目次
【記事丸わかり】
⇒⇒【クロスカブ50】半年乗って感じたインプレッション。細かいところも・・・・ |
クロスカブ50が危ないのではなく、「原付1種」が危ないという話。時代は原付2種へ。
ホンダ・クロスカブ50:HONDA
ようこそ、本日は多様な角度から「クロスカブ50」と「原付1種」について詳しく解説していきます。クロスカブ50の魅力やソロキャンプでの使用例、維持費についての具体的な情報はもちろん、原付1種としての制限やその問題点について考察します。
時代の変遷とともに、原付1種がもつ危険性や不便さが指摘されるようになってきました。交通ルールにおいては、「30km制限」や「2段階右折」や「複数車線」など、原付1種にとっては厳しい環境が広がっています。
そんな中で、クロスカブ50はどのようにして多くの人々から支持を受けているのでしょうか。この記事を通して、その答えを一緒に探っていきましょう。
どんなバイク?
ホンダ・クロスカブ50は、110cc版のクロスカブがモデルチェンジしてクロスカブ110に改名されたときに登場した50cc版です。2017年にモデルチェンジしたスーパーカブ50(AA09)をベースに、レッグシールドの廃止、ヘッドライトガード、スリット入りのマフラーカバーやブロックタイプ風のタイヤを採用しています。
空冷・4ストローク・単気筒エンジンを搭載、最高出力は3.7馬力、最大トルクは0.39kgm。WMTCモード69.4Kmの燃費でタンク容量4.3Lなので、計算上は約300kmの航続距離となります。
クロスカブ50は、街中だけでなく、アウトドアシーンなどで活躍することを想定したモデルとなっています。クラッチ操作が不要で、足のペダルを踏むだけで変速できるため、初心者でも扱いやすい車種となっています。維持費も安く、原付免許または普通免許で乗ることができます。
クロスカブ50をはじめとする「原付1種」は、2025年10月31日をもって生産終了となります。生産終了後も販売、修理、点検は行われます。なお、厳密に言うと、2025年以降も生産は可能ですが、その際、平成32年規制に合格することが条件となり、恐らくこれは困難であるため、ほぼすべての「原付1種」は2025年で生産終了すると見られます。 |
クロスカブ50の話でなく「原付1種」の話
ホンダのクロスカブ50は、排気量49ccのバイクです。つまり、「原付1種」です。
- 原付一種:排気量50cc以下
- 原付二種:排気量50cc超~125cc以下
ネットで「クロスカブ50 危ない」で検索すると、ホンダのクロスカブ50が他の50ccバイクに比べて危ないという話は一切出てきません。
検索結果に出てくるのは、「原付1種」一般の話です。
つまり、原付1種に課せられた制限速度や2段階右折などにより、公道を走行中に様々な危ない目にあう、といった話になるのです。
そこで、以下は、ホンダ・クロスカブ50の話ではなく、50cc以下のバイクである「原付1種」全般の話になります。
「制限速度30km」は、本人にも周囲にも危ない規則
私はホンダのキャノピー(50cc)で保険の営業を数年間行っていました。そうした私の経験と、ネットで調べた多くの人の意見はほとんどすべて一致しています。
以下、原付2種と対比させることで、話を進めていきたいと思います。
原付一種と原付二種は交通法規が異なります。
原付一種 | 原付二種 | |
制限速度 | 30km | 60km |
30kmという速度制限は、実際の公道上においては、様々な軋轢を生んでいます。
車とのすれ違い(追い抜き)の際の危険性
原付1種は、制限速度が30kmであるため、車と比べて車線変更や追い越しが困難です。しかし、車に追い越されるのは日常茶飯事です。
原付1種がクルマに追い越される際には、接触・衝突の危険性が高まります。
原付1種のドライバーは、絶えず後方から自分を追い越していく車の存在におびえながら運転することになり、極めて危険です。いっぽう、車のドライバーからすると、原付1種は「目ざわり」な存在です。
※私は、キャノピーを運転しているときは車のドライバーに怒っていましたが、車を運転しているときは原付のことを「邪魔だ」と感じていました笑。
交通の流れの妨げになる
原付1種は、時速30km走行なので、車道を走行する車の流れを妨げてしまうことがあります。交通量の多い道路や渋滞時には、原付1種が車の流れを阻んでしまうことで、交通渋滞の原因になるという問題があります。
30kmの制限を廃止するか、「原付1種」そのものを廃止すべき
原付1種を30km制限にするのは、他の交通のことを考慮に入れない場合には、合理性があります。つまり、造りがそれほど丈夫でない原付1種は、万が一事故に遭った場合、低い速度で走行しているほうが軽微なケガで済む確率が高まります。
