことを私もAT乗りの皆さんにやらかしていたことはまず間違いないと思います。

「AT限定」という呼び方がマズい

そもそも「AT限定」という言い方がよくないと思います。

これでは、「AT限定」で免許を取得した人は、

本来なら限定のない免許こそ正式で正常な免許証なのだけれど、諸事情により範囲を狭めた免許を特例的に与えてもらっている

といったニュアンスを感じてしまう恐れがあると思います。

20世紀はともかく、21世紀の自動車はほとんどが2ペダル方式のAT車であり、今後はさらにほとんどすべての車がAT車になることは確実なのですから、べつに「限定」とか「特例」で免許を与えてもらう筋合いはないはずです。

ごく普通に、車に乗りたい、そこで免許を取得する、というただそれだけのことです。

ごく単純に「運転免許証」で済む話です。

マニュアル車あるいはマニュアル車乗りをうざいと言いたくなる心理的要因は、ここに最初の芽が生まれてしまっていると思います。

ただし、「MTはATを含む」という関係は確かにある

その一方で、「AT限定」のない免許証を取得した人は、AT車も乗れる(操作できる)けれどMT車も乗れる(操作できる)という事実は動かしようがなく、ここにいくばくかの優越感を抱いている可能性はちょっと捨てきれないところがるのではないかと推測します。※何という持って回った言い方でしょう

つまり、「AT限定」のない免許を持つ人は、技術的に上手い下手は別にして、「資格」としてAT車もMT車もどちらも運転可能となりますから、正直なところ、私自身の胸の内を反芻はんすうしても言えることですが、「AT限定」の人をちょっと上から目線で見下ろす心理がないというとウソになる可能性がやはり存在すると言うべきかもしれないという思いがあります。※同じく何という持って回った言い方か

つまり、です。

「AT限定」の免許を取得している人は、2つの要因でMT車あるいはMT乗りを「うざい」と感じざるを得ない心理的因子を抱えていると言えそうです。

  1. 「AT限定」という呼び名の免許を持たされていること
  2. 「AT限定」の免許を持つ人は、MT車に乗りたいとも思わないし、今後も乗るつもりはないのでしょうが、そこに「AT限定」のない免許取得者が現れると、乗る必要性のあるなしの以前に、そもそも「資格」としてMT車には乗れないという立場を意識させられことになる

以上の2点により、「マニュアル車はうざい」あるいは「MT乗りはうざい」という感情が発生しやすくなる、という結果になるのではないでしょうか。

免許以外の要因で「うざい」と感じるケース

ここまでは、「マニュアル車はうざい」あるいは「MT乗りはうざい」と感じる人の背景に「AT限定」免許の存在があるのではないか、という前提でお話ししてきました。

けれども、「うざい」と感じる人の中には「AT限定」ではない免許を持つ人も当然いらっしゃいます。

免許に関してはべつに引け目のようなものは一切感じていないけれど、ただ単にマニュアル車に関して蘊蓄うんちくをひけらかすやからに反発心を抱く方が一定数いらっしゃるのは確かだと思います。

たとえば、私がいつものように次のような話をしたとします。

「マニュアル車って走りにいろんな表情を付けられるところがいいんです。信号待ちからのスタートで、2速発進して、一段飛ばして4速に入れ、そのまま市街地をだらだら走る、といったズボラなやり方もできるし、きっちりと1速から2速、3速、4速、5速と小刻みに刻んでいく走り方もできます。その日の気分次第でいろんな走り方ができて楽しいですね。」

あるいは、

「AT車だとエンジンをレッドゾーン手前まで回してから次のギヤにシフトするケースは本当に稀なケースだけれど、MT車ならそれが自由に操れるんです。エンジンをぶん回したくなる時があって、そういう時はほんとうにMT車で良かったなと思いますね。」

すると、「AT限定」でない免許を持っているけれどAT車にしか乗らない人がこれを聞いたら、ほぼ間違いなく次のような反応を示すでしょう。

はあ?この人何言ってるの?いろんな走り方ができるって、それはシラフか二日酔いかの違いみたいなものでしょ?何の話してるの?それにエンジンをぶん回したくなるのはあなたが病気だからです。ストレスが溜まっているんです。病院に行ってください。はた迷惑ですから。

面と向かってこういうことを言われたことはありませんが、過去のシーンを振り返ると、きっと私の話を聞いていた人は心の中で上記のようなことを考えていたに違いないのです。

私としてはマニュアル車ならではの楽しさを率直に語っただけのつもりですが、受け取る方は、「やっぱり車はマニュアルでないとね。車の本当の楽しさはAT車では味わえないんだよ。」という言外のメッセージを感じ取るのかもしれません。

事実、心の底では私も、マニュアルミッションこそ車の魅力を最大限に引き出せる、と思い込んでいるフシがあります。だから、それが相手に伝わってしまうのですね。

「この人うざい」と思われても仕方がないのです。

そんな私も「うざい」と感じるMT乗りがいる

2020年11月にホンダの軽自動車N-ONEがフルモデルチェンジしました。

2代目となる新型がデビューしたのです。

見た目は初代とほとんど変わりませんが中身は正真正銘フルモデルチェンジです!

