【記事丸わかり】
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「中古車」か「廃車」かで扱いが変わる
車を買い替える場合、今まで乗っていた車はディーラーの下取りに出すか車買取店などに買取してもらうか、いずれかのケースが多いと思います。
その際、まだ十分に乗れる車という評価から「中古車」として買い取ってもらう場合は、自動車税の払い戻しはありません。
なぜなら、「中古車」としてその後流通する場合、所有者の名義変更・ナンバープレートの変更等が行われるだけで、その車は依然として公道を走るわけですから、課税対象であり続けるのです(課税する側の視点から見ると)。
いっぽうで、もう乗れない車という評価から「廃車」となる場合、当然車は解体処分され2度と乗れない状態になります(永久抹消)。
こうなると、課税する側の視点で見れば、すでに自動車税は全額を徴収しているのに、その車はもう公道を走ることは2度とないわけです。
これはまずい。廃車した月の分までは受け取るとしても、翌月から最終月(3月)までの分は払い戻しをしてやらないと、余分に徴収したことになってしまうぞ。
ということから、廃車の場合は自動車税が払い戻されるのです。
それでも「二重課税」になるのでは?
たぶん、多くの方は上の説明では納得されないのではないでしょうか?
「中古車」として引き取られる場合は自動車税が戻らないというのは、課税当局の側の言い分です。
1年分の自動車税をすでに全額前払いしている側にとっては、その車を手放した後も翌3月までの自動車税を負担している上に、乗り替える車の自動車税も翌3月までの分を支払うことになるのです。
まさに「二重課税」だと言いたくなりますよね。
(※)新車・中古車の場合、納車が年度の途中である場合は、翌3月までの自動車税を、残りの月数分だけ支払います。ディーラーなどの明細を見れば「自動車税」という項目があるはずです。
(※)なお軽自動車の場合は年度途中からの支払いはなく(免除)、翌4月1日から1年分の支払いをすることになります。
結局、法的な制度として「中古車」の場合は自動車税の払い戻しがないのだとしても、実質的な払い戻しをディーラーなり中古車店がしてくれればいいわけですし、車を手放す側には払い戻しを受ける「権利」があります。
いずれにしても、たとえば「自動車税相当額」という名目で車の買い取り価格とは別枠で戻してくれないのでしょうか?
ディーラーさんはブラックボックスが大好き
(ここからはテーマをより明瞭にするために、「ディーラーで新車を買い、古い車を下取りに出す」というケースに絞って話を進めます)
取引の現場では、「自動車税相当額」という名目で古い車の自動車税(下取り後の期間分)を払い戻してくれるディーラーも存在します。
こういう対応をするディーラーは、その他の面でも明朗会計であることが多いです。
あるいは、「残りの期間の自動車税はどういう扱いになるのですか?」とストレートに訊くと、
「ああ、それはですね、見積もり手数料との相殺ということになっています」
と答えるディーラーさんもありますし、また、
「大丈夫ですよ。下取り価格にちゃんと含めて金額をお出ししていますから」
と答えるディーラーさんもあります。
さらには、これこそがディーラーさんの十八番なのですが、
「ご心配要りません。新車の値引き額で調整しておきますから」
という答えが返ってきます!