けれども、実際には他の交通に混じって走行します。そうなると、制限速度30kmという制約は、他の交通との接触による事故の確率が高まり、結果として、何ら自らを守るための速度制限にならない可能性があります。
そうしたことから、原付1種の制限速度を原付2種同様に60kmに引き上げ、車体の剛性を引き上げる措置を取ることが望ましいと思います。
あるいは、そもそも50㏄で環境基準を満たすエンジンを製造することが困難であるなら、原付1種そのものを廃止し、新たな区分に移行させるという方法もあります。
大自然の中を1台だけでマイペースで走れる環境にあるならともかく、混合交通の中で走るのが原付1種の宿命である以上、30kmの速度制限は、もうとっくに時代に合っていないルールだと思います。
「2段階右折」「複数車線」の存在も原付1種不要論を後押しする
原付一種と原付二種の交通法規の違いには、あと2つ大きな違いが存在します。
それが、2段階右折の要・不要と、複数車線での対応です。
原付一種 | 原付二種 | |
2段階右折 | 義務 | 不要 |
複数車線 | 一番左の車線を走行 | いずれの車線もOK |
※2段階右折はすべての交差点に適用されるものではなく、標識がある交差点または片側3車線以上ある交差点に適用されます。
※上記以外に、踏切等による渋滞回避のために設けられた地下トンネルや陸橋、いわゆるアンダーパスやオーバーパスの通行に関して、原付二種はOKだが原付一種はダメのところもあります。
原付1種に課せられたこうした様々な制約は、本来は原付1種を守るための施策であったはずですが、現状の交通環境においては、自他に軋轢を生む要因になっていると思います。※最近は電動キックボードなども出現して、さらに複雑になっていますが。
従って、ここでもまた、原付1種そのものを廃止して新たな区分に展開することが求められると思います。
クロスカブ50の魅力
さて、原付1種の話を展開したことで、本来の主役であるクロスカブ50はそっちのけでした。ここからはクロスカブ50の魅力を語りたいと思います。
原付1種を廃止すべきと主張した挙句に、原付1種そのものであるクロスカブ50の魅力を語るのも白々しいのですが、現状、まだ原付1種は厳然として存在します。
やはり語るべきでしょう。
レビューサイトは軒並み高評価
ホンダ・クロスカブ50のレビューサイトの評価点は高いです。
- ウェビック:4.34点(5点満点・評価人数49人)
ご存じのように、バイクの総合サイトであるウェビックは辛口の評価で知られています。そこが4.34点なので、かなりいい数値です。
以下、ウェビック、価格コム、みんカラなどに寄せられた様々な口コミレビューをご紹介します。
ポジティブな口コミ
- 燃費が非常に良い(66km/l)。
- 通勤や近所の買い物に便利。駐車場代とガス代を大幅に節約。
- デザインや色がオシャレ。
- アフターパーツが豊富。
- 積載性が良い。
- 操作が簡単で、MT車に慣れている人には特に使いやすい。
- バイクが一生懸命な感じがかわいい。
- 自分でカスタマイズ可能。
- マットなグレーのオリジナル塗装がかっこいい。
- のんびりと走るのが気持ちいい。
- ソロキャンプにも適している。
ネガティブな口コミ
- タンク容量が小さい。
- 発進が遅い。
- ギア比が不適切(1速がロー過ぎる)。
- 価格が高い(50ccで30万円、中古でも27万円)。※新車308,000円(2023年9月時点)
- 原付1種の規制が面倒。
- 坂道でスピードが大幅にダウンする。
- 純正のライトが暗い。
以上のように、ポジティブな点とネガティブな点がありますが、全体的には多くの利点があるようです。
また、使用環境によっては、現状の原付1種の規則の中でも便利に経済的に使える人もいるはずです。幹線道路に出ない、生活道路のみで乗る、よく馴染んだ近場の道でしか乗らない…..等々の利用の仕方をすれば、原付1種であるクロスカブ50は断然輝く存在となるはずです。
また、ソロキャンプに出掛ける場合、キャンプ場周辺はのんびり運転できるでしょうが、自宅とキャンプ場との往来時には、追い越しをかける車に絶えずおびえながら運転することになるでしょう。それでもクロスカブ50でソロキャンプに出掛けたい人は、リスクを十分自覚した上で、できるだけ交通量の少ない時間帯を選んでください。
クロスカブ50でのソロキャンプ:地味ながら魅惑のアウトドア体験
クロスカブ50はコンパクトなサイズと優れた燃費で、日常の移動手段としてだけでなく、ソロキャンプにも最適なバイクです。しかし、どのような装備や準備が必要なのでしょうか?