今度のN-ONEにはRSグレードに6速MTが用意されることになり、例によってMT乗りの間で蜂の巣をつついたような騒ぎが起こっています。

私もその渦中の一人です。

欲しいな、と思っています(お金があれば)。

この記事を書いているのは2021年10月31日で、新型N-ONEのデビューからそろそろ丸1年が経過する時期ですが、youtubeにも個人ブログにも価格コムにもみんカラにも様々なレビューや感想が集まりつつあります。

このところはそうした動画や記事を連日チェックしまくっているのですが、私から見てどうにも鼻に付く「うざい」感想やコメントを発する一群のMT乗りがいるのですね。

たとえば、こんな感じのコメントです。※あくまでもN-ONE RS 6MTに関するコメントです

  • この足はもっと固めたほうがいい。コーナーでロールが出過ぎると思う
  • シートが何とかならないか。もっとホールドが良くて固いやつじゃないと不安定だ
  • 車高調を入れて、スポーツタイヤに換えて、シートを取り換えて、マフラーをmugenとかに交換すればいい車なんだけどな

こうしたコメントの何が「うざい」かと言うと、この方々の頭の中にあるのは完全にジムカーナとかサーキットを走るN-ONEの姿であるからです。

公道ではないのです。

しかも、新型N-ONE RS には同じエンジンを積むCVTバージョンもあって、性能的にはほとんど同等なのですが、このCVTのN-ONEに対しては上記のような要求が一切ないのです。

上記のような要求をホンダに突きつけるのは、要するに、マニュアルミッションの車であるからです。マニュアル車となると、いきなり、こうでなければならない、こうでなければ認めない、といった上から目線の特権意識が頭をもたげるわけです。

車を購入した人がその車をどう改造しようがそれはその人の自由ですが、市販車のレビューをするならまず公道を走る車としてのレビューがベースとしてあって、その上で自分好みの話を付け加えるのならともかく、一足飛びにサーキット走行を前提にした話をはじめ、しかもメーカーにそれ相応の装備を標準で付けるように要求するのです。もはや「うざい」としか言いようがありません。※しかもこういう要求をする人はただ言うだけで実際にそうした装備が備わっても買いはしないのです。言うだけです。本当にそういう装備が欲しい人は黙って購入し黙って装着し黙って走りを楽しむのです。世の中そういうものです。結局のところ「MT車に関しては自分も一家言あるからね」というところを世間に示したいだけなのでしょう

いずれにしても、この方々にとっては、すべてのMT車はサーキットカーか峠スペシャルといった車でなければならないという、おっそろしく凝り固まった固定観念があることは確実です。

とんでもない話です。

私は5台のマニュアル車に乗ってきましたが、直近ではルノー トゥインゴGT 5MT、その前がルノー カングー 5MTでした。

この2台には何の改造もせず、ごく普通に仕事や買い物やレジャーに使用していました。

それでもマニュアル車の楽しさはたっぷり味わうことが出来ましたし、何の不満も不足もありませんでした。

マニュアル車に偏執的な固定観念を抱いている一群の皆さんに私は次のように問いたい。

  • なぜMT車となると足を固めなければならないのでしょう?

  • なぜMT車だからといってシートをあの密着してうっとうしいバケットシートにしなければならないのでしょう?

  • なぜMT車だと車高を下げて突き上げのきついスポーツタイヤに交換しなければならないのでしょう?

  • 普通のMT車はこの世に存在してはいけないのですか?

せっかくホンダがMTを駆使して車を走らせたい人のために軽自動車として現時点で最高レベルの品質感を持つN-ONE RS 6MTを販路にのせてくれたのに、MT車となればオレたちの理想とするMT車でなければ認めないぞ、とばかりに無粋な発言でネットを荒らしまくるこうした皆さんを私は本当に「うざい」と思います。

自腹を切ってN-ONE RS 6MTを購入し、それを自分好みに改造するのは大いにけっこうです。

しかし、公道を走る市販車に対して、その車がマニュアルミッションの車だからという理由でサーキット御用達の重装備をメーカーに要求するなんて、何か大きな勘違いをしているのではないでしょうか。まるでMT車はすべてタイプRでなければならないと言わんばかりです。※プロのモータージャーナリストの何人かにこの種の人がいますがカンベンして欲しいです。私はプロの意見には一定のリスペクトをもって接していますが、MT車となるとなぜ肩に力が入るのか不思議です。普通のMT車では楽しめない人たちなのでしょうか?

なお、誤解のないように付け加えると、サーキット指向そのものが「うざい」と言っているのではありません。MT車となると、公道を走る市販車に対してもお構いなしに、ひたすらサーキットカー並みの装備をメーカーに要求する節操のなさを「うざい」と言っているのです。

少なくとも、私がホンダN-ONE RS 6MTに興味があるのは、現状のN-ONEがこの方々がホンダに要求しているような車ではないから、だから魅力を感じているのです。

ワゴンRとか旧型プロボックスとかGRじゃないヤリスとかカローラスポーツとかフィアット500Sとかマツダ2とかロードスターとかNV350キャラバンとかスイフトとかジムニーとか田舎の農道を走る軽トラとかN-VANとか、世の中にはまだまだ公道を走る普通のマニュアル車が少なからず存在していて、今日も元気にエンジンをうならせています。

MT車を狭い視野で語るのは悲しいことだと思います。

私は公道を走る普通のマニュアル車が大好きです。

ご覧いただきありがとうございました。




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元保険代理店代表です。ほぼ毎日新しい記事を追加しています。何かお役に立つ記事があったら、次のお役立ちのためにお気に入りに登録していただけるとうれしいです。励みになります!