もう何がなんだかわからないごった煮の世界となるのです。
明朗会計が一番
みなさんの中には、反論といいますか、次のようにお考えになる方もいらっしゃるかもしれません。
「明細書に明記するかどうかはともかく、ディーラーはちゃんと評価項目に入れているはず。自動車税の残り分とか車検の残りがある場合、それらがない車より高い金額で買取しているはず。その証拠に、そういう車が中古車として店頭に並ぶときには、車検切れの車などより高めの価格設定になっている」
こうしたご意見は確かに一理あると思います。
ディーラーさんも口コミによる噂や評価には敏感ですから、あまりにも顧客に不利になる取引を続けていれば、いずれその悪評は営業成績に跳ね返ることをご存知です。
ですから、あれを誤魔化し、これもアイマイにして、不透明な取引で利潤を得ているのがディーラーだなどとここで言いたいのではありません。
そうではなくて、ここで指摘しておきたいのは、不透明な部分が多い商取引は、必然的に、弱い立場(顧客)に不利に働くのが世の常である、このことを言いたいのです。
ディーラーさんには、「自動車税相当額」や「自動車リサイクル料」などは、他の明細項目の中に含めてしまうのではなく、別立てで金額を出していただきたいと思います。
「それはかまわないけど、でもその場合は、たとえば下取り額などがその分低くなるだけで、トータルの金額は何も変わらないけどね」
とおっしゃるディーラー関係者の方のご意見もあるかもしれません。
けれどもそれでいいのだとわたしは思います。
「『それ』は『これ』に含めて金額出してるから」
というやり方は顧客の側にとってはブラックボックスであり、ディーラーさんの側からすると、最初は操作するつもりは一切なかったとしても、顧客の反応次第で、自らに有利に事を運ぶ温床になるのだと思います。
車のことに詳しそうな客にはちゃんとした金額を出し、詳しくなさそうな客の場合はちょっと誤魔化しておく、商取引にブラックボックスの部分が多いと、そういう方向に担当者を誘導する装置になってしまうと思うのです。
世の中には優良なディーラーさんはたくさんあって、ここで指摘しているのはごく一部のディーラーさんに過ぎませんが、聞き届けていただけるとうれしいですし、みなさんも同じ思いでいらっしゃるのでは。
廃車買取は安心サービスの車買取カーネクスト |
(1)ディーラー・中古車店で車を買い、古い車をそのお店で下取りしてもらう
(2)ディーラー・中古車店で車を買い、古い車を車買取店に売却する
それで、(1)の方法で買い替える場合ですが、自動車税の払い戻しに関しては、けっこう多くの人が説明を受けているようです。もちろん「中古車」として下取りしてもらうケースですけど。
以前はアイマイな対応が多かったと思うのですが、少しずつ改善されているんですね。
そのいっぽうで、(2)の買取店に売却する場合は、自動車税の払い戻しに関して、ハッキリ説明してくれないお店のほうが多いようです。
結局、自動車税の払い戻しについてお客さんに説明するのって、お店にとって面倒なんです。
そしてあいまいにしておいたほうがお店にとって都合がいいんです。
でも、そういうことになると、それはお店の人が自分で自分の首を絞めることになると思います。
その理屈で行くと、ディーラーの下取りも中古車店の下取りも車買取店の買い取りも、どれも客と店の1対1の交渉だから、これはもうすべてダメ。
車一括査定サイトの利用がベストだ、という結論になると思います。
わかりやすく丁寧に説明すれば、お客さんは「こんなことまでちゃんと対応してくれるお店なんだ」と感激して、信頼感を抱いてくれるはずなんです。
いったいどっちの味方かわからなくなる話ですけど、実際のところ、自動車税の払い戻しのようなちょっとマイナーな話を、誠実に丁寧に説明されると、お客さんってうれしいものなんです。うれしいからその担当者に気を許すんです。気を許すからあまりシビアな価格交渉をしなくなるんです。
わたしたちはあくまでも車を乗り換える人の立場でお話しています。
カーライフを送る一般のユーザーの味方でなければならないんです。
どういうつもりですか?
ただ、場合によってはそういう逆説みたいなことが起こるということを申し上げたかっただけです。
下手に話を切り出すと収拾がつかなくなるからこれは黙っておいたほうが得策だ、寝た子を覚ますな、という論法です。
いいですか、これはお客さんにとってお金が戻る話なんです。
あなたの払った自動車税は、これこれこういう理由で、今回あなたに払い戻すことが出来ます。
こういう話を嫌がるお客がどこにいますか?
お店の担当者が自動車税の仕組みをよく理解していなくて、ちゃんとした説明になっていないから、だからそのお客さんは嫌な顔をして帰ってしまったんです。
担当者自身よく勉強をして、しっかり理解したうえで、お客さんの立場に立って丁寧に説明すれば、喜んで耳を傾けてくれるに決まっているじゃありませんか。
古い商慣行を正当化する言い訳にすぎません。
引き取った車によっては、その後に廃車として処分するか、中古車として販売するか、判断がつきにくいケースがあって、そんな場合はさっき出てきた「自動車税還付委任状」にこっそり印をもらっておくと、後でどうとでもなるから助かるということです。
オークションにかけたり、業者間で取引する場合も、「自動車税還付委任状」があると仕事がはかどるとの事。
車を買い替えした時に前の車の自動車税は払い戻してもらえるのか、がテーマです。
廃車として処分される場合は払い戻してもらえます。
中古車として買い取ってもらう場合は、店によって対応が異なるけれど、自動車ユーザーあるいは消費者の「権利として」、自動車税は払い戻してもらえます!!
これがこのページの結論です。
みなさんの参考になりましたでしょうか?
またお会いしましょうね。
ありがとうございました。
廃車関連の下記記事も参考になさってください。
ご覧いただきありがとうございました。