この記事では、実際にクロスカブ50でソロキャンプに出かけた人の経験をもとに、必要な装備と準備方法を紹介します。
必要な装備
- キャンプギア
- テント
- シュラフ(寝袋)
- キャンプストーブ
- クッキングセット(鍋、フライパンなど)
- バイク用バッグ・キャリア
- サイドバッグ
- リアキャリア
- ナビゲーションと緊急用具
- スマートフォンまたはGPS
- 緊急用の食料と水
- 救急キット
装備の搭載方法
- サイドバッグには、テントやシュラフなどの大きなアイテムを収納。
- リアキャリアには、キャンプストーブやクッキングセットを固定。
- タンクバッグやフロントポケットには、スマートフォンや緊急用具を収納。
実際のソロキャンプレポート
先月、クロスカブ50で山中湖にソロキャンプに出かけたAさんのレポート。
装備は上記の通りで、特に問題なく全てのギアを搭載できました。山中湖でのキャンプは非常に快適で、クロスカブ50のコンパクトさが活きた瞬間も多々ありました。
例えば、狭い林道でもすいすいと進むことができ、人気のない絶景スポットにも容易に辿り着くことができました。
自宅との行き帰りにはちょっと気を使いましたが、それ以外は本当に素晴らしいソロキャンプ体験ができました!
クロスカブ50でのソロキャンプは、適切な装備と準備があればとても快適です。コンパクトながらも多くのギアを搭載できるので、一人旅に出る際にはぜひともおすすめの方法です。
※クロスカブ50の1速は低めのギア比で、普段は遅く感じるでしょうが、荷物をたくさん積んだ時にありがたみがわかります。
クロスカブ50の燃費と維持費
上記Aさんの場合の事例です。
クロスカブ50は優れた燃費で知られていますが、バイクの維持費にはガソリン以外にも多くの要素があります。保険、税金、メンテナンスなどの維持費全体について詳しく見ていきます。
燃費
- 平均実燃費:60km/L
- 年間走行距離:6,000km
- 年間ガソリン費:(6,000km ÷ 60km/L)× 180円/L = 18,000円
保険
- 任意保険:年間20,000円
- 自賠責保険:年間3400円※3年契約の1年分
- 合計:23,400円
税金
- 重量税:非課税
- 自動車税:年間2,000円
- 合計:2,000円
メンテナンス
- オイル交換:年間2回 × 3,000円 = 6,000円
- タイヤ交換:2年に1回 8,000円(年換算:4,000円)
- その他(ブレーキパッド、バッテリー等):年間5,000円
- 合計:15,000円
年間維持費の合計
- 燃費:18,000円
- 保険:23,400円
- 税金:2,000円
- メンテナンス:15,000円
- 年間合計:58,400円
クロスカブ50の年間維持費は約58,400円となります。月にすると約4,900円です。燃費が良いため、ガソリン費は抑えられますが、保険やメンテナンス費も考慮する必要があります。それでも、この維持費は他のバイクや車に比べてリーズナブルであると言えるでしょう。
※と言いながら、なんですが、実は原付2種もあまり維持費は変わりません。上記の数字よりちょっと高いだけです。原付2種最強論が出るのもよくわかります。現状は現状として受け入れ、その中で楽しみつつも、やはり原付2種に移行していくべきでしょう。様々な観点から。
クロスカブ50のカスタマイズ事例
クロスカブ50は自分でカスタマイズ可能な点が大きな魅力です。やはりAさんの事例を参考に、具体的なカスタマイズと効果について詳しく見ていきます。
LEDヘッドライトの取り付け
- 費用:10,000円
- 効果:
- 夜間の視認性が大幅に向上。
- 電力消費が低いため、バッテリーの寿命が延びる。
事例2:サイドバッグの追加
- 費用:15,000円
- 効果:
- キャンプギアや買い物など、多くの荷物を搭載可能。
- サイドバッグが取り外し可能なものであれば、用途に応じて容易に装備を変更できる。
事例3:カスタムシートの導入
- 費用:20,000円
- 効果:
- 長距離走行でも疲れにくい。
- 個性的なデザインで、バイクの見た目も一新。
事例4:エンジンガードの取り付け
- 費用:23,000円
- 効果:
- 転倒時のエンジン保護。
- オフロード走行時の安全性向上。
事例5:スマートフォンホルダーの設置
- 費用:5,000円
- 効果:
- ナビゲーションが容易に。
- スマートフォンの充電も可能。
クロスカブ50は比較的低予算で多くのカスタマイズが可能です。上記の事例を参考に、自分のニーズに合わせてカスタマイズを楽しんでください。
参考:クロスカブ50の純正アクセサリー、カスタマイズパーツ等
クロスカブ50の純正アクセサリー、カスタマイズパーツ、グッズの一覧表です。参考になさってください。
※価格は2023年9月時点
純正アクセサリー・カスタマイズパーツ
アイテム名 | 価格(税込) |
---|---|
ビジネスボックス 簡易ロックタイプ | ¥13,640 |
ビジネスボックス ワンタッチロックタイプ | ¥14,300 |
ビジネスボックス取付アタッチメント | ¥2,090 |
ラゲージボックス | ¥16,500 |
ラゲージボックス取付アタッチメント | ¥1,320 |
一七式特殊荷箱(中) | ¥28,600 |
一七式特殊荷箱(中)特別仕様 | ¥30,800 |
センターキャリアキット | ¥11,880 |
アルミセンターキャリアキット | ¥17,600 |
エンジンガードキット | ¥22,880 |
グリップヒーター(左右セット) | ¥18,150 |
アラーム | ¥8,030 |
アラーム取付アタッチメント | ¥2,420 |
インジケーターランプ | ¥1,320 |
ハンドルガード | ¥8,140 |
キーボックスカバー | ¥1,100 |
ネックカバー | ¥5,500 |
マルチパーパスバー | ¥4,400 |
おすすめウェア・グッズ
アイテム名 | 価格(税込) |
---|---|
KUMAMON×CROSS CUB ヘルメット | ¥17,600 |
くまモン×クロスカブマグカップ | ¥1,430 |
くまモンxクロスカブ エンブレムキーホルダー | ¥1,320 |
くまモン×クロスカブPVCキーホルダー | ¥880 |
原付1種の制限と改善の方向性:時代に合ったルールへの更新が必要
「クロスカブ50が危ないのではなく、「原付1種」が危ないという話。時代は原付2種へ。」のテーマで解説してきました。
話しがあちこちに飛びましたが、要するに、原付1種をどうこうするのではなく、これを廃止し、原付2種に統合していくのがあるべき方向性だと私は考えます。
とは言え、当面現状のルールが続く以上は、ホンダ・クロスカブ50のような素晴らしいバイクを存分に活用して楽しむべきだと思います。
まとめ
本記事で解説したように、クロスカブ50はレビューサイトの高評価からもわかるように、多くの人々から愛されています。しかし、それと同時に原付1種というカテゴリー自体には多くの問題点が指摘されています。
特に、制限速度30kmといった規則は、交通の流れを妨げるだけでなく、事故のリスクも高めています。これらの点を考慮すると、原付1種の制限やルールについては時代に合わせて見直しが必要であると言えるでしょう。
私の脳には、車に追い越される際の恐怖心が今でも鮮明に残っています。バイクのドライバーにこんな思いをさせること、これを放置することは、完全なる<社会悪>だと思います。
いっぽう、ソロキャンプにおいて、クロスカブ50がどのように活躍するかについて具体的な情報を提供しました。
本記事が、クロスカブ50と原付1種、それぞれが持つ魅力と課題について深く考え、より安全で快適な二輪ライフを送るための一助となれば幸いです。ご覧いただきありがとうございました。